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【中途現実】two for the road いつもふたりで【徳×福】2
1
レスター
2008/04/13(Sun) 21:43
こんにちわ、そしてはじめまして。レスターです。
厚かましくも2スレ目です。
新年度にはいってますますパワー増強な中途バカップルが
あちこちに落としまくるネタをベースに、がんばって書かせていただきます。
もしもお時間がありましたら、引き続きおつきあいくださいませ。
前スレ、その他しおりは
>>2
あたりに。
(ジャンル:やおい)(作品傾向:その他)
2
レスター
2008/04/13(Sun) 22:06
前スレ【中途現実】two for the road いつもふたりで【徳×福】
リンクのしかたがようわからんのですが、
この前スレ↑もこのたび、この芸人スレにお引越しさせていただいております。
のでどっかにいます。
新しいこの「2」スレで続いていくと思われる
『無理じゃない恋愛』(ドラマ『無理な恋愛』のとんでもパロ)と
『この世の果て−end of the world』(まったくのパロ)は
この前スレから始まっております。
しょーもない。まったくもってしょーもないですが
どうぞよろしくお願いいたします!
3
レスター
2008/04/13(Sun) 22:22
ああ、緊張するのう。
そんなわけで、更新はのちほど。
そしてご挨拶まわりは、お邪魔にならないようにひっそり徐々に。
と思っております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
4
悠斗
2008/04/14(Mon) 00:20
新スレ&お引越し完了おめでとうございますv
これからも応援しております。
無理じゃない恋愛も、この世の果ても続きが楽しみで、
毎日のようにチェックをしている次第でございます。
レスター様のペースで更新してくださいませ。
ではでは。
5
レスター
2008/04/14(Mon) 00:56
>悠斗さま
うわあ、いらっしゃいませ!
いらしてくださってどうもありがとうございます。
いつもお忙しいなか温かいお言葉をいただきまして、
おかげさまでこちらまでたどりつけました。
越したばかりでまだなにもございませんが(笑)
どうぞどうぞこれからもよろしくお願い申しあげます。
のちほど、あらためてご挨拶に伺わせていただきます!
6
レスター
2008/04/14(Mon) 00:58
そんなわけで、
お引っ越し早々、こんなのも恐縮なんですが…。
『無理じゃない恋愛』
4月からはじまったドラマ『無理な恋愛』から、
お得意さんと福ちゃんの役名と職業のみ頂戴。
紙袋を愛用する東海林龍彦(売れない小説家、現在は主にヒモ稼業)と
ベレーと黄ジャケを愛用する水田一郎(映像監督、現在は主に再現ドラマ制作)の
無理すぎる設定による無理すぎるストーリー。
<これまでのおはなし>
恋人の部屋で門前払いをくらって放り出され
通りを冷やかしていた龍彦(徳井)は
たまたま覗いた飲み屋のカウンターで
気まずい状況に追い込まれた男性客(水田=福田)をフォローする。
その偶然は、やがてふたりを思いもかけない運命へと導く(ーーーのか?)
前スレ
>>947
あたりからぼちぼちはじまっております。そのつづき ↓
7
レスター
2008/04/14(Mon) 01:21
想定外だったのは、
店を出た途端に男の足がきかなくなったことだった。
「食わんであんな飲むからやわ」
「や…別にいつもそん…、これ…くらいで…」
「ああもう、そんなとこ座ったらあかんあかん」
低い縁石に囲まれた植え込みに斜めに倒れ込みそうになった男を
龍彦は笑って支えた。
8
レスター
2008/04/14(Mon) 01:39
「悪い、タクシー拾って…」
そう頼まれたところで、
まだゆうに電車のある時間帯である。
この界隈を流しているタクシーはほとんどない。
そこへ、
「だいじょうぶ?」
と背後から話しかけられた。
出勤前か、もしくは勤務中のそれとわかる派手な女性二人連れで、
こちらもすでにアルコールが入っているのか、若干頬が赤かった。
9
レスター
2008/04/14(Mon) 01:49
「つぶれちゃったの、お友だち」
「もうねえ…このへんて、タクシーよう乗れるとこある?」
「そこ、大きい通りに出て右にあったと思うけど、ねえ」
「あるある」
「そこまで行けばもう客待ちいると思うけど」
龍彦は、膝を抱えて座り込んでいる男の横にしゃがみこみ、
顔を覗き込んで聞いた。
「あっちやって」
「うん…」
返事だけはするが、それでもいっこうに立ち上がろうとしない男に溜息をつく。
10
レスター
2008/04/14(Mon) 01:53
「行けそう?」
女が、心配そうに聞いた。
「そら行かんと…なあ、立ってくれや」
「車、ここまで呼んできたげよっか?」
龍彦は顔をあげた。
「え、ほんまに?」
「どっち乗ってくの、この人」
「…えっと…家どこ?」
「家…」
「家や、どこまで乗っけてもろたらええの?」
「うん…家まで」
「やから、どこやねん家はぁ」
困り果てた龍彦を見て、女は二人とも顔を見合わせ
「かわいい」
と笑う。そして、ここから動かないよう念を押して大通りのほうへ歩いていった。
11
レスター
2008/04/14(Mon) 02:18
「ねえ」
「…」
「今くるから、タクシー」
「…はい」
通りすがりの酔っぱらいにタクシーを呼んでくるとまで約束した二人の女の親切が
酔いの手伝った素朴な好意の延長だったのか、
夜目にも訴える龍彦の引力のせいだったのか、
それとも、刻々と違う顔をみせるこの正体を失った男と
龍彦とのバランスにある種のあやうさを見いだしたためなのかはわからない。
が、ほどなくその約束どおり。
車の滑り込む音とともに、小さくクラクションが鳴った。
12
レスター
2008/04/14(Mon) 02:22
後部座席のドアが開いて、先ほどの二人が降りて来る。
「うわあ、ありがとなあ」
「家どこかわかった?」
「いやまあ…」
とりあえず男の腕をひっぱって持ち上げ、後部座席に放り込む。
「ほら、ほんまにいうて、行き先」
「…うん」
かろうじて地名のようなものをつぶやくと、
運転手も慣れたもので「まあだいたい行けそうです」とうなずいた。
「着いたらお金、払てな」
「お金…」
そう言ってパンツのバックポケットから財布を引き抜き、
シートの上に放り出した。
その拍子に小銭入れが開いて、
なにがしかのコインがくるくる回転しながら足下へ転がり落ちる。
「も…」
龍彦は一瞬迷った。
そして。
男をさらに奥へ押しやり、あいたシートの空間に体を滑り込ませた。
13
レスター
2008/04/14(Mon) 02:34
「ええ〜」
という声が女たちからあがる。
おそらく、龍彦だけでもここに残るのではないかという期待が裏切られた非難の声だ。
「帰っちゃうの?」
「これもうあかんもん、送ってくわ」
「なんだあ」
「ごめんなあ、迷惑かけて」
「いいけど…そしたら今度きてよ」
女のひとりが店の名前の入った名刺を出した。
「行く行く、絶対行くわ」
「そっちの彼も」
「うん言うとく」
「気をつけてね」
「ありがと、おやすみ」
せめてものお詫びにと、龍彦はまたお約束の微笑みを繰り出した。
そして気づいた。
さきほど店を出るときに男の目をみつめ返しながら思わず浮かんだ微笑みは、
こんな、顔の造作が覚え込んだようなおざなりな微笑みとは
全く別のものであったことを。
14
レスター
2008/04/14(Mon) 02:45
ゆっくりと車が滑り出してしばらくしたのち、
男が小さく笑いながらつぶやいた。
「…すごいね」
「なんて?」
「いやさすがだねえ」
「なにが」
「つかまえるねえ、女を」
「誰のせいやと思ってんの、もう…」
龍彦も、つられて苦笑した。
なんの予定もないからええけどな。
―――行く先も、眠る場所もないんやから。
偶然の出会いは、運命を思いがけない方向へ転がしていく。
15
レスター
2008/04/14(Mon) 02:47
タクシーに乗るだけでどんだけ時間かかってるんだと小一時間。
また明日!
レスター
16
レスター
2008/04/14(Mon) 08:34
勘の鋭い運転手が、このあたりのはずだと車を止め、
龍彦は預かった財布から料金を支払った。
「降りて」
「はい」
「おうち教えてえな」
「はい」
「はい、やなくて」
「…」
「ちょっと、いったん起きてお願いやから」
ようように車から降りたものの、
支えていないとそのままその場に座り込もうとする。
「まっすぐいったら公園…」
「公園あるの?」
「その前の…」
17
レスター
2008/04/14(Mon) 08:35
とにかく探すしかない。
肩を担ぐよりはましかと龍彦はかがんで
立たせた男の前に回り、おぶった。
「ほなもうこうするから、ちゃんとつかまって…」
そして。
心底驚いた。
―――こんな軽いやつ、おんのか?
18
レスター
2008/04/14(Mon) 08:36
酔いつぶれた彼女をおぶって帰ったことは何度もある。
でも、自分よりはるかに小柄な彼女のささやかな重ささえ、
こんなに頼りなく感じることはなかった。
お互いにジャケットまで着込んでいるのに、
骨が当たるような錯覚をおぼえるほどの質感は、
ついさっき車中でみた光景を思い起こさせる。
19
レスター
2008/04/14(Mon) 08:36
―――窓の外を流れて行く灯りを数えていた龍彦が
右に視線を投げると、
男は、どれだけ深く座り込めるのかというくらい
シートに体を落とし込んで、
向こう側の窓に頭を預け目を閉じていた。
やがて小さくみじろぎ、苦しげに喉を鳴らす。
そして、聞こえないほどのかすかな声で、
チ ク シ ョ ウ
とつぶやいた。
20
レスター
2008/04/14(Mon) 08:38
(こんなんばっか撮ってるうちに
なにやんのも、なにいうのも平気んなって。
自分で勝手に凹んで、その分もっと弱いヤツいたぶって凹まして。
そういうヤツが、いちばんくっだらねえ)
店で、テレビの画面をみあげながらそうつぶやくのを聞いたとき、
それ以上詳しく聞くことはしなかった。
けれども、ほぼ間違いなくそういう仕事についているであろうこの男が、
おそらく周囲にはあのきつい表情だけを見せながら
身体の内と外から身をすり減らす結果がこの軽さなのだと思うと、
龍彦はやりきれなかった。
21
レスター
2008/04/14(Mon) 08:39
てつじ、万馬券おめでとう!
朝起きても新スレ。引っ越し、夢ちゃうかったんや(笑)。
またのちほどです。
レスター
22
柚雨
2008/04/14(Mon) 10:15
おはようございます。
新スレおめでとうございます。
これからもレスター様にひたひたとついていきますので、どうぞ宜しくお願いします。
足取りがおぼつかないほど酔っていても、
龍彦の行動をちゃんと見てる監督さんがとっても愛しいです。
貝生活の時、1週間で体重が5kg減って53kgになったと言ってたのを思い出しました(涙)
2人の運命がどこへ転がっていくのか…続きを楽しみにしています。
23
レスター
2008/04/14(Mon) 12:25
>柚雨さま
うわあ、こんにちわ!いらしてくださってありがとうございます!
ああ、なんかお名前みてホッとしたです…(笑)。
どうぞどうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
ほんとだ、酔っぱらっても監督さん、龍彦チェックしてますね。あなどれない。
貝生活の53キロ。それってどういう体重なんでしょうほんとに。
よく死ななかったね福ちゃん…お得意さんも大好きな甘味を断って
せいぜいあれくらいから苛つかないっていうのがほんとうにピースフルな中途ですよね。
マル金楽屋で黒迷にぼやく二人がかわいかった。いろいろ思い出すなあ…(懐)。
24
レスター
2008/04/14(Mon) 12:25
半分眠っていても男の帰巣本能は正しかった。
3ブロックといかないうちにやがて小さな公園らしきものが現れ、
その向かいのマンションの名前は
男がつぶやいた名前と響きが酷似している。
「ここでええの?部屋番は?」
「5階…」
入り口の脇に備えられた郵便受けを見るが、
表札をはめている部屋は稀で、
5で始まるボックスにはひとつも文字が並んでいなかった。
(そういえば、名前も聞いてへん)
預かった財布に免許証くらい入っていたかもしれない。
それを見ればもうすこし確実なルートで
ここまで辿り着けたであろうことを考えると、
自分自身も、そう強くない酒を飲み過ぎたのかもしれない、
と龍彦は思った。
25
レスター
2008/04/14(Mon) 12:26
狭いエレベーターをようやく降りて部屋番号を辿り、
推量した突き当たりの部屋のドアには
やはり表札はかかっていなかった。
背中越しに受け取ったキーを鍵穴に差し込むと
それは軽い音をたてて回転する。
ドアをあけ、一気に玄関へなだれ込んだ。
「到着したで!」
「…」
「ほんまに、ちょっと…」
「痛え…」
「痛えやなくて…もう電気どこ〜?」
とりあえず靴をぬがせてそこらへんに放り投げ、
自分の靴も同じように放り投げてから、
そのままそこで眠る勢いの男を肩に担ぎ直して
狭い廊下を横ばいに進む。
突き当たりのガラスのはまった扉をあけると、
小さなダイニングとリビングがそのまま続く四角い部屋。
カーテンの隙間から漏れ入ってくる街灯の明かりで、
電気をつけなくてもうっすらと部屋の中を見渡せた。
26
レスター
2008/04/14(Mon) 12:27
(―――なんもないやん)
必要最小限の家具と、テーブルの上に無造作に置かれた雑誌。
やけにガランとして色のない部屋は
外の気温と同じくらいひやりとしていた。
とりあえず、一番近場にあったローソファーの上に男をおろす。
「水」
「…なんて?」
「水、飲みたい…」
「はいはい」
27
レスター
2008/04/14(Mon) 12:27
ソファーから小型のキッチンまで歩く途中の壁に1枚、
なにか映画の大きなポスターが貼ってある。
この部屋のなかで自己主張しているのは
ほぼ、それだけだといってもいい。
半ば感心していた龍彦は、冷蔵庫をあけてさすがに小さく声をあげた。
「なんやねんこれ…」
ビールが数缶。
それしかはいってない。
ホテルの冷蔵庫だって、これよりましだ。
28
レスター
2008/04/14(Mon) 12:28
やけにきちんとかたづいているシンクに
洗い上げてあるグラスを手に取り、
水道から直接水を注いでから振り返ると、
ローソファーに座らせたはずの人影はすっかりずりさがって
横になっていた。
(こんなベタな酔っぱらい、久しぶりに見たわ)
「なあ」
答えはない。
「俺、電車のうなってしまったんやけど」
もとより、帰る場所がない。
静まり返った部屋に、自分の声だけが響いた。
(泊めてもろてええ?)
29
レスター
2008/04/14(Mon) 12:28
権利はあるはずだ。
ほんの行きずりで、ここまで面倒をみたのだから。
しかし、なんとなく言葉にしづらかった。
なぜだろう。
優しくしてくれる彼女たちには、あんなに簡単に言えるのに。
30
レスター
2008/04/14(Mon) 12:30
グラスを持って、ソファーに近づく。
「もしもーし」
「…」
「水やけど」
「…はい」
「ほれ、いらんのんけ」
龍彦がソファーの下に座って軽く揺すると、
男はうっとおしそうに起き上がった。
がっくりと頭を落としてわしわしと髪をかき、
酔っぱらい特有の息づかいで
大きく息を吸ってから、それを吐き出した。
31
レスター
2008/04/14(Mon) 12:30
男の手が、龍彦からグラスを受け取る。
(ほんま…)
その手をあらためてみつめる。
(なんちゅう指、してんねん)
男のものとは思えない、揃って細くのびた繊細な指先。
それが乱暴にグラスを口元に引き寄せ一気に水を煽ると、
男はむせて数回咳き込んだ。
32
レスター
2008/04/14(Mon) 12:31
「あーあー、もう…」
背中を軽くたたいてやると、
男はグラスを絨毯の上に取り落とし、もう一度つけたしたように
苦しげな咳をした。
その咳が。
龍彦のなかの、なにかを変えた。
33
レスター
2008/04/14(Mon) 12:31
口元を拭った手の甲。
喉に流し込めずにこぼれた水が
その口元から喉にかけての白い皮膚を濡らして
窓からの灯りに鈍い光を放つ。
(なんなん)
そして。
口元に手を当てたまま、男はゆっくりと龍彦に視線を泳がせた。
濡れた瞳が、龍彦を捉える。
(誰なん、おまえ)
34
レスター
2008/04/14(Mon) 12:32
抱いたことのない衝動だった。
もっと、もっと甘ったるい、ぬるいものに包まれていたくて
そうやって生きてきたはずだった。
こんなひりつくような思いは、
龍彦の重ねてきた「恋愛」とは全く別のものだった。
男の項に手をまわして、引き寄せた。
男は、目をそらさなかった。
35
レスター
2008/04/14(Mon) 12:32
こんなものは、「恋愛」じゃない。
明日の朝、目が覚めたらもう思い出すこともできないほどの
刹那的な衝動だ。
ただ寂しさを埋めるだけの行為にすぎない。
36
レスター
2008/04/14(Mon) 12:33
(寂しい)
自覚したことのない思いが急激にせりあがって、龍彦は愕然とした。
37
レスター
2008/04/14(Mon) 12:33
息が苦しかった。
狭いソファーの上で、まるで諍うようにして唇を重ねた。
捲れあがったシャツの下の浮き出た肋骨に
龍彦の大きな手が触れたとき、
さすがに意識が戻ったのか、男はその細い指で龍彦の手首を握り、
「―――無理だ…って」
とつぶやいた。
その言葉をも飲み込むように、龍彦はもう一度口づけた。
そして男は。
それ以上、抵抗しなかった。
38
レスター
2008/04/14(Mon) 12:34
無理なことない。
考えることなんかない。
―――これは、「恋愛」やないんやから。
『無理じゃない恋愛』episode-1 <終>
39
レスター
2008/04/14(Mon) 12:35
…もうドラマの原型ゼロやんけ(笑)。
とりあえず。終わったのだった。またのちほどです。
レスター
40
みゆき
2008/04/14(Mon) 13:16
新スレおめでとうございます!
そしててっちゃん万馬券おめでとう!わけてくれぇななしゃくまん!(爆笑)
無事お引越しも終わられて、なおかつさくさく更新ありがとうございます。
でもちゃんとワインやったんよ!チリワインやけど!(笑)ファン○違ったもん!
ただちょっとリニアが早すぎたんでございますよ・・・・・。
呑みましょ呑みましょ、なんぼでも一緒に呑みましょうぜ同期!ええ響きや!
つか、わ〜おやっぱりドラマ見なくていいような気がして来た(笑)。
ここで補完。なぜなら初回を姉にうっかり消されてしもたから(・・・・)。
抵抗せえへん福ちゃんが見れるなら明日は一応見てみるか(違)。
・・・・そうかやはりタオルが要るか・・・・。平常心では見れんなあ。
それまで綺麗な手に見蕩れるおとくいの気持ちで、脳内補完しときます。
落差、激しかったらどないしょう・・・・・。
41
悠斗
2008/04/14(Mon) 18:32
更新お疲れ様です。
無理じゃない恋愛。
恋愛じゃないから無理じゃない?
う〜ん、難しい・・・
どんどんと謎多き男に惹かれていく龍彦くんがいいですね。
続きが楽しみですv
42
トーリィ
2008/04/14(Mon) 22:19
はじめまして、トーリィと申します。
まずは新スレおめでとうございます!
実は前スレからこっそりと見ておりました。
素敵なレスター様ワールドにどんどん引き込まれて
いってどのお話もハマってしまいますww
無理じゃない恋愛素晴らしいですv
明日は本編の2話目ですね。
でも、実はレスター様のお話の方が楽しみだったります!!
長々と失礼しました。
更新頑張ってください!
43
柚雨
2008/04/15(Tue) 00:48
レスター様にホッとして頂けるなんて…感涙です。
もうもうもう〜と福ちゃんばりに照れてしまいます(照)
お話を読みながら、嬉しくてニヤニヤしてしまいました(笑)
世の中、勢いで始まることもありますよね。色々と(笑)
龍彦ー、頑張って監督さんをモノにしてー!とここから声援を送らせて頂きます。
44
千寿
2008/04/15(Tue) 07:37
新スレおめでとうございます。
きぃやぁーーvなんでしょう抵抗らしい抵抗もしなかった美しい手の酔っ払いちゃんv
恋愛じゃないとか何とか言うおっとこまえ様。
身体から始まる恋もあることを知っていそうなあの男前v
ふわ〜〜、どっきどきですぅ。
ごちそうさまでした。
それでは失礼いたしました。
45
うさみみ
2008/04/15(Tue) 09:53
新スレおめでとうございます!
移転も無事に終わって、またお会い出来て良かったです。
前回お返事のヨギータ牧師のセリフ、めちゃめちゃ笑いましたよ〜!
あれ、お得意さんの声で聞こえてきました。
「あげさしてもらうわ!」もツボったし、
小説以外の所も面白くても〜う、大好きです!
一郎ちゃん、このあとどうなるのか楽しみです。
「―――無理だ…って」が色っぽい。
話めちゃめちゃ戻りますが、レスター様も以前ナマモノされて
たのですね〜。ほんとに、中途を通してお話出来て嬉しいです(感涙)
では、また来ます!
46
レスター
2008/04/15(Tue) 18:22
>みゆきさま
おお、ファンタやなかった!
チリワインいいっすねえ〜。やっぱり赤は南米モノ。
ぜひともバーチャル同期呑みで(笑)。
ともあれ、あらためましてこれからも末永くよろしくお願いいたします!
ドラマ、そうだもう今日なんだ…早い!
1回目、消失の巻。なんて意外性のあるお姉さまなのでしょう。
でもでも、ぜひ今夜の2回目をご覧くださいませ。
ナチュラルなお得意さんとアンナチュラルな福ちゃんの勇姿を。
もちろん本物の龍彦と一郎は、飲み屋から部屋になだれこむような
お行儀の悪いことはしません。というか、出会いもしない…おそらく。
でも念のためタオルはご用意くださいませね(笑)。
>悠斗さま
無理じゃない恋愛。
恋愛じゃないから無理じゃない。
悠斗さまの言葉であらためて考えてみましたが…なんなんでしょう。
正直、二人に無理矢理言わせた感、満載でございます。
一郎、謎だらけですね。というか誰だかもうわからない人(笑)。
そういえばここまでで一度も名前でてこなかったですね。
というか、やっぱり福ちゃんは「福ちゃん」って呼びたいし、
徳井さんのことは「徳井さん」って呼びたい。
名前ってすごいなあと思いました。
万一ドラマのなかで龍彦が「水田さん」なんて呼ぶようなことがあったら
それはそれで卒倒しそうだけど…(99%ないとは思うけど)。
47
レスター
2008/04/15(Tue) 18:38
>トーリィさま
はじめまして!
お名前、みなさまのところで拝見しておりました。
こんなところまでいらしてくださっていたとは…
感激です、ほんとにどうもありがとうございます!
無理じゃない恋愛、なんか、初動の段階でだいぶ無理になってきております(笑)。
というか、進むほどずれてずれて、最終回の頃に
どんだけずれたか実験、みたいな企画になりそうな予感。
後発隊の私が僭越ながらみなさまの場所に間借りして、こうやって
トーリィさまともご縁を得て、なんか勝手に幸せな毎日です。
拙文お目汚しとは存じますが、どうぞどうぞ、これからも末長くよろしくお願いいたします!
> 柚雨さま
もうもうもう〜(ときどき思うんだけど、福ちゃんの語彙って
すごくシンプルなのになんて情感豊かに聞こえるんでしょうねえ)。
世の中、勢いで始まることもある。
…あると思います!(笑)
そのとおりですね柚雨さま。そう考えれば、この二人の「恋愛」も
ぜんぜん「無理じゃない」のかも。
ただ、現時点では優しいだけの男、龍彦でございます。
やけに気難しそうな監督さんをハンドルできるでしょうか。
というか、ほんとに誰なんでしょうかこの二人。今夜のドラマ観て少々リセットせねば…。
48
レスター
2008/04/15(Tue) 18:54
>千寿さま
わあ、いらしてくださってありがとうございます!
これからもどうぞどうぞよろしくお願いいたします。
美しい手の酔っ払い。ああ〜、素敵な響きですねえ。
そろそろ「手以外に褒めるとこないんかくるぅあ!」とくるっくるに舌を巻かれそうですが、
あるに決まってるじゃないの福ちゃん。
ありすぎて、そんなの並べてったら夜が明けてしまう。ねえお得意さん。
「身体から始まる恋」…うわわわわわわわわわ、こちらこそドキドキでございます。
いったいどこへ転がっていくかわからない龍彦と一郎ですが
どうぞ千寿さまのお言葉でお導きのほど!
>うさみみさま
ああ〜お会いできましたねえ。
いらしてくださってありがとうございます!
もうもう、私こそあの「うさみみさまプラン」のおかげでいろいろ想像しすぎて
それからしばらく電話が鳴るたび「鳥将軍ですけどもー」と聞こえてきそうで
だいぶ苦しかったです(笑)。
一郎ちゃん、どういう男なんでしょうかねえ。
龍彦を部屋に誘導したのが確信犯だったら怖いっすよね…
いやいやいやいやそんな福ちゃん、あかんわ(笑)…あかんのか?
ともあれ、どうぞどうぞこれからもよろしくお願いいたします!
49
レスター
2008/04/15(Tue) 19:31
連れて歩いている iPod に放り込んでいる曲が
最近どれもこれもみんな「中途ソング」に聞こえるのはなぜでしょう。
世界観的にはスピッツがどんぴしゃだけど、あなどれない(?)のは平井堅。
「君の好きなとこ」(むっちゃかわいい)とか
「Miracles」(むっちゃせつない)なんか、両方とも劇的に、
1番は福ちゃん→徳井さん、2番は徳井さん→福ちゃん なんよなあ。
歌の数だけ話できそうですよね。
きりがない。やめさしてもらいたいです、もう(笑)。
さて『無理じゃない恋愛』ですが、
ドラマが始まる前にあらすじ設定を読んで
「それじゃお徳井さんと福ちゃんリンクしいひんやんけ!」と憤った勢いから
とりあえず出会わせたくて書き進めてみたところ
そもそものずれがどんどんどんどん開いていってしまい、
たいへん先行きが不安でございます(笑)。
が、ここはひとつ
「毎週ドラマから2、3個アイテムを拾って、
ひたすら本編とずれ続けながら最終回まで突き進む」
というチャレンジを自らに課して、がんばってみたいと思います。
社会人としては、もっと世の中の役にたつことでがんばったほうがいいことはわかっています(笑)。
今晩から週末までは
ほったらかしにしておりましたホストと銀行員の『この世の果て』。
もしもお時間がありましたらで結構です、おつきあいのほど。
50
ぷっちゃい
2008/04/15(Tue) 20:08
はじめまして。
前スレからずーっと追いかけさせてもらってました。
レスターさまは世の中の役にたっておられますよ!
日々の活力をいただいてますですよ。
更新が楽しみすぎて、なんかもうもうもう!フラフラです。
平井堅はあなどれないですねー。
私も「キミはともだち」「ため息キップ」等を「中途ソング」に脳内変換して聴いてます。
51
レスター
2008/04/15(Tue) 20:42
>ぷっちゃいさま
はじめまして!
うわあ、そうやったんですか…もうもう、心よりありがとうございます。
またそんな優しいお言葉。私こそ、ずっしりと活力をいただきました。
中途って、そして中途スキーなみなさんって、いいなあ(涙)。
ぷっちゃいさまも、平井堅ですか!
あ〜「キミはともだち」、もうもうねえ!
「ため息キップ」…お、これは知らんぞ。聴かなくちゃ。
あとあと「思いが重なるそのまえに」を徳井さんに歌われたら
福ちゃん泣いて抗議するだろうな(笑)とか思ったりもする。
こんな私ですが、どうぞどうぞこれからも末永くよろしくお願いいたします!
52
レスター
2008/04/15(Tue) 20:48
久しぶりなのであらすじ、吟じときます。
『この世の果て---end of the world---』
<あらすじ>
故郷を離れた夜の繁華街で再会した幼なじみ、徳井義実と福田充徳。
偶然の再会は、10年前の苦い別れの記憶を越えて
二人を急速に結びつけ、
やがて周囲を巻き込んで<この世の果て>へと向かうーーー
そもそもは、お徳井さんと福ちゃんをバーカウンターに並べて
座らせてみたいというささやかな願望からはじまった中途パロ。
前スレ(このスレと同名)の 226 から 558 にかけて第1章が終わったところです。
たぶん、第4章くらいまでで終結の予定。
53
レスター
2008/04/15(Tue) 20:49
<これまでに登場した主な人物>
徳井義実…クラブ『ファンダンゴ・ポ・ラ・ノーチェ』のナンバーワンホスト。
見た目よりずっと素朴な32歳。
福田充徳…銀行員。融資課に移動して3年。
地味さを自負する、実は爆弾落としの32歳。
井上 聡…義実と同じクラブでナンバーワンを争う美形ホスト。好物はパン。
綾部祐二…後輩ホスト。童顔と口達者のギャップが魅力。義実を「先生」と呼ぶ。
又吉直樹…同上。超文系な感性と怪しい存在感でマニアに人気。
藤森慎吾…フリーターの眼鏡美少年。ただいま世の中すべてに対して激烈に反抗期。
川島 明…元ホスト。自慢の低音を響かせ、バー『サファリ』をハンドルするバーテンダー。
山本裕典…充徳の担当先「山本製作所」の長男。天然記念物クラスのピュアな高校生。
夜分にまた!
ドラマ見なくちゃ。みなさんのスレもまわりたい。忙シス…。
レスター
54
桜
2008/04/15(Tue) 23:31
更新お疲れ様です〜ww
無理じゃない恋愛・・・
いいですね〜ww
共演、してほしいんですけどもね笑
でもドラマの場面が少しずつ出ていて、
これホンマにドラマで出るんじゃね(←
的な感じで
とても満たされました^^
今見てきたばっかりなので余計。
この世の果て・・・
いよッ、
まってました!!(何
プロポーズも無理じゃない恋愛も面白かったけれども、
待ってましたよ^^
楽しみにしていますw
55
蓮々
2008/04/16(Wed) 00:32
おぉ
『この世の果て---end of the world---』
はじまりますか?
