[政治]ニュース
【東日本大震災】政府と野党の「壁」 政治主導にこだわるあまり提言受け入れず
2011.3.25 20:05
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東京電力福島第1原子力発電所の放射能(放射性物質)漏れで市域の一部に屋内退避指示が出ている福島県いわき市。同市出身の自民党、森雅子参院議員も地元の物資不足を踏まえ、経済産業省にガソリンを運ぶタンクローリーがいつ届くのか何度も問い合わせたが、「出したつもりだ」など要領を得なかった。
震災対応をめぐる与野党のトラブルは、25日の各党・政府震災対策会議の実務者会合でも火を噴いた。
「野党側が提案したのに、なぜガイドラインには民主党議員の名前しかないのか。それなら、こんな会議はただのガス抜きだ!」
自民党の谷公一衆院議員は、政府が25日に被災県に出した「がれき撤去に関する指針」に、民主党議員の名前しか記されていないことをやり玉にあげた。
第1原発の冷却作業をめぐり、約50メートルのアームから放水し、無人操作で作業員の被(ひ)曝(ばく)の危険性が軽減できる特殊車両の提供を三重県の建設会社が申し出たにもかかわらず、見送られていることも分かった。目標に正確に放水でき、冷却に大きな効果が期待されるが、関係者は「危険を顧みずに申し出たのに政府、東電の対応が後手になっている」と不満を募らせている。
政府に野党などの提言が届かないことについて、ある政務三役は「災害の規模が大きく、政府が指揮する範囲が広すぎて細部に目が届かない」と釈明する。だが、別の民主党幹部は「政治主導をうたい、全ての対応を政府で行おうとしているのが諸悪の根源だ」と、アドバイスを受け入れる体制に不備があることを認めた。
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