韓国の母親が日本製おむつや粉ミルクを好むワケ(上)
価格はほぼ同じでも品質には大きな差
生後23カ月の娘を持つAさん(33)=ソウル市西大門区弘済洞=は11日、日本で発生した大地震や津波、これによる福島第1原子力発電所の事故が伝えられると、すぐにオンライン・ ショッピングモールで日本製おむつ1箱(90枚入り)を購入した。原発事故の深刻さを知り「子どもが使う日本製おむつの輸入が滞るかもしれない」と心配したためだ。
Aさんは「日本製おむつに変えてから、子どもの皮膚がふやけることがなくなり、便が漏れなくなった。韓国製と比べると、価格に対し品質が格段に良い」と話した。
日本の大地震や原発事故が、乳幼児を育てる韓国の母親たちにまで大きな影響を与えている。日本製おむつや粉ミルク、離乳食を使う人が多いためだ。そのため大地震の直後には、日本製ベビー用品を販売するオンライン・ショッピングモールや大型スーパーで買い占めの事態も起きた。韓国の母親たちはなぜ、日本製おむつや粉ミルクを買い求めるのだろうか。
■日本製おむつ、円安なら韓国製より手頃
母親たちは一番の理由として、価格に対する品質の良さを挙げる。日本製のおむつは薄くて軽くソフトなため、子どもが楽な上、便も漏れないという。本紙取材陣が日本製のおむつGと韓国製のHを精密なはかりと定規で比較測定したところ、日本製が6グラム軽く、厚みも薄かった。
G製品を輸入販売するJ&Hiの関係者は「技術力の面で韓国製と差がある」と話す。日本製のおむつは吸水力に優れているほか、凹凸があるため、皮膚との接触面を最小限に抑えられる。同関係者は「韓国のおむつメーカーがうちの製品を綿密に研究し、似た製品を作り、モニターに配ったと聞いている」と話した。
価格にも大差がない。現在、日本製のG(大型)は1枚380ウォン(約27円)ほどで、韓国製のH(1枚295ウォン=約21円)に比べ高い。だが、対円相場が100円=900ウォン台だった2-3年前は、むしろGの方が韓国製よりも安かった。
- 日本で発生した大地震の後、日本製おむつを買い占める事態が起きている。22日、ソウル市内のあるデパートの日本製おむつ売り場には「品切れ」と書かれた紙が張られている。/写真=朱完中(チュ・ワンジュン)記者