大好きなお話なので楽しみです。
レスター様の「吟じときます。」に笑ってしまった私をお許しください。
天津木村バンザイ。
56
名無しさん
2008/04/16(Wed) 01:14
この世の果ての続きも楽しみですが、
ドラマパロも楽しみですv
今日のドラマが生で見れまして、かなり嬉しいです。
いつもならいないもんなぁ…良かった良かったv
かえでさんに追い出されたシーンが今日ありましたよね?!
あれを見て、本当にこの後監督と会えるんじゃないかとドキドキしておりました。
しかし、飲んだ相手は立木さん。
行ったところは漫喫・・・惜しいなぁ。
両方とも楽しみにしておりますv
57
悠斗
2008/04/16(Wed) 01:19
56は私です。
最近名前を書き忘れるのが多く、無駄にスレを使ってしまい申し訳ないです(平伏)
失礼いたしました!
58
レスター
2008/04/16(Wed) 11:52
レスターでございます。
なにはさておき。
天下の男前、徳井義実さま。お誕生日おめでとう!
今日も今日とてお忙しいことでございましょう。
愛しの相方とはご一緒ですか?
ともあれ、ますますもって幸せな1年を!
59
レスター
2008/04/16(Wed) 11:57
>桜さま
こんにちは!
共演…やろうと思えばできると思うんですけどねえ。
わざわざ二人揃って出ているんだし、龍彦と立木さんが偶然会うくらいなんだから
かえでにふられた龍彦と、ついに律子に切れられた水田Dが
たまたまやけ酒飲むとか、もうちょろいと思うんですけど。
まさかお部屋へご一緒させろとまではいいませんから(笑)
演出部のみなさまにご一考いただきたい、ほんまに…。
『この世の果て』、そんなふうにおっしゃっていただいて
もうもう、ありがとうございます!気合いを入れて(しかし地味〜に)がんばりますので
これからもよろしくお願いいたします!
>蓮々さま
ホストと銀行員が10年ぶりに出会ってぇ〜え〜(後略)…あると思います!
木村師匠直伝(されてません)の吟の字に笑っていただけて、むっちゃ嬉しい(笑)。
これからもよろしくお願いいたします!
あ。きのう蓮々さまがいらしてくださってるとき、
私、蓮々さまのスレにおじゃましていたようでございます。
なんか、「しろやぎさんくろやぎさん」みたいですねえ(違うし、わかりづらい)。
『この世の果て---end of the world---』ようやく拾いにまいります。
ゆうべちょっとはりきってたのに、みなさんのスレをまわりながら
お得意さんの誕生日祝いに缶ビールあけたらとてつもない睡魔が。
今日はノンアルコールで。いや、それは難しいか…。
60
レスター
2008/04/16(Wed) 12:33
>悠斗さま
おお、昨日は生でご覧になれましたか!
わたくし、お預けくらっております。
チャンネル権は年上に。かろうじて録画権を死守したものの、
まさに年上の横暴に泣いたゆうべでございました。
立木さんに会うとこまではあらすじでイメージしていたのですが、
そうか、龍彦の行き先は満喫だったのか。さすが龍彦(笑)。
最近、町で黄色いジャケットみかけると「み、水田D!」
のどごしのCMを見ても「み、水田D!」と思ってしまう自分が哀しい。
そんなところにいるはずもないのに。ちりんちりん。
勝手に乗りかかった船、ドラマパロもあきらめずにがんばります。
こんなわたくしですが、どうぞよろしくです!
61
レスター
2008/04/16(Wed) 12:34
ほなちょっとだけ。
『この世の果て---end of the world---』第2章<1>
62
レスター
2008/04/16(Wed) 12:35
開店前の『ファンダンゴ・ポ・ラ・ノーチェ』に
招集がかかったのはおよそひと月前。
いつもの顔ぶれはもとより、
いくつかの店に散った旧知が数名そこに混じって
やや緊張の漂うなか、全員が
オーナーである沢村のよく通る声に集中していた。
63
レスター
2008/04/16(Wed) 12:35
あらためて告げられたことの要点は3つ。
ひとつめは、
かねてから動きのあった店の再統合と営業体勢の大幅な変更が
外部からの圧力で前倒しで実施されること。
ふたつめは、
具体的なプランについては現在海外にいる細川の帰国を待つため
見込みや予想で行動しないこと。
最後には、
周囲を刺激しないよう、すべてにおいて自重を心がけること。
「いまあげた5店舗はもちろん、
関係者の関わってるテリトリーには各自気を配ってほしい。
このあたりでいえば、『サファリ』については
川島に確認をとってある。それから…聡」
「はい」
「河本のところは、おまえにまかせるから」
64
レスター
2008/04/16(Wed) 12:36
急に名前を呼ばれて顔をあげた井上が、
沢村のその言葉を受けてらしくもなく視線を泳がせたのに気づいたのは、
おそらく徳井を含む同世代の数名だけだった。
「…はい」
と答えた声のかすかな震えに、
徳井は、なんでも飄々とやり過ごして不敵に微笑んでいるはずの井上が
いまだこの問題に関してだけは数年前から
同じ場所にうずくまったままであることを思い、
その思いに自分の中にもあるよく似た傷が呼応して、胸が痛んだ。
65
レスター
2008/04/16(Wed) 12:37
やがて、
「解散」
の号令に全員が立ちあがり
「ありがとうございました」
と声を揃え、やがてそれぞれの持ち場へと散らばっていく。
軽く首をまわして控え室へ戻ろうとした徳井を、
「よう」
と呼び止める声がした。
振り返ると、後藤が立っていた。
66
レスター
2008/04/16(Wed) 12:38
後藤は、徳井が前にいた店の同期のひとりで、
関西の新店に移ってからも多くの後輩から「輝兄」と慕われている。
「おう」
「めっちゃ久しぶりやん」
「あいかわらずとばしるらしいやん、鳥の世界では」
「誰が魅惑のチキルームやねん」
身長も顔の造作も、ばらしてみれば特別に群を抜いているというわけではなく、
親しい徳井や井上などは「鳥の世界やったらいけるのに」などといって
よくからかっているが、
結局その後藤が誰からも「トータルでめっちゃ男前」と評されるのは
その優雅な身のこなしと優しげな表情が完成させる
独特なたたずまいによるものだった。
実際、後藤はよく気のつく男で、数年前の騒動のときにも
ほつれかけた縦横のつながりを修復するのに大きな力を発揮した。
67
レスター
2008/04/16(Wed) 12:39
その後藤が、徳井の顔をみあげてニヤリと笑った。
「…なんや」
「カワイイのに手こずってんのやって?」
数メートル離れたところに立っていた井上をにらみつけると、
文句があるかと言いたげに眉を片方あげてみせる。
徳井は、先ほどちょっとでも同情したのを大いに悔やんだ。
68
レスター
2008/04/16(Wed) 12:39
「そやけど、そんなんやったら余計、気つけてやらな」
「…わかっとる」
「素人にも平気で手だしよるからな。
ほんま…あんなん二度と御免や。俺は」
苦々しげに溜息をついた後藤に、徳井は無言で同意した。
69
レスター
2008/04/16(Wed) 12:40
こんなところで。
またのちほどです! レスター
70
悠斗
2008/04/16(Wed) 13:09
河本さんが出てきて、またまた波乱があるんでしょうか?
皆さん色々抱えているご様子。
毎度のことながら続きが楽しみです。
追伸:ネタばれしてしまってすみませんでした!(泣)
71
柚雨
2008/04/16(Wed) 16:53
この世の果ての第2章が始まったんですね!
とっても好きなお話ですので、すごく嬉しいです。
>素人に手を出す
このフレーズにドキリとしました。
続きを楽しみにしています。
私も最近平井さんの新アルバムを借りてきて「君の好きなとこ」が中途ソング!と思ってました(笑)
歌詞の流れの見解もレスター様と同じなので嬉しいです♪
毎日「哀歌(エレジー)」(中途に脳内変換してます)とセットでヘビロテ中です。
72
レスター
2008/04/16(Wed) 21:54
>悠斗さま
ええもう。河本っさん。
難しいんですよねえこの人の存在が。むっちゃ好きやけど。もうもう。
皆さんに色々抱えてもらいすぎて、申し訳ない気持ちと
自分でまいた種を拾いきれるのか?という不安でいっぱいでございます。
とりあえずいいか、お得意さんの誕生日だし。
そういえば、誕生日らしいことなんもしてあげてないなあ。
これから呑むけど、乾杯くらいで許してくれるかなあ。
というか私が乾杯したところで、なんの意味もないんだけどなあ(笑)。
あ、ネタばれ。まったくもって無問題ですので!むしろ大歓迎です。ありがとうございます。
知ってて見るのが好きな小心者なので。ほんとにほんとにです(笑)。
>柚雨さま
素人に手を出す。そんなフレーズに目をとめていただけたとは。
たぶん、書き手の方ってみなさんそうなんじゃないかと思うんですけど、
読んでくださったかたのフィードバックを受けて
「私、こんなこと書いたんか!」という衝撃を受けることってよくあるんですよね。
まさにそんな感じでございます(笑)。
あとあと、平井堅マター。わたくし、この話のお得意さんと福ちゃんが
いちどは向かうんじゃないかと想定しているのがたのが「哀歌(エレジー)」なんです。
柚雨さま。この曲はねえ。ほんとにねえ。まずいっすよね…(遠い目)。
73
レスター
2008/04/16(Wed) 22:04
「…いきさつは、だいたいわかったと思うけども」
小さなグラスになみなみと注がれた透明な液体で
ちょっとだけ唇を濡らしてから、
「そんで俺は、なにをどう気をつけたらええの?」
90度の角度でソファーの隣に座る徳井に
福田は半ば呆れ顔でそう尋ねた。
74
レスター
2008/04/16(Wed) 22:42
「やから…」
「うん」
「知らん人に話しかけられても応えんようにするとか」
「うん」
「知らん人についていかんようにするとか」
「…」
だんだん前のめりになりながら真剣な表情で言い募る徳井に、
そこまでようやっと我慢していた福田はついに吹き出した。
「アホちゃうおまえ!30過ぎのおっさんになにいうてんねん」
「あんなあ福田…」
身体を折って笑い転げる福田を横目に徳井は溜息をついて、前髪をかきあげた。
「まじめな話やで」
「そら、わかっとるけど」
「俺のことで迷惑かけたないから」
「迷惑なんてかからへんよ」
「ほんまにあってんから、いろいろ…」
75
レスター
2008/04/16(Wed) 23:18
5年前の店舗合併のとき。
当時『ノーチェ』を仕切っていた細川も
『ミロンガ』のオーナーだった沢村も
まだこの街を甘く見ていた。
相手が同業であったところで、
バックグラウンドが違えばその色も価値観も
互いを理解し得ないほど相反したものになる。
この新進のクラブ2軒の統合に危機感を抱いた老舗のライバル企業は
非合法の団体に「助け」を求めた。
そこから始まった、ルールを無視した引き抜きと買収で
新店『ファンダンゴ・ポ・ラ・ノーチェ』は
誕生のその前に破綻の危機を体験することとなる。
76
レスター
2008/04/16(Wed) 23:22
新店の規模を縮小し、他地域の店舗に分散することで
ようやく存続のチャンスを得た『ファンダンゴ』ではあったが、
この騒動で失ったものは大きかった。
精神的に追い込まれた者、
自らに傷を負った者、
弱みを狙った脅迫に降参した者。
もしあの騒動がなければ。
河本や川島はもしかすると今も『ファンダンゴ』の顔として
同じフィールドで戦う仲間であったかもしれない。
77
レスター
2008/04/16(Wed) 23:26
新店の地盤がようやく落ち着いたころ、
残った面々を前に「淘汰」という言葉を使った人間がいた。
しかし徳井は、ほんとうにそうだろうか、と思う。
本流を逃れていった仲間たちは、
岸の上に自分が守るべきものを見つけ、
そのためにあえて陸へあがる決意をしたのだと、
徳井は今も思っている。
78
レスター
2008/04/16(Wed) 23:29
失うもののなかった、
淡々と流れに身をまかせることのできたあのころと違って、
今の徳井には、それから重ねたキャリアに伴う責任がある。
この街での保護者になってくれた細川や沢村に対しての恩も感じているし、
返すべき当然の義理も理解している。
しかし、だからこそ徳井には、
あのときの彼らが味わった喪失の恐怖が容易に想像できた。
失いたくないものがある。
この混沌に。
福田を、巻き込みたくなかった。
79
レスター
2008/04/16(Wed) 23:32
けれども、頑固で世間知らずな幼なじみは、
そんな徳井のあせりを軽々とはねのける。
「そんな心配してもらわんでええから」
「おまえ、わかってないねや。
ほんまはな、ここらへんでフラフラ一緒におるんやって
なんのきっかけになってまうかわからへんねやから。
そやから、落ち着くまでしばらくは」
「嫌やで」
はねのけたうえで、きっぱりと言い放つ。
「起きてもない危ないことでおまえと会えんようになるなんて、
そんなん俺、嫌やわ」
80
レスター
2008/04/16(Wed) 23:38
傍らで会話を聞いていたこの店の「ママ」が
手をたたいて笑い出した。
「…なんかおかしいっすか」
「おかしいっていうか…直球すぎるでしょ福ちゃん」
「やって悔しいやないですかそんなん、女の子でもないのに
知らん人とお話すなやぁ、とか」
「いやそっちじゃなくてさ…」
ガタイのいい「ママ」は半分泣きながら徳井に向かって
「すごい子つかまえたわねえ、よっきゅん」
という。
81
レスター
2008/04/16(Wed) 23:47
徳井が類いまれな感性で福田を見つけ出したあの土曜の朝から
たびたび会うようになった二人ではあったが、
まったく異なるタイムテーブル、
極端にいえば「朝」と「夜」に分かれて生活しているがために
時間的な折り合いをつけるだけでも苦心していた。
とくに、自分を探すのに徳井に大きな負担をかけたと
気に病んでいる福田は、
できるだけ自分のほうから徳井の店の近場へ赴き、
空き時間があれば一杯でも二杯でも呑んで
気軽に昔話に興じるという、フットワークの軽い約束を好んだ。
学生時代を彷彿とさせるようなその気軽な逢瀬に
なにかを取り戻そうとするようなひたむきさがあり、
それは徳井にとって大きな救いになっていた。
82
レスター
2008/04/16(Wed) 23:59
「つかまえたって…何度もいいますけど、普通に幼なじみなんですって」
「ああそう」
「やからほんまに」
「ハイハイ」
元は酒販会社のサラリーマンで
営業で店に出入りしているうちにこの道に入っただの、
若い頃は自衛隊にいてSWATの恋人がいるだのと
まことしやかなエピソードの尽きない「ママ」が経営するこのバーは
そういった界隈のいちばん端に位置する細い路地にある。
ゆるくみせかけておいて一見では入りづらい店であるから、
『ファンダンゴ』の連中も心おきない話をするのによく訪れていたし、
福田のような場所慣れしない者をひとりで待たせることになったとしても
心配ごとが少なくてすむと、徳井は思っていた。
83
レスター
2008/04/17(Thu) 00:05
「普通の幼なじみがよくまだそんなに会って話すことがあるわよねえ」
「そんないうたら、予備校のころなんかなあ、もっとあかんかったですよ俺たち」
「むっちゃ会ってたもんな」
「そやったなあ」
「もうやって、喫茶店で6時間とかほんまに話して、そのあと
まだ話し足りないからって3時間くらい電話してな」
「そんで、話してるうちにまた会いたいってなってドライブいったり」
「それ、あんたたちホンモノじゃないの…」
「ちゃうんですよ!ほんっとに話してんのくだらないことばっかりやって」
「もうなんだっていいわよ」
子供のように声をそろえて食い下がる徳井と福田に
「ママ」は手を振って笑った。
84
レスター
2008/04/17(Thu) 00:13
笑って昔話をしながら。
ーーーどちらも、あのことには二度と触れようとはしない。
10年前の、花嵐の中のできごとも。
ひと月前の、『サファリ』でのリフレインのことも。
考えてみれば、いまだにお互いの部屋も知らない。
携帯で連絡をとりあうだけの無邪気な関係を
わざわざ装っているようでもあった。
85
レスター
2008/04/17(Thu) 00:26
そのとき、あらかじめセットしておいた徳井の携帯のアラームが鳴った。
「タイムリミットや。店、戻らな」
「あー、お疲れさん」
「ほんまごめんな、いつも落ち着かんで」
「ええよ。わかってて来てんねやから」
徳井がジャケットを羽織るのをさりげなく手伝いながら
「ママ」は福田を振り返った。
「福ちゃん、もうちょっと飲んでくでしょ」
「そやねえ…こんなええ焼酎だしてもろて、急いで飲んだらもったいないですもんね」
「あんまり遅くならんようにせえよ」
「それ、やめろいうてるやん」
「だいじょぶだいじょぶ、タクシー乗るところまでちゃんと私が送ってくから」
「もうもう、やからええですってそれは〜」
3人は声を揃えて笑った。
86
レスター
2008/04/17(Thu) 00:38
「ほな、また電話するわ」
「…徳井」
ドアに向かいかけた徳井を、福田が呼び止めた。
気にしないとはいったが。
徳井や「ママ」の住む世界に、自分の知らない「裏」があることはたしかであり、
むしろそのことで徳井によけいな負担をかけるのであれば。
ふとそんな気になった。
「…あれやで」
「なんや」
「もし…逆にな、俺がおまえの迷惑になるんやったら」
「ならんがな」
徳井は、壁に片手をついて福田をのぞきこむように見下ろし、静かに微笑んだ。
「なるわけないやろ」
何度合わせても慣れることのない、黒く澄んだ徳井の瞳。
福田は思わず目を伏せて、幾度かまばたきをした。
「…ほんなら、ええわ」
「うん」
87
レスター
2008/04/17(Thu) 00:54
閉じたドアの向こうに徳井の背中が消える。
「ごちそうさま」
「やから…」
抗議をしかけた福田は、もうどっちでもいいような気がして笑った。
「でもねえ、ほんっとにびっくりしてんのよ。
よっきゅんがあんなに喋る子だって、私たちぜんぜん知らなかったから」
「ウソでしょ、やって…」
「それに、営業用以外では滅多に笑わない子だったからね」
「…」
そういえば、初めて徳井の店に行ったとき、後輩の綾部もこんなことを言っていた。
(あんな子供っぽいしゃべりかたする先生、初めてみましたよ)
徳井のあけたカクテルグラスを片づけながら、「ママ」が聞く。
「福ちゃんはさあ、正直なとこ、あの子のことどう思ってるの?」
88
レスター
2008/04/17(Thu) 01:09
「どうって…いわれましても」
福田は、ソファーに座り直して
飲みかけの焼酎のグラスに口をつけた。
「…ええやつですよ。優しいし。
会わへんうちにむっちゃカッコようなってたから、
隣とかにおんのはちょっと気いひけますけど」
「そんなことないでしょ、福ちゃんだって超カワイイじゃないの」
「そんなわけわからんこというの、ママと井上さんくらいですよ」
「うわー気をつけなさいよ、聡はねえ、ああみえて肉食だから」
「まさか」
「で、結局どうなのよ」
89
レスター
2008/04/17(Thu) 01:10
言葉に詰まる。
どう言えば。
「…」
どの言葉なら託せるのか。
あの男のそばにいるときの気持ちを。
あの男を思うときの気持ちを。
「…大切なーーー」
そうして、やはりこの言葉にたどりつく。
「ーーー幼なじみ、ですねえ」
90
レスター
2008/04/17(Thu) 01:18
「えーつまんない!」
「いいですつまんなくて」
「もうちょっと言動に色気ってものをね」
「そんなもん必要ないですけども」
「福ちゃんさあ」
「ママ」が真顔になって尋ねる。
「彼女とかいないの?」
「いないっすね」
「彼氏も」
「いてますかそんなもん」
「あっさりしてるわねえ」
「バタバタしてるあいだに、なんかもう油ぬけてもうたんかも」
「やめてよ若いのに」
91
レスター
2008/04/17(Thu) 01:34
「その乗りじゃ、あんまり聞いてないんでしょ。
東京にきてからの、よっきゅんの話」
確かに。
徳井が自分からぽつりぽつりと話すこと以外は、
自分からつっこんで聞くことはしていない。
逆を言えば、徳井もそうだ。
必要以上に福田の生活に立ち入ってはこない。
地元にいたころの、なにも考えずにじゃれまわっていたときと違う距離感を感じるのは、
離れていた年月の分の気恥ずかしさと、
お互いがもう大人になったせいだと思っていた。
「知りたい?」
「…」
92
レスター
2008/04/17(Thu) 01:51
知りたいと、ひとこと言えば。
「どう…なんやろ」
教えてくれとひとこと頼めば、
この人は、自分の知らない徳井の姿を話して聞かせてくれるのかもしれない。
けれども。
「徳井はいやなんかもわからへんし」
ーーーというよりも。
「いいたなったら、いうてくれれば。
俺はべつにそれでかまへんし」
ーーー本当は。
93
レスター
2008/04/17(Thu) 02:08
「福ちゃんの、そういうとこがいいんだろうね」
「ママ」は優しい顔をしてため息をついた。
「そんな感じでいいからさ。あの子のそばにいてあげて。
そうしたら多分…」
そのとき。
隣のブロックのソファーの陰から、
ひきつけたような小さな笑い声が聞こえてきた。
その声の方向に福田が視線を向けたとほぼ同時に。
身体を傾けた声の主が
ソファーから勢いよく顔をのぞかせる。
口元に微笑みを浮かべ、黒縁の眼鏡の奥の瞳は鋭いままに。
94
レスター
2008/04/17(Thu) 02:10
「あんたが、フクチャン、か」
95
レスター
2008/04/17(Thu) 02:13
レスターです。
ちんたらしてたら、徳井さんの誕生日あけてしまったやないの。あらら。
お風呂はいってから、のちほど、このエピソードの終わりまで。
96
悠斗
2008/04/17(Thu) 03:20
キター!!
黒ぶち眼鏡の女子高生ですね?!
これからどうなるんでしょ?
明日また来ます!
97
蓮々
2008/04/17(Thu) 03:50
更新おつかれさまです。
どきどきどき・・
わぁなんか期待に興奮する。
だれだだれだ?声かけたのは。
ママさん。いい感じの人だぁ。
なんかファンになりそうです。(なんでだろう。)
きっとこれからも福ちゃん達の強い見方になってくれるのでしょうね。
このお話のファンである私でございます。
続きをたのしみにしています。
98
千寿
2008/04/17(Thu) 07:38
ふわー。出ました、ふくちゃんの無意識な爆弾発言vv
『起きてもない危ないことでおまえと会えんようになるなんて、
そんなん俺、嫌やわ』
こ・これはもう、おそらく心臓ぶち抜きでしょう!!
私はもう風穴あいてしまいましたよ。きゅんきゅんでございました。
きゃわ!眼鏡男子でた!!何か予感をはらませつつのご登場にどきどきです。
それでは失礼して仕事に行ってきます。
99
レスター
2008/04/17(Thu) 12:10
レスターです。
昨晩は、お風呂からあがったらそのまま絶命してしまいました。
アフター徳井バースデーナイトだったのに。
自分がいかに睡魔に勝てない人間であるかということを
いい加減、自覚しようと思います。
>悠斗さま
はい、迫り来る黒ぶち眼鏡の女子高生(笑)。
存分に黒猫モードを発揮してもらいたいところなんですが、
もうジャンプ最終回のへんな歌絶唱やらなんやら
そういうの思い出すと、なんかもう愛しくてですね…
心を鬼にして(?)、ひとっ働きさせようと思います。
悠斗さまがつぎにお立ちよりくださるまでに、
福ちゃんにひっかき傷のひとつでも、つけときますかね…。
100
レスター
2008/04/17(Thu) 12:19
>蓮々さま
声をかけてきたのはですね、あの信濃路出身の眼鏡っ子でございます。
相方とはぐれているため、かなりワイルドになってます。
ママさんをお気に召していただけて、非常に非常に嬉シス。
えっとイメージとしてはですね…あのビール会社の黄ジャケの兄さん。
『真夜中の野次さん喜八さん』ときの役と、
それにも増して以前、水10でやってた「メロンちゃん」ってのが
あまりに鮮烈に記憶に残ってるので(こんなん聞いても蓮々さま、
まだママさんを好きだとおっしゃってくださるだろうか、ドキドキ)
ともあれ、これからもずっと二人の味方でいてもらおうと思っていますです!
>千寿さま
無自覚超ド級ボマー、福田充徳32歳。
あー、あと4ヶ月、お得意さんより年下なんですねえ。
だからなんだって話だけど、それだけでもときめく中途の魔力。
眼鏡男子のひと暴れを、どうぞ暖かい目でお見守りいただけましたら。
お仕事、どうぞがんばってくださいませ!
またのちほどお目にかかれますのを楽しみに、
私も1日頑張ります!
101
レスター
2008/04/17(Thu) 12:21
福田よりもさらに華奢にみえる、少年のようなその男は、
音もなく立ち上がると2、3歩歩み寄り、
それこそ、福田の頭のてっぺんから足の先までを
ほとんど嘗め回すようにして視線をすべらせた。
そしてやがて、男にしては高いトーンの硬質な声で、ひとこと言い放つ。
「…つまんねえ奴!」
102
レスター
2008/04/17(Thu) 12:29
「慎吾ちゃん、あんたなんで…」
自分のいないときに福田と慎吾を鉢合わせさせないでほしいと
徳井から釘をさされていた「ママ」は
うろたえて店の入り口を振り返り、
おそらく知らずに通してしまったであろう、店に入って1週間にならない新人が
不安げにこちらを伺っているを見て頭を抱えた。
103
レスター
2008/04/17(Thu) 12:32
「どこがいいわけ?ぜんぜんわかんねえ」
黒い縁の眼鏡の奥で、瞳が暗く燃えていた。
皮膚の薄い、白く美しい顔立ちをしたその男は
そのあどけなさの残る頬に不似合いなほどの冷酷さで
福田を見下ろしていた。
徳井と再開してから、なぜか初対面の人間が
たいてい自分の名前を知っている状況にはいい加減慣れていたし、
自分がごく平凡な人間であるという自覚があり
むしろ自らマイナスの方向に傾きがちな福田は
この男の言葉そのものには特に衝撃を受けなかった。
ただ。
他人からここまで冷たい憎悪を抱かれたことはない。
そのことに驚いて、言葉を失っていた。
104
レスター
2008/04/17(Thu) 12:37
眉根を寄せたまま黙って見上げている福田に苛立ち、
男は声を荒げた。
「…なんかいえよ」
(誰なん)
この若い男が、いったい徳井との間にどんな関係を持つのか
ゆるゆると考えていた福田は、ぼんやりと、
「知らない人としゃべるなって、いわれてるから」
と答えた。
緊迫していた店内が、一瞬にして毒気を抜かれた。
「ママ」が小さく吹き出す。
しかしこのことが、しばらくの間をおいてさらに男を激昂させた。
105
レスター
2008/04/17(Thu) 12:39
「おっさんじゃん。ただの」
1歩。
「幼なじみかなんか知らねえけど、
10年もほったらかしといて急にでてきて、
くだらねえことばっかベラベラしゃべりやがって」
また1歩。
「そんだけなんだろ。あの義実と一緒にいて」
男が近づく。
「どんだけ枯れてんだって話だよ」
106
レスター
2008/04/17(Thu) 12:40
<義実>
その名を聞いて。
この男の唇が、
自分も呼ばない呼び名で
これみよがしに徳井の名をたどるのを聞いて。
福田は、身体の奥でなにかが逆流するのを感じた。
107
レスター
2008/04/17(Thu) 12:42
「あんた、おっさんっていうかジジイなんじゃねえの。
勃たねえんだろもう」
「慎吾!」
「ママ」が大きな声で遮った。
「いい加減して、早く出てって…」
しかし、そう言い終わらないうちに
ゆらっと立ち上がったのは、福田だった。
そして。
思いがけない言葉を吐いた。
108
レスター
2008/04/17(Thu) 12:43
「…勃つよ」
109
レスター
2008/04/17(Thu) 12:48
かすれた小さな声で。
しかしはっきりとそう言い、慎吾を見据えた。
「俺やって、好きなヤツのこと考えたら勃つし」
しかしその目は、自嘲するかのようにかすかに潤んで、
慎吾を責めてはいなかった。
「やけどな。
そやからどうこうするっちゅうのは、別なんや。
誰でもーーー自分と同じやと思てくれるな」
店内は、水を打ったように静まりかえった。
110
レスター
2008/04/17(Thu) 12:49
その静寂を破ったのは、
頬を打つ破裂音と、
テーブルの上のグラスが倒れて割れる激しい衝撃音だった。
111
レスター
2008/04/17(Thu) 12:54
福田につかみかかってソファーに押し倒した慎吾を
店の人間がふたり飛びついてひきはがし、
「出て行きなさい、慎吾!」
「ママ」の悲鳴にも似た怒声が響いた。
洗面所から戻った慎吾の連れーーー
いかにも業界に通じた風情の中年の男が
ことの次第を知らないままこの光景に驚き、
押し出されるようにしてもみあいながら店の外へ消えて行く。
ソファーに取り残された福田は、
打たれた左頬を押さえたまま、呆然としていた。
112
柚雨
2008/04/17(Thu) 14:36
私もジャンプを見てから慎吾を可愛く思うようになりました。
でも…うわああ(泣)
今は触るものみな傷つけた〜♪というお年頃なんですね。
慎吾を激昂させた福ちゃんの言葉で、どれほど徳井さんを大切に思っているかが伝わってきました。
福ちゃん…頑張って(涙)
ママはメロンちゃんなんですね。
2人の味方がまた増えて嬉しいです。
「哀歌」でしたか!
