文部科学省は19日、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟の6都県の1キログラム当たりの上水(蛇口)に含まれる放射性ヨウ素が0.27~77ベクレル、栃木、群馬県の放射性セシウムが0.22~1.6ベクレルだったと発表した。原子力安全委員会の基準によると、飲料水の放射性ヨウ素の摂取制限は1キログラム当たり300ベクレル、放射性セシウムは200ベクレルで、いずれの数値も健康に影響を及ぼすレベルではない。
宮城、茨城県は地震災害や断水で調査できず、奈良県はデータ未回収、福島は県が独自に公表。他の道府県は検出されなかった。
調査によると、上水に含まれる放射性物質は▽栃木県(放射性ヨウ素77ベクレル、放射性セシウム1.6ベクレル)▽群馬県(同2.5ベクレル、同0.22ベクレル)▽埼玉県(放射性ヨウ素0.62ベクレル)▽千葉県(同0.79ベクレル)▽東京都(同1.5ベクレル)▽新潟県(同0.27ベクレル)。文科省によると、77ベクレルの水を1年間飲み続けても、胃のレントゲンを3回受けたのと同じ放射性物質を摂取するレベルという。
また、文科省が都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局、MP)は19日午後5時時点で、茨城(0.170マイクロシーベルト)、栃木(0.148マイクロシーベルト)、群馬(0.076マイクロシーベルト)の3県で大気中の1時間当たりの放射線量が通常値をやや上回った。1年間の線量限度は1000マイクロシーベルトとされ、3県の線量は健康には全く影響がないレベルという。
3県は通常値を0.031~0.114マイクロシーベルト上回った。震災発生後の最高値は▽茨城県1.504マイクロシーベルト=15日午前9時時点▽栃木県1.318マイクロシーベルト=同▽群馬県0.562マイクロシーベルト=15日午後2時時点--で、いずれも線量は下がり続けている。宮城県はMP施設に倒壊の恐れがあり、福島県は計測者の健康に配慮して測定していない。
【篠原成行】
毎日新聞 2011年3月19日 21時22分