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東日本大震災:福島第1原発事故 作業員被ばく 困惑の作業員「全力でやっている」

 ◇硬い表情で

 東京電力福島第1原子力発電所3号機の復旧にあたっていた作業員3人が被ばくした問題について、現地に社員を派遣する協力会社の役員は「現場の安全管理を徹底してほしい」と東電側に厳しく注文を付けた。現場の同僚作業員らは「状況がよく分からない」と困惑しつつ「みんな全力でやっている」と硬い表情で語った。

 復旧作業に社員2人を送る予定という福島県双葉町の協力会社の男性社長(74)=さいたま市に避難中=は「放射性物質を含んだ水につからないよう足場を組んだり、ゴム製の長ズボンをはいて作業をするのが普通で、通常なら考えられない事故だ」と指摘。「社員を送る身としては『命懸けで行け』とも言えないので、現場の安全管理を徹底してほしい」と東電側に強く求めた。

 親会社から号令がかかり次第、作業にあたるという3次下請け企業の50代の男性役員は「誰かがやらなきゃいけない仕事をやるだけ。現場に水がたまっているのも、この不測の事態では仕方がない。安全を確保するため、各人が被ばく線量の計測器を付けて作業をしている。あまり(不安を)あおらないでほしい」と話した。

 福島第1原発でこの日の作業を終え、同県いわき市の小名浜港に停泊している休憩・宿泊用船舶「海王丸」に乗船した作業員らは一様に重い口ぶり。50代の男性作業員は「注意しながらやっているが、改めて作業をしっかり確認しながら安全作業に努めたい」と語った。【袴田貴行、市川明代、町田徳丈、森禎行】

 ◇福島県立医大で除染作業受ける

 被ばくした作業員のうち、2人は24日午後6時半ごろ、救急車で福島市の県立医大付属病院に搬送された。

 救急車は同病院東側の被ばく者用の緊急医療施設に到着。白い作業服姿の救急隊員らが、2人を病院脇に設置した白いテントに運び、放射線量を測定するスクリーニング検査をしたとみられる。その後、専門医師による除染作業を受けた。【岩佐淳士】

毎日新聞 2011年3月25日 東京朝刊

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