…確かにこの歌はまずいですよねぇ…。
あの…あれですし。(ぼやかし過ぎですね(苦笑))
なのでまさに「この世の果て」辺りを想像してしまったり。
いやいやいや!と思うのですがやはり思考はそこへ流れ着いてしまいます…。
113
レスター
2008/04/17(Thu) 19:12
>柚雨さま
わかってくれとはいわないがぁ〜♪
そう、きみが悪いんだよ慎吾くん。
やけど、しょうがないよねあっちゃんがおらんのだもの。
というわけで、急ぎ中田敦彦手配中でございます。
ジャンプ、せっかくコンビ同士の距離が縮まったのに、
終わっちゃってほんとに残念だったですよねえ。
来月のWOWOWで見られると噂のオリラジ企画に期待なのか…。
>どれほど徳井さんを大切に思っているか
柚雨さまの書いてくださったお言葉で「ああそうだったのか」といまさら気づく
わたくしでございます(笑)。どうもありがとうございます、ほんとうに。
中途も、中途の結んでくれたご縁も、ほんまに優しい(涙)。
114
レスター
2008/04/17(Thu) 19:15
頬を押さえた指先が、細かく震えていた。
突然の竜巻に巻き込まれた恐怖からではなかった。
つい今しがた自分の口をついて出た、ほかならない自分自身の言葉に。
一瞬にして燃え上がった激しい衝動に、
福田は怯えていた。
半開きになった店のドアの外からは、
まだ大声でもめる廊下の声が聞こえている。
福田は、よろめきながら立ち上がると、
もつれる足で洗面所へかけこみ、
白い洗面台にすがりつくようにして、激しく吐いた。
115
レスター
2008/04/17(Thu) 19:17
(俺やって)
(好きなヤツのこと考えたら―――)
(誰でも)
(自分と同じやと)
(思てくれるな)
通り魔のように襲いかかったあの男に斬り返した言葉の刃は、
諸刃となって自分を深くえぐった。
いちばん認めたくなかったはずの疑念を
進んで確認し、肯定したのだ。
この男は、自分の知らない徳井を知っている―――と。
116
レスター
2008/04/17(Thu) 19:19
放り込まれた狭いエレベーターの中で、
慎吾の連れである中年男は、面倒そうに不平をもらした。
「なんなんだよこれ。おまえがどうしてもこの店だって言うからわざわざ」
『ファンダンゴ』にしつこく電話して
徳井のシフトを聞きだし、
ヤマを張ってこの店にもぐりこんだ。
そうして、間抜けなほどまんまと、二人は現れた。
そして、初めて見るその男の屈託のない笑い声は
慎吾の神経を逆なで、制御の出来ないほどの憎しみを巻き起こした。
117
桜
2008/04/17(Thu) 19:20
横入りすいません!!
きたーーーー!!
いつもは可愛いwと思われている(←
慎吾がっ、
小悪魔にww
かわいいッスね、萌えです。(おかしい
でも逆上する福チャンも可愛いです。
リアルで見てますね!!
118
レスター
2008/04/17(Thu) 19:24
(誰でもーーー自分と同じやと思てくれるな)
ついさっき、そう言った男が。
(むっちゃ“キレイ”やからな。おまえとは、違う種類の人間やから)
ひと月前、そう電話越しに煽った井上の言葉が。
そして。
(ごめん、わかんねえ。俺は…藤森とは違うから)
1年前、哀しげにそうつぶやいたあの愛しい「顔」が。
ないまぜになって慎吾を苛み、視覚を、聴覚を歪ませた。
119
レスター
2008/04/17(Thu) 19:26
徳井に引導を渡され、
逃げ場を失った恵比寿のレストランからの帰り道には
われとも知らず泣いた慎吾だった。
けれど、そんな感情ももう消え失せた。
残っているのはただ、
冷ややかな微笑みだけ。
120
レスター
2008/04/17(Thu) 19:30
「あ、ちょっ…もう時計みろよこれ、傷ついちゃったじゃねえか」
「ごめんね」
「ごめんっておまえな」
「許してよ。なんでもするからさ」
エレベーターの扉が開き、
夜の街のネオンが脳裏になだれ込む。
慎吾は、男の腕に自分の腕を絡ませてその顔を見上げ、
「なんでもしてあげるからさあ」
その独特な声で相手の感情を絡めとる。
「ついでにーーー頼みごときいてくんねえ?」
堕ちる覚悟はとうにできている。
小さな黒猫の姿を借りた慎吾の胸の奥で、黒い豹が牙をむいた。
121
レスター
2008/04/17(Thu) 19:32
洗面所の大きくひねった蛇口から、うるさいほどに水音が響く。
「福ちゃん、大丈夫…」
しばらくして飛び込んできた「ママ」が
蛇口からあふれ出す水を浴びて
シャツを肌にはりつかせた福田を助け起こし、
さきほど慎吾に打たれた箇所だけが赤い跡をのこす、
紙のように白く血の気のひいた顔色を見て仰天した。
122
レスター
2008/04/17(Thu) 19:35
「ごめん、ごめんね福ちゃん、私が悪かった…」
そう繰り返す「ママ」に、福田は必死でかぶりを振った。
(そうやない)
(誰も悪くない)
(悪いのは)
知らなくてもいい。
あんなのは嘘だ。
知りたい。
けれど、怖かった。
自分のいなかったこの10年の徳井を、
そして、徳井と関わった人間と、その生々しいつながりを知ることが。
(悪いのは、俺なんや)
とてつもなく恐ろしかったのだ。
123
レスター
2008/04/17(Thu) 19:38
そこへ徳井を追い込んだのは、
10年前、降りしきる花の下であの温かい手を振り解いた
自分なのに。
慎吾が福田の頬に与えた痛みは、
あのとき自分が徳井を打った「代償」なのだと、福田は思った。
124
レスター
2008/04/17(Thu) 19:40
福田は、やがて泣き崩れて床に座り込んだ。
徳井に連れられてこの店にやってきて以来、
いつも朗らかに笑っている顔しかしらない福田の
感情を曝けだした姿に、「ママ」は狼狽した。
「…て」
「え、なに?」
「お願い…やから…」
しゃくりあげながら、消え入りそうな声で必死で訴える
福田の口元に耳をよせる。
「徳井に…言わんと…って…」
125
レスター
2008/04/17(Thu) 19:47
「わかった。わかったから」
「ママ」は床の上で肩を震わせる福田を抱きしめ、
その痩せ細った背中を
赤ん坊をあやすように何度もさすってやった。
ーーーなぜ人は。
ただ誰かを愛しいと思う、それだけのことすら許されずに
こんなにも自分を痛めつけてしまうのか。
何年この街に暮らしてもこればかりは理解できない、と思いながら。
『この世の果て---end of the world---』第2章<1> <終>
126
レスター
2008/04/17(Thu) 19:51
>桜さま
おお、いらっしゃいませ!
お立ち寄り、そしてお見守りいただいてほんとにありがとうございました!
慎吾、ごめんねえ…
キミは悪ければ悪いほどかわいく感じるよ。なぜだろう。
やけど、福ちゃんをなめてかかるとあとでえらいめにあうよ。
うまく関われば幸せにもなれると思うけど(笑)。
そんな感じでございます。
桜さま、ありがとうございました。よきアドバイスたまわりたく候。
そんなわけで。
お得意さん、きのうはいい誕生日だったかね?
レスター
127
蓮々
2008/04/17(Thu) 19:55
更新お疲れ様でした。
リアル読みをさせていただいてました。
(お昼更新リアル読んでたよん。)
う。。福ちゃん。泣いちまったよ。
切ない。
しかもこれからもなにか危ないことが起きそうで心配。
たとえママさんがぐっさんのような、ぐっさんに似た、ぐっさんでも
ママは私のお気に入りです。
きょうのお話で確定です。
これからも福ちゃんの“ママ”的存在でいてください。
次回更新をたのしみにしています。
128
悠斗
2008/04/17(Thu) 20:42
切ない、せつないですよレスター様ぁ(泣)
最後の文章に撃ち抜かれました。
引っ掻き傷どころじゃないですね。
そして、黄色いジャケット着た先輩のような「ママ」。
ばっちり想像ができました(笑)
私もママがお気に入りです。
これからも二人を母のように見守って欲しいです。
更新お疲れ様ですv
129
たつき
2008/04/17(Thu) 23:52
更新お疲れ様です!
遅くなりましたが、お引っ越し&新スレおめでとうございます!!
福ちゃん…切ないです…(泣)
私も切なくなっちゃいました(泣)
そして小悪魔女子高生何を企んでるんだとドキドキハラハラしとります。
またおじゃまさせてもらいにきますのでお願いしますv
130
柚雨
2008/04/18(Fri) 06:59
福ちゃん…(泣)
ただただ切ないです。
あっちゃんが早くみつかりますように。
レスター様にそんな風に言って頂けるとびっくりしてひっくり返ってしまいます。
こちらこそいつも切なくてドキドキするお話を読ませて頂けて嬉しいです。
続きを楽しみにお待ちしています。
131
レスター
2008/04/18(Fri) 12:25
すごい雨っすねえ。
ランチしてるカフェの前がとんでもないことになってます。
やけど、こういう光景にもちょっと中途の二人をおいてイメージしてみると
即効ドラマチックというかロマンチックというか、
そんな感じになっちゃうのはなんででしょう(笑)。
>蓮々さま
うわあ、お昼も夕方も見守ってくださってたんですねえ。
嬉シス。ありがとうございます!
心が痛いけど、福ちゃんにはもうちょっとビクビックルな体験をしてもらって、
でもまあそれも荒治療ということでお徳井さんとの距離が縮まれば…
いや、やっぱりちょっと心が痛いですけども。
ぐっさんのような、ぐっさんに似た、ぐっさん。
ぐっさんやないけ(笑)。というかそうなんです(笑)。
よかったですほんとに、受け入れていただけて…(感涙)。
ぐっさん大好きなんですわ。あの不動の包容力。ママにしちゃって申し訳ない。
> 悠斗さま
う、引っ掻くつもりがちょっといきすぎましたかも…
ごめんねえ福田くん。
黄ジャケ先輩のような「ママ」、ああよかった、悠斗さまにも
お許しを頂戴できたですね…(安堵)。
お得意さんも福ちゃんもあぶなっかしいですから、
こういう保護者がいてくれるとちょっと安心。
…できるのか?だいたい、のっけから黒猫に侵入されてましたし(笑)。
ともあれ、ニュー「新宿の母」として、
これからもどうぞよろしくお願い申しあげます。
132
レスター
2008/04/18(Fri) 12:33
>たつきさま
ようこそようこそおいでくださいました。
どうもありがとうございます。
新スレもこんな調子ではございますが、
どうぞこれからもよろしくお願いいたします!
福っちーはあんなに笑顔がカワイイのに、
困ったり泣いたりしてるとこがさらにカワイイと思ってしまう。
小悪魔女子高生の本音もそれだったりして(いやそれは今んとこ違う)。
みんなの幸せをがんばって拾って、責任とらなきゃなあと思ってます。
どうぞどうぞ、お力添えくださいませ!
>柚雨さま
敦彦さん、どこにいらっしゃるんでしょう。
早く来て、慎吾にいつものやったげて(いつもの?)。
こないだうちから平井堅の話をしていたせいで
せっかく iPod にいろんなのを放り込んであるにもかかわらず
平井部分ばかりがヘビーローテーション。
さらに気をつけてきいてみたら、あの人の歌詞ってほんとに1番と2番で
アンサーソングみたいになってるものが多いんですね。
いまごろ気づいたのは遅いのか私(笑)。
夜また更新します。ご都合のよいときにまたいらしてくださいませ!
133
レスター
2008/04/18(Fri) 12:41
吟じます。
『無理な恋愛』のサイトで来週のあらすじ読んでて〜ぇ〜
水しか出てこないシャワーと聞いたら〜あぁ〜
『それってただの福田んちやん!」と叫ぶ〜。
あると思います。
この台本のくだりを読んだとき、お得意さんが周りの人に
「こないだ福田くんちがほんとにシャワー水だけしかでんようになって」
と話してきかせた、に万馬券賞金700万円。
そして、「ガス屋さんに来てもらうってことになって
「おまえんちオートロック?」って聞いたら「ううん新宿区」と答えた事件」
についても話した、にMー1優勝賞金1000万円。
そんなわけで、また夜に! レスター
134
みゆき
2008/04/18(Fri) 13:12
おかえりなさい、黒服おとくいさん。グレースーツ福ちゃま。
待ってましたぁぁああ!!(感涙)
ああああ自覚ちゃった。思い知っちゃったんですね福ちゃま。
おとくいさん何してんの。はよぎゅってしたげて福ちゃまを!
と喚いておりましたです。
オートロッ区にお住まいのお話の下り、福ちゃま宅を知らないと言って、
お客さんがえ〜!ってゆったのをおとくいがスルーした辺りで、
語るに落ちる、と思ったわたくしに、500円玉。
木村は天才やと思うのはわたくしだけでしょうか。漫才いまいちなのに(あっ!)
ラブホのネタをまる金で聞いた時は、夜中に高笑いをしてしまい、
睡眠中の母をも起こしてしまった愚か者でございました。
135
みなみ
2008/04/18(Fri) 23:27
レスターさま
はじめて書き込みします。
もう一気にレスターさまの世界に引きこまれて読みました。
どの話もこれからどうなってしまうんだろう?ってドキドキしながらいい子にPCの前で更新を待つことにします。
素敵なお話をありがとうございます。
そして、これからもご自分の納得いくペースで、お話を届けてください。
みなみ
136
名無しさん
2008/04/19(Sat) 08:38
黒猫にも幸せが訪れる事を切に願います。
137
レスター
2008/04/20(Sun) 12:07
ようやくこれた。週末は週末でノルマ厳しいっすねえ。
レスターでございます。
>みゆきさま
いつもほんとにありがとうございます。
ええ、戻って来たで、黒服とグレースーツ(笑)。
500円玉て…安すぎるでしょうそれは!
どんなに少なく見積もっても、あなた行ってるじゃないの新部屋公開時に。
しかも福田母に頼まれたでしょ、
「徳井くんはしっかりしてるから、うちの子よろしく」(意訳)って。
師匠木村は天才やと私も思います。
全国進出してほしい気持ちと、あくまでローカルでブラジルまで掘り下げてほしい気持ちと、
客ってほんとに勝手な生き物ですよねえ…。
>みなみさま
はじめまして!
お立ち寄りくださいまして、そしてメッセージを残してくださって
ほんとうにありがとうございます。
どの話も書きっぱなしでお恥ずかしい限りなのですが、
ちょっとずつでも進めてまいる所存です。
もしよろしければ、これからもときどきお立ち寄りくださいませ。
ほんとにありがとうございます。
中途と、中途の結んでくれたご縁が日々の活力です。
>136さま
はい。
しかと承りました。
黒猫も、きっと幸せにいたします。
138
レスター
2008/04/20(Sun) 12:09
そんなわけで、あれから2週間後くらいの
ある日曜日のお話。
リアル時間帯っぽく進めていけたらこれ幸い。
よろしくお願いいたします。
139
レスター
2008/04/20(Sun) 12:10
「…すんません、今なんて…」
「いや、だからね」
丸いカフェテーブルに置かれたカフェオレを脇に押しやって
少し前屈みになり、
「徳井は、経営とかそういう方面には興味あるのかなって」
沢村がいった。
140
レスター
2008/04/20(Sun) 12:11
日曜の、正午をまわったばかりの時間。
陽光の差し込む恵比寿のオープンカフェの、
店内に入りこんでやや明度を落とした奥の席でも
その尋常でないオーラを放つ3人は
ほかの客や通行人の目をそれとなく集めていた。
「考えたこともないです…」
徳井が、沢村の目の奥を伺うようにして答える。
「そう」
「それ、でもどういうことですか。沢村さんは…」
141
レスター
2008/04/20(Sun) 12:12
沢村は『ファンダンゴ』のオーナーである。
ただでさえ今、店の周囲に不穏な空気の漂うなかで
店から離れた場所で、しかも昼の時間帯にオーナーに呼び出され、
そしてそこへ行ってみれば帰国したばかりの細川が隣に顔を並べていた。
徳井がその真意をはかりかねたのも無理からぬことだった。
「いやいや、ただ見てくれの形をね、変えようっていう話で。
細川ともずっと話してたんだけど」
やや眠そうな顔をした細川が、カプチーノのカップを口元へ運びながら
涼しい目元だけを微笑ませて同意する。
142
レスター
2008/04/20(Sun) 12:14
「たぶん」
沢村がやや声を落として続ける。
「新宿からは、撤退することになると思う」
「…」
「詳しいことはもう少し具体的になってからでないと話せないけど。
とりあえず、徳井にはそういう腹づもりをしといてもらいたいと思って」
気持ちのいい音をたててカップをソーサーに置いた細川が言う。
「徳井はさ、いい意味で目の効くところがあるじゃない」
オリエンタルな顔立ちに、
おそらく親しい人間にしかみせない人なつっこい表情を浮かべる。
「だから、もっと多角的にやってってほしいなって、前から思ってたのよ」
「デザイン的な部分もでしょ」
沢村がサポートする。
「そう。ただの家電オタクじゃねえ、もったいないからアナタ」
「オタク…っすか」
この二人にはどうやっても頭のあがらない徳井が頭をかき、
沢村と細川がさもおかしそうに笑った。
143
レスター
2008/04/20(Sun) 12:15
「ただね」
沢村が真顔になる。
「最近、前とは事情が変わったんじゃないかと思ってね」
「…」
「いろいろ、ネゴっとかないといけない相手があるんじゃないかと思って。
それで取り急ぎご相談をさしあげたいと、思ったんですけどね」
その真顔のなかで、口の端だけを持ち上げた。
144
レスター
2008/04/20(Sun) 12:16
「福ちゃん、だっけ?」
徳井は、椅子の背に体を預けて、大きな溜息をついた。
「…また井上っすか…」
「あのね。悪いけど、みんな知ってるから」
心底嫌そうな顔をして顔をのけぞらせた徳井に、
沢村と細川が顔を見合わせて笑った。
「だからさあ」
細川が、床に置いてある徳井のバッグを指差していう。
「鳴ってるけど、出たら?」
145
レスター
2008/04/20(Sun) 12:18
オーナー陣との話の最中にプライベートの電話に出る訳にはいかない。
気づいてはいたが黙殺していたわずかな振動を
沢村と細川にはキャッチされていた。
「…」
「早く。切れるから」
「…すんません」
屈んで、鞄のジッパーを開けた徳井を
沢村と細川はいかにも愉快そうに眺めていた。
146
レスター
2008/04/20(Sun) 12:19
「…ごめん。うん。うん。着いたんけ」
さきほどから、あやしげではあるが基本的に標準語で話していた徳井が
一瞬にして「郷土訛り」になった姿に、
沢村と細川は小さく吹いた。
「駅におるん?や、もうちょっとやな…」
そう言いかけたとき、徳井の手元から
細川が鮮やかな手つきで携帯をすりとった。
147
レスター
2008/04/20(Sun) 12:21
「いや、仕事もう終わりましたから」
「ちょっ…」
「あ、徳井くんのおともだちで、ええ、どうもあの、細川っていうんですけど」
「細川さん!」
奪い返そうとした徳井を、沢村がはがいじめにして、耳元で囁く。
「一緒したらいいじゃない」
「いや駄目です…て、なんか今日、行きたい所があるっていうんで」
「そうなの」
そうこうするうちに、細川が機嫌良くナビゲートを開始する。
「そしたらさ、駅からすぐだから来れる?店まで。うん。
あのね、そこ背中にしたら前にちょっと下ってる坂があるでしょ…」
148
レスター
2008/04/20(Sun) 12:22
「ちょっと!」
「いいから」
「いや、あの…」
「俺たちには紹介してくれないの?」
もがいた徳井をおさえつけたまま、沢村がまじめな声で言う。
「俺も細川も、顔知っといたほうがいいと思うんだけど」
含まれた真剣なニュアンスに、徳井は観念した。
149
レスター
2008/04/20(Sun) 13:06
やがて電話を切った細川が、髪をかきあげながら
徳井の手に携帯を戻す。
「待ち合わせすんのに、駅まで来てくれてるわけ?」
「…」
「行きたいとこほかにあるのに?わざわざ?」
「…時間ないんで、あんまり」
「いいなあ徳井」
「いやそういう」
「ちょっとでも一緒にいたいんだねえ」
「そんなの見ないねえ、最近」
「ないねえ」
「ほんまに、そういうんじゃないんで」
徳井が必死に食い下がった。
「そういうことはないんで、ほんまに」
150
桜
2008/04/20(Sun) 13:07
更新お疲れ様です!!
どんどんどんどん引き込まれていってます。
これからもずぅっと見てますw(ストーカー並み
平日キツいんで、楽しみにしていますね♪
続き、楽しみにしています!!
151
レスター
2008/04/20(Sun) 13:10
わずかな間、沢村と細川は黙り込む。
「…そう」
そして、それ以上聞きただして追い詰めないのが、沢村と細川だった。
「いずれにしても、昼間の待ち合わせってのは、正解」
カフェオレのカップを廻して、沢村が言った。
「まるっきり、素人さんなんだろ」
「はい」
「責任でかいぞ、徳井」
「わかってます」
152
レスター
2008/04/20(Sun) 13:21
「それと…」
沢村が、いっそう声を小さくして続ける。
「黒猫」
そのメタファーに、徳井が微妙な心持ちで眉を寄せ、
沢村と、その隣に座る細川の顔を伺った。
「気をつけろよ、動きが怪しいから。なんかあればすぐ連絡して」
「…」
「個人的には嫌いじゃないんだけどねえ、ああいうの」
細川が、呑気にそう付け足したとたん、
あまり表情を変えない沢村がムッとした表情をみせ、
それも計算づくだったらしい細川は口のなかで小さな笑い声をたてた。
153
レスター
2008/04/20(Sun) 13:26
そのとき、また徳井の携帯がうなった。
すぐさまそれを開いて耳にあて、
「…うん…あ、ほんま」
大きな黒い瞳に光を宿す徳井の表情は、ほとんどドラマティックでもあった。
「ああ、それや。したら…行くわそっち」
沢村と細川の顔を振り返りながら、席を立つ。
細川が右手をひらひらと振って、それを促す。
154
レスター
2008/04/20(Sun) 13:30
徳井が、テーブルの間を縫う。
それだけで、店内の女性客たちが思わず目で追うその後ろ姿が、
やがて通りに出て右方向をみやる。
そして。
意外なほどの素朴さで顔をほころばせる。
その視線の先から、
グレーのパーカーを羽織った線の細い男が
緩やかに画面にすべりこんでくる。
屈託のないそのまなざしが、ひとまわり背の高い徳井の顔をみあげ、
切ったばかりの携帯を折りまげてポケットにつっこみながら
2つ3つ、言葉を交わす。
表現しようのない一連の動きと角度と距離に、
沢村と細川は、すべてを納得した。
155
レスター
2008/04/20(Sun) 13:33
やがて。
徳井を先頭にして、二人は店内に入って来る。
さきほど徳井を目で追っていた女性客たちが、
また違った意味で興味を示して視線を流す。
「えー…」
突っ立ったまま口ごもる徳井のすこし後ろで
所在なげにたたずむパーカー姿の男の存在感を、
沢村と細川は、好ましいと思った。
156
レスター
2008/04/20(Sun) 13:35
「福田です。地元の…友達で」
徳井が、後ろに視線を流しながらいう。
「お世話になってる、沢村さんと細川さん」
そう受けて前に出た福田の背に、徳井がさりげなく手を添えたのを
見逃すような沢村と細川ではない。
「…福田です」
「沢村です」
「細川です。さっきはどうも」
「あ」
つい数分前の携帯でのやりとりに思い当たった福田が
ぱっと目線をあげた。
157
レスター
2008/04/20(Sun) 13:39
立ち上がった沢村と細川が手を差し出す。
反射的に差し出した福田の手先を見て、細川が
「綺麗な手だねえ」
と感嘆の声をあげた。
「…や、別に…どうも」
気後れしてぎこちなく握手を交わす様子に、
ミネラルウォーターを継ぎ足しにきたギャルソンが
笑いをかみ殺した。
158
レスター
2008/04/20(Sun) 13:41
相当な勢いで頭を回転させたであろうが、
結局ふさわしい挨拶を選びあぐねた福田は、
「徳井がいつもお世話に…なりまして?」
最終的に徳井をみあげて疑問系になる。
「なんで疑問系やねん。ほんまにお世話になってんから」
「あ、すいません」
「…」
沢村と細川が弾かれたように笑い出した。
「いや、あのね。こちらこそお世話になりまして」
「徳井」
「はい」
「おまえ…なんかずるい」
笑い続ける沢村と細川は、徳井の文句を受け付けなかった。
159
レスター
2008/04/20(Sun) 13:49
ひとしきり笑いがおさまった頃、細川が半泣きでいう。
「じゃ、もうどうぞ、ご自由に」
「え、あれで終わりですか」
「うん終わり」
福田が小声でたずねる。
「ええの?ほんま俺、別に今日やなくても」
細川が、徳井より先に答える。
「だいじょぶだいじょぶ。もういらないから徳井」
「いらないて…」
「福ちゃん、イタ飯好き?」
「…はい」
「じゃこんど来てねあっちに、ごはん食べに」
「あっち」
「レストランあるの、イタ飯の」
「え、レストランもあるんすか」
「あるの、もっと奥行ったとこに」
「もしかして…『フィオレンティーナ』ですか」
「それそれ!え、知ってる?」
「知ってますよ!載ってますやん雑誌に。でも普通の人は行けへんて…」
「なんで?ないないないそんなこと。なんなら予約最優先でとるから」
「ほんまですか?」
160
レスター
2008/04/20(Sun) 13:51
このあり様をみて、沢村が感嘆の声を漏らした。
「言葉悪いけど…いい?」
「はい」
「…珍獣」
「…」
逆らいがたい同意と、いくばくかの抗議を含んだ徳井の視線に
沢村があわててとりつくろった。
「だって。初対面で。
時差ボケの細川とこれって、あり得ないでしょ」
161
レスター
2008/04/20(Sun) 13:53
徳井が苦笑する。
誰とも違う福田の持つ力を。
ほかの誰でもない沢村と細川に理解してもらえたことが、
ただ素直に、嬉しかった。
162
レスター
2008/04/20(Sun) 13:57
>桜さま
お!いらしてくっださってた…
嬉しいなあ、ほんとにありがとうございます。
心より感謝です(感涙)。
ちんたらな速度になりますが、今日はがんばるで。
どうぞよろしくお願いいたします!
そんなわけで、続きは3時すぎ。
そろそろ行かなきゃいけないとこに、
こいつら挨拶にいかせます。
レスター
163
悠斗
2008/04/20(Sun) 14:00
リアル遭遇でした!
細川さんと沢村さんがいいなぁ。
福ちゃんがどんどん有名になってきてしまっている…
これは狙われる可能性大じゃないですかッ!(キラーン)
また夜にお邪魔いたしますv
164
蓮々
2008/04/20(Sun) 14:34
福ちゃんテスト合格ってとこでしょうか?
読んでいてすごく面白かったです。
続きを早く読みたい気分です。
更新楽しみにしています。駐車中の車にて^ ^
165
レスター
2008/04/20(Sun) 16:20
>悠斗さま
うわあ、いらしてくださってたのですねえ。
ありがとうございました!
夜の似合う底力のある二枚目を思い浮かべて
細川、沢村しか思い浮かばない私は、
所詮エビちゃんもえちゃんにはついていけないW浅野派の人間です。
もしもしお時間がありましたら、夜、お顔をみせてくださいませ。
そして福田さんにご助力を。
今夜はちょっとしたピンチかもわからないので…。
>蓮々さま
駐車中のお車のなかで。なんかカッコいい(笑)。
うわあ、しかしそんなところからお寄りくださって
どうもありがとうございます。
はい、福ちゃんはテストに合格した模様です。
旧友をやたらと面通しするナンバーワン義実くんは、
4年遅れでスタートをきった相方を同期に面通しするお得意の気持ちに
似ているのかもしれません(いや似ていないでしょう)。
そんなわけで、夕方の更新、いってみます。
166
レスター
2008/04/20(Sun) 16:22
「…福ちゃん!」
午後3時。
おそらく、到着予定時間のずいぶん前から
作業場の外の細い通りで
壁に跳ね返るボールと戯れながら待っていたであろう少年が、
それらしき人影が向こうの角を曲がって姿をみせた途端、
明るい声をあげた。
167
レスター
2008/04/20(Sun) 16:24
その弟の声に、
作業場を片付けていた裕典が顔をあげる。
近くの揺り椅子に座っている祖母に、
「来た!」
と言うなり立ち上がり、
開き戸へ駆け寄って顔をのぞかせると、
柔らかなグレーのパーカーに身を包んだ福田が
はしゃぐ弟を片腕にぶらさげながら
店の前までたどり着いたところだった。
「福田さん…」
そして、その後ろに、
福田よりひとまわり背の高い端正な顔立ちの男が
両手に買い物袋を下げ、やや気恥ずかしそうに控えているのに驚いた。
168
レスター
2008/04/20(Sun) 16:25
(え、そしたら)
(うん、そろそろ作りにいこかな、て)
(ほんとに!…うわあ)
(日曜とか大丈夫?)
(うん、もちろん。うわあマジかあ〜)
(そんな盛り上がってもろても…ただのカレーやで?)
