2011年3月25日2時3分
第17回統一地方選の知事選が24日、告示され、12都道県で計39人が立候補を届け出た。投開票は4月10日。政権交代後、初めて統一選に臨む民主党は北海道と三重で自民党と対決するが、4都県は独自候補を擁立できず、不戦敗。6県では自民と事実上の相乗りとなった。東日本大震災の影響で岩手県知事選が延期になるとともに、「防災」「原発」が争点に急浮上した。
■容認の現職 公約取り下げ・延期
原発を抱える北海道、福井、島根、佐賀の現職はいずれも原発容認派だ。
福井で3選をめざす西川一誠氏は24日の第一声で「福井は国のエネルギー政策に日本一貢献している。事故を踏まえ、国も電力事業者も責任を持ってもらいたい」と訴えた。
福井は原発が15基もある「原発銀座」。西川氏は8年前の初当選時、電力会社の全面支援を受け、「脱原発」を掲げた新顔と激しく争った。それでも、福島第一原発の事故を目の当たりにして、国や電力会社に注文をつけざるを得なくなったようだ。過去2回公約に掲げた「15基体制の堅持」を今回は取り下げた。
17日には経済産業省を訪ね、原発の耐震設計審査の指針の見直しを求めた。2007年の新潟県中越沖地震で敦賀原発3、4号機の1次審査が長期化。昨年10月予定だった着工時期は来年3月に先延ばしになった。指針が改定されれば、着工がさらに遅れる可能性もある。
佐賀で3選を狙う古川康氏は24日の出陣式で「事故発生以来、『もう原発はやめよう』という声も届くが、いま直ちに原子力発電をやめるという選択は現実的ではない」と述べた。日本の原発への依存度は高く、原発がなくなれば電力需要を満たさなくなる――という理由からだ。
古川氏は06年、県内の玄海原発でのプルサーマル発電に事前了解を出し、国内初の営業運転に先鞭(せん・べん)をつけた。