ボランティアは「何ができるか見極めて」
産経新聞 3月22日(火)20時45分配信
未曽有の被害を出した東日本大震災で、ボランティア団体が全国ネットワークを結成するなど、支援の動きが広がり始めている。しかし、安易な被災地入りはかえって現地の混乱を招くという指摘もある。ボランティアに行く前に何に気をつければいいか。阪神大震災でボランティアのネットワークづくりに携わった災害救援コーディネーター、伊(これ)永(なが)勉さんは「『何がしたいか』ではなく『何ができるか』を見極めてから行動を」と話している。
伊永さんによると、まずは新聞やテレビなどのニュースで被災地の状況を把握することが第一歩で、「交通インフラの改善や、現地でボランティアの連携や運営ができる状態かどうかを見極めるべきだ」という。
その上で、ボランティア活動をしようとする場合、個人で被災地に行くのではなく、何らかの組織や団体へ参加することを勧めている。「自分用の生活物資を現地に持ち込まないとだめで、拠点を自ら築く必要もあるため、個人でできることは限られる」からだ。ボランティア募集の情報は、全国社会福祉協議会のホームページで確認できるほか、居住地の都道府県庁、市役所などでも紹介していることがある。
次に、ボランティアに参加する心構えとして、自分に何ができるかを明確にさせておくことが重要だという。「漠然と『何でもします』よりも、その人の特性がはっきりしているほうが、必要とされる現場を選別しやすい」のが理由だ。
「英語が話せるとか幼稚園の勤務経験がある、といったことを明示する。『何もできないですけど』という主婦の方もいたが、子育てや家事の経験も被災地にとってはありがたい」
現地の情報収集をし、自分に何ができるかがはっきりしてくると、重要なのは現地へ向かうための装備品の準備。被災地はまだまだ寒さが厳しいため防寒具を用意するのは必須だが、「マスクや常備薬、食料や水も重要」。被災地で他人に世話を焼かせてしまうのは本末転倒で、「ボランティア自身がケガや病気になってしまっては、被災地に迷惑をかけてしまう」という。
伊永さんは「基本的にはボランティアは被災者にとってありがたい存在。でも、押しつけすぎるとかえって負担をかけることもある。ボランティアをする側は、あくまで被災者の『お手伝い』ということを忘れてはいけない」としている。
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伊永さんによると、まずは新聞やテレビなどのニュースで被災地の状況を把握することが第一歩で、「交通インフラの改善や、現地でボランティアの連携や運営ができる状態かどうかを見極めるべきだ」という。
その上で、ボランティア活動をしようとする場合、個人で被災地に行くのではなく、何らかの組織や団体へ参加することを勧めている。「自分用の生活物資を現地に持ち込まないとだめで、拠点を自ら築く必要もあるため、個人でできることは限られる」からだ。ボランティア募集の情報は、全国社会福祉協議会のホームページで確認できるほか、居住地の都道府県庁、市役所などでも紹介していることがある。
次に、ボランティアに参加する心構えとして、自分に何ができるかを明確にさせておくことが重要だという。「漠然と『何でもします』よりも、その人の特性がはっきりしているほうが、必要とされる現場を選別しやすい」のが理由だ。
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伊永さんは「基本的にはボランティアは被災者にとってありがたい存在。でも、押しつけすぎるとかえって負担をかけることもある。ボランティアをする側は、あくまで被災者の『お手伝い』ということを忘れてはいけない」としている。
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最終更新:3月22日(火)20時48分