下のふたつは「被曝量が100ミリシーベルトである」とするロイターとBloombergの記事。いずれも「100ミリシーベルトは原発事故が発生してから本日までの積算値である」云々と言っている。
[東京 23日 ロイター] 枝野幸男官房長官は23日午後の会見で、放射性物質による被ばくに関する試算を行うSPEEDI(スピーディ)というシステムで計算した結果、福島第1原子力発電所の事故発生から毎日1日中屋外にいたと仮定した場合の甲状腺の被ばく線量が100ミリシーベルト以上となり得るケースが、同原発から30キロメートル圏外にもあることを明らかにした。
3月23日(ブルームバーグ):枝野幸男官房長官は23日午後の記者会見で、原子力安全委員会の試算で、福島第一原子力発電所の事故発生後、仮に1日中周辺地域の屋外で過ごす人がいた場合、放射性ヨウ素による甲状腺の被ばく量は100ミリシーベルト以上になり得る地域が同原発から半径30キロ圏外 にもあることを明らかにした。
以下は産経。完全に誤報または意図的で悪質なデマ。
枝野幸男官房長官は23日午後の記者会見で、気象観測情報などを基に原子力施設から出た放射性物質がもたらす周辺への影響を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)によると、東京電力福島第1原子力発電所から30キロ圏外の一部でも1日あたり100ミリシーベルトの被曝線量になるケースが出たことを明らかにした。
なぜ「産経の報道はデマ」と推定できるか? それは産経自身が*気づかぬうちに*「この記事はデマです」と宣言しているから。数時間後に公開された下の記事。枝野官房長官の発言をテキスト起こしして「事故発生時点からの積算値である」と冷静に書いている。
シミュレーションされた結果は、福島原子力発電所事故発生後、毎日一日中、屋外で過ごすことを仮定した場合に、甲状腺の被曝線量が100ミリシーベルト以上となる地域を試算したもの。これによると、福島原発から30キロ圏外の一部においても、100ミリシーベルト以上の被曝線量となりうるケースもみられるが、現時点で直ちに避難や屋内退避をしなければならない状況だとは分析していない。
【【東日本大震災】枝野長官会見(1)シミュレーション「福島原発から30キロ圏外の一部でも100ミリシーベルト以上」(23日17時7分)+(2/2ページ) - MSN産経ニュース】
というわけで産経さんは 2011.3.23 17:36 に発表した最初の記事をこっそり削除したほうがいいと思う。あるいはURLを変更したほうがいい(←ときどきこれを密かにやっていることをオイラは知ってるよw)。
記者クラブに加入している自称「ジャーナリスト」とやらがこの程度なんですから、TwitterとかTumblrでデマを拡散している情報*強*者たちはもちろん、それに騙されているオイラなんて可愛いもんですよね。
下はテレビ朝日。テレビでどう言っていたかは知らないけどWebに残された記事には「100ミリシーベルトは事故が発生した日からの合計である」とはどこにも書いていない。産経ほどひどくはないと思うけど、やっぱりひどい内容だよなあ。
枝野官房長官は、政府が持つスピーディ=緊急時迅速放射能影響予測によるシュミレーション結果を発表し、福島第一原発から30キロ圏外の一部地域で一日屋外で活動した場合、100ミリシーベルト以上の放射線量となることを明らかにしました。
もうひとつおまけ。平成23年3月15日の産経新聞号外。「大量放射能漏れ」という見出し。Webにあった http://sankei.jp.msn.com/pdf/2011/03/20110315_fukushima2go.pdf というPDFからコピーさせていただいた。
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