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最終更新:2011年3月26日(土) 0時39分

みずほシステム障害、不正引き出し相次ぐ

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 大規模なシステム障害が続くみずほ銀行で、新たな問題が明らかになりました。19日からの3連休に、窓口で預金の引き出しに応じた際、一部の利用者が預金残高を超えて不正に現金を引き出していたことが分かりました。その額は、合わせて2億円にのぼる可能性があるということです。

 給与振り込みの集中日。みずほ銀行には、朝から多くの利用客が入金の確認に訪れました。

 「給与の入金が記帳されないから、まだ入ってないみたい」(利用客)

 みずほ銀行は25日夕方、「振り込み漏れはないと認識している」と発表しましたが、インターネット取引などの一部には依然、不具合が残っているといいます。

 「席を立っていただいたほうが・・・」(みずほ銀行広報、17日)

 今月17日、広報担当者に席を立って謝罪するよう促されたみずほ銀行の西堀頭取。

 「多くの皆様にご不便とご迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げます」(みずほ銀行 西堀利頭取、17日)

 14日に大規模障害が発生してから、3日遅れの謝罪会見。18日までに処理が追いつかなかった取引は89万件に上り、みずほ銀行は19日から21日までの3連休の間、全てのATMの停止を決めました。

 「(窓口では)休日営業を実施し、特例支払い対応をさせていただく」(みずほ銀行 西堀利頭取、17日)

 代わりに、みずほ銀行は全国の店舗を臨時に開き、キャッシュカードや本人確認書類を持参すれば、1件10万円まで預金の引き出しに応じました。3日間の引き出し総額は、109億円。ところが、ここで新たな問題が発生しました。

 みずほ銀行では、システム障害によって預金残高を確認できないまま、利用者が申告した通りの金額の引き出しに応じました。これを知った一部の利用者が残高が不足しているにもかかわらず、不正に現金を引き出していたのです。

 なかには、1人で複数の店舗を回って合わせて50万円を引き出したケースもありました。この不正な引き出しは全国440全ての店舗で発生し、少なくとも2600件、総額は2億円にのぼる可能性があるといいます。

 「残高が残っていないことを知りながら10万円下ろした場合、詐欺罪にあたる」(紀藤正樹弁護士)

 「そういう人物がいらっしゃったというのは確か。(Q.返金を求めていく?)我々の義務として当然求めることになる」(みずほ銀行 西堀利頭取、25日)

 大量の義援金の処理を誤ったことから始まった、みずほ銀行の大規模トラブル。完全復旧への見通しが立たないまま、一部の利用者の不正という新たな問題に発展しました。(25日22:26)

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