人体の不思議展への疑問のまとめ
人体の不思議展についてネット上で調べてみたら・・でるわでるわ、スキャンダルの宝庫。 もちろん、真偽の程を云々できる能力も材料も私にはないが、ひとつの展示会に対してこれだけ様々な人が「疑惑」を語っているのを私は見たことがない。 なお、私は英語はからきし苦手なので英語サイトに関する言及に、見当違いなコメントを付していることがあるかもしれない。気づいた方はご指摘頂きたい。 1.基礎知識:プラスティネーションについて標本作成を可能としたプラスティネーションという技術は、死体の水分と脂肪分を特殊な樹脂と置き換えることによって、腐らず臭わない標本を造る技術である。ドイツ・ハイデルベルク大学のグンター・フォン・ハーゲンスにより、1978年に生み出された。(ウィキペディア「プラスティネーション」より)2.ハーゲンスの「元祖・不思議展」”BODY WORLDS”がかもした物議ハーゲンスはBODY WORLDSという展示会を世界各国で開催している。写真を見る限り、日本のものなんか比べ物にならないくらいぶっとんだポーズの標本ばっかし。 秋葉原のフィギアの店のショーケースの中のようだ。秋葉原に筋肉標本のフィギアはないだろうけど。 これなんてスケボーで逆立ちだぜ ↑ 音声が鳴るのでクリック前に注意 展示会の動画はここで観られる。 ほかバスケットボールをするポーズをとらせたり、妊婦の解剖献体を展示するなど、展示の過激さは、なにかと物議を巻き起こしているそうである(ウィキペディア「グンター・フォン・ハーゲンス」) 要は遺体でいろんな「オブジェ」を作りすぎていることで「死者の尊厳を傷つけている」「作者は単なる死体マニアのマッドサイエンティストなのではないか?」そんな批判が囁かれても当然かもしれない。 でも、主催者はこんなことを言っているそうだ。 さらに、フォン・ハーゲンス博士はフィギュアスケート選手のペアといった新しい死体のポーズを考えたいとしている。また馬の標本に乗る男性の標本という人気の展示に加えて、別の動物ひょっとすると象の標本化も考えている。プラスティネーション処理を施したゴリラは、すでに中国から米国に移送中だという。中国には、フォン・ハーゲンス博士の経営する、社員200人を抱えるプラスティネーション会社がある。「私には果たすべき歴史的使命がある」とフォン・ハーゲンス博士は抱負を語っている。(HOTWIRED JAPAN 「米国初の『人体の不思議』展:批判や噂も(下)」より) 3.誰もが気になる、「あの遺体の正体」の謎!公式的には「本人の意思による献体」という立場のようだ。FAQ集の一番先頭の質問はHow Can I Donate My Body for Plastination?
「私の体をプラスティネーションに提供するにはどうしたらいいですか?」
しかし「妊娠8ヶ月の女性」の標本の主、本当に献体に応じたのか?い〜んですか、質問者のあなた?。 いくら死後とはいえ、三枚におろされたり、マトリョーシカにされたり、触れる標本とかになっても。 腹に子がいたら一日でも長く生きることしか考えないんじゃないかなあ。 ハーゲンス氏の遺体入手ルート疑惑にはいろいろ囁かれている。 ・ロシアから遺体を持ってきたのではないか?との疑惑。 → news.scotsman.comよりNo stolen Russian bodies in exhibit, doctor says(すみません。タイトルしか読めませんでした) ・中国の処刑者の遺体であるとの疑惑。そしてその中には、中国政府と対立する気功学習者団体「法輪功」のメンバーの処刑者が大量にまざっているのではないかとの疑惑。 →法輪功の機関紙と呼ばれる「大紀元」より「実物を使った人体標本、法輪功学習者の可能性も」 同じく「中国の臓器売買と人体標本の疑惑を語る一体の人体標本」 4.日本の展示会の遺体は中国産とのことこれはどこにも公式的な説明がないが主催者が語っているとのこと。→読売新聞社が怪しい死体展覧会を主催 反発しているのは中国の一部の反日グループだけ、と片付けてよいか?もし中国で日本人の標本がさらされていたら・・。なんとなく苛立ちが分からないでもない。 (もっとも、死体の加工工場だの、その売買などがおおっぴらに行なわれているなどという疑惑を立てられて、それに多くの人が納得してしまうのも、現代中国のお国柄ならでは。あの国ならやりかねない、という気持ちは誰でも持っているであろう) 5.日本の主催団体に関する疑問どうやら、当初とは主催者が違うらしいのだ。くわしくは下を読んでほしい。そろそろ疲れてきた・・。→既出読売新聞社が怪しい死体展覧会を主催 以上を踏まえて、 「この展示会は科学の名に値するものなのか、それとも「縁日の見世物小屋」的な存在なのか」という議論がかもし出されるわけである。まあ上記のような予備知識を踏まえるまでもなく、あの遺体たちを見れば、だれでもいろいろな複雑なきもち・・・見たい気持ち、見るのが憚られる気持ち・・が(割合が何対何かの違いはあれ)生じてくるのではないか? 2ちゃんねらーをもビビらせた幼児死体マニア小学教師「三度の飯より子供死体」氏出現の衝撃のあとでは、こんなのも色あせて見えるかもしれない・・。 <追記2006.12.18> いくつか訂正・補足させて頂く。
・3)の献体希望者のFAQに対する感想は、ツッコミとしても不適切であった。 献体するからには研究・教育目的で体を刻まれる事を理解しているはず。問題は、その姿を不特定多数の前に 展示して晒すことが、当人の生前の意志に沿うことかどうかにある。 ・同じく3)で、法輪功について「反体制団体」と書いたが、自分に知識がないのに一方的な表現を 使ってしまったので、上記の通り改めた。 ・ハーゲンス版BODY WORLDSと日本版との関連は、いまだに私には不明である。 また、養老孟司氏は途中からこの展示と袂を分かったとする記事があるが、本展のHPに
同氏の解説が載っているのはどういうことかもわからない。
転載元: 「ノウブリ」と囁け! |
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南京死体事件と日本の『人体の不思議展』(2)
前回エントリーの続きです。 プラスティネーション発明者のハーゲンス氏が日本で開催していた『人体の不思議展』(1995-99) に取って替...
