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【プロ野球】

新井会長 涙の勝利 「笑顔になるよう頑張る」

2011年3月25日 紙面から

目を潤ませながらセ・リーグの決定について話すプロ野球選手会会長の阪神・新井貴浩=広島市内のホテルで

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 セ・パ同時開幕を訴えてきた間を振り返ってと問われたときだった。労組日本プロ野球選手会会長の新井貴浩内野手(34)=阪神=の目が潤む。言葉に詰まった。苦闘だった。それでもしばしの沈黙後「被災者の方たちのことを思うと…、僕のことは何ともないと思います」と気丈に言った。

 東日本大震災による未曽有の苦境。拡大し続ける被害に、余震、原発、電力問題。今が野球をやるべきときなのか。被災地のことを何より思った。4月12日のセ・パ同時開幕のため奔走してきたが、広島との練習試合後に“全面勝利”という形で吉報がもたらされた。

 「たいへん大きな決断をしていただき、選手会の意思を理解していただき感謝しています」。心底うれしかった。ストライキを早々と放棄し、とにかく切実に訴えた。文科省、経産省、蓮舫節電啓発担当大臣からは「選手会の声はファンの声」と賛同された。真摯(しんし)な姿勢が世論も味方に付けた。

 要望がかなった以上は、今後は全面協力する。「僕たち選手も144試合、CS、日本シリーズを絶対にやり遂げると伝えてある」と、参稼報酬期間外の12月に入ろうとプレーする決意をあらためて口にした。さらには4月12日の開幕までチャリティーマッチなども企画中である。

 「プロ野球選手ができることは真剣に野球する姿を見せること。少なからず、少しでも勇気を持ってもらえるよう、笑顔になってくれるよう頑張りたい」。そう被災者、被災地にエールを送った新井会長は「肩の荷が下りたより、次のことを見据えてます。4月12日までに僕たちのできることを考えてます」と会見を締めくくった。(島田明)

 

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