東京電力は22日、東日本大震災で被害を受けた福島第1原発近くの海水から、原子炉等規制法が定める水中濃度限度を超える放射性物質を検出したと発表した。海洋への放射性物質の拡散を調べるため、22日中に同原発と福島第2原発の沿岸で、南北十数キロの範囲で4カ所の海水を採取して調査する。
放射性物質が検出された海水は、同原発の放水口から南側約100メートルの地点で、21日午後2時半に採取した。検出されたのは、基準の126.7倍にあたる放射性ヨウ素131、同24.8倍の放射性セシウム134、同16.5倍の放射性セシウム137。
分析結果を受けて、東電は原子力安全・保安院や福島県などに報告した。
海水への流入経路としては、空気中に浮遊していた放射性物質が雨で海に流れ込んだり、放水作業で地中に染み込んだ放射性物質が海に流れ出た可能性が考えられるという。
東電は「海水を直接飲むことはないため、現時点では人の健康に影響はない」としている。周辺海域や漁業などへの影響は今後、評価する。【藤野基文】
毎日新聞 2011年3月22日 13時28分(最終更新 3月22日 13時52分)