2009/11/10(火) 午後 5:01 [ Red Fox ]
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コメント(14)
全ての内容が事実なのかは別として、やはり問題ありというか、謳っている趣旨通りの内容と言えるのか、疑問を感じますね・・・。
2006/12/18(月) 午後 11:08
展示会は知りませんでしたが、前に本で毛細血管まで残してある人体標本を見たことがあります。それは各部位のアップまであり、変なポーズはなかったので専門書目的なのだろうとは思いますが、それも死刑囚がどうの・・なんて書いてあったような気がします。それにしてもこの展示会、すごいですね・・いろんな意味で。
2006/12/19(火) 午前 10:42
文章を読んでいても何か気持ちが悪くなってきますけど(^-^ა) こういうの好きな人もいるんでしょうね〜(大勢観にいってるみたいだし…)
2006/12/19(火) 午後 0:20
随分前にドイツでやっている時に見に行きましたが、面白おかしい見世物的な展示ではなかったけどなあ。 まさに人体ってこうなってるんだよ、というのをさまざまな角度から見せてくれていて私は感心した覚えがあります。血管(神経だtったかも)だけ隅々まで抜き出してどこの部分にどんな風に広がってるとか、今まで見たことなかったのですごいなあと。 でもリンク先にあるスケボーポーズとか、ふざけた格好のはなかったので私が見た展示をまねたおふざけバージョンなのでしょうか>今日本でやっているの。
2006/12/19(火) 午後 5:13 [ wah*has**er ]
Xファイルを見ていたら高校生かなぁ・・解剖の実験は子豚の死体でした。欧米と日本では違うんだなぁ〜と思ったものです。イタリアの骸骨寺も凄まじいものがあるし。。人間の身体の仕組みは素晴らしいと思うし、学術的にそして神聖に扱ってあげたいですね。。
2006/12/19(火) 午後 9:27
様々な救われない思いがいろいろな物議を起こさせ、なんとか気がついてほしいという訴えを起こしてるんですね。全て霊界の声とも言えますね。この展覧会という狭い範囲の事ではなく、ここを窓口として様々人体実験や見せ物などそういう事で苦しんだ霊達が吹き出しているという事なんです.でも人は、この形のいたいだけに興味の目を向け、後ろで苦しんでいる存在にはほとんどの人が気がつきませんからね^^これほどの多くの物議が出るという事自体が、霊達の凄まじい苦しみを物語っているとも言えるんです。願わせていただきます。実際このコメントを書いていても凄まじく、重くなってきます.すごい量の霊が来てくれています、ありがとうございます^^
2006/12/20(水) 午前 7:48 [ a99*3*9a ]
るんるんさん、死刑囚が提供するって事は、本人の意思って言ってもなんだか本当の遺志は別にあるかもって思いますよね。
2006/12/20(水) 午前 8:56
イズミさん、沢山見に行っておられるんですよ。今は神戸でやっててあちこちのブログ見ると、ルミナリエと同じ日に行かれてる方が多数。阪神大震災の鎮魂目的のルミナリエと、この催し。人間って・・・
2006/12/20(水) 午前 8:57
***さん、ダビンチのことは私も思い出しました。でも彼は科学的な興味で。そしてこの会場に訪れる人々は、勿論科学的、医学的な興味の方もおられますが、単なる好奇心の方も多数いると思われます。
2006/12/20(水) 午前 9:00
wahahastierさん、はじめまして。ドイツでは見世物的では無かったのですね。日本での内容は私自身は行っていないので判りません。しかしリンク先を見ると、死者を冒涜していると思う格好をさせていますよね。この技術を開発された方は、やはり志に問題がある思いますよね。残念な事ですが。
2006/12/20(水) 午前 9:06
kyasattiさん、子豚の解剖ですか。うわ〜私には無理。フナの解剖、蛙の解剖でさえ、しばらく食欲無くした私は・・・。リンク先の色んなポーズをさせた標本はもう論外ですよね。やっぱりこの催しには見世物、お金儲けが透けて見えます・・・。
2006/12/20(水) 午前 9:08
はげおじいさん、ありがとうございます。この無念な思いの霊たちを光に導いて下さったんですね。見に行かないって事だけでは、霊たちの無念に応えてあげる事は出来ませんよね。この記事をはげおじいさんに読んでいただいて良かったです。
2006/12/20(水) 午前 9:10
少し前にレンタルDVDでドイツの解剖学を主題としたオカルトホラーを見たのですが(内容を詳しく知らずに)・・・生きたまま人間を標本(剥製)にするというようなものでした。><「医学のために」と神聖な事として始まったはずが「殺す事」に快感を覚えて出来上がった標本を見て恍惚とする犯人・・・。思わずこのDVDを思い出してしまいました。
2006/12/20(水) 午前 10:45
あ〜やんさん、そんなDVDがあるんですね〜。ドイツですか。・・・・。
2006/12/21(木) 午前 0:56