福島第一原発 見えぬ収束への道筋
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福島第一原発 見えぬ収束への道筋

3月25日 4時17分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所で原子炉を安全に冷やす機能が失われてから、25日で2週間になりますが、事態の収束に向けた道筋は一向に見えていません。24日、作業員2人が足に多量の放射線を浴びて病院に運ばれるなど、冷却機能の復旧に向けた作業は、高い放射線量とのたたかいとなっていて、安全を確保しながら、作業を進める難しさに直面しています。

福島第一原発では、24日、3号機のタービンが入った建屋の中で、作業員3人が深さ15センチの水につかって作業をしたところ、173ミリシーベルトから180ミリシーベルトの被ばくをしました。さらに、このうちの2人が、多量の放射線で皮膚が損傷する「ベータ線熱傷」の疑いで、福島県立医科大学に運ばれました。東京電力によりますと、前の日の調査で、現場には水たまりはほとんどなく、放射線の量も低かったため、本来、こうした被ばくのおそれがある現場では必要な放射線を管理する職員が24日は同行していなかったということです。また、作業員は、20ミリシーベルトに達すると、アラームの音が鳴る線量計を身につけていましたが、放射線量が低いと思い込んでいたため、故障したなどと考え、アラームが鳴っても作業を続けたということです。これについて東京電力は「事態が長期化するなかで、放射線管理の職員の被ばく量を抑えたいという考えもあった。線量計のアラームが鳴ったら退避することなど安全管理を徹底したい」としています。また、今回の被ばくが分かったあとに作業していた場所の放射線量を計ったところ、1時間当たり200ミリシーベルト、作業員がつかっていた水の表面の放射線量も、1時間当たり400ミリシーベルトと非常に高い値が検出されました。大震災から2週間、深刻な事態が続いている福島第一原発では、燃料の損傷によって発生したとみられる水素爆発が起きたり、建屋から煙が上がったりするたびに、作業を中断せざるをえないほか、発電所内の至る所で、高い放射線量が計測され、立ち入れない場所も出てきています。事態の収束に向けた道筋が見えないなか、東京電力は、外部からの電源を供給して、失った冷却機能を復旧しようと、作業を進めていますが、高い放射線量とのたたかいとなっていて、安全を確保しながら、作業を進める難しさに直面しています。