福島原発は、依然として予断を許さない状態である。
これまで大きな原発事故というと、アメリカのスリーマイル島原発事故がある。
これはメルトダウンといって、燃料棒が溶けた。大変だった。大騒ぎになった。
もっと大変だったのがチェルノブイリ事故だ。この時は炉心が爆発してしまった。
スリーマイル島の原発事故は1週間かかった。
あんな事故が起きたら大変だと、日本も大騒ぎになった。
だが、日本は非常に慎重に運転しているから、
スリーマイル島のような事故は起きないと言われた。
もちろんチェルノブイリのような事故は起きるはずがないと。
このスリーマイル島は1週間でケリがついたが、
今度の福島第一原発の事故はまだどうなるかわからない。
これは、容易ならざることである。
今いちばんの問題は、福島第一原発の1号機から6号機がどういう状態なのかということだ。
すべてここが元で、放射能が漏れるのもここからだからだ。
地震が起きたとき、1号機から3号機は稼動していたが、
4号機から6号機は定期点検のため停止していた。
そして、6号機は冷却装置が作動して、この冷却が5号機にまで及んだ。
だから5号機と6号機は今のところ安心だ。
問題は1号機から4号機である。
4号機は、使用済み核燃料が入ったプールの水が減って、
熱くなって火事になって天井が吹き飛んだ。
だが、4号機は停止していたから炉心に燃料棒はない。だから核分裂は起きない。
1号機と3号機も中央制御室に電気がつながった。
電気がつながって計器が動いてようやく、原子炉の中のどこがいかれて、
どこがいいのか、調べることができるようになった。
問題は2号機である。
1号機も3号機も水素爆発で屋根が飛んだ。だから放水で水を入れられた。
ところが2号機は中がどうなっているかわからない。
中の状況がわからないから、放水もできない。
1号機、3号機、4号機は水を入れることができたが、2号機は冷やすことができていない。
だから今、東京電力はなによりもまず2号機に電気を通したい。
ところが、どうも2号機にうまく電気が通っていない。
2号機がこれからどうなるかが、大きな問題である。
しかし、それよりも深刻なことがある。黒煙をあげた3号機である。
自衛隊や消防がテレビで一生懸命に放水している。
なぜ3号機にみんな一生懸命なのか。
それは、1号機から6号機のなかで、3号機だけ特別の原子炉だからである。
3号機はプルサーマルなのだ。
プルサーマルだと何が問題か。
プルサーマルは使用済燃料をリサイクルするので、非常に効率はいいのだが、
燃料にプルトニウムを利用している。
プルトニウムは非常に危険なものだ。
もし3号機が爆発したらプルトニウムが拡散する。
だから、一生懸命に3号機に放水をしている。
テレビでも報道しているが、なぜ3号機かを言わない。
去年の11月からプルサーマルは稼動していた。このことはもちろん公表している。
だが3月11日以降、報道していない。
僕は、今回の情報の出方が非常に気になる。
メディアの役割は事実を報道をすることである。何が事実かを明らかにすることだ。
ところが、プルサーマルは事実なのにどこも報道していない。
メディアは正確な情報、事実を報道する。政府に対して隠すなと迫らなければならない。
今回、政府に悪質な隠蔽はないと僕は思う。
国民を煽りたくない、混乱させたくないと思っているのだろう。
たとえば、水道水の汚染が見つかった。
政府は乳児は水道の水は飲まないようにと言った。
ところが、ここしばらくと言う。
では幼児はどうなのか。
妊婦はどうなのか。
「しばらく」「とりあえず」とは何なのか。
情報があいまいになると、いろいろな情報が乱れ、何を信用していいのかわからなくなる。
こういう時こそ、正確な情報は非常に大事なのだ。