(いやだって久しぶりだもん、福ちゃんカレー)
(…ほんでな)
(うん)
(…あんなあ…もし…邪魔やなければな)
169
レスター
2008/04/20(Sun) 16:26
そんなふうに電話で話したのが数日前。
福田は遠慮がちに、
(連れてきたいヤツがおんねやけど)
と切り出した。
裕典がふたつ返事で了承したのは言うまでもない。
それはあの日。
電話1本かけるのに四苦八苦していた福田の背中を押した裕典の。
―――そうしたらさ、こんどお返ししてよ。
またあれ作りにきてよ。福ちゃんカレー。
でさ、そんとき連れてきてよ。トクイさん。
ほかならない裕典自身のリクエストであったのだから。
170
レスター
2008/04/20(Sun) 16:29
「裕くん」
いまだ腕にぶらさがったままの弟にバランスを崩しながら、
福田は裕典の顔を伺った。
「うん」
「―――徳井です」
そういって、ためらいがちに後ろの男を振り返る。
裕典があの日、傍らで聞いていた電話の会話から得た「トクイ」という名前。
今、どんな予想をも覆す姿で現れたその人物に、
裕典はぽかんと口をあけるしかなかった。
171
レスター
2008/04/20(Sun) 17:04
「ほなら、社長さんと奥さん、いいひんのや」
「週末の検査で、急に入院伸びちゃって…」
「心配やな」
福田は顔を曇らせた。
「姉ちゃんも代わりにあちこち廻りに出なきゃなんなくなって。
福田さん来るのにって、めちゃくちゃ悔しがってました」
「ほんま」
「カレー絶対とっとけって言われた。とっとかなかったら殺すって」
「あいかわらずエッジ効いてんなあ」
笑って、傍らに突っ立ったままの徳井に話しかける。
「残念やったなあ。べっぴんさんなんやで、お姉ちゃん」
「そうなん」
「裕くん見たらわかるやろ」
徳井が、その大きな黒い瞳の向きをふっときりかえて裕典をとらえた。
それは、裕典がこれまでの人生のなかで
まるで見たこともないような深い色をたたえていて、
裕典はちょっとどぎまぎして、あわてて目をそらした。
172
レスター
2008/04/20(Sun) 17:05
「徳井、おばあちゃんや。こっち…」
そう言いかけた福田が吹き出す。
「なんやねんおまえ。男前のカカシか」
「…ああ」
両手に重そうな買い物袋をぶらさげたままつっ立っていたことに
ようやく気づいた徳井がその置き場所を目で探すと、
福田が片方を、そしてもう片方を弟がもぎとった。
173
レスター
2008/04/20(Sun) 17:07
「ばあちゃん。久しぶり」
祖母が、嬉しそうに福田を見上げた。
「あんな、俺の友だち。トクイヨシミ、いうねん」
手ぶらになった徳井は、一瞬福田の顔をみてから
ゆっくり祖母の椅子の方向に歩み出てその場にしゃがむと
ーーーというより、片膝をつくと、
祖母の顔を覗き込むようにしてつぶやく。
「…はじめまして」
わざと芝居がかった「はじめまして」に、祖母が照れて笑った。
「職業病や」
「そうやねん」
すれ違いざま、背中あわせになった福田と徳井の
小さな笑い声がシンクロする。
福田はその場を離れ、小上がりになった段の下で靴を脱いで居間にあがった。
174
レスター
2008/04/20(Sun) 17:14
福田と弟が、居間の奥にある狭い台所の机のうえに
なんだかんだと話しながら買い物袋の中身を広げているその様子と、
目の前で祖母と話し込む男の背中を代わる代わるみながら、
裕典は不思議な感覚を覚えていた。
いま、この空間には。
必要なものが揃っている。
いつもなにかが欠落して、けれどもお互いを思いやることで
どうにかそれを埋めようと必死で毎日を過ごす裕典の家族。
ついさっきまで、ここにあったはずのその欠落が突然埋められた。
福田と、この男が入って来た瞬間から。
それもほんとうにささやかな、さりげない温度で。
175
レスター
2008/04/20(Sun) 17:18
「ヨシミっていうのはね、あの、義理人情の義に、実るって書くんですけど」
「…」
「これね、ほんまはミをザネって読まして、ヨシザネになるはずやったんです俺」
「…」
「それがね、親が役所行ったら、いやこの字でザネはあかん言われまして」
「…」
「ほなヨシミでいいですって」
とつとつと祖母に話しかける徳井の背中に、
台所から福田の声がとぶ。
「いきなりなんの話してんねんおまえ」
「いや、初対面やから、俺のルーツを…」
「役所に届け出の段階から話してたら何時間かかる思てんの」
「やって…」
ちょっと拗ねたような顔になった徳井に助け舟をだしたのは、裕典だった。
「だいじょぶ、ばあちゃん受けてるし」
176
レスター
2008/04/20(Sun) 17:30
福田が呆れたように
「ええ〜ほんまに?」
と叫ぶ。
「ほんまにぃ」
と、裕典が福田のイントネーションを真似た。
振り返った徳井が、ホッとしたような顔で笑う。
(いろんな顔するんだなあ)
刻一刻と表情を変える徳井に、裕典は見惚れた。
177
レスター
2008/04/20(Sun) 17:31
「すんませんね、僕までお邪魔して」
「ゆっくりしてください。油臭くて申し訳ないですけど」
「これ、全部家族でやってはるんですか」
「はい」
「すごいなあ」
徳井が立ち上がって、作業場を見回した。
「偉いんやってね」
「え?」
「キミ。一所懸命、勉強してんねやろ」
「いや…まだぜんぜん、手伝うのもできてないっすから俺」
「福田がいつも褒めてるで。裕くんはすごいねや、って」
なんだかこそばゆかった。
福田が自分を褒めてくれていることも、
そのことを、徳井の声が伝えてくることも。
178
レスター
2008/04/20(Sun) 17:32
「徳井さぁん」
「うーん」
「挨拶すんだら手伝ってえな。ただでもお邪魔してんねやから」
「はいはい」
台所に向かいかけて、徳井はふと足をとめる。
「…裕典くん」
「はい」
「ありがとうな」
徳井は、あらためて裕典に向き直った。
「おはぎ。美味かったわ」
179
レスター
2008/04/20(Sun) 17:42
言うなり、照れくさそうに目をそらし、
靴を脱いで居間へあがり台所の鴨居をくぐっていく男の背を目で追いながら、
(まいったなあ)
裕典は、そばにあった作業椅子に腰をストンとおろして頭をかき、
「ばあちゃん…」
椅子に揺られている祖母をみやる。
180
レスター
2008/04/20(Sun) 17:43
「あ、おまえ…なんで手でやってんねん」
「洗うたで」
「洗うたって…包丁使えや包丁を」
「いや柔らかいから。切れるわこの肉、みてみて」
「切れるとかそういう可能性の問題やなくて…」
「ほら、な」
「ほんまや」
「な、これが手料理、いうもんやろ」
「手料理の意味がちゃうやん、もう」
台所から聞こえて来る会話は、
普段そこにその二人がいないとは思えないほど自然に響く。
「よくわかんないけど…おはぎ攻略、うまくいったってことなのかな」
祖母は、満足そうにうなずいた。
181
レスター
2008/04/20(Sun) 18:07
「兄ちゃん」
待っているのに飽きて来た弟が作業場に降りて来て、
裕典にまとわりついた。
「キャッチボール」
「だから、来週までだめだって」
「えー」
「ひとりでやってこいって。カレー出来たら呼んでやるから」
「つまんない」
「あのな…」
客人が二人も来ている興奮と、腹が空いたのがあいまってテンションがあがったのだろう、
弟がついに泣き声を出した。
「どないしてん」
福田と徳井がこちらに顔を向けた。
182
レスター
2008/04/20(Sun) 18:12
「いやあの、キャッチボールを…」
「兄ちゃんが、やだって」
「やなんじゃなくて…来週また実技の試験あるんで、
突き指とかできないんですよ。
俺、こいつにつきあうとつい本気になっちゃうから」
「そんなら、俺いこか?」
徳井が手を拭きながら言った。
「あら。徳井さんがキャッチボールを」
福田がおもしろそうにいう。
「えらいことやで、俺の魔球は」
そういいながら、徳井は小上がりに座って靴を履くと、
まだ鼻を鳴らしている弟の頭に手をやって、外へ促す。
「すいません、徳井さん」
「俺、球技の天才やねん。ミラクルアタック受けてみろ」
「それ種目違いますから!」
福田が台所から釘をさした。
183
レスター
2008/04/20(Sun) 18:16
「助かったあ」
「あいつ、できんのかな野球」
「え?」
「天才いうても、バレーボールやってんから」
「あ、そう…」
しかしそのうち、通りからは
小気味のいい音がスパン、スパンと響いて、
あいまあいまに明るい笑い声が聞こえてきた。
安心したように台所に戻る福田の視線が優しくて、
裕典は、なんだか
弟と徳井がうらやましくなった。
184
レスター
2008/04/20(Sun) 18:26
鍋のカレーはあとは時間があるだけ煮込むのみとなり、
炊きあがったジャーの中の白米が蒸れるのを待つだけだった。
居間のちゃぶ台の脇に座って、
裕典が洗濯物をたたむのを手伝っていた福田が、
ふと、つぶやくようにいった。
「裕くん」
「はい」
「…いうてええで」
裕典が顔をあげると、福田はまじめな顔をして
手元の洗濯物に目を落としている。
「…なにを?」
「そやからーーー」
185
レスター
2008/04/20(Sun) 18:29
―――その人、昔好きだった子なんでしょ。
そもそも、あの日
電話の相手を推察してそうつっこんだ裕典の言葉を、
福田は強くは否定しなかった。
ーーーどんな人?かわいい?
ーーーいやだから…。
ーーー美人?
ーーー…だいぶ。
186
レスター
2008/04/20(Sun) 18:34
今日、この家に二人で現れてからの
福田の屈託のない明るさは、
裕典のリアクションに対しての牽制であったのかもしれないと、
ここにきて裕典は初めて気づく。
洗いざらしのタオルを足の上で握りしめ、
判決を待つような深刻な表情で目を閉じた福田に、
その細い肩に背負ったものの大きさをみたような気がした。
187
レスター
2008/04/20(Sun) 18:39
「そうだなあ…」
福田の肩が小さく揺れた。
「ひとつだけ、言わせてもらうと」
くっ、と息を詰めるのが伝わって来る。
裕典はちゃぶ台に両手を投げ出して身を低くし、
伏せた福田の顔を見上げるようにして覗き込んだ。
「たしかに。
ーーーだいぶ、美人だね」
188
レスター
2008/04/20(Sun) 18:46
もとより、否定する理由なんかない。
相手が誰であっても。
そのカテゴリーが、普遍的なラインとぶれたものであったとしても。
電話の向こうの相手の答えに、
白い花がゆっくりと開くような微笑みをみせた、
あの瞬間の福田の表情を思い出す。
この人に、あんな顔をさせることのできるような相手は
きっとこの世にふたりといないはずだから。
189
レスター
2008/04/20(Sun) 18:50
福田は、顔をあげなかった。
タオルを握りしめた細い指が、白くなっていた。
「がんばって」
裕典がそういって、丸くなった背中にそっと手を添えたとき、
タオルにひとつふたつ、涙が落ちた。
そして福田は、消え入りそうな小さな声で、
「ありがとう」
とつぶやいた。
190
レスター
2008/04/20(Sun) 18:55
柱時計が、時間の区切りを告げる。
「…よっしゃ」
ふと気合いを入れた福田が、
手元のタオルをパパっとたたむと、
たたみ上がった群れの上にポンと放った。
照れくさいのか、裕典の顔は見ずに、
サンダルをつっかけて足早に作業場を横切り、
開き戸から外へ声をかける。
191
レスター
2008/04/20(Sun) 18:55
「徳井、ごはんやで」
192
レスター
2008/04/20(Sun) 19:04
その後ろ姿に。
なぜか裕典は思い出した。
なにも思い悩むことのなかった幼い頃。
にぎやかだった工場にまぎれこんで、
邪魔だと笑われては若い作業員につきあってもらって
通りで埃まみれになるまでキャッチボールをして、
日が暮れて母親に呼ばれて、大勢で食卓を囲んだ。
俺は取り戻せるだろうか。あの光景を。
そしてこの人は。
幸せになれるんだろうか。
こんな心細い背中をして。
外から漏れ入るオレンジ色の夕日に溶ける福田の輪郭をたどる。
視界がにじんで、裕典はあわててその目元をぬぐった。
『この世の果て---end of the world---』第2章<2> <終>
193
レスター
2008/04/20(Sun) 19:05
ジャンプが終わってはや数週間。
裕くん、お元気でしょうか。
願わくば、続きは夜に。 レスター
194
蓮々
2008/04/20(Sun) 19:30
更新お疲れ様でした。
いやぁ。もう感動しましたね。
裕くん。めっちゃいい子。
もうねぇ。抱きしめてギュッ。として頭なでなでしたいくらいです。
(我ながらすごい。^^;)
きっと福ちゃんもドキドキもんだったでしょ。
よかったです。
裕くんに受け止めてもらって。
おばあちゃんにも(たぶん)わかってもらえて。
福ちゃん側はよい方向へ。
しかし徳井さん側はなかなか面倒そうですが…。
>願わくば、続きは夜に。
はい願わくば夜に読ませていただきたいと思います。
でも無理はなさらずに。
でも更新をたのしみに。(めっちゃ矛盾。)
195
うさみみ
2008/04/20(Sun) 19:53
相変わらず素敵な文で惚れ惚れします〜
ぐっさんママの「すごい子つかまえたわね」発言とか
154の文が、二人の間柄がわかるので凄く好きです。
「意外なほどの素朴さで顔をほころばせる」って
もう、こっちまで嬉しくなっちゃいますよ。目に浮かぶわ〜(照)
「表現しようのない一連の動きと角度と距離に」全てを納得する二人も
あてられて、さぞかしダルかったことでしょう(笑)
手作りカレー…!包丁を使わない、あの真の手作りの!?
変なとこでバッキリ折れて、ヘタ付いたままの人参がゴロンと入ってても
文句言わないで食べるんだろうな〜、裕君それくらい良い子だから…(涙)
福ちゃん泣いちゃいましたね。今度は逃げないで立ち向かおうとする
覚悟が健気です。心配です。ああ、ハラハラする。
オールナイト日本Rで、ドラマの龍彦と一郎が彼氏同士だし出会うかも?と
中途さんが話してたのを聞き、それこそ「あるとおもいます!」と
叫びたかったのをこらえつつ、更新楽しみにしてます。
196
ミチ
2008/04/20(Sun) 20:13
レスター様、更新お疲れ様です。
だいぶお久し振りでございます。ミチです。
第三者からの目線で感じる徳井さんと福田さんの所作が美しくて
思わず感嘆の溜息が出てしまいます。
それだけレスター様の書かれる描写が素晴らしいという事ですね。
大好きです。
「この世の果て〜」も「無理じゃない恋愛」も先が楽しみでワクワクしつつも、
どんな展開が待っているのか…と想像してはドキドキしています。
レスター様も無理なさらない程度で更新頑張って下さいね。
それでは失礼致します。
197
トーリィ
2008/04/20(Sun) 20:18
裕くんにも理解してもらえて良かったですv
ホッとしました。
福ちゃんカレー良いですね!
私も食べたいです。
あったかい味がするに違いありません!!
夜の更新楽しみにしてます。
198
柚雨
2008/04/20(Sun) 22:42
2人の表情や手の動き、体の角度まですぐに頭に思い描くことが出来て、
いつも読みながらとてもドキドキしています。
裕くん、いい子ですね〜。
今日、たまたまジャンプの最終回を見返していたので
福ちゃんの隣で笑ってた顔が鮮やかに蘇りました。
裕くんがすんなりと受け入れてくれたことが、
どれだけ福ちゃんの力になるかと思うと嬉しくて仕方ないです。
それだけにこれからの黒猫くんの動きがとても気になります。
感想を書いていたら尚更ドキドキしてきました(笑)
続きを楽しみにお待ちしています。
199
名無しさん
2008/04/20(Sun) 22:44
一言で言って、こーいうアプローチがあるんや、という。
多分元いた場所が違うんで、俺とかがコメントなんかするんはどうかなとも思うですが違うんですが。
あっちの板から来た人の世界観、なんていうか
「服着てるほうがエロい」的なものにちょっと衝撃受けてます。
前スレはこれから行ってきますが、タイムラグのある徳井と福田のものすごく臆病な感じが正直、来ます。
福田が認めたくなくて泣き、認めてほしくて泣き、ていう矛盾はリアルですね。
読ましてもらいます。ありがとう。
200
ぷっちゃい
2008/04/21(Mon) 00:57
更新お疲れさまです。
読んでいると映像がどんどん浮かんでくるレスターさまの文章に酔いまくりです。
「哀歌」を準備して待ってます。
201
悠斗
2008/04/21(Mon) 01:13
更新お疲れ様です。
裕君はホンマに優しいええ子ですね!
二人が入ったことにより、ピースが揃ったような感じ
ということは、二人は夫婦か!(笑)
手作りカレー…肉を引きちぎっていたお徳井さんを思い出しました。
衝撃的だったのは2でやったオムライスの貝です。
本当にグロくてエロかった・・・
そう考える自分もエロいなぁ(笑)
次の更新も楽しみですv
202
千寿
2008/04/21(Mon) 06:50
よかったですね、裕くん公認v
人様のおうちのお台所でほのぼの薄桃色のオーラを放つ二人にときめきです。
懐かしいような嬉しいような気恥ずかしいような
夕焼けオレンジが目に沁みます。
こうやって一緒にいることが出来る場所が二人に出来るといいなと思いつつ。
とくいさんにはぜひ警戒を怠らないでいただきたいかと存じ上げます。
それでは失礼いたしました。
203
みゆき
2008/04/21(Mon) 12:58
めっちゃ好きです、レスター様(直球)。
疲れ切った心に何という温まるお話を提供して頂けるところでしょうここは。
改めて実感します。好きっていう言葉を惜しげもなく口に出来ます。
気恥ずかしいはずのそれを言える、切なくも甘い更新ありがとうございました。
ここでヨシザネのエピソードが入ると、いやいやこの世界ほんまにあるんとちゃうの?
なんちゅう腐った思考でありながら幸せになるという。
いかつい自分でも許せてしまう気になれる、幸福な飯時でございました。
次の更新も楽しみにしつつ。
ドラマ、やっぱりタオルさるぐつわで正解でございましたですよ・・・・・。
「いやあああああ出たあああああ!!」
って、ベレー水田に絶叫しましたから・・・・・・・。
うさみみ様のタレコミに、妄想満載になりましたから・・・・・・(逃)。
204
名無しさん
2008/04/21(Mon) 12:58
ちょっと。ちょっとちょっと。
先週末のキョートリもオールナイトも、
そして今朝はテレビでまたなんかあったんですって奥さん!
チェックの甘すぎる自分に激しく凹みつつ、いや、元気をとりなおしてお返事〜。
>蓮々さま
ありがとうございます。
裕くん、リアルでめっちゃいい子ですよね。
ジャンプでしか知らないけど(申し訳ない)、
絶対いい子だと思わせるあのピュアで強いオーラはなんだろう…。
彼のこれからの長い芸能生活、この初々しいお年頃に
へんな先輩たちとへんな番組やったこと、
ずっと覚えててくれるかなあ…(なぜか今から泣ける)。
それはともかくとして、お得意さんと福ちゃんの味方は
数的には着実に増えております。そっから先ですが、
すみません、自分でも願ったのに、やっぱり夜には弱かった…
今日はどうにかすっぞ!ハッ!(まちゃ風に気合い)
205
名無しさん
2008/04/21(Mon) 13:03
>うさみみさま
ありがとうございます。
>ドラマの龍彦と一郎が彼氏同士だし出会うかも?と中途さんが話して
あ、あ、あると思います!
っていうか…そうですか、私たちがフォローする必要なんて
まったくないんですねあの人たち。心底、だるいです(笑)。
中途がただ並んでるだけで甘いのは、やっぱりあの身長差が生み出す
「表現しようのない角度」って気がします。
お得意さんは幼少時からずっと「背の高い子」だったわけだから、
福ちゃんは28年間徳井さんの目を見上げつづけ、
徳井さんは28年間福ちゃんの目を上からのぞきこみ続けてきたのか。深い。
カレー、さすがに今回福ちゃんだけは包丁を使ったと信じたいが、どうだろう(笑)。
>ミチさま
おひさしぶりです、ありがとうございます!
いやいや徳井さんと福ちゃんの所作って、元々が基本的に美しいんですよね。
立ち方とか座り方とか歩き方とか、男の子なのに最小限のスペースしか使わないというか、
乱暴なところがぜんぜんない。
中途を初めてみたころ、ふたりの漫才を聞いて、ネタはともかくとして(笑)
「ずいぶん品のある言葉を選ぶコンビだなあ」と思った記憶があります。
二人のもつ「品格」に憧れながらこんなもんを書いている私は
世の矛盾と不条理のまっただなかを生きておりますが(悩)
どうぞお見捨てくださいませんよう…。
206
名無しさん
2008/04/21(Mon) 13:05
>トーリィさま
ありがとうごさいます。
裕くんみたいな子が応援してくれたら、
「間違ってないぞ」と信じられる、もしくは
「間違っててもいいからがんばるぞ」という気になれますよねきっと。
福ちゃんカレー、ほんと、私も食べたいなあ。
福ちゃんのチーズ入りハンバーグも食べたい。
福ちゃんのなんの変哲もない普通のオムレツも食べたい。
全部食べてるであろうお得意が憎いです(笑)。
わたくしほんとにほら吹きで、夜更新できなくてすみませんでした。
無駄な虚勢をはるのはもう自粛するです。するですので
これからもどうぞよろしくお願いいたします!
>柚雨さま
ありがとうございます。
あ〜ジャンプの最終回、私もまた見たくなってしまった。
福ちゃんの肩にパンチを入れてしまってあせりまくる裕くん
むっちゃかわいかったですよね。
そのあと、笑ったあとに本能的にガン見する徳井さんもかわいかったけど。
まっとうに育てば、黒猫くんも裕くんになれたんじゃないかと、
そんなふうに思いつつ書き進めております。
だいじょうぶ、人はひとりぼっちでいたらどんどん駄目になっていくかもしれないけど、
複数の人間が関わりあうことで絶対リセットできるんだと、
そんなことも思いながら書き進めております。
私なんかで収拾がつけられるのかわかりませんが、どぞどぞ、これからもよろしくです!
207
名無しさん
2008/04/21(Mon) 13:07
>199さま
はじめまして。
おこしくださって、ほんとうにありがとうございます。
こちらの板ができて、思いきって引っ越させていただいて、
これまでのいきさつから、なにかすれば
先住の方たちのご迷惑になるのではないかと思いながら
かといって更新もとめられず、ドキドキし続ける毎日でした。
199さまのお言葉で、胸のつかえがとれた思いです。
ご意見、お叱り、なにかあればどうぞよろしくご指導ください。
>認めたくなくて泣き、認めてほしくて泣き、ていう矛盾
おっしゃっていただいて、あらためて「ああそういうものなのか…」と
衝撃を受けました。
>ぷっちゃいさま
ありがとうございます。
いやいやわたくしの文章などではなく、
中途のふたりがいかに絵になりやすいか、ということですよねきっと!
ふたりともリアルにシチュエーションのデパートなんでしょう(笑)。
どんな物語におきかえても、どんな曲にのっけても
なぜかハマッてしまう徳井さんと福ちゃん。
IPod 聞きながら歩いていますとついつい世界に飛んでしまって
後ろからきた車に惹かれそうで危険な毎日です。
「哀歌」はとくに危険です。たいへん危険(笑)。
この話のなかでこの曲が鳴るのはもうちょっと先になるかと思いますが
どうぞどうぞそれまでお見捨てなく、おつきあいくださいませ!
208
名無しさん
2008/04/21(Mon) 13:11
>悠斗さま
ありがとうございます。
>二人が入ったことにより、ピースが揃ったような感じ
とお読みして、一瞬、綾部とマタキチが浮かんだ私は
どんだけ平和欠乏症なんでしょうか(笑)。
それはさておき、悠斗さまがおっしゃってくださったとおり、
あのときあの家で裕くんと弟くんにとって、
徳井さんはおとんで、福ちゃんはおかんだったんでしょう。
たとえ肉を手で引きちぎるおとんでも、嬉しかったんでしょう(笑)。
オムライス…た、たしかに。しかしあんなこと言っててやってて
最終的に絵が汚くならないのが中途ってすごいですよねえ。
それで並んで「おいしい」って食べてんだからもう…だるすぎる!
>千寿さま
ありがとうございます。
ほんとよかったです、裕くん公認ハンコ、ペッタリ。
人様のおうちのお台所でほのぼの…作っているのはただのカレーなのに。
あ〜そうだ、中途でカレーのCM出てくれないかなあ。
福ちゃんがあの美しい手でやいやい言いながらつくって
お得意があの美しいお顔でちょっかいだして、
最終的に「うまいやん」っつて終わる、むっちゃラブラブでだるいやつ。
あちこちに匿名ご意見おとしといたら、拾ってくれるスポンサー…いないか(笑)。
薄桃色のオーラ。夕焼けのオレンジ。
きれいな色を思い浮かべてくださって、ありがとうございます。
二人がずっと一緒にいれる場所、ほんとにあるといいなあ。
ニヤニヤしすぎて、お得意がうっかり警戒を怠ると困りますけども!
209
名無しさん
2008/04/21(Mon) 13:24
>みゆきさま
びっくり。
いまみゆきさまがレスをくだった時間と、その次の私のレス、
まったく同じ時間やないですか!
なんて中途的タイミングで。
そして福ちゃん的直球メッセージ、ありがとうございます(照)。
ヨシザネ話、マル金最終回でお得意さんが話しはじめたとき、
さんざん聞いて知ってる福ちゃんの態度がすでにこの時点で
「新婚さんいらっしゃいの嫁のほう」になってるのが笑えるですよね。
ドラマ(笑)、もう、ほんとに出会うんじゃないですか龍彦と一郎ちゃん。
だって本人たちが希望してるんですから龍彦と一郎ちゃん。
ドラマスタッフは調整に入ったんじゃないでしょうか龍彦と一郎ちゃん。
お互いのいない現場はおかしな感じがするとかぼやいているらしいですし、
ほんとにもう、つける薬がない…(呆)。
210
名無しさん
2008/04/21(Mon) 13:49
天然で「蕾」をリフレインする福田充徳32歳。
コブクロも iPod にいれなきゃいけないってことかしら。
ますます車に轢かれそうです。
夕方また! レスター
211
名無しさん
2008/04/21(Mon) 22:18
あり得ないほど席が離れてた@深イイ話。
まあ、真っ正面といえないこともないけども。
終わったあと「離れてたなあ」「遠かったなあ」くらい言ってそうに思える
だるいおっさんたちのお話、続けます。
212
レスター
2008/04/21(Mon) 22:23
軽い手応えで鍵が開く。
玄関で靴を脱ぎ、部屋の電気をつけようとして、やめた。
薄暗いままのリビングに進む。
ガラスのテーブルの上に鍵と財布、携帯を放り出すと、
徳井は低いソファーに腰を落とし、そのまま深く体を沈めた。
213
レスター
2008/04/21(Mon) 22:25
すっかり日が暮れて、
街頭が点々と照らすだけになった裕典の家から駅までの道のり。
下町とはいえ、中心地から30分圏内である。
しかしそれが意外なほどほど静かで、通る人影もなく、
小さな家や工場が続いたと思えば、
ところどころに雑草の生えた空き地がぽつんと現れる。
色は違っても、この塩梅がほんの少しだけ
育ったあの街に似ているような気がしたその道で
ついさっき福田と交わした会話を、徳井は思い出していた。
214
レスター
2008/04/21(Mon) 22:28
「おまえ、やっぱ料理うまいな」
「あんなん市販のルーやん、誰でも同じ味にできるって」
「いや、そういうもんやないと思うで」
「具やって、べつに変わったもん入れてへんもん」
「ヨーグルト入ってたやんか」
「そんなん珍しくも…むしろ、おまえが手で肉ちぎったんがよかったんちゃう?」
「ワイルドやったやろ」
「めっちゃワイルドやったわ」
福田は笑いながら、独特な歩き方で徳井のほんのすこし前を歩いた。
その距離感が昔と変わらなくて、
徳井はますます、故郷の道の既視感を感じた。
215
レスター
2008/04/21(Mon) 22:37
「裕くん、ええ子やな」
「…そうやろ!」
福田が、嬉しそうな顔をして振り返る。
「福田がいうてた通りやった」
「な。今どきそうはおらんんやろ。
ああいう子は、大人がちゃんと守ったらなあかんねん」
「…」
その言いようがなんとなく引っかかって、言葉を飲み込む。
「…なんやねん」
「福田が守ったるのか」
「…え、なんなん」
「別に」
「ちょ待って、なんなんその意味不明な拗ね方」
「拗ねてへん」
「別におまえはずしたわけやないねんから」
「拗ねてへんて」
「おまえも参加せえよ、やったら。保護者同盟や」
216
レスター
2008/04/21(Mon) 22:45
福田は空を仰ぐようにして楽しげに笑う。
そうだ。小学生の頃、クラスが分かれて
お互い新しくできた友達の話がでるたび、
こんなふうに他愛もなく言いつのった。
(そんでおまえ、放課後そいつんち行くんけ)
(なんで、あかんの)
(そんないうとらん)
(それいうたら、おまえやって最近あいつとばっか遊びよるやん)
(おまえも入ったらええがな)
(あいつなんか知らんもん俺)
(おまえつきあい狭っ狭いなあ)
(どっちがや、あほちゃうおまえ)
(おまえがあほちゃう)
だいたい、途中からどちらともなく笑ってしまうから
喧嘩にもならない。
5歳で出会ってから、そんな無邪気な関係がずっと続いていたのだ。
22歳で、あの街を離れるまで。
217
レスター
2008/04/21(Mon) 22:54
しばらくして。
ふと、福田が立ち止まった。
「…徳井」
その声は、つい今まで笑っていたそれとは違っていた。
「福…」
「なんもいわんで」
こちらに背中を向けたまま、福田は言った。
「そのままで聞いてくれへん?」
218
レスター
2008/04/21(Mon) 23:06
「あのな」
柔らかいグレーのパーカーを羽織った
福田の背中までは、ほんの数歩しかない。
「あのなあ、俺」
なだらかな曲線を描く肩のラインと、
パーカーから伸びた細い首が緊張を含んで、
そのほんの数歩を牽制していた。
そして。
「おまえのこと、好きやと思うねん」
その言葉は。
まっすぐに徳井の胸につきささり、その奥を鷲掴んだ。
219
レスター
2008/04/21(Mon) 23:08
握りしめた手のひらが汗ばむ。
「そやけど」
脈が打つたび、頭の中にガンガン響いて
福田の声にかぶさろうとするのをどうにか押しのける。
「ようわからん。
どういうふうにそれ、いうたらいいのか。
おまえと、どういう距離で向きおうたらええのか。
正味、頭ん中めっちゃ、めんどいことになっててん」
220
レスター
2008/04/21(Mon) 23:11
「あんとき、こんがらがってもうたまま。
わっからへんねんーーー今でも」
221
レスター
2008/04/21(Mon) 23:14
<あんとき>
おそらく福田の脳裏にも、
同じ光景が思い起こされているだろう。
あの桜がうるさいほどに舞い散っていた境内の公園が。
222
レスター
2008/04/21(Mon) 23:17
「ごめんな。
俺、逃げたままやった。
逃げたまんま、忘れようと思うてた。
そんなん、できるわけないのに」
違う。俺が。
俺が勝手に息詰まったんや。
息詰まって、煮詰まって、抑えきれなくなって。
そうして壊した。
大事に重ねて来た22年を。
そやのに、なんでおまえが謝るん?
