韓国の母親が日本製おむつや粉ミルクを好むワケ(下)

価格はほぼ同じでも品質には大きな差

 2008年2月、ロッテ・ホームショッピングはG製品を1枚185ウォン(現在のレートで約13円、以下同じ)で販売した。同時期にH製品はオンライン・ショッピングモールで1枚250ウォン(約18円)で販売されていた。ロッテ・ホームショッピング関係者は「当時の対円相場は100円=940ウォンで、関税(最大8%)と運送費を全て負担しても、日本製おむつをより安く販売できた」と説明した。

 こうしたことから、業界では3600億-4000億ウォン(約259億-288億円)のおむつ市場の5分の1ほどを日本製が占めているとみている。おむつを使う乳幼児は110万人と推定されることから、約22万人が日本製おむつを使っている計算になる。実際に、昨年の日本製おむつ輸入額は申告ベースで5251万ドル(約42億5000万円)に達した。

信頼できない韓国製粉ミルク

 粉ミルクは、安全性の面で日本製の方がはるかに信頼性が高い。韓国では06年以降、毎年のように粉ミルクをめぐる問題が起きている。06年には南陽乳業の粉ミルクから脳髄膜炎を引き起こすサカザキ菌が検出され、07年には毎日乳業の粉ミルクからも同じ菌が検出された。08年にはパスツール、09年には毎日乳業の粉ミルクからそれぞれ大腸菌が検出された。

 また、昨年11月には、南陽乳業と毎日乳業が産婦人科病院の新生児に自社の粉ミルクを与える見返りに数十億ウォン(数億円)のリベートを支払い、課徴金納付命令を受けた。粉ミルクは、一度メーカーを決めるとなかなか変えにくいという点を狙ったものだ。最近では毎日乳業の製品から食中毒菌が検出され、問題となった。

 これに対し、日本では粉ミルクの安全性に関する問題がほとんど起きていない。これが韓国の母親たちの信頼につながり、輸入も爆発的に伸びた。日本からの粉ミルク輸入額は、08年の4万3000ドル(約350万円)から昨年には256万2000ドル(約2億700万円)と、3年間で約60倍に拡大した。粉ミルクやおむつだけでなく、ほかの生活用品も日本製の人気が高い。刺激のないせっけんなどを買い求める人も多い。

 一方、韓国おむつメーカーの関係者はこうした風潮に対し「日本製は無条件に良いという盲信が作り出した一時の流行だ」と話している。

鄭晟鎮(チョン・ソンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る