第17回統一地方選は、共産党を除く各党党首が「第一声」を見送る自粛ムードで始まった。与野党対決色は薄れ、各党とも防災対策や原子力政策を訴えの中心に据える構えだ。
民主党の岡田克也幹事長は24日、街頭演説しなかった理由を「震災対策に全力を挙げるのが党の姿勢だ」と説明。「被災地以外の地域も厳しい環境の中で選挙が行われる。地域の底力が問われる」と理解を求めた。国民新党の下地幹郎幹事長は「日本全体で震災対策を考えることを争点にしたい」と語った。
自民党の谷垣禎一総裁も党務に専念。会見で「生活の安全、安心に関心が高まっている。地方自治が抱える共通の問題を日本全体で位置付ける」と述べ、震災対策に率先して取り組む考えを強調した。
公明党の山口那津男代表は宮城県を視察。「被災者の生活支援、復興支援に総力を挙げる」との談話を発表した。社民党の福島瑞穂党首は党会合で「唯一の『脱原子力』の政党として、政策転換や危険性の克服をしっかり訴えよう」と指示した。たちあがれ日本の平沼赳夫代表も街頭での第一声を行わなかった。
一方、みんなの党の渡辺喜美代表は党会合で「非常事態に統一選が強行されることに強い怒りを覚える。正常な国民の審判とは言えない結末をもたらす恐れがある」と批判。共産党の志位和夫委員長は会見で「自粛は政見を有権者に訴えることを放棄するもの。大震災にどう立ち向かうかを堂々と述べるのは当然だ」と強調した。【中山裕司、野口武則】
毎日新聞 2011年3月24日 21時41分(最終更新 3月24日 23時08分)