川嶋あい“いい値”で支援ＣＤ販売

神戸市内で路上ライブを行い、義援金を募った川嶋あい

　シンガー・ソングライターの川嶋あい（２５）が２０日、神戸市中央区の阪急三宮駅前で路上ライブを行った。被災地復興を祈り、足を止めた通行人らの“言い値”でＣＤを販売。１４万円以上の義援金を集めた。

　１９９５年、阪神・淡路大震災の被害に遭った神戸の街に、川嶋の歌声が響いた。「１６年前に大震災を経験したこの街の人たちは、今回の震災で一番、痛みや悲しみを分かってくれていると思う」と、集まった約３５０人の前で「大丈夫だよ」「旅立ちの日に…」「カケラ」の３曲を熱唱した。

　歌い終えると、「ＣＤ３００円以上、募金１円以上」と手書きした募金箱を持った。少しでも多くの“善意”を集めようと、これまでのシングル作品に加えて、今月上旬にレコーディングしたばかりの未発表曲のＣＤまで値段を付けずに販売した。希望者には、直筆のサインも書き添えた。

　西アフリカのブルキナファソなど６か所に私費を投じて学校を建設するなど、社会貢献活動にも熱心な川嶋。今回、地震発生から３日後の１４日に仙台入りするスケジュールだったといい「人ごととは思えない」と、すぐ行動に移したという。

　路上ライブは１７日の広島・平和記念公園から福岡、山口と移動し、この日の神戸では１４万９８１８円が集まった。「みんな温かくて励まされました」。ＣＤの売り上げと義援金は、自身が代表を務めるＮＧＯ法人「ＡＬＷ」を通じて被災地に全額寄付される。