2011年3月19日20時23分
――大塚厚労副大臣によると、3、4品目あるということだが。
現時点で具体的に基準値を超えたということでご報告を受けているのは、牛乳とホウレンソウ。その他の品目についても検査、モニタリングはしていただいているし、そうした情報は厚労省に入っているものと思うが、基準値を超えたものとして、ロットの廃棄などの措置などを厚労省から自治体に指示したものなどはその二つだという報告。もちろん、他の品目についてもしっかりとモニタリングを行わなければならないということは一緒だと思う。
――牛乳とホウレンソウは、福島原発からどのくらい離れた地点か。
具体的な詳細については厚労省からきちっとした報告をさせていただきたいと思っているが、ホウレンソウについては茨城県。牛乳については30キロ強離れている地域だと聞いている。
――茨城はキロ数で言うと。
正確でないと変な間違った数字を申し上げてはいけないと思うので、厚労省にはできるだけ早く、具体的なデータについてご説明をする場を設けるようにと指示しているので、そちらで正確な数字と場所について公表できると思っている。
――農家は種まきなどをしないといけない時期。早急に対応を示さないと農業経営が成り立たなくなる。
今日の会見の最初で申し上げたように原子力発電所の状況は一歩一歩事態の収拾に向けて動き始めていると思っているが、いまなお予断を許さない状況。まずこの原子力発電所の事故をどうやって収拾に向かわせるのか、そのことがあらゆることの前提になっている。どの程度の期間、どの程度の量の放射性物質が外に出るのか。そのことによってすべて変わってくるので、そのことが大前提。これについて現時点では悪化はいまのところ防げていると見ているが、まさに予断を許さずにしっかりと収束の方向に向かわせる大きな一つのポイントを迎えていると思っている。
さらに、この影響としてどの程度、例えば農産品などに影響が及んでいるのか、あるいは、今後及んでいる可能性があるのかということも、これまた無責任な立場からいろんな評価はできるが、しっかりとモニタリングに基づいて責任ある判断をしていかなければならないと思っているので、農家の関係者の皆さんには大変ご迷惑をおかけするが、現時点でどうなりそうだ、どういう時期にどういう見通しを出せるということを軽々に申し上げるべきではない。申し上げないことの方がむしろ誠実な対応ではないかと私は思っている。
【原発事故への対応】
――放水について計画的にできるようになったということだが、具体的には。電源の回復のめどは。
プールへの給水の作業だが、計画的にできるようになったというところまで申し上げなかったと思う。そうした段階に向かいつつあるということ。実際に、いろいろな消防庁、警察、自衛隊、米軍の車も使わせていただいた。様々な機器を使って注水を努力してきたが、より安定的に注水ができることの機材などについても手配の作業が進んでいる。
こうしたことがもしうまくいけば、かなり安定的に注水ができるようになる。そうしたことの可能性、見通しが立ってきたという状況で、できるだけ早い段階に安定的に計画的に注水ができるという状況をつくりたい。そこに向けた具体的な作業が進んでいるという状況。
それから、外部電力をしっかりと引いてくるということについては、かなりのところまで電力がきているという報告を受けているが、まさに個々の機材にどうつなぎ、それが実際に直ちに動くのかどうかはかなり慎重に一個一個のブツについてやっていかなければならないという状況。しかも、全体としては放射性濃度の高い地域のなかで、なおかつ現に電力がほとんど使用できない暗い所で、東京電力の作業員の皆さん努力をしていただいている状況なので、軽々にいつごろまでにということを申し上げるべきではない。ただ、相当な努力のなかで間違いなく一歩ずつ電力の復旧に向かっているととどめておきたいと思っている。
――電源が回復したら、すぐにプールの温度の冷却につながるか。
これはまさに、電力が復旧すること、そのうえで様々な、これはただ一つの系統だけではなくて、様々な手法で冷却を安定化させる手法があるとは聞いている。しかし、そのどれが電力の供給で使えるのか、使えないのか、それは一歩一歩丁寧に安全確保しながら進めていくということでありますので、電力がつながることは大きな前進であるが、そのことでただちに全体状況が改善するとは思ってない。大きな一歩ではあるが、しかし一歩ずつ改善をしていくということのなかの一歩だと思っている。