第17回統一地方選の皮切りとなる道知事選が22日に告示された。午前8時30分からの立候補者受け付けには、当初の予定通りに4人が届け出を済ませた。各候補は札幌市内の中心街で第一声を放ち、経済や雇用、防災、地方財政や福祉などの政策を訴えた。その後は、東日本大震災の被災者らも気遣いながら、選挙カーで遊説。選挙戦に突入した。投票日は4月10日。
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立候補したのは、届け出順に、前道議会副議長の鰹谷忠氏(60)=無所属=、「明るい革新道政をつくる会」代表世話人の宮内聡氏(48)=共産推薦=、現職の高橋はるみ氏(57)=自民、公明推薦=、元農林水産省企画官の木村俊昭氏(50)=民主、社民、国民新党推薦=の4人。
この日の札幌市内は、心地よい青空が広がったが、冬を思わせるような寒さ。4候補は、同市中央区の選対事務所前、道庁東門や北門、大通公園で、支援者らを前に第一声。推薦する政党関係者らの応援を受けながら、自らが掲げる政策などを有権者に熱く発信した。
各候補はその後、選挙カーで札幌市内を遊説。繁華街や住宅街では、駆けつけた支援者らと握手をするなど、選挙戦さながらの動きをみせたが、東日本大震災の被災者らを考慮して連呼を控えるなど、静かに選挙戦本番をスタートさせた。
(統一地方選取材班)
◆―― 4候補、全道遊説に出発
統一地方選の第1ラウンドとなる道知事選が24日告示された。第一声では東日本大震災被災者へ配慮しながら、災害に強い地域づくりや医療・福祉の充実などそれぞれの公約を訴え、全道への遊説に出発した。
◇ 鰹谷忠候補
鰹谷候補は午前9時、札幌市中央区大通西4丁目で第一声。選挙カーの上で「自然エネルギーを活用し、脱原発北海道を目指す」などと訴えた。
震災被災者への黙とう後、「人の心を持たない道政では幸せになれない」と高橋道政を批判。「みなさんの気持ちや人道を大切にする道政をつくっていきたい」と訴えた。
また「今回の選挙の争点は道民の命を守ること」と述べ、通信網の確保や地域の上水道整備、空港周辺に食料と医薬品の備蓄センター設置などの公約を掲げた。最後に「この空の下にある幸せを、道民みんなでつくっていこう」と強調した。
応援演説のない第一声は10分ほどで終了。17日間の選挙遊説に向かった。
◇ 宮内聡候補
宮内候補は午前9時すぎ、札幌市中央区北4条西5丁目の道庁北門前で第一声を放ち、暮らしや福祉、医療の充実などを支持者に訴えた。
宮内候補は東日本大震災の被災状況に触れて「暮らし、福祉を大事にすることと、災害から命を守ることは一体で自治体の仕事」と強調。「自公の道政はこれまでどうだったか。公立高の統廃合や住民サービスの廃止など人が住めなくなった。冷たい道政を切り替えなければならない」と訴えた。
「国保料の引き下げや医療費削減を図る。公共事業を見直して財源にする」と主張。TPP(環太平洋連携協定)については「北海道の農林漁業が崩壊する」と反対姿勢を鮮明にした。
◇ 高橋はるみ候補
春を感じさせる黄色のロングジャンパーに身を包んだ高橋候補。第一声は午前9時すぎ、札幌市中央区大通西10丁目の選対事務所前で。東日本大震災の被災者を気遣いながら「培った知識と人脈を生かし、災害に強い地域づくりを進めたい」と訴えた。
「北海道のどこでも、安全安心で人々が支え合う『地域社会づくり』が重要、と今回の震災対応であらためて認識した」と強調した。
その上で、政策「新生北海道オンリーワン戦略」の実現のため、「未来に向けて、すべてのエネルギーを傾ける覚悟だ」と決意を力強く示した。推薦する自民党道連の伊東良孝会長らも応援演説。高橋候補は、支持者らの拍手を受けながら、遊説に出発した。
◇ 木村俊昭候補
「地域が元気にならないと北海道は良くならない。179(市町村)の皆さんと一緒に、元気な北海道をつくりましょう。応援させてください」。木村候補は午前9時すぎ、札幌市中央区の道庁赤れんが前で第一声を放った。
遊説車の上には手話通訳も。応援の上田文雄札幌市長は「高橋知事は人気があるが、8年間で借金を増やしただけ。これを是とした道民も悪い。変えるのは勇気がいるが、誤りのない選択の時を」と訴えた。
マイクを受けた木村候補は告示前の道内行脚で実感した各地域の疲弊ぶりを強調。「道民の生活と命を守ります。自主自立の北海道政府実現に向けて、体を張って頑張ります」と誓い、遊説に飛び出した。
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