経済・IT【ドラマ・企業攻防】大林組、中国撤退“英断” 規制でこりごり、対中戦略に一石+(2/3ページ)(2011.3.6 18:00

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【ドラマ・企業攻防】
大林組、中国撤退“英断” 規制でこりごり、対中戦略に一石

2011.3.6 18:00 (2/3ページ)
大林組が手掛けた上海万博の日本産業館

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大林組が手掛けた上海万博の日本産業館

他社も続々追随?

 さらに20年のリーマン・ショック後、中国政府は総額4兆元(約57兆円)に上る景気対策を発動したのに合わせ、「自国の建設業者に優先的に仕事を回すため、外資の締め出し傾向を一段と強めている」(業界関係者)という。

 その結果、中国人が9割を占める現地法人のスタッフ150人の人件費すらまかなえず、実質的に赤字が続き、ついに店じまいを決断した。

 大林組以外の日系ゼネコンも状況は似たり寄ったりだ。大成建設や鹿島は、40階以下の大型ビルまで建設できる「1級」の資格を取得したが、中国に進出する日系企業からの受注が主体で、受注額は年100億円程度にとどまる。

 海外建設協会によると、日本のゼネコンの中国での受注額は21年度実績で493億円しかなく、海外受注全体に占める割合は7%に過ぎない。

 「大林組に続き、撤退の動きが出てもおかしくない」(業界関係者)

 業界では、追随を予測する声が絶えない。

問われるリスク管理

 「北米やオセアニア、東南アジアに軸足を置く。縮小均衡の国内の仕事だけでは将来的に社員の雇用を維持できない」

 大林組の白石社長は、中国撤退後も海外事業を強化していく構えだ。

 建設経済研究所の予測によると、22年度の国内建設投資は公共投資の激減などで、ピークの4年度の半分以下の40兆円を割り込む見込みだ。生産拠点の海外シフトによる国内投資の低迷や少子高齢化による住宅需要の減退で、民需も先細りが必至。

 「典型的な内需型企業だったゼネコンの成長にも、海外事業の拡大が欠かせない」(証券アナリスト)

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大林組が手掛けた上海万博の日本産業館
大林組が手掛けた上海万博の日本産業館
中国から撤退する大林組の本社=東京都港区
中国から撤退する大林組の本社=東京都港区
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