第17回統一地方選のトップを切って告示された12都道県知事選は24日午後5時、届け出が締め切られ、現職9人と新人30人の計39人が立候補した。東日本大震災や福島第1原発事故を踏まえ、与野党は街頭活動などを見合わせて被災者に配慮しつつ存在感を発揮しようと、災害対策を重点的にアピールした。
菅直人首相は、官邸に詰めて海江田万里経済産業相や原子力安全委員会メンバーらと相次いで協議し、午後にはキャメロン英首相と電話で会談するなど、震災対応に専念。代わって岡田克也幹事長が記者団に、政府、与党一体となって復興支援を進める姿勢を示しながら「地域の底力が試される統一選だ。間違いのない選択をしてもらいたい」と期待感を表明した。
同党と3都道県知事選で対決する自民党の谷垣禎一総裁は、党緊急災害対策本部会議で「それぞれの地域でいろいろな不安がある。知事選を通じ、安心や安全をつくっていけるよう努力しないといけない」と強調。別の会議では、放射性物質による水や農作物の汚染問題に関して、対策を検討する意向を示した。
公明党の山口那津男代表は被災地視察で山形、宮城両県入り。発表した談話の中で「防災対策の抜本的な強化や生活を守る新たな仕組みを提案していく」と宣言。社民党や国民新党、みんなの党も記者会見などで、原子力政策の見直しや復興対策の充実を訴えた。
一方、12知事選全てに独自候補を擁立した共産党は、志位和夫委員長が都内などで街頭演説を実施。その後、国会内で記者会見し「この国難にどう立ち向かうのか、政党として堂々と述べるのは当然だ。(街頭活動などの)放棄は責任ある態度とは言えない」と、他党の姿勢を批判した。