「参議院議員 藤末健三の永田町緊急レポート」

参議院議員 藤末健三の永田町緊急レポート

2011年3月25日(金)

根本的に新しい発想からの震災復旧復興法制度を!

阪神・淡路大震災復興の16の法律では足りない

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 まず、東日本大震災で亡くなられた方々に対し心より哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈りします。

 また、被災地で肉体的にも精神的にも辛く厳しい生活を強いられている方々、福島第一原子力発電所で作業にあたられる方々、そして多くの方々に対し精一杯のエールを送らせていただきます。
 今回は、立法府で働く者として復旧復興関連法について書かせてもらいます。

*  *  *  *  *

 救援・復旧が進む中、法整備の議論も始まっています。
 私が属する民主党でも3月16日に「復旧・復興特別立法チーム」(中川正春座長)が立ち上がり、私も法制度の議論に参加しています。当然、自民党や公明党においても議論が始まっており、自民党は「東日本大震災復興基本法案」を策定し、今国会への提出を目指す考えを示しています。また、「霞が関政策研究所」(石川和男代表)など民間組織も検討を始めています。

 多くの議論を見ていますと阪神・淡路大震災の復興策を参考にされていますが、私は「今までの震災復興法とは抜本的に違う法制度が必要である」と考えています。

 阪神・淡路大震災と今回の東日本大震災の違いは大きく2つあります。

1. 地震のみならず津波により広域で都市が壊滅したこと
2. 被災した原子力発電所は廃棄せざるを得ず、今後長期にわたって、日本全体のエネルギー供給構造が変わること

 これらの状況に対応するには、阪神・淡路大震災時の復興法では十分には対応できません。ちなみに16の法律は各省庁が作成した法律であり、省庁の枠を大きく超えることはできず、「復興」よりも「復旧」という色合いが強いものとなっています。

どのような法律が必要か?

 震災後すぐに色々と調べ、また、役所の友人や大学の研究者、例えば、通産省の後輩でもある石川和男氏(前述の「霞が関政策研究所」代表)からも復興策の提案が集まりました。まだまだ深く詰めなければならないところがありますが、我々が整理した必要な法律・制度をここに紹介します。

 大きくは、1.復旧・復興関連、2.復興推進体制の整備、3.復興予算関連、4.生活・社会・経済の再生となります。

1.復旧と復興に向けた地域コミュニティーの再生

 住居環境とコミュニティーの確保が最も急がれます。

 全国にある空き住居について、国または自治体で一括借り上げを行い、入居要件を緩和した上での被災者に提供することで緊急の対応はできるはずです。その際に地域のつながりをそのまま移す、避難された方々が交流する場の設定・互助組織の編成などコミュニティーを創ることが重要となります。




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著者プロフィール

藤末 健三(ふじすえ・けんぞう)

民主党参議院議員
1964年熊本県生まれ。1986年東京工業大学卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。1994年マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学両校で修士号取得。プロボクシングライセンス取得。1999年東京工業大学で学術博士号を取得。東京大学講師へ転任、2000年助教授。2004年東京大学を退職し、参議院議員選挙初出馬、当選(全国比例)。2010年参議院議員再選。現在、早稲田大学客員教授兼任。川崎市在住。妻と2女1男。


このコラムについて

参議院議員 藤末健三の永田町緊急レポート

民主党参議院議員の藤末健三氏が、日本のこれからを考える緊急レポート。財政再建、消費税、そしてTPP(環太平洋経済連携協定)。これらについて一刻も早く具体的な指針を示し、日本の将来像を描かなければこの国の未来はない。今こそ、自らが声を上げなければならない! 現役国会議員の藤末氏が満を持して熱い思いをぶつける。

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