223
レスター
2008/04/21(Mon) 23:28
「やからな。
東京で偶然おまえと会えて、俺ほんまに嬉しかった。
やり直すチャンスやと思たんや。
そんで、裕くんにあんな恥ずい相談までしておまえに電話して」
福田は照れ隠しなのか、乾いた声で小さく笑った。
「そやのに、また俺、逃げるとこやった」
やから、違うって。
二人きりになったバーのカウンターで。
夢とうつつの区別のつかなくなった俺が、
また、おまえを追い込むとこやった。
そうやろ。
224
レスター
2008/04/21(Mon) 23:34
「そしたらおまえ、探してくれたやん」
それは。
どうしても、もう一度無くしたくはなかったから。
もしそれが許されるなら、
きっとみつかるだろうと俺は信じた。
そうして、幾度目かの晴れた朝、
陽の光の中でみたその視線は、
まぶしいくらいにまっすぐ、俺を見返した。
225
レスター
2008/04/21(Mon) 23:37
「俺いっつもな、おまえにもろてるばっかりやないかと思うんよ。
どうやったらおまえにそれ、ちゃんと返していけんのか」
なにいうとる。
「俺にも、おまえにしてやれること、なんかないんかなあって」
なにいうとんの、おまえ。
「考えてんねやけど、ぜんぜん浮かばへん」
いらんて。
「ほんでも、もうちょっと考えてみるから」
なんもいらん。
226
レスター
2008/04/21(Mon) 23:40
「時間かかるかもわからん。
下手したら、何年たっても、
なんも答え…みつけられへんかもしれんけど」
ただ。
「そんでもええか。そんでも…ときどき会うて」
そこに。
227
レスター
2008/04/21(Mon) 23:41
「一緒に、おってくれる?」
おってくれるだけでええのにーーー。
228
レスター
2008/04/21(Mon) 23:43
福田はそれきり黙ってしまって、
二人してなにもない暗い道に突っ立ったまま、
しばらく、雑草を揺らす風の音を聞いていた。
229
レスター
2008/04/21(Mon) 23:44
「…福田」
「…」
「俺、まだ黙っとかんとあかんの」
「…」
「それ質問ちゃうの。なんか答えたらあかんのか」
「…」
1歩。2歩。
福田との間を狭める。
そして。
230
レスター
2008/04/21(Mon) 23:45
後ろからそっと抱きしめた。
福田は、逃げようとしなかった。
ちょうどいい高さにあるその肩に顎をのせて、
徳井はゆっくりと目を閉じる。
そうしないと、泣いてしまいそうだったから。
「…ありがとうな」
いうと、福田は小さく身じろいだ。
そのぬくもりが、まだ腕の中に残っている。
231
レスター
2008/04/21(Mon) 23:46
乗り換えの駅に着くまで、
暗い窓ガラスに映るお互いの顔を見ていた。
そうして、
「じゃ、また」
そんなふうに別れた。
明日になればまた教室で会える、
あのころのような、そんなさりげなさで。
232
レスター
2008/04/21(Mon) 23:49
10年前、徳井の胸に大きな穴をあけたのは、福田だった。
癒えない喪失感はそのままそこに巣くって化膿し、
やがて自分はそこから朽ちていくのだろうと思っていた。
10年経って、その傷を
いとも簡単に癒してくれたのも、福田だった。
―――やり直すチャンスやと思たんや。
福田はそういったけれど、
徳井にとってそれはむしろ、奇跡に等しいものだった。
昔と変わらず、不器用に行きつ戻りつしながら、
福田はいま、そこにいてくれる。
おそらくこれからもずっと。
自分さえ、間違わなければ。
多くを求めすぎなければ、きっといつかこんな日々も
笑って振り返ることもできるようになる。
233
レスター
2008/04/21(Mon) 23:50
でも。
一瞬の平穏に酔った自分に、
もうひとりの自分が、冷たい声で問いかける。
ーーーそんなことが、おまえに許されるのか?
この10年にたどってきた足跡を、おまえは消せるのか。
もし、すべてを知ってもなお。
福田は変わらずに、隣で笑っていてくれるのだろうか。
234
レスター
2008/04/21(Mon) 23:54
暗闇をなか、天井をみあげながら
そんなことを思っているうちに、
このところずっと眠りが浅かったせいかもしれない、
ソファーに頭を預けたまま、
ほんのしばらくのあいだ徳井は意識を喪失していた。
やがて、ガラスのテーブルを叩くようにしてうなる携帯に目を覚ます。
嫌な音だった。
235
レスター
2008/04/22(Tue) 00:01
手に取ったそれを開くと、「細川」の名前が出あった。
真昼のカフェで機嫌良くしていた表情を思い出し、
そのつもりで通話に出る。
「はい」
ーーーしかし。
(徳井さんですか)
スピーカーの向こうから早口に語りかけた声は、
音をくもらせる電波をさしひいたところで
全く聞きおぼえのないものだった。
236
レスター
2008/04/22(Tue) 00:03
携帯を耳から離して、もう一度画面を見る。
表示されているのはたしかに「細川」の名前。
(もしもし…もしもし?)
「…はい」
(徳井さんですよね)
「…はい」
(すいません、今どこですか)
「…は?」
(今、家ですか)
「おまえ、誰や」
(中田っていいます)
「中田?」
(友達です…藤森の)
237
レスター
2008/04/22(Tue) 00:05
慎吾の友人。
それが、どうして。
ーーー細川の携帯で?
徳井は混乱して前髪をかき、身を起こした。
238
レスター
2008/04/22(Tue) 00:06
(もしもし、もしもし聞こえてます?)
「…ああ」
(いまどこですか。すぐ出れませんか)
「なん…」
電話の向こうで雑音がして、すこし遠くから声が聞こえた。
(徳井、聞こえるか)
「細川さん?」
(おまえ家か、今)
「はい…」
(湾岸までどれくらいで出れる)
「湾岸?」
239
レスター
2008/04/22(Tue) 00:08
「道すいてれば20分くらいで…あの…」
(君、ナビして)
(はい)
声が、<見知らぬ声>に戻った。
(すぐ出て、湾岸のコンチネンタルに向かってもらえませんか)
「コンチネンタル?」
(俺らも今、車で向かってるんで、同じかちょっと早く着けると思うんで…
また道々、連絡しますから)
「ちょ、おまえ少しは説明せえよ…」
(いいから早く!)
中田というその男が、
切羽詰まった声でそのあとに続けた言葉は、徳井を凍りつかせた。
240
レスター
2008/04/22(Tue) 00:11
(危ないんです―――福田さんが)
241
レスター
2008/04/22(Tue) 00:12
危ないんですけど放置して、また明日! レスター
242
蓮々
2008/04/22(Tue) 00:17
更新お疲れ様です。
りある読みをしました。蓮々です。
キャー。告白だわぁ。
そしてきゃーあっちゃんだわぁ。
次の展開がぁーーー。
えーーー。福ちゃんがぁ。
今日の更新は色々ありましたねぇ。
ちょっと興奮しすぎちゃいました。
いつも楽しみにしています。
次回の更新もお待ちしています。
243
悠斗
2008/04/22(Tue) 00:24
私もリアル遭遇しちゃいました!やったぁ♪
告白有りのピンチ有りの・・・
心臓が爆発しちゃいそうです、レスター様ぁ!!
そしてあっちゃん登場!
黒猫との関係性は?!ドキドキしております。
更新お疲れ様でした。
続きがめちゃくちゃ楽しみですv
244
柚雨
2008/04/22(Tue) 01:03
うあああ(泣)
徳井さんと駅で別れてから福ちゃんに何があったんでしょう。
ついにあっちゃん登場ですね。
黒猫くんの動きが気になります…。
福ちゃんの告白場面では涙を堪えながら息を止めて読んでました。
やっと気持ちを伝えられてよかったね、福ちゃん。
私も、裕くんの腕が福ちゃんの肩に当たってから徳井さんのマジ顔までの流れがとても好きで(笑)
何度もそこばかり繰り返し見てしまいます(笑)
続きを楽しみにお待ちしています。
245
千寿
2008/04/22(Tue) 05:10
やったー。ついにふくちゃん告白しましたよv
ああ通い合って来たねぇvv・・・とかとか思っていたらばなんと
ふくちゃんピンチですってぇぇぇ!!
ふぇぇぇん、心配だなぁ。怒涛の展開ですねぇ。
そしてついにあっちゃん登場ですね。
待ち焦がれていましたよ。はやく黒猫を保護できるといいですね。
ふくちゃんの身を案じつつ、それでは失礼いたしました。
246
名無しさん
2008/04/23(Wed) 17:14
携帯で読みたいのであげます。すみません。
247
レスター
2008/04/23(Wed) 21:31
>蓮々さま
いやいやもう、いつもありがとうございます!
やっちまったなですよ、福ちゃん(笑)。
そしてあっちゃん、ようやく登場でございます。
ようやく登場したんですから、エヴァの話かなんか始めて
即刻退場を命じられたりしないよう、
身を引き締めさせないとあかんですよね。
今晩はちょっと進めたいと思っております。
どぞどぞ、よろしくお願いいたします。
>悠斗さま
いやいやもう、いつもありがとうございます!
あらためて考えると福ちゃん
めっちゃまっさかさまな1日でしたね。
かわいそうなことをした…まあいいか。
黒猫にもかわいそうなことを…
まあ、どっちも保護者おるから別にいいかと思います。
どっちの保護者もやや頼りないですけども(笑)。
こんな調子で中途の売れ方にまったくついていけません。
が、なにとぞ、よろしくお願いいたします!
248
レスター
2008/04/23(Wed) 22:04
>柚雨さま
いやいやもう、いつもありがとうございます!
なにがあったのか福ちゃん。せっかくがんばったのにねえ(泣))。
最近「パズル」の予告編で裕くんが瞬間うつるたびに
「おお!」とか前のめりになったりして、
ほな「パズル」みましょうよ、という話なんですが
中途の出演番組が多すぎてとてもとても追いつけません。
だめですねえ。
当分ジャンプの最終回で我慢せにゃ、裕くん(涙)。
こんな私ですが、どぞどぞこれからもよろしくお願いいたします!
>千寿さま
いやいやもう、いつもありがとうございます!
言葉の足りないふたりがどうにか通い合ったはずなんですが、
ピンチです。いや、大丈夫だと思います。
あっちゃんが登場しましたので。
ただ、あっちゃん若干恐竜脳ですが、大丈夫でしょうか。
お得意に関してはもうだいぶ心配ですが、大丈夫でしょうか。
福ちゃんと黒猫を保護すべく、今夜出動させます。
いずれにしろキャッチボールしたりカレー食べたりするばかりで
波風の立ちづらいこのスレですが、
どぞどぞこれからもよろしくお願い申しあげます!
>246さま
ありがとうございます。
お手数をおかけしまして…
なにかお困りのことあれば、お声をかけてくださいね。
これからもどうぞよろしくお願い申しあげます!
249
レスター
2008/04/23(Wed) 22:07
こんばんわ。なにあのハッピ@くりいむなんとか。
そんなわけで更新します。
250
レスター
2008/04/23(Wed) 22:10
勢いで乗り込んだその白い外車が、
踏み込まれたアクセルにぐっとスピードを増す。
心構えをしていなかった敦彦は、その圧力に圧されて
バックシートに押しつけられた。
251
レスター
2008/04/23(Wed) 22:12
「…君」
左側にある運転席から、男が
顔を前に向けたまま敦彦に声をかけた。
「はい」
「これ、使える?」
右手をハンドルからはずし、シャンパンゴールドの携帯を掲げる。
敦彦はそれを受け取って開いた。
自分の携帯の機種とは違ったが、そう特殊な配置でもないボタンの羅列に
「わかると思います」
と答える。
「トクイヨシミってやつの番号、出してくれる」
252
レスター
2008/04/23(Wed) 22:15
トクイ。
アドレス帳を開いて検索すると、
ほどなくして<徳井義実>という文字が出た。
トクイヨシミ。
女か。
―――それとも男か?
だとしたら珍しい読み方をする。
そう思ったとき、男が続けた。
「そいつにかけてくれる」
「なんて」
「どこにいるか聞いて、とにかくすぐ湾岸の…」
253
レスター
2008/04/23(Wed) 22:17
男がミラー越しに
バックシートの敦彦の右隣で黙りこくった人影に視線を投げる。
「いいんだな、コンチネンタルで」
問われた瞬間、その人影が身を固くしたのが空気で伝わった。
「慎吾」
声を強めて問いつめた男に、その人影
―――――慎吾が、息を詰めてうなづいた。
254
名無しさん
2008/04/23(Wed) 23:31
「俺たちも向かってるからそこ行けって」
「…」
「福田くんが危ないって」
―――フクダ。
情報がひとつもとばないように、頭の中で復唱する。
「そういえばわかるから」
「はい」
なにが。
どうなって。
運転席のこの男が、トクイが、フクダがいったい誰で。
そして、なぜ隣に慎吾がいて。
今、自分がこの車に乗っているのか。
そのいっさいがっさいに対する疑問を、
今は思考からすべて追い出すことに、
敦彦は決めた。
255
名無しさん
2008/04/23(Wed) 23:33
画面に呼び出されている番号に発信する。
ほどなく通話はつながり、
スピーカーの向こうの<トクイ>は、
こちらとは全く温度差のある悠然とした間をあけて
(はい)
と返事をした。男の声だった。
256
名無しさん
2008/04/23(Wed) 23:37
敦彦は反射的に座り直し、早口で尋ねた。
「徳井さんですか」
相手は黙り込んだ。
「もしもし…もしもし?」
(…はい)
「徳井さんですよね」
(…はい)
「すいません、今どこですか」
(…は?)
257
名無しさん
2008/04/23(Wed) 23:41
男は、あきらかに敦彦を訝って険しい声をだした。
当然だろう。
でも、それに構っている暇はない。
「今、家ですか」
(おまえ、誰や)
「中田っていいます」
(中田?)
「友達です」
そういってからすこし置いて、
「…藤森の」
そう付け足す。
電話の相手だけはなく、
隣に座っている慎吾がまた身を固くした。
258
名無しさん
2008/04/23(Wed) 23:45
沈黙が続いて、我に返る。
「もしもし、もしもし聞こえてます?」
(…ああ)
「いまどこですか。すぐ出れませんか」
(なん…)
相手がそう言いかけたとき、細川がまた右手をふっとあげて
人差し指で敦彦を呼んだ。
敦彦は、座りなおして前へ乗り出すと、
開いた携帯をそのまま細川の耳にあてる。
「徳井、聞こえるか」
感度のいい携帯は、敦彦にもかすかに相手の声を届けた。
(細川さん?)
細川。
ここではじめて、運転席の男の名前を知る。
259
名無しさん
2008/04/23(Wed) 23:50
「おまえ家か、今」
(はい…)
「湾岸までどれくらいで出れる」
(湾岸?道すいてれば20分くらいで…あの…)
相手の男が、これが細川の承認済みの電話であると
把握したと思われた時点で
細川は敦彦に視線を流した。
「君、ナビして」
「はい」
敦彦はふたたび、自分の耳に携帯をあてる。
260
名無しさん
2008/04/23(Wed) 23:57
「すぐ出て、湾岸の」
胸につかえる、その単語を口にするのにささやかな勇気が要った。
「コンチネンタルに向かってもらえませんか」
(コンチネンタル?)
「俺らも今、車で向かってるんで、同じかちょっと早く着けると思うんで…
また道々、連絡しますから」
(ちょ、おまえ少しは説明せえよ…)
「いいから早く!」
261
名無しさん
2008/04/24(Thu) 00:02
はからずも声が大きくなった敦彦に、
細川と慎吾の視線が集まった。
―――説明なんかできるか。
俺だって、ぜんぜんわかんねえんだから。
混乱しながら、それでも敦彦は
最も伝えなければいけないであろうそのことを
飛ばさなかった。
「危ないんです―――福田さんが」
262
名無しさん
2008/04/24(Thu) 00:04
ほんの2、3秒で。
電話はきれた。
伝わった確信があった。
263
名無しさん
2008/04/24(Thu) 00:08
「ありがとう」
細川が敦彦を労って、
この状況で可能な限りの穏やかな声で言った。
「いえ」
「それ、持っててもらえる?いまのやつか、沢村って…
とにかく、かかってきたら名前読んで」
「はい」
敦彦は、液晶がよく見えるよう、
スクエアな形をした携帯を左手で握り直した。
そのとき、細川が周囲の車の速度に小さく舌打ちし、
大きくハンドルを切ってアクセルを踏み込んだ。
加速にバランスを再び崩したバックシートで、
敦彦は左のドアに押しつけられ、その上に慎吾が倒れ込んだ。
264
名無しさん
2008/04/24(Thu) 00:09
慌てて体勢を立て直す、そのタイミングのはざまで
バックシートに一瞬投げ出された慎吾の左手を、
敦彦は自分でもわらないまま、右手で握りしめた。
265
名無しさん
2008/04/24(Thu) 00:13
「間に合うよ」
1年。
「藤森」
居場所もわからなかった、友の名前を呼ぶ。
呼ばれたその男は返事もできないまま、
左手を敦彦にまかせて、無言でうなずいた。
266
名無しさん
2008/04/24(Thu) 00:17
―――俺は、多分。
なんの前触れもなく。
降りることのできない流れに乗った。
なにもかもを追い抜いて疾走する車の中で、
敦彦は覚悟を決めた。
267
名無しさん
2008/04/24(Thu) 00:29
『メメント』って映画、ご存知の方もあると思うんですが、
結論の部分からちょっとずつ
「なんでこうなったかというと」「でなんでこうなったかというと」
みたいに時間が巻き戻っていくんですよね。
そんな感じにちょっと。いやそんないいふうにはいきませんが、
お徳井出動から福ちゃんのピンチまでをさかのぼってみようかと思っています。
またのちほど。 レスター
268
柚雨
2008/04/24(Thu) 01:05
息詰まるやりとりと車内の空気にいつのまにか息を止めていました。
あっちゃんが「間に合うよ」と言ってるので大丈夫と言い聞かせてます(笑)
覚悟を決めるあっちゃんはカッコいいですね。
遡っていく展開にドキドキしながら、続きを楽しみにお待ちしています。
269
蓮々
2008/04/24(Thu) 03:14
おぉ。
レスター様更新おつかれさまでした。
福ちゃんピンチ。
でもきっと徳井君が助けてくれる。
なんだかドキドキの展開に読んでる自分もちょっとドキドキ。
次回更新が待ちどうしい蓮々でした。
270
名無しさん
2008/04/24(Thu) 21:18
>柚雨さま
ごめんなさい、息してくださいませ(笑)。
あっちゃんが間に合うといったらきっと間に合うので
大丈夫だと思います。
お得意さん、若造に勢い負けてたらあかんよー。
柚雨さま、いつもほんとにありがとうございます。
>蓮々さま
福ちゃんをピンチのままほうっておくことに
非常に罪悪感があるのですが、
お得意が出動したのできっと大丈夫だと思います。
まあ多少ショック療法というかね、もごもご。
蓮々さま、いつもほんとにありがとうございます。
271
名無しさん
2008/04/24(Thu) 21:23
留守電が入ってたりとか、ポストにお手紙が入ってたりとか
そういうのすごく嬉しいものですが、
こうして残していただくメッセージのひとつひとつも
ほんっとじーんときますねえ。
いつもありがとうございます。
通りすがってくださっている方も、ありがとうございます。
考えてみると、ここをみつけてまだふた月ですが、
ぬっくい中途ワールド、ほんとにいいなあ。
熊本の温泉みたいで、もう抜け出させません。
それにしてもなんですかあのチェックのペアルックは@いいとも!
また夜中にまいります。
レスター
272
みゆき
2008/04/25(Fri) 19:01
福ちゃんのあったかい真摯な告白にはしゃぎ。
ヘタレてるおとくいに可愛いとはしゃぎ。
同時刻書き込みとかにもはしゃぎ。
・・・・・・・・・・・・・・ああああああ福ちゃん大変!!!
どどどどどっきどきでもうどっきどき!(どんなボキャや)
うわうわえらいこっちゃ。はよおとくいはよう!!(手に汗)
ほのぼのしてたらえらい目に合いました。
お忙しそうでございますねレスター様も。
わたくしもこちらでどきどきさせられたまま、仕事に戻ります(えぇ〜?)
更新じっくりお待ちしております。
273
名無しさん
2008/04/26(Sat) 03:50
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-1000
274
レスター
2008/04/26(Sat) 17:51
>みゆきさま
金曜日の午後7時をまわってふつうにお仕事に戻られたみゆきさま…
ほんとにほんとにお疲れさまでございました。
今日はちゃんとお休みとれていらっしゃいますか?
私はといえばもうただの要領の悪さでバタバタして
なんかもう福ちゃん放置プレーのまま(違う)キョートリアルの土曜日です。
どっきどきしてくださったみゆきさまも放置プレーのまま(違う違う違う)
ライブスタンドの週末です。
やつらもがんばっているのですから、今晩こそは更新がんばりますえ。
ほんとにいつもありがとうございます。またのちほど!
275
レスター
2008/04/26(Sat) 17:58
去年のいまごろは貝生活。
チュートリアル体脂肪率激減週間だったですね。
福ちゃん、その身長で53キロってもうどんな戦時中やねん。
ほっそほそくてもいいけど健康でいてちょうだいね。
お得意さんはもうちょっとがんばってね、その顔で残念なボディーってのは
福ちゃんしか許してくれん。
…まあ、福ちゃんが許してくれればそれでいいのか。
また夜に。 レスター
276
レスター
2008/04/27(Sun) 10:28
レスターです。
むー。ようやくこれた。
いったん時間がさかのぼっております。
こっからは
>>250-266
の10分くらい前のできごとだと思ってくださいませ。
277
レスター
2008/04/27(Sun) 10:32
どうして。
いちばん会いたくないときに限って。
この男は慎吾の目の前に現れる。
1年前のあの日も。
そして、いまも。
278
レスター
2008/04/27(Sun) 10:34
黙ったまま目を細めてこちらをたしかめようとする相手に、
慎吾は、すこしずつ後ろににじりさがった。
そして、確信を得たのか男が右足を踏み出した瞬間。
慎吾はきびすを返して、もときた道を走り出した。
279
レスター
2008/04/27(Sun) 10:35
ーーーほらね。
走っても走っても、前に進めないような気がした。
夢のなかにいるみたいに地面がゆらゆらと歪んで、
足の先からぐっとのみこまれてしまいそうだった。
ーーー俺のやることは、いつもいつも。
それでもいいのに、と思う。
ーーー全部裏目に出て、こっちに返ってくる。
いま、あの男の前に姿を晒すくらいなら
そのほうがましだ。
ーーーそうして、やっぱり俺は。
後ろから追う足音が、近づいてくる。
ーーー俺はいつまでも。
その足音がついに慎吾のすぐ後ろまで迫る。
280
レスター
2008/04/27(Sun) 10:36
ーーー誰にも、愛されない。
281
レスター
2008/04/27(Sun) 10:37
「待てって!」
とうとう追いついた男が、慎吾の右腕をつかまえた。
全速力で走ってきた慣性におされ、
慎吾とその男はもつれるようにして進んでから
ようやく立ち止まった。
「…っから…待てって…いって…」
「…」
息があがって、会話が続かない。
暗い路地で、しばらく二人の人影が苦しげに喉を鳴らす音だけが響き、
やがて男はひとつ大きく息をつくと
「…藤森」
と慎吾の名を呼んだ。
282
レスター
2008/04/27(Sun) 10:39
「藤森、だろ…」
慎吾は、顔をあげない。
「…なんで、逃げんの」
なんと返事をしようかと。
どう返事をしてやろうかと。
頭のなかでいくつも、ひどい言葉を考えた。
人を傷つけるのなんて簡単だ。
とくに、こういうお人好しで、単純で、
捻れたものなどなにも知らないとでも言いたげなバカ野郎は。
ほんのすこし肩口を抉ってやるだけで
苦痛に顔を歪ませて、
自分がこんな仕打ちをうけていいはずがないとばかり
ついたばかりの生傷を周りにみせびらかすみたいにして、
そうして背中を向けて逃げていく。
そうならないのは、ごく稀だ。
283
レスター
2008/04/27(Sun) 10:41
ーーー俺やって、好きなヤツのこと。
ーーーやけどな。
ーーー別なんや。
ーーー誰でも…と、思てくれるな。
あいつ、反撃してきやがった。
初めて対峙したあの夜。
あのつまらない男は、思いもかけず慎吾に斬り返してきたのだ。
言葉の字面以上に鋭い言葉で、
しかも、哀れむような慈しむような、不可解な目をして。
284
レスター
2008/04/27(Sun) 10:43
あんな目をされなければ、
ここまで憎むこともなかった。
思い知らせてやる。
世の中なんて、こんなもんだって。
誰もが憎み合って、潰し合って、どちらが先に死ぬかを待っている。
そうしてたぶん最後に、いちばん汚れたヤツが生き残る。
誰もいなくなった、だだっぴろい廃墟に
そいつが一人だけ佇んでいる。
それがきっと、世界の終わりの光景だ。
285
レスター
2008/04/27(Sun) 10:44
なのに、なぜ。
あの目が脳裏から離れないのだろう。
あの男の心があっけなく手折られることを思って、
どうしていま、こんなに足が震えるのだろう。
286
レスター
2008/04/27(Sun) 10:44
「…藤森?」
男がふたたび慎吾の名前を呼ぶ。
ずっと聞きたかった声で。
男が、ゆっくり近づいて、
ふたたびそっと、慎吾の右腕に触れた。
ずっと触れたかった指先で。
「…」
「藤森」
「…ど…しよ…」
慎吾は、座り込んだ。
「どうしよう…あっちゃん」
287
レスター
2008/04/27(Sun) 10:47
あっちゃん。
1年間、口にしなかったその名前が
唇からこぼれた途端、
慎吾の頭の中はぐるぐると廻りだした。
寒くて、震えがとまらない。
その男―――敦彦はすぐ隣に座り込んで、
伏せた慎吾の顔をのぞきこむ。
「…どうした?」
「…」
「なにがあったんだよ」
「…」
「言えって」
1年前とかわらず、限りなく優しく響くその声を遮るように、
後方にすべりこんだ車が、閑静な住宅街に不似合いな大きな軋轢音をたてて
急ブレーキを踏んだ。
288
レスター
2008/04/27(Sun) 10:49
間髪入れずドアが開き、中から人が駆け出す気配に
敦彦は反射的に振り返った。
それとほぼ瞬間を同じくして、怒りを含んだ艶のある声が響いた。
「慎吾!」
薄暗い街灯にもにぶい光を放つダークグレーのシャツをまとった
夜目にも美しい佇まいの男が、
迷うことなくこちらへ駆け寄る。
「なにした」
しゃがみこんだ慎吾を、鋭い言葉で問いつめる。
「おまえ、なにを知ってる」
あっけにとられる敦彦には目もくれず、男は
慎吾の腕をひねりあげるようにして立たせると、
「来い」
そのままひきずるようにして車へ戻りかけた。
289
レスター
2008/04/27(Sun) 10:52
「…おい!」
我に返った敦彦がその後を追い、
振り返りもしない男の背を突き飛ばし、
慎吾から引きはがした。
「なんなんだよ」
「…」
「なんなんだ、あんた…」
驚く様子もなく、男はゆっくりと
よく出来た能面のような圧倒的に計算されたフォルムの造形を
敦彦に向けた。
射すくめるようなその目の力に、
敦彦は続けようとした言葉を失う。
290
レスター
2008/04/27(Sun) 10:52
男が問う。
「君は」
「…」
「こいつの友達か」
「…だったら、なんすか」
隣でうなだれたままの慎吾を横目でみやる。
こいつ。
まだこんな奴らとつきあってるのか。
まだ、あんな生活を続けているのか。
とてつもなく、嫌な気分だった。
291
レスター
2008/04/27(Sun) 10:54
「…悪かった」
男が、ぐっとトーンを落としてつぶやいた。
おそらく、最短距離をとるために
あせる気持ちを押さえつけているのだろう。
「時間がない。とりあえず乗ってくれ」
そういって、バックシートのドアをあけた。
なにも言わずに乗り込む慎吾を
敦彦もまた言葉なく見送る。
その敦彦に、男が意外にも
「君も」
と促した。
「事情はあとで説明するから。頼むよ」
「…」
292
レスター
2008/04/27(Sun) 10:55
いつもなら。
こんなことは絶対にしない。
少なくとも、納得のいく説明を受けなければ、
最も軽蔑する世界の住人の口車に乗るようなことは。
なのに、なぜか敦彦は。
「…はい」
そう答えて、
慎吾が吸い込まれるようにして乗り込んだ後部座席に
続いて身をすべらせたのだった。
293
レスター
2008/04/27(Sun) 10:58
車の前から回り込んで来た男は携帯を耳にあて、
たったいま受信したであろう通話に答えながら
運転席に乗り込んだ。
「うん、いま拾った。で…」
ーーーーー湾岸?」
状況のまったくみえない敦彦にも、
この車が一刻も早くどこかへたどりつかなければならず、
その行き先のキーを慎吾が握っているかもしれない、
そのことだけはわかった。
「…わかった。とりあえず今からそっち飛ばすから、
わかったら連絡…」
「コンチネンタル」
男の言葉を遮って、慎吾が小さな声でつぶやいた。
「…どこだって?」
「コンチネンタルの1203」
「…」
「部屋、決まってんだいつも」
294
レスター
2008/04/27(Sun) 11:02
男は、ほんの一瞬黙って慎吾の顔を見た。
そして、
「コンチネンタル。とにかく…
沢村がつかまったら連絡してくれ」
電話を切るのと、エンジンがかかるのはほぼ同時だった。
滑り出した車のバックシートで。
敦彦は、ほんの30センチ隣に座っている
慎吾の体温を感じながら。
なぜか、その顔をみることができなかった。
295
レスター
2008/04/27(Sun) 11:08
一時的にオリラジスレみたいになっとるな(笑)。
ほな、ライブスタンドいってきます。
また夜に。今夜はぜったい。
レスター
296
柚雨
2008/04/27(Sun) 11:51
緊迫感にぐいぐいと胸が締め付けられました。
慎吾があっちゃんに見つけてもらえて本当によかった…。
徳井さんの顔が何度も浮かんできて泣きそうです。
更新を気を静めながらお待ちしております。
ライブスタンド行かれるんですね。
長丁場で大変ですが、楽しんで来て下さいね。
297
桜
2008/04/27(Sun) 12:59
更新お疲れ様です!!
