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“慰めの言葉は禁忌”震災PTSDから救う「心のケア5ポイント」

夕刊フジ 3月22日(火)16時58分配信

 連休が明けても大震災のショックが、まだまだ癒えない。繰り返される停電や通勤電車の混雑などでサラリーマンのガマンも限界寸前だ。首都圏の人々にも広がる“逃れられないストレス”を鎮める手立てはないのか。

 一般的に、災害による強いトラウマ性のストレスを受けると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に結びつきやすい。

 こんな症状に悩まされる。

 (1)不安や不眠などの精神的不安定な状態が続く。怒りの爆発や集中することができなくなる。

 (2)トラウマの原因になった障害や関連する物事に対して避ける傾向が生じる。感情が萎縮して希望や関心もなくなる。

 (3)トラウマとなった出来事のフラッシュバック(追体験)が起こる。その結果、パニックになることも珍しくはない。

 心療内科専門・田中クリニック銀座の田中利幸院長は、「このような大災害では、直接被災した方以外でも、ストレスを感じるのは当然です。不安が解消されるには時間が必要ですから、無理に不安を解消するというよりも、心を落ち着ける工夫をしていただきたい」という。

 一般的に災害直後には、次のような心理的反応が起こりやすいという。

 【現実不安型】なんとか対話は可能。被害の規模や援助の内容などがわからないことによる現実的な不安。

 【取り乱し型】強い不安のために、落ち着きがなくなり、ジッとしていることができない。動悸、息切れ、発汗、感情的乱れなど。

 【茫然自失型】予期しなかった恐怖、衝撃のために、一見すると思考や感情が麻痺、または停止かのように思われる状態。

 田中院長は、「注意集中力が著しく低下しているようなときや、不眠や動悸、呼吸困難などが2日以上続いているようならば、医療機関を受診してください」とアドバイスする。

 自分自身では症状に気付かないこともあるので、周囲の人が気を配ることも大切だ。、心のケアのポイント(別稿)を参考にしてほしい。

 加えて、重要なのはPTSDになる可能性のある人には、“慰めの言葉”は禁忌ということ。

 「たとえば、大好きな人と別れたときに、親切なつもりで知り合いが、『たいへんだったですね』『気の毒に』など介入してこられると、逆に悲しい気持ちを増長することもあります」(田中院長)と注意を促す。

 こんなときこそ、お父さんの出番。奥さんや娘さん、被災した肉親など家族に残した爪跡の“心のケア”に務めよう。

【心のケア5つのポイント】

□不安は当然なことだと思う

□不安を感じている家族には、ゆっくりと目を見ながら、話すように心がける

□心を鎮めるためにとコーヒー、紅茶、緑茶などを飲み過ぎないように。カフェインが不安を悪化させやすいので要注意

□心を鎮める呼吸法をしてみる。ゆっくりと大きく息を吐き、腕や肩、腹部などの力を抜く。その後、ゆっくりと息を吸うが、吸うときには8割くらいで止めることをイメージする。過呼吸にならないように注意する

□不安に陥っている人に、「たいへん」などと言葉をかけると、不安が増幅しやすいので、同情や慰めの言葉は控える

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最終更新:3月22日(火)17時40分

夕刊フジ

 
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