民主、自民、公明など県議会4会派は24日、県議選(4月1日告示、10日投開票)の選挙運動の一部を「自粛」することを申し合わせた。東日本大震災を受け、選挙カーからの名前の連呼をやめるほか、街頭を流す時間を2時間短縮するとしている。ただ、緩やかな申し合わせにとどまり、立候補者の判断による部分が大きい。このため実際の選挙戦で混乱のタネになる可能性をはらんでいる。
この4会派は、自民改革会議▽民主党・ふじのくに県議団▽公明党県議団▽志士の会。
各会派の代表が同日の協議で県議選(定数69)での選挙運動の自粛に合意した。共産党は「冷静に選ぶ権利を侵す」(花井征二県議)との立場から参加しなかった。
県議選には民主、自民、公明3党の公認・推薦に加え、志士の会所属議員で計70人以上が立候補する見通し。現時点の立候補予定者数の約7割を占める。
申し合わせ事項は、選挙カーについて▽活動時間を午前9時~午後7時に限り、公職選挙法上の活動時間(午前8時~午後8時)より短縮する▽候補者名・政党名は連呼しない--の2点。
これに反した場合の措置は設けなかった。街頭演説(つじ立ち)などでの対応については立候補者それぞれの判断に委ね、明確な線引きはしなかった。
一方、申し合わせは戸惑いも生んでいる。
自民党公認で県議選に初めて立候補する予定の女性は取材に「名前を広く知ってもらう必要があるのだが……。難しい選挙になりそうだ」と話した。【平林由梨】
毎日新聞 2011年3月25日 地方版