オリラジスレ、バンザイです笑
いや中途も好きなのですが、
でもオリラジ・・・
もうオリラジをそういう目でしか見れない!!(←
そして涙でそうですよ、レスター様!!
ライブスタンド、うちわ行けないので涙
うちの分まで楽しんできてくださいねえええ^^
298
千寿
2008/04/28(Mon) 06:17
ふにゃ〜〜、一年前に何があったんでしょう?!
やっとあえたあっちゃんから逃げ出すしんごちゃん。
も〜なにしたんですかあっちゃんめ!!っていうかなにかしちゃったのかなしんごちゃん?
気になる、気になりますよぅぅぅ!!
ふくちゃんの無事も、ミニ恐竜とメガネくんの行く末も。
どっきどきな展開にタオルを握り締めつつ
失礼させていただきます。
299
レスター
2008/04/28(Mon) 08:49
おはようございます。
すみません、昨日のライブスタンド、
GW緊急企画@幕張!
徳井義実プロデュース
「カワイイ福ちゃんキャンペーン・MAX」
にあてられ、魂が抜けて帰ってきてそのまま倒れるように眠ってしまいました…
徳井さんのあっつい熱い営業努力によって
その企画にキンコンの二人と輝兄まで乗って来たのは衝撃でした。
(なぜこの企画には男前ばかりが乗ってくるのか?)
エンディングの曲を全員が熱唱するなか、
時の人として前列でフィーチャーされるより
後ろでロッシーと一緒に歌っていたい、そして
そして目がうろうろと「徳井さんどこー」になっている福ちゃんに
涙がとまらなかったです…
またのちほど。
柚雨さま、桜さま、千寿さま、お返事ものちほど!
300
みなみ
2008/04/28(Mon) 12:10
レスターさま
前回書き込ませていただいてから随分と時間がたってしまいました。
二度目ましてのみなみです(ぺこり)
盛り上がっているお話にドキドキしながら一気読みしました!
のちほど。のお言葉を胸に、一度帰ります。
また、すぐきちゃったりしてもいいでしょうか(チラ見)
「カワイイ福ちゃんキャンペーン・MAX」に「それなにー(叫)」と、思いっきり食いつきました(笑)
よろしければ詳細を教えていただければ、天に昇ります。
301
みゆき
2008/04/28(Mon) 12:20
みなみ様に賛同。詳細をををををを!!
あはれに仕事尽くしのGWを過すこのクヅに教えて下しゃい・・・・!!
ロッシー!ロッシーに会いたいよぅ!(違)
キョートリ、フレンチで漫画読みな福ちゃんに激しく突っ込んでいたわたくし@仕事場(爆)。
萌えが!萌えを下さいませレスター様ぁっ!!
リアル崩壊中みゆきでございました(逃)。
302
レスター
2008/04/28(Mon) 12:21
>柚雨さま
いつもありがとうございます!
敦彦、遅まきながら発動いたしました。
ライブスタンドでもあっちゃんはだいぶ男前で、
慎吾はあいかわらずかわいかったです。
そんなすがすがしい、ヤングカポーに比べて
三十路の兄さんたちがだるくてだるくてどうにもならなかったんですけども(笑)。
立ちっぱなし、座りっぱなしで相当足腰が痛いのと
昼から夜までずっと飲んでいたので若干内蔵が弱ってますが、
行った甲斐があったです。
これを糧に今日こそはがんばる…オオカミ少年のようですみません(平伏)。
>桜さま
あーよかった(笑)↓
>オリラジスレ、バンザイです笑
ほんっとオリラジ、いいっすね。
昨日観て思ったんですが、二人とももともと小綺麗なうえに
さらにビジュアルがあがったような。
キャリアを積んで磨かれてきたのか、私の目に勝手にそう映るのか、
それとも育んだ愛が自然に二人をそうさせているのか。もう、どれでもいいです(笑)。
昨日はお得意さんのTシャツ姿がやけに爽やかだったんですよ。
その袖からのぞく長い腕と、対して隣の福ちゃんが長袖で
ちょこっと指先がのぞいているだけという、そのバランスが
なんともいえずロマンチックだったです。
いつもありがとうございます。またのちほどです!
303
レスター
2008/04/28(Mon) 12:35
>千寿さま
いつもありがとうございます!
一本気なミニ恐竜(←これカワイイ)と、一見無害な小動物福ちゃんは
似ているようでぜんぜん似ていないんだよ、慎吾。
と書き始めたころは思っていたんですけど、
いやもしかしたら似てんのかこいつら、なんて思ったりもしはじめているここ数日。
あっちゃんと慎吾にもショック療法になればいいなあと
こんな箇所でぐだぐだしているわけなんですが、
きのう、小学生のようにはしゃぐピュア(ある意味)なお得意さんをみていたら
世界のほんの片隅であるこんなスレであっても
こんな状況に追い込んでいることが申し訳なくなってしまいました(笑)。
一刻もはやく、どうにかしなければ!と思っています。
どぞどぞ、またお時間のあるときにお立ち寄りくださいませ。
>みなみさま
二度目まして!
いやいやいや、ありがとうございます。
>また、すぐきちゃったりしてもいいでしょうか(チラ見)
ああああったりまえではないですか!
というか、もうもう嬉しいです。ほんとに。
いま相当ぐだぐだしてなかなか先に進んでいないのですが、
GWはがんばるぞ。
「カワイイ福ちゃんキャンペーン・MAX」、語りたい(笑)
しかしいかんせん昼休みがもう…
なので夜になりますけど、私などでよろしければきっとご説明いたします。
またのちほどです!
304
レスター
2008/04/28(Mon) 12:39
>みゆきさま
おお、ありがとうございます。
みゆきさまのスレ、リアルでおじゃましてたんですよいま。
うう、時間ぎれでコメント残せない…
あとでまた遊びに行ってもいいですか?
ロッシー、人と人のあいだからちろっとしかみえなかったけど
強烈になごみましたよ。あの笑顔。
その隣に福ちゃん。そしてそしてものっすごい目をこらすと
…お得意!そこにいたんかやっぱり!的な小さな幸せ(笑)。
みゆきさまとみなみさまご所望のキャンペーン詳細につきましては
夜に必ず(文字で再現出来るんだろうか、あのだるさ)。
なので、キョートリの聞けないわたくしにぜひ、これも教えて(笑)↓
>フレンチで漫画読みな福ちゃん
ではではまたのちほど!お仕事がんばってくださいませ!
305
柚雨
2008/04/28(Mon) 15:54
ヤングカポーはキラキラしてましたね。
楽しそうにしてるなあと思いながらTVを見てました。
今朝のWSで舞台上の人混みを目を凝らして見ていて徳井さんとロッシーは確認できたのですが…。
あの間に福ちゃんが居たんですねぇ。
最後にキム兄の後ろをちょっとだけ手を振りながら風のように去って行く福ちゃんが映ってました。
ひょこひょこって感じでしたが(笑)
徳井さんが繰り広げたキャンペーン詳細を私もコソッとお待ちしています。
あ。ズームインではチュートのインタビューがちょこっと流れてました。
306
名無しさん
2008/04/28(Mon) 20:36
>柚雨さま
おお、ありがとうございます。
ヤングカポーもおっさんたちも、
若干テレビに映ったらしいですね。
ヤング2名、ほんっとキラキラしてました。
そして視聴者の多い電波には姿が映らないところが
風のような男・福田充徳ですね(笑)。
でもインタビューもあったのか…
ちゃんと冷静にお答えできたのかなあ。
あの昨日の舞台上でメーター振り切れそうになってたお得意さんと
彼におされおされてのオタオタする福ちゃんを思い返すに
ちょっと心配でございますけども(笑)。
307
レスター
2008/04/28(Mon) 20:37
あらためまして。
こんばんわ。レスターです。
ほなこっそり、昨日27(日)ライブスタンドの
GW緊急企画@幕張!
徳井義実プロデュース
「カワイイ福ちゃんキャンペーン・MAX」
につきまして、補足説明させていただきます。
ほかにも上手にレポートされる方があると思いますので、
ごくごく、ご参考程度に願います。
なぜならわたくしびっくりしすぎて、
あんまり覚えてないからして(笑)。
308
レスター
2008/04/28(Mon) 20:47
衝撃@お得意が…
出てくるなりの大歓声、そのなかの
「福田〜!」←(呼び捨て)に受けていた二人だったが、
そのうち急激に盛り上がった「福ちゃんカワイイ!」コールに
徳井さんが目を輝かせ、してやったりとばかり
「俺の福田はかわいい」モードに突入。
その時点で既に引き気味だった福ちゃんは
「やめよう後ろのほうはドン引きしとる…」と自粛を求めましたが、
「ねえーかわいいでしょ」
「福ちゃんねえ、ここに(どこに!?)ちっちゃいシッポもあるんですよ」
(これ以上は…無理、誰かお願いw)
さんざん煽ったまま「写真を撮りたい」のネタに突入すると、
どう考えてもいつもより乗り乗りでセクハラにトライする徳井さん。
ここで私が注目したのは、一度福ちゃんが
腕を掴もうとした徳井さんを「意図的によけた」。
ここポイントです。試験に出ます。
それが徳井さんにさらに火をつけた(ようにみえただけです)んですね、
セクハラはエスカレートし、セクシーな顔をしてみろというくだりでは
「手はいらんからペロペロだけにしろ」と強制、
あげくにはそれを会場のみなさんにお見せしなさいと
上手下手(かみて・しもて)に連れまわし、
中途のなんたるかを知らない清らかな観客までを煙にまいて
ぐだぐだと出番は終わったのでした。
309
レスター
2008/04/28(Mon) 20:53
Aキンコン西野と梶原が…
中途の出番の後続だったキングコング。
出てくるなりすっきり坊主頭になった西野くんが
「いつの間に福ちゃんはかわいいとかいうことになったんですか。
俺らからしたら正直ペロペロなんかぜんぜんいけてない」的に
「福ちゃんカワイイ」の波を地下まで叩き落とした。
…はずだったんですが、
「森のくまさん」ネタがはじまり(これ好きだわー)
カジがことあるごとにペロペロを拾うたび「それは福ちゃんだから!」
スパーンとつっこむたび「それは福ちゃんだから!」と
おそらくネタ終了までトータル20回程度(くらいに感じるほど)
福ちゃんネタを引きずったキンコン。
そもそも西野くんが坊主な髪型含め最初から限りなくテンパっており、
空気を呼んで福ちゃんネタを積極的に拾いにいったカジが
ものっそ大人にみえました(笑)。
310
レスター
2008/04/28(Mon) 21:07
B輝兄が…
ライブスタンドの会場でいちばん大きなステージの
最終グループだった中途。
中途の前にはあの黄ジャケ先輩の大爆笑ライブ、
キンコンを経てザ・ぼんち師匠の落ち着いた一席(いいっすね)、
品庄の妙に初々しいひとときとのんちゃん絶唱のフットボールアワー、
トリはキム兄の宝島っぽい知的笑いのクールダウンで、
いよいよこの日のエンディングです。
タカトシのタカのあのライオンくんと数人がまず出てきて、
帰り始めた客の波をひきとめました。
「え、もう帰っちゃうの、これからエンディングやで!」
「みんな出てくるで!」
そこに、まさかの後藤輝兄のひとことです。
「福ちゃんも出てくるんやで!」
そんな、男前の兄さんが。
そこでわざわざ、福ちゃんをフィーチャーしますか。
一緒にいってもらった私の知人が
「福田って…そういうキャラなの?」と驚いて(引いて)いました。
311
レスター
2008/04/28(Mon) 21:09
Cそしてエンディングで…
輝兄のお言葉どおり、あまたの芸人さんが溢れかえり
ライブスタンドのテーマ曲「LAUGH!LAUGH!LAUGH!」を絶唱するなか
センターの輝兄のうしろに引っ張りだされた福ちゃん。
しかし、目が泳いでいます。
ようやくロッシーをみつけて安心したらしく、
ほのぼのと歌いはじめた福ちゃんでしたが
あいかわらず若干目が泳いでおります。
が、やはり観客としては、1日楽しませてくれた芸人さんたち全員に
敬意を表したい。
いったん福ちゃんから目をはなし、
下手から上手、若手からベテランまでに一様に拍手を送った後
ふたたび福ちゃんをみますと、
…あれ?なんか、いつもどおりの「エヘヘ顔」に戻っています。
なんのことはない、向かって左ではあるけど。
お得意がいるじゃんか。
めっちゃだるくて、
幕張から帰る気力をふりしぼるのに
若干苦労しました。
まあ、そんなイベントだったんです。
312
レスター
2008/04/28(Mon) 21:11
ま、こんなもんで。
ライブスタンドはWOWOWで放映してくれるそうなので、
このあたりあらためてごらんになった方が
「ぜんぜNこんなんじゃないじゃん」とおっしゃる可能性もあります。
なぜなら私、中途にまいってますし、
しかも午後1時から8時までずっと飲んでたから。
そんなわけで、またのちほど。
明日幕張にいらっしゃ方にも、
お話伺いたいですねえ。
レスター
313
蓮々
2008/04/28(Mon) 21:16
キャー。レスターさま。
レポありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます…
リアルでした。
そうですか。
福ちゃんかわいい♪祭りでしたか。
私が九州住みでなければ
もうちょっとお金持ちだったならば…。
LIVE STAND行っていたのに。
どうせCSから撤退するならLS終わってからにしてくれ。
よしもとぉ。
お互いの顔が精神安定剤であるようですね中途さん。うんうん。^^
自己責任により5月はWOWOW決定です。
ありがとうございました。
314
レスター
2008/04/28(Mon) 21:48
>蓮々さま
リアルで、しかもこんなんで納得してくださって、
ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます…。
だいたい>
>>311
まちがっとるやん。
お得意さんは向かって右にいたの。
福ちゃんが納得できないはずの(笑)、向かって右側に。
そんでも、いないよりはいてくれるほうが
100000000000倍いいんだと思います。
そんな相互精神安定剤(@蓮々さま)な中途なんだと思います。
315
柚雨
2008/04/28(Mon) 23:14
レポありがとうございます。
試験に出るポイント、しっかり覚えました(笑)
徳井さんがどんな表情でセクハラしていたのか想像するとニヤニヤしてしまいます。
後輩からの「福ちゃん」呼びは萌えます…。
仲良しだった西野が相手ですし。
輝兄の発言も嬉しい限りです。
オリラジとのロケ番組を見る為に5月からWOWOWに加入するのですが、
LIVE STANDの放送もあると知ってますますテンションが上がってます。
チラッと映った映像で徳井さんが自分の左側を向いていたのはそっちに福ちゃんがいたからなんですね(強引に決定)
見に行けばよかったと後悔しきりです。
会場がちょこっと遠いのと京○線の運賃の高さについつい及び腰になってしまいました。
ズームでのインタビューは舞台裏で初日に行われていました。
人気の秘密を聞かれて、福ちゃんが徳井さんをチラッと見てました。
すると徳井さんが「やっぱり福田くんのハンサムなフェイスでしょうね」と。
そこに福ちゃんが乗っかり「間違いなくそれはそうでしょうね」(笑)
男前ランキング第5位に入ってますからと徳井さんが宣伝してました。
徳井さんが既に殿堂入りしてるので、福ちゃんが「男前コンビということで」とボケ続けていて(笑)
「国民のみなさんはハンサムに弱いですからね」という徳井さんに
福ちゃんが「国民のみなさん、知らん人が多いぞ。マンスリーよしもとの投票」と突っ込んでました。
全体的にインタビュアーさんが笑ってたのでよかったです(笑)
簡潔に書こうと思ったのですが、長文になってしまいましてすみません。
316
悠斗
2008/04/29(Tue) 00:34
更新お疲れ様です。
小説での緊迫感。
そしてライブスタンドレポの臨場感…
レスター様、ありがとうございます!!
WoWWoWは加入できないので、きっと見ることもできませんが、
レポを読んで満足したいと思います。
福ちゃん可愛いなぁ。お徳井さん、そりゃ暴走するよね。
次回の更新も楽しみにしております
317
みゆき
2008/04/29(Tue) 01:33
ただいま自宅PC前まで帰ってまいりました!(涙)
おおきにレスター姫大好きだあああああ!!!!!(感涙)それから柚雨様も!
癒しつうかもう、テンション上がるう。目はもう文字を追うのでいっぱいやのにい!
でもでも素敵レポをありがとうありがとうごだます!!感謝感謝でごだます!!
あれやね、いつぞやのまる金での中途のいちゃっぷりを端で見ていたよっさんとこっすー曰くの、
『なんやもうだるぅなってきた』発言なんすねそれは!(笑)
今朝めざましの蝶ネクタイなイケ麺のコーナーでも、さはやかにつるっと手前ミソな中途フィーチャーでした(GJ)。
映像はおとくいと阿部(ポイズン)が肩組んでお歌を歌っていた場面(∞のアレを思い出しました)。
パンした福ちゃんが、若干どころかそんな二人を見て更に目線泳ぎまくっとるわ。
と、思ったのもわたくしだけでございましょうが。
因みにキョートリの一件はそのまんまでございまして、最近「ひとりで」(数回強調)行く食事の話でして。
んで、フレンチレストランも一人で行っては、漫画を読んでいるのだと。
とてつもなく非常識発言をぶちかまし、寧ろわたくしならばグーで顎いってるところをおとくいは。
「それは常識としてアカンのと違う(うろ覚え)」的に、愛ある優しい言い回しで注意してました。
・・・・・・・愛ないと無理無理。あのアホの子晒す場面にそんな優しい台詞は言えん。
と、ま、これも病人でないと理解出来ない馬鹿ップルぶりやったという感想なんですけどね。
あたくしも長文申し訳なく。一ヶ月だけわうわうは無理なんかなあ。と金にまで腐った思考のみゆきでした。
318
うさみみ
2008/04/29(Tue) 02:02
ライブレポありがとうございます!
行けなかった身としては凄くありがたいです!
またしても中途は数々の爆弾を落としていきましたか〜
テル兄ィー、福ちゃんはネズミーランドのアイツじゃないのに
客寄せパンダキャラ認定ですか。
230のハグシーン、凄い切なかったです。
ハグだけでこんな切ないのは、レスター様が描くのがほんとに
上手いからだと思います。やっと言えて良かったね福ちゃん。
と思ってたら怒涛の展開ですか!?
「哀れむような慈しむような」目の福ちゃん、しんごちゃんも
救えたらいいなぁ。
あ、私も中途のカレーの、だるい宣伝見たいです!
どっかの田舎の(できれば北海道希望)ログハウスで、
シメに「カレーは○○♪」と歌う二人まで妄想が広がりました。
妄想のおすそ分けありがとうございます。ではまた来ます!
319
千寿
2008/04/29(Tue) 06:03
ライブレポありがとうございますvv
ほんとうに行けなかった身としてはありがたい限りでございますvv
そうですか徳井義実プロデュース「カワイイ福ちゃんキャンペーン・MAX」ですか
いいですねぇvvよぉっし、このままカワイイふくちゃんが世の皆様に浸透するといいvv
試験に出るところはばっちり脳みそに叩き込みましたんでOKです!!
みなさまに愛される(いじられる)ふくちゃん・・・なんという幸せvvv
柚雨様、みゆき様も幸せ情報ほんとうにありがとうございます。
もうおなかいっぱいですvv
皆様どうもありがとうございます。幸せ気分で退出させていただきます。
それではごきげんよう。
320
桜
2008/04/29(Tue) 09:45
れぽ、ありがとうございます、レスター様ああ!!
神ですよw笑
福ちゃんの写真、見たかったなああ。
てゆうか、キンコンや輝にいのいじられ?みたいな?笑
むっちゃ見たいですわあ!!
うんうん、福ちゃん気に入られてるんだね!!w
ありがとう、よひもと!!笑(あ、噛んだ)
興奮状態でございますー、桜でした!!
321
名無しさん
2008/04/29(Tue) 12:10
>柚雨さま
ライブスタンド会場、たしかに遠いですよね。JRも高い。小旅行です。
だいじょうぶ、5月のWOWOWご覧になれるんですもんね柚雨さま。
WOWOW関係者のみなさん、聞いてますか!中途、めっちゃ営業力ありまっせ(笑)。
徳井さん@幕張、輝いてたなあ。というかむしろ清々しかった。
あらためて思い出すと、たしかに後輩からの「福ちゃん」呼びは萌えますね。
中途半端な立場にあって苦労も多い福ちゃんだとは思うけど、
だからこそ絶妙な先輩、同期、後輩との関係性。
ここからはそれをパワーに変えて、中途をますます盛り上げていってほしいです。
ズームインインタビュー、うわあ、ありがとうございます!!
「男前コンビ」…それまだ世間は納得しないからお得意さん(笑)。
乗っかりつつも、一番気弱になってるのが福ちゃんというところが中途ですねえ。愛しい!
> 悠斗さま
うわあこちらこそ、ありがとうございます!
WOWOW、なにかあれば必ずレポートしますから
(私なんか以外にも、みなさん素敵レポートをなさるでしょうきっと)
福ちゃんの「カワイイ」もそれなりに認知されてきまして、
ここぞとばかり張り切っているお得意さん。
いま暴走しなくてなんとする、という心境かもしれません。
しかし、みんながそれに乗って来ると
「や、まあ客席からくらいやったらええで。それ以上は近づくのはあかん」
みたいなガードをかけがちなお得意さんがさらに「カワイイ」。
今後は全国ネットでもぜひそのだるい感じを披露していただきたいです。
おっきいとこから仕事こなくなったりして(笑)。
322
レスター
2008/04/29(Tue) 12:30
> みゆきさま
いやあもう。いっつもありがとうございます!
目が泳いでる福ちゃん…中途って「いつも一緒にいるわけじゃないし話もしないしぃ」
とかいいながら、相方がいなかったり別の人といたりするとおたおたしている。
そのことに、本人たちは気づいていないんですかね。
よっさんとこっすーといえば、ブラマヨのコント@ライブスタンドもゆるかった。
暗転のあと、袖のなかから無理矢理「翌日!」と叫んで設定強制したよっさんに
入院患者役のこっすーが苦笑して「もっとほかにやりようあったやろ(苦笑)…」みたいな。
中途とブラマヨって奇跡的にテンポあってるんですよね。
マル金的な番組、またできないかなー。
フレンチレストランで漫画。まんまなんですか。
福岡の屋台でプレステ男、やらかしてますね(呆)。
私もそんな優しいこといえません。おかしいやろお得意。なんでそんな甘やかすの(笑)。
>うさみみさま
こんにちわ!中途爆弾、本当に油断できません。
直後だったキンコン西野はともかくとして、
出番としてあんなに間があいたあと
まさか輝兄まで言い出すとは思わなくて心底びっくりしました。
福ちゃん、おそらく楽屋でずっと冷やかされてたんじゃないでしょうか。
そしてお得意は、うなずきつつもイラッとしてたかもしれません(笑)。
いやいやいやもうもうもう、ハグが切ないのは徳井さんと福ちゃんの
強烈なビジュアルパワーだと思われます。
正直、どんなシチュエーションにあてはめても妙にハマりますもんね中途。
うさみみさまの中途カレーCM(だるい)、絵コンテ起こして
どっかに持ち込みたい(笑)。ラスト歌うんやぁ〜♪、カワイイ。
こちらこそ素敵なおすそ分け、ほんとにありがとうございます!
323
レスター
2008/04/29(Tue) 12:41
>千寿さま
いやいや、もうもうもうありがとうございます。
というか、ほんとにごめんなさい。
お忙しいなか来てくださるのに、ぜんぜん話が進んでいない…なのになのに
いつも優しいお言葉をくださって、ほんと、それこそ
福ちゃん的「どうやったらお返しできるんだろう」な心境です。
つぎにいらしてくださるときには、進められているようにがんばります!
徳井義実プロデュース「カワイイ福ちゃんキャンペーン・MAX」は
引き続き開催してもらいたいですよね。
いっくらでも協力しますけども。でも協力しすぎるとお得意、急に
逆切れしてきよるかもしれんけど(笑)。
>桜さま
どうもありがとうございます!!
>よひもと!!笑(あ、噛んだ)
それで思い出しましたが、ネタ中、福ちゃんがなんかで噛んだのをうけて
お得意さん「さすがや、甘噛みやなあ」的なことをいって
前方客(「福ちゃんカワイイ」ゾーン)を狂喜乱舞させ
後方客(「福田ってカワイイの?」ゾーン)および
子連れの両親たちをドン引きさせてたな(笑)。
今日のライブスタンド最終日は、中途の出番早いんですよね。
なにやったんやろう。初日が「歌をつくりたい」、2日目が「写真」、
できれば「好きや好きや」で締めてほしい気もします。
まあどのネタだってだるさは同じなんだけども(笑)。
324
名無しさん
2008/04/29(Tue) 22:10
いつも楽しみに読ませて頂いてます。
今日のLIVE STANDは痴漢のおっさんネタでしたよ。
ネタがネタだけにところどころ引かれていましたが(笑)面白かったです。
冒頭で徳井くんが楽屋でwiiのマリオカートを小杉さんとやった話をしていたのですが
舞台上にも関わらず完全にラジオとか∞で福ちゃんに話す時のような口調とノリで
普段通りがなんだったら一番だるいような状態でした(笑)。
福ちゃんもニコニコと聞いていて(というかこの段階ですでにお互いの顔しか見ていない)
「お前楽屋でうるさかったよなあ」と楽屋でお得意さんがなにをしていたのかちゃんと知っていました。
痴漢のおっさんが何故かへべれけでデートに持ってきた手作り弁当のおかずが酒のつまみばかり
(ちゃんとナムルも入ってました)だったりするのは誰を参考にしているのか。興味深いです。
意味もなく徳井くんが福ちゃんの右手を触る下りは今日もあって福ちゃんが困るくらいずっと触ってきてました。
いきなりレポしてしまってすみません。
次回の更新も楽しみにしています。
325
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:14
>324さま
こんばんわ!
うわあ、読んでくださってありがとうございます。
そしてそしてライブスタンドレポ、ほんとにありがとうございます!
アハハー、痴漢のおっさんでしたか。
これはまたお子様に向かない、だるい一席を(笑)。
なんかもう、大好きな相方とおしゃべりするのが仕事なんだったら
移動中とか楽屋でくらい話さなくてもいいですよね。
その話さないはずの楽屋でさえ、お互いをちゃんとチェックしてるんですね。
しかもナムルや酒のつまみしか入ってないお弁当なんて
福ちゃんしか喜ばないし、しかもそんな献立、幕張で披露されたって
ほとんどの人は「なんすかそれ」状態だと思うんだけど…
お得意、自由すぎる。
324さまのおかげで、ライブスタンドを完走したような気分です♪
326
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:24
あ、レスターです。
はやく更新しないと、福ちゃんがずっと危ないことに
ようやく気づきました。
サーバーめっちゃ重いけど、とりあえず
>>277-294
の直前の出来事にさかのぼって。
さかのぼったら、結局まだ福ちゃん放置なのか。
徳井さん、怒らないでね。
327
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:29
表通りから少し奥まった静かな路地に、
そのコンビニは建っている。
店内から漏れる、昼間のように明るい照明。
その光を遠くから眺めるために、
慎吾は時折、ここを訪ねていた。
懐かしむためでも、リセットするためでもない。
自分がもう、この光と一切の関わりを持たないことを確認するためだ。
1年前のあの夜。
———ごめん…俺。そういうのわかんねえ。
そういって背中を向けられた
あの瞬間を思い出して、
心を凍らせるために。
328
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:31
(藤森)
(うん)
(おまえさ…やめたほうがいんじゃない?)
(なにをよ)
(夜中、ここ入んの)
(なんでよ)
(なんでって…いわれても…)
敦彦は口ごもった。
その様子がなんだか小さな子供のようで、慎吾は笑った。
深夜、客足がぱったりと途絶えた時間帯、
カウンターの中でそんな会話を交わしたのは、
あの最後の夜から2週間ほど前のことだった。
329
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:34
(いや、笑いごとじゃねえって)
(だからなんでって)
敦彦は、この店から歩いてほどない場所にある
名のある大学の2年生だった。
そもそも、その学校の学生がほとんどを占める
この店のバイトのなかで、
学校も別で家も特に近い訳ではない慎吾は、珍しい存在だった。
たまたま最初の研修で一緒になった敦彦は、
同期会という名目で近くの居酒屋で飲み会をしたとき
ひとり大学が違う慎吾を気づかって
やけに面倒をみてくれたが、
あとで聞けばむしろそういう場が苦手なのは敦彦のほうで、
普段はとくに世話焼きでもないらしいことを知って
慎吾は驚いた。
そして、子犬のような顔をしたその男に、興味を抱いた。
330
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:46
偶然なのか、やけにシフトが重なった。
特に趣味が同じわけでもないのに波長があって、
話していると楽だった。
なにも余計なことを考えなくてすむ「ともだち」。
ある時期から、同性に対して一切抱けなくなったその素朴な感覚を
敦彦はごく自然な形で思い出させてくれた。
(だから…なんとなく危っかしいじゃん藤森って)
(危なっかしくねえよ)
(自分でわかんねえもんなのかなあ…)
敦彦はカウンターに両手をつき、
頭をひねってひとりごちた。
331
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:47
確かに、繊細な顔立ちに華奢な体型をした
ユニセックスな雰囲気を持つ慎吾は、
そういった類いの目線にすぐにつかまる。
本当はわかってる。
それに。
別に俺、それ嫌じゃねえし。
そういう人種がすぐ身近にいると、
敦彦のような人間は想像もしないのだろう、と慎吾は思った。
こうして敦彦と会話を交わすたびに
憧れにも似た気持ちと、同時に
どこか残酷な気持ちを抱く。
−−−もし、そのことを教えてやったら、
こいつ、どんな顔するんだろうな。
332
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:49
(おまえ女子に間違われたこととかねえ?
