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東日本大震災:福島第1原発事故 9都県の雨など、放射性物質検出

 文部科学省は20日、山形、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟の8都県の1平方メートル当たりの定時降下物(雨やちりなど)から2・5~540ベクレルの放射性ヨウ素が、岩手、山形、栃木、群馬、千葉の5県の降下物からは0・24~63ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。20日午前9時までの24時間で採取した降下物を分析した数値で、計9都県で検出したが、雨にぬれても健康に影響はないという。

 19日午前9時までの24時間で採取した降下物では栃木県で放射性ヨウ素1300ベクレル、群馬県で放射性セシウム84ベクレルだったが、いずれも数値が下がった。宮城、福島県は震災被害などで計測不能、茨城、奈良県はデータ未回収、ほかの道府県は検出されなかった。

 19日に採取した水道水の調査では、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟の7都県で1キログラム当たりの放射性ヨウ素が0・43~16ベクレル、栃木県、東京都で放射性セシウムが2・6、0・21ベクレルだった。栃木県の放射性ヨウ素は18日採取の77ベクレルから16ベクレルに減少した。

 また、文科省が都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局)は20日午後5時時点で、茨城(0・174マイクロシーベルト)、栃木(0・153マイクロシーベルト)、群馬(0・072マイクロシーベルト)の3県で大気中の1時間当たりの放射線量が通常値をやや上回った。宮城、福島県は測定していない。

 一方、福島第1原発から30~60キロ離れた福島県内の39カ所の屋外で、20日朝~夕に計測車で調査したところ、1時間当たりの大気中の放射線量は0・3~110マイクロシーベルトだった。北西に約30キロで19日午後に136マイクロシーベルトだった浪江町は110マイクロシーベルトに下がった。【篠原成行】

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 ◆定時降下物(雨など)の環境放射線量水準調査結果◆

都道府県名 放射性ヨウ素     放射性セシウム

      19日  20日   19日 20日

岩手     -    -     -    0.24

山形     -    22    -   20

栃木   1300  540    62  45

群馬    230  190    84  63

埼玉     64   66    -   -

千葉     21   44    -    3.8

東京     51   40    -   -

神奈川    40   38    -   -

新潟     -     2.5  -   -

山梨    175   -     -   -

 ※文部科学省発表。19日、20日はそれぞれ午前9時までの24時間に採取。単位はベクレル毎平方メートル。宮城、福島、茨城、奈良県は計測不能などでデータなし

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊

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