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「消費税は上げざるをえない」という財務省の言い分は大ウソ?

[2011年03月24日]


世界一の金持ち国のハズなのに、多くの国民の生活は苦しくなるばかりの日本。「なぜ、死ぬほど働いても給料が安いのか」「減らされたサラリーマンの賃金はどこへ消えたのか」「法人税を下げたらトクするのは誰か」

こうしたギモンの答えは、実は国が公式に発表しているデータを分析すれば簡単にわかるという。大蔵省の元職員でもある武田知弘氏が著書『ワケありな日本経済 消費税が活力を奪う本当の理由』(ビジネス社)で、“金持ち優遇国家”の実態を見事に暴いている。

―――まず、本のサブタイトルになっている「消費税」について。武田さんは増税は必要ないと断言していますね。

「現在、消費税の税収は年間10兆円程度。仮にいきなり税率を2倍にしても、国の財務状態の悪さを考えれば焼け石に水です。しかも、増税すれば国民の消費はさらに冷え込んでしまうでしょう」

―――ただ、増税派は「このままいくと国が破綻する」と。

「間違ってはいけないのは、国全体がダメなのではなく、あくまで日本国という機関の財務状態が悪いだけだということ。そして、その理由は税金の“取り方”と“使い方”に問題があるからです」

―――国の財務状態がそんなに悪いのは、よく言われるように高齢化で社会保障費が膨らんだからですか?

「日本の社会保障のレベルは先進国としてはありえないほど低いんですよ。本当の理由は、1991年度からの13年間で630兆円を公共事業に投入したこと。これは計算してみれば明らかなんですが、失政を認めることになるので政治家や官僚は誰も言えないんです」
―――これは税金の“使い方”の話ですね。では、“取り方”のほうではどうやって税収を確保すれば?

「日本国民が所有している個人金融資産の総額は約1400兆円。ひとり当たり1千万円以上です。実感として、おかしいと思いませんか?」

―――誰がそんなに持っているんですか?

「約900兆円を60歳以上の高齢者層が持っているんです。ただし、この層は最も格差の激しい世代。今も年収700万円を超える約10%の“富裕老人”が、このうちのかなり多くを所有しているはずです。貯め込むばかりの彼らの資産を社会に還元させ、税金として徴収すること。これしか方法はないと思います」

―――しかし、高齢者層は人口が多い。若い層の声はなかなか政治に反映されません。

「“世代間闘争”という構図は相手の思うツボですよ。先ほども言ったように、富裕老人は高齢者層のなかのほんの一部。“vs富裕層”というふうに敵をピンポイントに絞れば、多数決では絶対に勝てます。金持ちは自分たちの資産を守ることに非常に敏感で声もデカいので、こちらもそれ以上に頑張って勉強し、声を上げないといけません」

■武田知弘(たけだ・ともひろ)
1967年生まれ、福岡県出身。91年、大蔵省に入省し、バブル崩壊前後の日本経済の現場を見て回る。98年から執筆活動を開始し、99年に退官。主な著書に『ワケありな国境』(彩図社)、『ヒトラーの経済政策』(祥伝社新書)など。

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