満員電車とかあぶねーだろ)
(なにそれ、どんなAVよ)
(ここだってさ、夜中どっちか休憩入ってて
ひとりの時とか、なんかすっげえガッチリした客が入って来て…)
タイミングよく自動車ドアが開き、
ガッチリとは真逆のひょろっひょろな男が入ってくる。
敦彦と慎吾は、
(いらっしゃっせ〜)
と声を合わせながら、笑いをこらえた。
333
名無しさん
2008/04/29(Tue) 23:51
(だから、その…襲われたりするかもしれねえじゃん)
(そんなのパンチで瞬殺っしょ)
(まるっきし腕力ねえくせに)
(あっちゃんだって変わんねえじゃん)
敦彦が右手を、慎吾が左手を前方に伸ばして比べる。
長さこそあまり変わらないが、
敦彦のほうがひとまわりがっしりとしていて、
質感はそれこそ男と女の腕ほどに違っていた。
慎吾は、敦彦の半袖の制服からのぞく、
そのなめらかな筋肉を纏った腕を、
美しいと思った。
334
桜
2008/04/30(Wed) 18:15
オリラジ、
もう切なすぎて・・・、
泣きそう、です。
明るい話のはずなのに。
でも続きがとても楽しみです。
335
レスター
2008/04/30(Wed) 20:01
>桜さま
オリラジ。
なんかちょっとしんどいことになっとる。
ほんと、ごめんなさいです…
最初は、福ちゃんとお徳井さんにとっての
ちょっとしたハードルになってもらおう。
そう思ってただけのはずが、
もうもう、どんどん掘り下げたなるね、慎吾とあっちゃん。
これを越えないと福ちゃんにもたどり着けないので、
突貫工事いたします。
桜さま、おつきあいくださってありがとうございます!
336
レスター
2008/04/30(Wed) 20:06
レスターです。
しっかし人間、はりきったときに限って道が険しいというか、
ゆうべからここ、ぜんぜんたどりつけなかったですねえ。
GW中はずっとこんななんかな。
とりあえず、いまのうちに急げ急げ。
337
レスター
2008/04/30(Wed) 20:09
(ほらぁ、なんだあその棒っきれ)
(バッカじゃねえの、筋肉より技よ、技)
(どーだかね…)
敦彦はふと、真剣な顔になった。
(…土日入ってるさあ、3年の、でかいヤツいるじゃん)
(うん)
(あいつ…やばいと思う)
(やばいって?)
(藤森のこと…なんか、変な目でみてる気がする)
(そ?)
(学校でもあんま評判よくねえみたいだし。
だからシフトとか気をつけな、たまったま二人になったり…)
(評判って)
(…だから)
338
レスター
2008/04/30(Wed) 20:10
敦彦は、一瞬言いよどんでから続けた。
(そういう系、なんじゃねえかって。二丁目とかそういうの?
出入りしてるらしいって)
(ふうん)
そこで。
話題を変えればよかったのかもしれない。
けれど。
339
レスター
2008/04/30(Wed) 20:12
(いけねーの?)
(なんかいけねーの、それって)
(…いけねーっていうか… 節操ないっつーのが嫌なだけ)
(セッソウ?)
(男だとか女だとかそんなこといってんじゃなくて…
誰でもいいみたいなの、おかしいだろ?
そういうのは俺、軽蔑するわ)
340
レスター
2008/04/30(Wed) 20:13
…そっか。
やっぱりね。
わかんねえんだ。あっちゃんは。
そういうセッソウのないのが
意外と近くにいるんだって。
ぜんぜんわかんねえんだこの人。
笑えるなあ。
ひょろひょろの客がカウンターへカゴを持ち込む。
敦彦がレジに打ちこんだ商品をビニールに放りこみながら
慎吾はニヤリと口角をひきあげた。
341
レスター
2008/04/30(Wed) 20:16
(あのさあ)
ビニール袋を提げて出て行く客を見送りながら、慎吾はいった。
(覚えてる?3ヶ月くらい前に辞めたチーフ)
(うん)
(つきあってたの)
敦彦が。
ほんの少しの間をおいて振り返った。
(俺。あの人と)
(…)
(別れたけどね)
342
レスター
2008/04/30(Wed) 20:19
元はといえば、
上京してすぐ、大学の学外サークルにゼミごと借り出され、
そこでひっかけられた男となんとなくつきあいはじめ、
面倒だからその男の部屋に転がり込んで、
紹介されるままにこの店のバイトにも入って、
それで結局飽きて、別れた。
343
レスター
2008/04/30(Wed) 20:25
(知らなかった?)
(…知るかよ)
(だから、心配してもらってなんだけど、
俺、おのずとそっち系だから)
敦彦は、慎吾の顔をみたまま
頭のなかでぐるぐると
なにか考え込んでいるようだった。
ーーーはじめにつきあったヤツの話から
全部しゃべったら、
あっちゃん、ひっくり返るだろうな。
慎吾はなんだかおかしくなって、チェッカーを片手にカウンターを出た。
344
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:42
その夜。
あいかわらず客足は乏しかった。
別々の棚のチェックをしてまわりながら、
慎吾はふとパン棚の、ビニールに包装された小さなパンに目をとめた。
表に印刷された、子供向けに描かれた子犬のイラストが
どこか敦彦に似ていて、
バイトの仲間内で「あっちゃんパン」と呼ばれているものだった。
−−−マジで似てんな。
そう思ったとき、
棚の向こう側から敦彦が
(…藤森)
と声をかけてきた。
345
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:44
(…なに)
無感情な声で答える。
(別に…いいわ)
(…)
(それは、いい)
(意味わかんねーんだけど)
(だから)
棚の上から、
敦彦の頭の短い髪をたてた、
そこだけ恐竜の子供のようなてっぺんだけが
のぞいていた。
−−−犬だったり恐竜だったり。
へんなヤツ。
346
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:46
(おまえがそうなのは、別に俺、いいからさ。
むしろ…ごめん。変なこと聞いて)
正義感が強くて。
(だけどな)
融通がきかなくて。
(それさ、あんまりいろんなやつに言うなよ)
まっすぐで。
(別れたなんつったら、
絶対、つけこんでくるやついるから)
優しい。
347
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:49
(…わかった。気をつける)
(うん)
−−−平気なわけないのに、
平気なふりしないと俺に悪いとでも思って、
必死で修正してるんだ。
ほんと、バカじゃねーの。
頭のなかでつく悪態と裏腹に、
視界がにじむ理由が
信吾にはわからなかった。
ただ。
−−−こんなやつとなら。
もしかしたら、
このまま「ともだち」でいられるかもしれない。
まだこのとき。
慎吾はなぜか。
そう錯覚していた。
348
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:51
それから2週間後。
カウンターでそんな会話を交わしてから
敦彦の予定はまるで
慎吾を避けるようにして組まれていたから、
油断していたのかもしれない。
深夜シフトの休憩時間。
慎吾は、敦彦が気をつけろといっていた
例の3年の男と
ただ時間に追われるだけの乱暴な情事をすませたばかりで、
荒い息をついていた。
控え室には嫌な熱気がこもって、
急速にひいていく体温との温度差に鳥肌がたつ。
349
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:53
身支度の整わない慎吾を気づかうこともなく
大柄な男が控え室のドアの小さな押し鍵をはずした途端、
タイミングよく外からドアが開いた。
(おはようございます…)
ドアの外で、まさに扉を開こうとしていた男が
そう言いかけて言葉を飲み込んだ。
敦彦だった。
350
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:54
敦彦はしばらく、
対峙した男の顔をみあげていた。
やがてその肩越しに、ゆっくりと控え室の奥へ顔を向ける。
3年の男はそそくさとその脇を通り過ぎ、
すれ違った拍子に肩がぶつかって
敦彦が右肩にかけていた鞄がずり下がった。
(…藤森)
そう呼ばれて。
慎吾は慌てて、
はだけた胸元を掻き合わせた。
351
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:56
(…大丈夫か?)
入ってくんな。
(だから…気をつけろって俺が…)
おまえなんか。
(あいつ…)
(違う)
心配してる振りなだけじゃん。
(違う違う、あっちゃん)
どうせ。
(俺が誘ったの。やりたかったから。
カマかけたら乗って来たからさ)
(…うそだろ)
(…)
(そんなの)
(関係ねえじゃん、あっちゃんに)
堕ちる勇気もないくせに。
352
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:57
(それともなに?)
(…)
(あっちゃんが、ってこと?
嫌だとかケーベツするとかいってたけどほんとは)
(藤森)
(俺とやりてえの?)
(藤森!)
敦彦は、近くにあったパイプ椅子に荷物を投げ飛ばし、
それが派手な音をたてた。
353
名無しさん
2008/04/30(Wed) 20:58
しばらく続いた沈黙ののち、
敦彦がつぶやく。
(ごめん…)
敦彦は、慎吾の顔から目をそらした。
(…俺。そういうのわかんねえ)
ロッカーを開け、乱暴に制服の上着を引っ張りだす。
(俺は、藤森とは違うから)
片袖を通しながら、慎吾に背を向けて
敦彦は控え室を出て行った。
354
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:01
慎吾は嘲った。
355
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:03
つきあっていた男と別れて、
こんな店に勤める理由なんかなくなっても
何となく続けていたのは、
敦彦がいたからだ。
慎吾が失い続けていたなにかを取り戻させるような力が、
敦彦の笑顔に宿っていたからだ。
あっちゃん。
慎吾はその夜、最後の砦を無くした。
356
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:05
慎吾はそのまま、なんの断りも入れずにバイトを辞めた。
店から連絡が入ってうっとおしいので
携帯の番号も変えた。
学校もおざなりになり、
適当なつきあいに流されて新宿に出入りするようになった。
そんな頃、出会ったのが徳井だった。
一目みて、慎吾にはわかった。
−−−ああこいつも。
自分で、自分のいちばん大事なものを壊して、
壊れたままの男だ、と。
357
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:06
なのに。
その壊したはずのものが
信じられないような偶然から手元に帰ってきたとたん、
徳井は手のひらを返した。
−−−どいつもこいつも。
それで慎吾は手を打った。
簡単なことだ。
顔の利くヤツにちょっと体を開いて、
猫撫で声を出せばいい。
358
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:08
気二食ワナイヤツガイルンダケド。
ドウニカシチャッテクレナイ?
359
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:10
いまごろ、
あのつまらない「徳井の幼なじみ」は
何がなんだかわからないまま
心をバラバラに切り刻まれているはずだ。
残念だね、義実。
あんたの大事な福ちゃんは。
もう。
あんたの前では笑えない。
360
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:11
なにかを踏みつぶす時に迷いはいらない。
片足をあげたまま迷ったら、
自分がぐらつくだけだ。
だから慎吾は、なにかに迷うたび
この場所へ戻った。
小さな店が放つ光。
駐車場の端から煌煌と光るガラス窓を眺めて、
あの夜に思い知ったはずのことを確認する。
変えることのできない自分の性癖と、
完全に自分を切り捨てて遠ざかる背中が
扉の向こうに消えて行く光景を。
361
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:12
1年たってバイトの顔ぶれはほぼ入れ替わり、
あれ以来、敦彦の顔をみかけることも一度もなかった。
そうだろう。
守ろうとする手をふりはらって傷つけて、
ご丁寧にもわざわざその傷口を抉ってやったのだから。
あの男がこんな場所に留まっているはずがない。
そんなはずは、ないのに。
362
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:14
入り口の自動ドアが開いた。
「お先っす」
363
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:15
後方のカウンターへそう声をかけながら
歩いて出て来た男。
あの「恐竜の子供」みたいな短い髪を変わらずに立てて、
リュックを右肩に掛け直しながら腕時計に落とすと、
ふと、その顔をあげた。
そして、駐車場の端にたたずむ慎吾に目をとめ、立ちどまる。
364
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:25
まるで、時間が逆戻ったように。
ふたりはそこに立ち尽くした。
365
名無しさん
2008/04/30(Wed) 21:27
このあと2段階さかのぼります。
電話連絡網+福ちゃん不覚の一杯呑み屋。
でもまた鯖おちるんかな。
手ごわいなあGWは。
ともあれ、またのちほど。
レスター
366
柚雨
2008/05/01(Thu) 01:54
慎吾が何かを踏み潰す度に自分の心も踏み潰していたのかもしれないと思うと、
涙が止まりません。
あっちゃんと再会できて本当によかった…。
大事なものが手元に帰ってきた時に笑える慎吾でいられますように。
福ちゃん、一杯呑み屋に行ったんですねぇ。
それでなんですね。
やっぱりお酒は怖いです(苦笑)
367
千寿
2008/05/01(Thu) 05:41
しんごちゃん・・・切ないねぇ、かなしいねぇ。
もう、あっちゃんぎゅってしてあげればいいのに。
あっちゃんならきっとしんごくんがそこから出てくるのをじっと手を広げて待っていてくれるから
大丈夫、大丈夫。って頭をなでなでしながらメガネ君に言ってあげたいです。
はわわ、そういえばまだまだふくちゃんはピンチ真っ只中でしたね。
ふむ〜、ひとりで呑み屋に行くのは気を付けてって言ったのにぃ
(いやいやとくいさんが言っていた筈たぶん…きっと…っていうか私の脳内徳福とくいさんはそう言ってました。〈笑〉)
あわわわわ、かどわかされて何かされちゃうんでしょうか。
姫のピンチに間に合うといいですね騎士様。
それでは失礼いたしました。
368
名無しさん
2008/05/01(Thu) 10:59
大量更新ありがとうございます。
胸がジンジンします 黒猫 切ないっす
黒猫だって普通に愛し愛され "キレイ"でいたかったはず 爪など出さずに・・
それが許されないほど彼の心も体も踏みつけ傷つけられててきたのでしょうね。
自分で嫌というほど分かっていても人から”福ちゃんはキレイ お前とは違う”
と言われた時の彼の心を思うと胸が詰まります・・福ちゃん無事でいて そして
黒猫に大事な人の胸で心やすらかに過ごせる日がきますように。
369
リオ
2008/05/01(Thu) 22:16
こんばんは、リオです^^
遅くなりましたがライブスタンドのレポありがとうございました。
もうにっやにやです。自分でも気持ち悪いほどにやにやしてますよ私。
ああ、見たい。けれど見れない。ちくしょうとしか言えないですorz
こんなくだらない私事はさらりと読み流してください・・・・!
慎吾くんとあっちゃん。切ない。
レスター様のお書きになる文章は本当に綺麗で惚れ惚れします。
尊敬します。尊敬します。大事なことなので2回言いました(笑)
なにせ感情を文にするのが苦手な私なので、
うまくコメントできないことを許してくださいorz
これからも更新楽しみにしております〜^^
では、乱文失礼いたしました。
370
名無しさん
2008/05/01(Thu) 22:57
> 柚雨さま
いつもありがつございます!
そうなんやと思います。慎吾は、自分でわかんないうちに、
人を踏みつぶしているつもりで自分も踏みつぶしてきたのでせう。
でもそういうのって、意外な人が解き放ってくれるんやないかなあ、
なんか一見地味な、似てないようで似てるあの人が
どうにかしてくれるんじゃないかなあとかスーパー手前味噌に思っています。
というか、あの人今ピンチだから!
早く助けにいきませんとー。誰ファンやねん自分、ほんとに。
>やっぱりお酒は怖いです(苦笑)
めっちゃ同意です。ほんと、お酒は怖い。美味しいですけど。
>千寿さま
いつもありがとうございます!
慎吾、大丈夫です。敦彦到着しましたから。
千寿さま、そしてみなさんめっちゃ慎吾に優しくてうれしい。
というか…書いてて思ったんですけども、自分、どんだけオリラジ好きやったのかと。
知らなかった。これもはかりしれないお得意+福ちゃんのなせる奇跡なのか。
>私の脳内徳福とくいさんはそう言ってました。〈笑〉
言ったと思います(天津木村の目力つきで)。
急げお得意。誰が間に合ってもキミが間に合わないと意味ないねん。
そんな感じで、ひきのばしすぎてほんとにすみません。
これもGWと思ってゆるしてくださいませ!
371
名無しさん
2008/05/02(Fri) 00:04
>368さま
お寄りくださって、ほんとうに、めっちゃありがとうございます。
368さまの書いてくださったことで、なんかいろいろと見直せたことがありました。
慎吾の持ってる世界観って、なんかすごいんじゃない。あの子ってすごいんじゃない?みたいな。
ほんとうは優しいちっちゃな黒猫は、きっとこれからは
ちょっぴり暖かい場所で生活できるようになると思います。
そうして福ちゃんも。
福ちゃんが自分でわからないうちに引き起こしている「変革」みたいなものが
みんなをいいほうに引っ張ってくれたらええんちゃうかなあ、などと思ったりしています。
ほんとに手前味噌で、くだらないですけど。
ほんとにありがとうございます。お時間がありましたときには、またどうぞ私に
いろいろなことを教えてくださいませ。
>リオさま
うわあリオさまだ…ほんとうにありがとうございます。
ライブスタンド。ひっさびさに生で見て思ったことは、
「お笑いは生に限る」「先輩も後輩も、そして13期もすごい」
そして「中途よ、やっぱきみらどんだけ素でロマンチックなん」。
芸人さんですから、普通ならテレビ前とかでいろいろ眉唾な部分があって当然だと思いますし
本来ならそれがプロなんやないかなと思ったりもしますけど、
お得意。福ちゃん。きみらはすべてが素なのね。力はいってなさすぎる(笑)。
あとあと、>尊敬するやなんて、こんなとるに足らない人間に〜。
2回も繰り返すなんて、ブルース歌手みたいで素敵です(笑)。
リオさまに、そして中途書きみなさまにそのままお返しします。「尊敬」。
そんなわけで、これからもどうぞよろしくお願いいたします!
372
レスター
2008/05/02(Fri) 12:00
レスターです。
あと半日働いたら連休さん。
実際はあれやこれやで連休でなくても、なんとなく嬉しいもんですね。
えー。
コンビニ前で再会した慎吾とあっちゃんの前にさらにさかのぼりまして
事件勃発から細川さん出動までのみごとな電話楽網ってのをやってみたかったんですが、
考えてるうちにどんどん時間がたってしまって
いっこうにお得意と福ちゃんにたどりつかないので、
その電話連絡網がスタートしたいっぱつ目の1本だけにしときます。
開店前のサファリ。
川島っていうか。田村を出したかっただけかもしれん。
373
レスター
2008/05/02(Fri) 12:01
まだ、8時をまわるかどうかという時間。
消音にしてある店の電話のナンバープレートが光って
着信を知らせる。
「サファリです」
客受けするので繰り返しているうちに
意識しなくても響くようになった低音で、
開店準備をしていた川島は受話器をとった。
374
レスター
2008/05/02(Fri) 12:03
(…おおぉ〜)
一拍おいて届く耳になじんだ素朴な声に
脱力して苦笑する。
「…おおぉ〜やないねん、おまえ」
(いや、安定してるのう)
「お客さん用なんやから、返して今の「サファリです」」
「はい2個めゲット」
まだ外にいるのだろう、
にぎやかな盛り場の騒音をバックに、
受話器の向こうで田村が笑った。
375
レスター
2008/05/02(Fri) 12:17
田村はたいてい、川島の携帯ではなく、
家か店の電話にかけてくる。
ーーー有線が好きなんよなあ。
そこにいます、って感じがするやん。
などといいながら自分のほうは
両方は俺にはもったいない、だとかなんだとか、
家電もひかずに携帯1本で動き回っている。
そういう、安定と浮遊の間を不器用に行き来するような田村の性格が
話にきく昔の「笑い話」に起因しているような気がして、
川島はときどき、複雑な思いにとらわれる。
それでも、まあ。
新宿界隈を相手にした酒屋という職業柄、
フットワークは軽いに越したことはない、とは思う。
やる気出して、いい酒納めてもらいませんと。
そう思って川島は3年前、この「サファリ」を開店するとき
レイアウトをシンプルにするため携帯ですませるつもりだったところを
わざわざ有線で店電をひいた。
376
レスター
2008/05/02(Fri) 12:22
「どした、なんか調整?」
(ああ…おまえとこ、いまお客さんおる?)
「いや。まだあけてへんし今日」
(あ、そっか)
客足の遅い「サファリ」をその日最初の客が訪れるのは
だいたいが9時をまわった頃だ。
いちおう早めに入ってはいても、
新作をためしてみたりなんだかんだで
この時間帯はたいてい川島ひとりでまったりとしている。
なじみの客たちもそれを心得ているし、
ホスト時代からの知り合いに至ってはほぼ身内みたいなものだから
夜明けに店を閉めるときも鍵を預けて
川島が先にあがるような日も少なくない。
そういうゆるさを、客も、川島自身も気に入っていた。
377
レスター
2008/05/02(Fri) 12:27
もしかしたら。
そういうわけにいかんようになるかもしれんけどなあ。
川島は、先日
「ファンダンゴ」の沢村が店を訪れ、
そのとき話していたことを思い出した。
ーーーまた動くから。
ちょっと、気をつけて。いろいろと。
5年前の騒動は終息したようにみえても、
結局のところ決着がついたわけではなかった。
面倒はもうごめんやなあ、と思う。
この街にいる限りこんな追っかけっこが続くのか。
どこか別の、たとえば田村のこだわる「安定」が大前提になっているような
そういう場所がないものか。
川島はときどきふと、そんなことを考える。
378
レスター
2008/05/02(Fri) 12:30
(あのな…ちゃうかったらごめん、なんやけどな。
俺いま急な納品で、新大久保のへんにおったんやけど)
「うん」
(そこで待ってるとき、なんとなく店の中みてたらな、
カウンターで飲んでたお客さんがちょっと…
変な酔い方してん)
「変て?」
(や…それまでほんま普通に飲んでてな、支払いして、
店出る時んなったら急にふっらふらで、
しまいにガーンて倒れてん、そこに)
「あーあ。まああるやろそういうことも」
(そうなんやけど…俺、最初すっごい笑えたから、聞いたんや店の人に。
どんだけ飲んだんですかあの人って。
そしたら、焼酎1杯だけやっていうねん)
「弱!」
(やろ。やけど…)
「うん」
(…)
「…田村?」
379
レスター
2008/05/02(Fri) 12:30
(めっちゃ似ててんその人。福田さんに)
380
レスター
2008/05/02(Fri) 12:32
福田。
そのキーワードに、
笑いながらきいていたはずの田村の世間話が色を変え、
川島は、背中がひやりとするのを感じた。
381
レスター
2008/05/02(Fri) 12:33
(福田さんち、あのへんやいうてたやん)
「…うん」
(おってもおかしないやろ?)
「うん」
(やけど、そんな弱ないっていうてたやんあの人。
こないだおまえんとこで飲んでだときも結構いっとったし)
「ほんで、ほんでどうしてん。
ガーンてなって、どうやって帰ったんその…」
(カウンターで隣におった男が介抱して、
そのままどっか連れてきよった…タクシー乗って)
382
レスター
2008/05/02(Fri) 12:36
(それ徳井さんやなかったし、俺、なんか…
や、ともだちなんかもわからんけど、
考えたらその隣のやつ、なんかその前からおかしかってんよ。
わざと雑誌落として拾わしたり、そのあいだに自分は
カウンターの上でこそこそやって…ようみえんかったけど)
「そのタクシー、どっちいったかわからへん?」
(方向的にはあのままいったら四谷方面やけど、そっから先は…ごめん)
「いや、ごめんなことないわ。田村」
(…うん)
「ありがとう。切るわ。また連絡する」
383
レスター
2008/05/02(Fri) 12:38
このあと、ファンダンゴ関係者総出の怒濤の連携プレーで
細川兄さんが都内某所のコンビニのそばで
慎吾と敦彦を拾ったと思っていただけたら幸いでございます。
この広い東京で偶然あったり偶然めっけたり、
こいつらエスパーばっかりなのか。
そこらへん、又吉先生に伺ってみたいところであります。
またのちほど。ようやく福ちゃん。
レスター
384
名無しさん
2008/05/02(Fri) 15:40
レスター様、更新お疲れ様です。
福ちゃん…そんな連れ去り方をされたんですね!!
ドキドキしますーーッッッ!
385
柚雨
2008/05/03(Sat) 18:26
田村GJ!!
福ちゃんは軽いだろうし、連れ去るのは簡単そうですよね(それは意味が違ーう)
慎吾を解き放つのはピンチから救われるあの人なんですね。
一見地味だけれど人の心をさらさらにしてくれる言葉を持ってる人だと思ってます。
いつか電話連絡網の全貌を読ませて頂ければ嬉しいです。と、我侭を言ってみます。
いよいよ福ちゃん場面なんですね。
更新を楽しみにお待ちしています。
386
名無しさん
2008/05/03(Sat) 20:04
>384さま
こんばんわ。
お立ちよりくださってありがとうございます!
はあ、もうそんな連れ去り方をされたまま
ほっといてしまいました。ごめんね福ちゃん…。
今晩あたり、ようやくお得意も到着するころだと思います。
こんなスレで起こることですから、
どうせあんまりたいしたことはないだろうと思いますが(笑)
おつきあいいただけましたら嬉しく思います!
>柚雨さま
こんばんわ。
いつもありがとうございます!
そうなんですよね、なんせ軽い。
片手で持ち運びもOKな福田家の次男、充徳くん(ギョーテック風)。
雨降って地固まる的に、みんなにとって結果オーライになるよう
持って行かねばならないと思っております。
だったら最初から危ない目にあわせるな自分(汗)、とも思いつつ。
タムちゃんをはじめとする電話連絡網、
ありがたくも、柚雨さまにそんなふうにおっしゃっていただけるなら
僭越ながらいつかチャレンジしてみちゃったり…。
387
レスター
2008/05/03(Sat) 20:08
レスターでございます。
ようやっとGW。
たまったビデオ見れるかなあ。
それより家の掃除しないとなあ。でもなあ。
というわけで、
>>373-382
の電話の直前、
GJなタムちゃんが目撃した一杯飲み屋のカウンターで、
福ちゃんはこんな感じで。
388
レスター
2008/05/03(Sat) 20:09
円筒形のよく磨かれた小さなグラスに
表面張力の限界まで注いでくれる気前のよさが気に入って、
駅から部屋への道すがらにあるその立ち飲み屋に
福田は幾度か通っていた。
389
レスター
2008/05/03(Sat) 20:11
このまま部屋に帰ったのでは、
よけいなことばかり考えて
埋没してしまいそうだった。
考えごとをするなら、
雑音の多い人混みのほうがいい。
それと、適度なアルコール。
まだ時間は早い。
明日の仕事も早い。
ほんの一杯か二杯だけなら残らないし、
かえってぐっすり眠れるかもしれない。
自分のなかであれこれと理由をつけて、
福田は、日曜の夜にしては客の揃ったカウンターに並び混じり
透明な液体を満たしたグラスに唇を寄せていた。
390
レスター
2008/05/03(Sat) 20:15
(言ってもうたなあ…)
さっきから、頭の中で繰り返しては溜息をつく。
ーーーあのなあ、俺。
おまえのこと、好きやと思うねん。
(ああああああもう。 なんや俺)
福田はいつもの癖で、
左の耳の後ろを神経質そうに掻いた。
391
レスター
2008/05/03(Sat) 20:18
好きや。
考えてみれば、その言葉は
昔は簡単に言えたような気がする。
その3文字の言葉の持つ意味が、
もっと単純で、もっと明るいものだったからかもしれない。
たぶん、幼い頃からの長いつきあいのなかで
徳井にも1度や2度は言ったことがあるはずだ。
ーーーやって俺、徳井のこと好きやもん。
とかなんとか。
それくらいあるよなあ、言うたこと。
もう、なんのきっかけでそういったのかも覚えていない。
それくらい気軽な言葉だったのだから。
392
レスター
2008/05/03(Sat) 20:19
それが、故郷を離れて以来10年ぶりに再会して
あらためて徳井義実という男と対峙した時、
その男に対しての自分の気持ちが
ただの幼なじみに対しての「好きや」というくくりからは逸脱した
なにか別のものに変わっていることを
福田は知ったのだ。
いや、変わったのではなく。
もともと、そうであったことに。
気づいただけのことかもしれない。
393
レスター
2008/05/03(Sat) 20:20
だとしたら。
10年前の、あの桜が散っていた公園での出来事は
なんだったのだろう、と思う。
どうしてあのとき、自分は
あそこで素直に徳井を受け入れることができずに、
逃げ出してしまったのか。
突然だったから?
若かったから?
(―――違う)
怖かったのだ。
自分でそれを認めたとたんに、
気持ちに歯止めが効かなくなることが。
394
レスター
2008/05/03(Sat) 20:21
多分、せっぱつまっていたのは
徳井ではなく自分のほうなのだ。
明日は上京するというあの春の日、
川辺の街をそぞろ歩きながらも、
徳井がずっともの言いたげにしているのを
福田はもちろん、気づいていた。
だからわざわざ、いつもにも増してとるに足らない
くだらないことを片っ端からしゃべりまくって、
ことが本題に入るのを避けた。
395
レスター
2008/05/03(Sat) 20:24
今日、なにもなくてすめば。
幼なじみのまま、仲のいい地元のツレのままでいられる。
けれども。
つい桜の美しさにひかれて入り込んだ公園で
徳井に手をとられ、
思いがけない力の強さで自由を奪われたそのときに
怖くなったのだ。
このラインを超えてしまったら、
自分はきっと戻れなくなる。
徳井の手を離すことができなくなる。
徳井を。
自分だけのものにしたくなる。
(たぶんそれくらい、徳井が好きやったんや)
396
レスター
2008/05/03(Sat) 20:29
どうして徳井なのか。
(そんなん、考えてもわからへん)
ただ、好きだった。
睫毛の長い大きな目でゆっくりまばたきするところ。
胸の前で腕組んだときの肩のライン。
意外と内股で、癖のある歩きかた。
教室で、誰も気づかないようなささいなことをみつけては
教えてくれた時の自慢げな声。
沸点が高くてめったに怒らず、なにをも悪しざまに言わない優しさ。
ときどき、急に頑固になるところのある福田に
ーーーなあ、それってどうなんかなあと思うで、福ち。
とやんわり言ってきて、
そういわれたらそうなんかなあ、などと思わせてくれるようなところも。
全部。
397
レスター
2008/05/03(Sat) 20:36
その徳井がさしのべてくれた手を
まるで傷ついたのはこちらだといわんばかりに振り払っておいて、
今さら「好きや」もないだろう。
この間、「ママ」の店で
頭痛がするくらい大泣きしたあの日、
福田は自分から懇願したはずだった。
ーーー徳井に、言わんとって。
今さら福田が、言ってみれば生々しい感覚を伴って
自分を思っているようなことを知ったら、
徳井はまた迷うだろう。
せっかくリセットしようとしてくれているときに。
自分を許して、あの苦い思い出をなかったことにしてくれた。
それだけでもありがたいと思わなければいけないのに。
398
レスター
2008/05/03(Sat) 20:38
きっと自分は今、 突然いろんなことが起きすぎて
泡を食ってるだけなのだと思う。
徳井が自分を構ってくれるのも、
久しぶりに身近に感じた故郷の断片を
懐かしがっているだけかもしれない。
自分など、てんで地味な存在なのだ。
10年ですっかり磨かれてしまった徳井と並んで
バランスがとれているとはとても思えない。
399
レスター
2008/05/03(Sat) 20:41
けれども、
徳井から電話がかかってくると、
嬉しくて、どうしても出かけて行った。
そして、ふと思い立って、裕典の家に徳井を誘った。
そもそも、徳井との縁をつなぎ直すのに
大きく背中を押してくれた裕典には
一度はきちんと礼を言わなくてはいけないと思っていたし、
あの誠実で公正な少年が、ぐらついている自分に対して
どんな判決を下すのか、
怖いけれども知りたい気持ちがあった。
そして結局、裕典が、
なにひとつ問いただすことも責めることもせずに
徳井を受け入れてくれたことで、
福田は、その安堵感にすっかり酔ってしまったのだ。
400
レスター
2008/05/03(Sat) 20:44
そして、言ってしまった。
ーーーおまえのこと、好きやと思うねん。
でも、その気持ちとどう向き合えばいいのか
まだ整理がつかない。
考えても、答えが出ないかもしれない。
だけど、考えるから。
一緒にいてほしい。
思えば、とんでもなく勝手な言い分だった。
けれども徳井は。
後ろから抱きしめてくれた。
そして小さく、
ーーー…ありがとうな。
とつぶやいた。
401
レスター
2008/05/03(Sat) 20:47
胸元にまわされた徳井の腕からは、
ほんのすこし煙草の匂いがしていた。
そして帰り道、黙って並んでいた電車のなか、
暗い窓にうつる徳井の顔は綺麗だった。
そういえば最近、昼間に二人で会うときには
徳井は香水をつけなくなったな、と思う。
仕事場にいるときとは、髪型もナチュラルになった。
会うたび、だんだんと時間が巻き戻って、
故郷の街で川風に吹かれていた
あのころの徳井にすこしずつ戻って行くような気がした。
徳井はほんとうは。
(夜の灯りよりも、太陽の下がずっと似合うんや)
402
レスター
2008/05/03(Sat) 20:48
そのとき。
はずみで肘が触れたのだろう、
隣の客が福田との間に置いていた雑誌が、
バサッという音をたてて床に落ちた。
「あ」
慌ててしゃがみ、それを拾う。
中に挟んであったらしい書類がやたらとばらけて
集めるのに苦心した。
403
レスター
2008/05/03(Sat) 20:52
「すいません」
「いやこっちこそ」
雑誌を手渡そうと立ち上がると、隣の背の高い客は
おしぼりでカウンターの上をぬぐっていた。
雑誌が落ちた拍子に、
グラスが倒れたかなにかしたのかもしれなかった。
「うわ、こぼれました?」
「いやぜんぜん」
男は、愛想よく笑って雑誌を受け取り、
「多いっすね」
「は?」
「ためいき」
「…あ、すいません」
「いろいろありますからねえ」
「…ねえ」
雑誌を開き、ページに目を落とした。
404
レスター
2008/05/03(Sat) 20:55
なにかあったあんですか。
…とかなんとかいう方向に
話が膨らんでいかずにすんだことに、福田は安堵した。
初めて隣り合った人間とあけっぴろげに会話をするのは
あまり得意ではない。
親しい間柄の前では決して口が重いタイプでもないのに
よくわからない性分だと自分でも思う。
話したら話したで面白いこともわかっているし、
実際なにかのきっかけがあればそんな抵抗感もすぐに消える。
現に、徳井が媒介になってくれたおかげで
ここひと月で飛躍的に増えた「知り合い」たちとも
気軽に話ができるようになるのにほとんど時間はかからなかった。
彼らがおおむね福田に好意的で、
業界のイメージから思い描く人物像よりも
はるかに健康的だったせいかもしれない。
405
レスター
2008/05/03(Sat) 20:56
このあいだ遭遇した、
あの「ひとり」をのぞいて。
406
レスター
2008/05/03(Sat) 20:58
初めて会ったあの男から、
どうして、あそこまで
憎しみに満ちた冷ややかな目で睨みつけられたのか。
わからないようで、わかるような気がした。
そうして、挑発に乗って、
自分でも思いがけない言葉を吐いた。
ーーー俺やって、好きなヤツのこと考えたら…。
そこから先を思い出したくなくて、
あわててグラスを手に取り、焼酎を喉に流し込んだ。
407
レスター
2008/05/03(Sat) 21:02
ーーー誰でも、自分と同じやと思てくれるな。
そう言い加えたとき。
眼鏡の奥のその冷たい目が明らかに揺らいだのを
福田は覚えている。
そう言ったらあの男が傷つくだろう。
そんな残酷な気持ちがあったのかもしれない、と思う。
(最低や)
相手は、まだ子供だったのに。
頬を張られても、掴み掛かられても、不思議と腹は立たなかった。
俺が悪い。
俺が勝手に。
嫉妬した。
408
レスター
2008/05/03(Sat) 21:07
目を閉じて、残っていた焼酎をぐっと煽った。
受け入れられるだろうか。
全部を。
きっとあの男だけではないだろう、
自分以外の人間が知っている、
自分だけが知らない、徳井の10年を。
そうしていちばん怖いのは、
徳井が、もしかしたらその10年のあいだに、
大なり小なり、
(自分を憎んだかもしれない)
と想像することだった。
もしかして、と思うだけで胸が苦しくて泣きそうになる。
(…ガキやん、俺)
409
レスター
2008/05/03(Sat) 21:09
あかん。
あかんあかん、もう。
結局、ぜんぜんいい酒にならない。
なにを考えても、どんどんマイナスに陥って、
胸がムカついた。
もうやめておこう。
せっかくいい日だったのに、
自分でこねくりまわしてダウンしたのでは世話がない。
代金を置いてカウンターを離れ、出入り口に向かおうとして。
410
レスター
2008/05/03(Sat) 21:10
福田はバランスを崩して、右側の壁に倒れ込んだ。
411
レスター
2008/05/03(Sat) 21:11
大きな音がしたーーーはずだ。
(ああもう、どんだけ恥ずかしいねん俺)
きっと、店じゅうの客が振り返って顔をしかめている。
強打した右肩が痛む。
そ の は ず だ 。
けれど痛みは訪れない。
すべてが、だんだん遠ざかる。
壁に手を突っ張って体勢を立て直そうとして、
力がはいらなかった。
慌ててもう一度、壁にもたれて深く息を吐く。
412
レスター
2008/05/03(Sat) 21:12
なんや、これ。
こんな酔い方。
どんなに飲んだって、したことない。
413
レスター
2008/05/03(Sat) 21:25
急速に鈍くなっていく体の感覚と反比例して
頭の中では次々と映像がフラッシュバックする。
ーーーだいぶ、美人だね。
ーーーあんまり聞いてないんでしょ。
東京にきてからの、よっきゅんの話。
ーーーどんだけ枯れてんだって話だよ。
音と映像が、めっちゃずれとるなあ。
ーーーおまえ、わかってないねや。
ほんまはな、ここらへんでフラフラ一緒に…。
ああ、そうやった。
ほんまあいつ、なんであんなうるさいこというんやろ。
やけどちゃんと。
ちゃんと、部屋まで帰らな。
ーーーどうなんかなあと思うで、福ち。
414
レスター
2008/05/03(Sat) 21:27
もう一度、足を前に踏み出そうとして
床が大きく歪んだ。
立て戸にすがりついて、そのままずるずると倒れ込む。
誰か。
誰かの、手が。
415
レスター
2008/05/03(Sat) 21:28
(…徳井)
その名が浮かんだのを最後に。
福田の意識は、ふっつりと途切れた。
416
レスター
2008/05/03(Sat) 21:44
『この世の果て---end of the world---』第2章<3> <終>
…なのかな、ようわからんようになってきた。
時系列で並べますと、
>>389-415
福ちゃん@飲み屋
>>373-382
田村GJ!
>>327-364
慎吾と敦彦、1年前話そして再会
>>277-294
慎吾と敦彦、細川が回収
>>250-266
敦彦、お得意に電話
>>213-240
お得意出動
だいたいこんな逆まわしになってます、たぶん。
読みづらくってごめんなさい。
今日またつながるかなあ。またのちほど。 レスター
417
柚雨
2008/05/03(Sat) 23:36
福ちゃん…(涙)
自分のことを小さく考えている福ちゃんが切ないです。
徳井さんがどれだけ福ちゃんを大切に思ってるのかを知った時、
そんな福ちゃんはどんな表情を見せてくれるのでしょう。
電話連絡網も楽しみに待ってますね♪
田村とかーしまの会話、二人の声が聞こえてくるようで、
話してる内容と併せてハラハラしつつ楽しませて頂いたので嬉しいです。
徳井さんが福ちゃんの所に駆けつけるまであと少し、でしょうか。
ドキドキしながら更新をお待ちしています。
418
レスター
2008/05/04(Sun) 15:08
>柚雨さま
福ちゃんはリアルでも
自分を過小評価の人ですよね。
厳しいんだろうなあ、芸人さんの世界は。
妙子でなくても、そんな世界に息子を投入するのはちょっと不安です。
でも、お得意さんがいるからね。
あれで結構な不器用だから結局の所、変わらず隣にいてあげることしか
できないんやろうなあとは思うけど、
二人がそれでいいのなら、外野が口を挟むことでもございませんし(笑)。
そんなわけで、まだ明るいですけど。
鯖軽いうちに進めときます。柚雨さま、いつもほんとにありがとう!
419
桜
2008/05/04(Sun) 18:32
レスターさまの文章力、
参りました(←
知らず知らずのうちに泣いていた、
といえばおかしいのかもしれませんが、
本当にそうだったんです!!
福ちゃんが切なすぎて・・・涙
続き楽しみにしています!!
420
レスター
2008/05/04(Sun) 20:42
>桜さま
こんばんわ!
いやいや、もうもうもう。とんでもございません。
それは福ちゃんとお得意さんがそもそも持ってる世界観と、
桜さまの繊細な感受性のせいやと思います。
それにしても、いつまで福ちゃんほっとくねん自分。
救出してきます(敬礼)。
せっかくのお休みにお寄りくださって、
ほんとにありがとうございます!
421
レスター
2008/05/04(Sun) 20:45
日曜の夜で、道がすいていることだけが幸いだった。
信号にもほとんどかからず
ひたすら疾走するタクシーの中で、
徳井は片方の手で携帯を、
もう片方の手は、みずからの爪が食い込むほど
強く握りしめていた。
422
レスター
2008/05/04(Sun) 20:48
―――じゃあ、また。
なぜ、ああもあっさり
別れることができたのか。
送っていけばよかった。
―――そんなんやったら余計、気つけてやらな。
―――責任でかいぞ、徳井。
そんなこと。
言われるまでもなくそう思っていたのに。
俺は、馬鹿だ。
423
レスター
2008/05/04(Sun) 20:50
ともすれば束縛したくなる自分の気持ちから目をそむけ、
できるかぎりの距離はおこうと思った。
それが仇となった。
それでも、
ただならぬ時期であるから気をつけてくれと
最低限のことは伝えたつもりだったが、
福田は笑ってとりあわなかった。
―――アホちゃうおまえ!30過ぎのおっさんになにいうてんねん。
わかってない。
福田は。
自分自身のことをぜんぜんわかっていない。
424
レスター
2008/05/04(Sun) 21:01
子供のころから変わらない、屈託の無い笑顔。
驚くほどまっすぐな光を宿した瞳。
掠れた声で、ときどき思いがけない言葉を辿る唇。
猫背ぎみで、
シャツの中で泳ぐくらい細い骨格が描く、独特なライン。
白い首筋と、扇情的な指先。
すぐに照れて耳を赤くして、
やたら「俺なんか」という言葉で自己完結したがるところも。
集団のなかで、なぜかいつも
気配を消したがるのに、
いったんその存在に気づいたものを
捉えて離さない。
そういう自分自身を、多分、福田は知らないのだ。
425
レスター
2008/05/04(Sun) 21:07
自分が関わらなかった10年のあいだに
福田がなにを思い、どんな生活を送っていたのか。
故郷にいたころ、福田が持っていたあの天真爛漫さは
今も少しも変わらないが、
それでもほんのすこしだけその明るさに影がさし、
それがときに、福田の表情に
一種独特な艶を落とす。
それが、もう子供ではなくなったせいなのか、
都会の煙った空気がそうみせるのか、
それとも、
自分の目だけが、福田にそういう影を探すのか。
徳井には、よくわからなかった。
426
レスター
2008/05/04(Sun) 21:12
けれども。
いずれにしても、もう二度と
あんな形で失いたくはない。
不器用に、どうにかそこに留まろうとしてくれる福田を
心底愛おしいと思った。
そしてついさっき、その福田が、
―――おまえのこと、好きやと思うねん。
そう言葉にしてくれた瞬間。
どうかこのまま消えないでくれと、
後ろからそっと抱きしめた。
あの手をほどくのではなかった。
あの手でつかまえた、華奢な背中を。
離すのではなかった。
427
レスター
2008/05/04(Sun) 21:17
徳井は、額を窓ガラスに押しつけた。
点々と続く誘導灯のラインがカーブを描く湾岸道路。
その向こうに広がる暗闇は、海だ。
波音もしない、ただ暗いその漆黒が不安を煽った。
コンチネンタル。
いったい誰が。
なぜ細川が。
あの電話をかけてきた、知らない男の声。
慎吾の友達だといった。
ーーー慎吾。
だと、したら。
徳井はそこまで考えて、愕然とした。
428
レスター
2008/05/04(Sun) 21:19
店は関係ない。
まるっきり、俺のせいだ。
429
レスター
2008/05/04(Sun) 21:21
倉庫街を抜けて
ようやくあらわれた街の気配。
そのなかに高層のホテルらしいシルエットが見えたとき、
手の中の携帯が鳴った。
細川の携帯からだった。
ワンコールもおかずに通話を押す。
(徳井さん、いま…)
「みえたで、コンチネンタル」
(近いんですか)
「みえてるて!どこ着けたらええねや」
(正面まわってください。俺らも、もう)
430
レスター
2008/05/04(Sun) 21:23
「すんません、正面…」
「はい」
乗り込んだときから、
徳井のただならぬ雰囲気を読んでなにも訪ねず
ひたすらアクセルを踏み続けていた運転手は、
ここでもまたなにも問わず、
スピードを上げた。
431
レスター
2008/05/04(Sun) 21:24
なんとしても今晩中に回収したく。
鯖、おちんといてくれや。
またのちほど。 レスター
432
蓮々
2008/05/04(Sun) 21:58
レスター様。
更新おつかれさまです。
読んでいてドキドキです。
福ちゃん大丈夫か。
徳井さんはどうなるのか!
今晩中に回収。
ぜひ私のこのドキドキも回収していただきたい。
今夜のサーバー様はどうなんでしょう。
更新をお待ちしています。
433
レスター
2008/05/05(Mon) 00:04
>蓮々さま
こんばんわ!
お寄りくださってありがとうございます!
鯖、重っおもいですねえ(笑)。
でもがんばります。
謹んで、もったいなくも蓮々さまの「ドキドキ」
回収させていただきとうございます。
どぞどぞ、おつきあいくださいませ!
434
悠斗
2008/05/05(Mon) 00:05
更新お疲れ様です!
久々に書かせていただきますv
お徳井さんの福ちゃんの描写にやられました。
艶ーーー!!!(壊)
そして福ちゃん、どうなってしまっているのだろう?
ドキドキが止まらねぇ。まじハンパねぇっす!(笑)
サーバーの神様、そしてレスター様。
ぜひこの素晴らしいお話の続きを私に読ませてくださいませ。
楽しみにしておりますv
435
優
2008/05/05(Mon) 00:52
更新ありがとうございます!!
あぁぁもうコメント我慢できませんでした。
心臓がすごい速さで動いてます!不整脈です!
面白すぎてやばいです。
お徳井さんお願いだから間に合ってくださーい!!
私もサーバー様にお祈りをささげさせていただきますv
436
レスター
2008/05/05(Mon) 01:22
>悠斗さま
こんばんわ。
お久しぶりでございます、嬉しゅうございます!
そんなふうにおっしゃっていただいて、忍びねえな(笑)。
お得意、なんか福ちゃんに対してめっちゃフォーカスかかってますよね。
ファンもですけど。
ファンがお得意目線なのか、お得意がファン目線なのか。どっちでもいいか。
鯖のかみさま、よろしくたのみます!
>優さま
こんばんわ。
お寄りくださって、ほんとにありがとうございます!
ふ、ふ、不整脈はたいへんです。
そんなときに鯖神さまにお祈りなど捧げていただいては
お体に触ります…(笑)。
お得意はへたれですが間に合わせますのでどうぞどうぞご心配なくです。
願わくば今夜のうちに。がんばります!
437
レスター
2008/05/05(Mon) 01:28
コロニアル風の造りの白い建物。
なだらかなカーブを描いて中央玄関へ誘導するスロープに
徳井を乗せたタクシーがすべりこんだそのとき、
その隣の車線に猛烈なスピードでつっこんできた白い外車が
あっという間に追い抜いて
玄関のほぼ正面に軋轢音を長く響かせ停車した。
突然、静寂を破られた宿泊客やボーイたちの視線が一斉にあつまる。
その白い車の隣に、徳井を乗せたタクシーが
あらかじめ仕組まれた配置のように、無駄な動きもなくすべりこんだ。
438
レスター
2008/05/05(Mon) 01:30
タクシーのドアが開くか開かないかのうちに、徳井は、
「ありがとう」
という短い言葉に気持ちを託し、一万円札を残してドアから滑り出た。
アーチ状のエントランスに、
車のドアをしめる、バン、という音が時間差で響く。
白い車から降り立った細川が後ろから
「徳井!」
と叫んだ。
徳井が振り向くと細川は、
すれ違ったベルボーイに車のキーを渡しながら
顔だけは徳井に向けて、言葉を続けた。
「12階だ、あがれ!」
439
レスター
2008/05/05(Mon) 01:32
そのままロビーに走り込み、
まったりとした空気を切り裂いて
広い空間を突っ切る。
エレベーターホールに抜けると、
数台並んだエレベーターの昇降ボタンを
片端からすべて押す。
―――遅い。
徳井は苛立って、
既に点灯しているボタンを何度も殴りつけた。
440
レスター
2008/05/05(Mon) 01:36
そこへ、遅れて走ってきた敦彦が追いつく。
徳井が視界の端にその顔を見て、
おそらく携帯の男だろう、と判断したそのとき、
その向こう側にーーー慎吾が。
さらに遅れて、走り込んだ。
「慎…」
思わず声を荒げかけた徳井の腕を
強くつかんで押しとどめたのは、
携帯を耳にあてたままの細川だった。
「…うん、鍵は今…
わかった。とにかくあがる」
細川は、徳井の腕を握る手の人差し指と中指のあいだに
名刺大のカードキーを1枚挟んでいた。
441
レスター
2008/05/05(Mon) 01:41
チン、という音が鳴って、
4人は、開きかけたエレベーターのドアを
こじあけるようにして乗り込む。
エレベーターはゆっくり昇りはじめた。
点灯する12階のボタン。
どうやって手に入れたのか、
細川の指にはさまれた部屋のカードキーを
徳井は凝視した。
442
レスター
2008/05/05(Mon) 01:42
「それ…」
「1203だ」
「…」
「早まるなよ、徳井」
「でも」
「無理に開けたところで、チェーンがかかってたら終わりだ」
「細川さん」
「我慢しろ!」
有無を言わせない細川の語気に、
徳井が思わず言葉を飲み込んだ。
443
レスター
2008/05/05(Mon) 01:45
「沢村が調べをつけた。
今、ルームサービスを頼んでる。あいつら…」
徳井を、そしてみずからのあせりを宥めるように
声を抑えた細川の能面のように整った横顔が、
怒りにいっそう白くなった。
「…ふざけやがって」
444
レスター
2008/05/05(Mon) 01:48
エレベーターの扉があく。
いちばん手前に乗っていた敦彦が駆け出して
左右に別れた廊下の案内板を読み取り、
1203の部屋番号の目線で指し示す。
ちょうど、その部屋の前と思われるあたりに、
ワゴン車を押した制服姿のボーイがさしかかり、
こちらをみて立ち止まった。
早足に近づいた細川が小声で聞く。
「1203?」
「はい…いまマネージャーから聞いて…」
「頼むよ」
「はい」
状況に聡そうな顔立ちをしたボーイは、
余計なことを聞かずにうなずくと、
ワゴンを静かにドアのわきに寄せた。
445
レスター
2008/05/05(Mon) 01:52
ドアスコープから姿がみえないよう壁際に寄って、
固唾をのんで見守る。
敦彦は、すぐ後ろに佇む徳井の殺気を感じて
目線だけで振り返った。
ホテルの廊下の薄暗い照明の下で、
徳井の端正な顔は、黒々とした目を野性の獣のように光らせ
怖いほど美しかった。
446
レスター
2008/05/05(Mon) 01:54
ボーイが、落ち着いた様子を装ってインターホンを押した。
その緊迫感のない電子音に、
徳井は業を煮やしたのか2、3歩その場をうろつき、
やがて壁に両手をついて、その間に頭を落とした。
指先が、震えている。
その緊張と苛立ちがもたれた壁を介して伝わり、
敦彦は、嫌な汗が額に浮かぶのを感じた。
447
レスター
2008/05/05(Mon) 01:56
プツ、という雑音がきこえ、
部屋の中でなにものかがインターホンをとった気配がする。
ボーイが淡々とした声で、
「ご注文の品をお持ちいたしました」
と伝えた。
448
レスター
2008/05/05(Mon) 01:58
長い時間が過ぎたような気がした。
やがて、ドアの向こうで擦るような小さな金属音がする。
チェーンがはずされた。
ゆっくりとドアが開きはじめる。
449
レスター
2008/05/05(Mon) 02:00
ーーーその瞬間。
弾かれたように身を起こした徳井が
敦彦と慎吾を突き飛ばし、
細川の前を抜けてワゴンを蹴り、
そのドアを大きく引いて部屋の中へ飛び込んだ。
そして、ぶつかってもつれた敦彦と慎吾が
体勢を持ち直す間もなく、
部屋の中から、悲鳴のように。
450
レスター
2008/05/05(Mon) 02:00
「ーーー福田!」
と叫ぶ声が響いた。
451
レスター
2008/05/05(Mon) 02:02
む。いけそう、鯖。
30分後くらいにまた来ます。 レスター
452
蓮々
2008/05/05(Mon) 02:09
リアル中。
中間報告。
ドキドキ持続中。
今から脈拍測ってきます。笑
453
優
2008/05/05(Mon) 02:13
同じくリアル遭遇中。
不整脈持続中…。
おおお落ち着くためにお風呂はいってきますw
454
レスター
2008/05/05(Mon) 02:54
>蓮々さま
>優さま
いやいやいや、もうどないやねん(笑)。
おこがましくもおふたりの脈拍に影響及ぼすような
たいそうなものではございませんのです(汗)。
申し訳ないのです。ほんまにもう。
ともかく、迷ってると寝ちゃうのでいってみる。
待ってろや福ち!
455
レスター
2008/05/05(Mon) 02:55
―――重い。
すべてが重かった。
手にも足にもとてつもない負荷がかかって
びくとも動かない。
(引力って、ほんまにこんなやったか)
456
レスター
2008/05/05(Mon) 02:55
目は思いのほか簡単に開いた。
ただ、視界は完全にぼやけている。
ぼやけているというよりも、
白い天井が、
まるで近づいたり離れたりするように
遠近感が狂っていた。
天井―――?
457
レスター
2008/05/05(Mon) 02:56
帰ってきて…
違う。
飲み屋で。
ああそうや、派手に転んだ。
そんで。
あれからどうしたんや、俺。
458
レスター
2008/05/05(Mon) 03:00
耳元でラジオがうるさい。
ラジオ。
これも、近づいたり遠ざかったり、
イライラする。
ひどく頭が痛い。
一定のリズムで叩かれるような鈍痛が止まらない。
…ああ。
そうか、脈拍のテンポなんや。
頭んなかにも、脈があんのやな。
そんなことより、ラジオ、どうにかしてくれや。
頭痛い。マジで。
459
レスター
2008/05/05(Mon) 03:11
<…イ、マダ起キネーノソイツ>
<盛リ過ギ…ンジャネ?
ガリガリダモンコイツ、効キスギ、多分>
<オマ…チョットハ考エロヨバカ>
<ウルセエ>
<俺ヤダゼ人形ミテ…ナノトヤンノ、ツマンネエ>
ーーーなんだ、これ。
ハウリングのきついラジオから
途切れ途切れに聞こえる
安っぽいAVみたいな会話。
いや、ラジオじゃない。
なんなんだ、これ。
460
レスター
2008/05/05(Mon) 03:22
<オマ…バカ、ナニタノンデンノ>
<暇ジャン、イイダロ酒クライ。
ドウセアノテレビノオッサンガ払ウンダシ>
<最中ニ持ッテコラレタラウゼエダロウガヨ>
<今日ナンデオッサン来ネエンダ>
<ナンカモウコウイウノ気色悪イトカッテサ、勝手ニヤレダト>
<ハア?気色悪イダ?ヨクイウゼ>
<ダイタイ、コイツナンナノ>
<知ラネエ。アイツノゴ指示ナンダトヨ>
<アイツ?>
<慎吾>
461
レスター
2008/05/05(Mon) 03:23
慎吾。
ーーーああ。
あいつか。
あいつが、なんて?
462
レスター
2008/05/05(Mon) 03:29
会話の聞こえる方向に
ようやく首を傾ける。
鋭いライトが直接飛び込んで、思わず目を閉じた。
もう一度薄く目を開くと、
遠く離れた向こうに人影が。
2…いや、3人。
ほんとうにただの影のように、
ゆらゆらとうごめいている。
<マジカヨ>
<アイツ去年の今頃ハアッチデピーピー泣イテタジャネエカ>
<怖イネエ、今ドキノ子供ハ>
463
レスター
2008/05/05(Mon) 03:36
持ち上がらない手のひらで、
地面を撫でた。
布の感触。
白い。シーツ。
スプリングの感触。
雑誌が落ちて。
書類がばらけた。
隣にいた男。
(多いっすね。ためいき)
ようやくそこで。
なにかがつながった。
胸の奥から恐怖感がわき起こった。
ーーーーーー動けない。
464
レスター
2008/05/05(Mon) 03:40
とにかく。
ここから逃げなければ。
手が持ち上がらない。
足も。
なんでやねん、畜生。
夢の中で、自分の身体がいうことをきかないときに似ている。
そうか。
夢なんかもしれん。
そんならきっと、どうにかして逃げられる。
465
レスター
2008/05/05(Mon) 03:46
そのとき。
右側の地面が、大きく歪んだ。
遠くにいたはずの人影が、
ベッドに膝を乗り上げて、見下ろしている。
<ア、起キタカモコイツ>
<マジデ?>
右肘を思い切り突っ張ると、
少しだけ身体が浮いた。
そのまま。
どうにか身体を反転させる。
逃げなきゃ。
ーーーどこへ?
466
レスター
2008/05/05(Mon) 03:51
<オー、ガンバレガンバレ>
うるさい。
<デモネエソッチハ>
来るな。
<イキドマリナノヨ、オ兄サン>
おそらくその声の主が、
うつぶせになった後頭部を片手で押さえつけ、
パーカーの襟首に手をかけて
一気に後ろに引き抜いた。
シーツの上に突っ張っていた福田の両手は
それに伴って後ろに引かれ、
なんの役にも立たない棒切れのように
ふたたびベッドの上に投げ出された。
467
レスター
2008/05/05(Mon) 03:57
枕に押しつけられて、息ができない。
そう思う間もなく、
肌に直接まとっていた薄い長袖のTシャツが
力任せに捲り上げられ、
もがいたあげくそれは
頭の上に伸ばされた両手の手首に
手かせのようにまとわりついた。
<ウワ、マジ細イコイツ>
<エー俺、アンマ趣味ジャネーンダケドソレ>
むき出しになった背中の、
背骨に沿って生暖かい感触が這い上がり、
思わず喉が鳴った。
468
レスター
2008/05/05(Mon) 04:07
<イヤワカンネエ。アリカモ>
乱暴に裏返されて、
腹部にひやりとしたエアコンの風があたり
鳥肌がたつ。
反射的に、シャツが絡みついて拘束されたままの腕を
ようやく引き寄せて身体を丸くした。
<オットォ、乙女ダネエ>
笑われて、眉をしかめる。
誰か知らんけど、
絶対、おまえらの思い通りになんてならん。
やって。
ーーーどうなんかなあと思うで、福ち。
徳井に。
怒られる。
469
レスター
2008/05/05(Mon) 04:13
<ソンナ隠サナイデ、ミセテミセテ>
男が、Tシャツごと手を掴んで
頭の上で押さえつけた。
<…>
<ナニヨ>
<ヤベ。コイツスッゲエ、エロイカモ>
嫌だ。
嫌だ、絶対。
こんなんあり得へん。
右足が、どうにかなるような気がした。
たぶん、どうにかなる。
息を吐きながら、力を溜め込んで。
のしかかっている男の腹部を
一気に蹴り上げた。
470
レスター
2008/05/05(Mon) 04:19
男が、うめいてその場に踞る。
逃げろ。
早く、早く。
だいぶ動くようになった手足で
もう一度身を反転させた。
しかし。
カーゴパンツのベルトを掴まれ、
身体ごとぐっとひきずりおろされた。
掴んだシーツの端が大きくめくれあがる。
<テメエ、調子ニノリヤガッテ…>
怒りに満ちた声色とともに、
腹の下にぐっと手が差し入れられる。
慣れた手つきだった、
いとも簡単にベルトがはずされ、
元々が緩いカーゴパンツはなんの抵抗もなく
足先まで抜き取られた。
471
レスター
2008/05/05(Mon) 04:24
あかん。
ーーーほんまにやばい。
ふたたび裏返された途端、
右頬に衝撃が走った。
痛みはなかった。
ただ、しばらくおいて、
口の中に鉄の味が広がる。
<オトナシクシトケッツッテンノ>
次の瞬間。
なおも逃れようともがいた福田のみぞおちに
男の肘が落ちた。
また、痛みはなかった。
ただ。
息が、止まった。
472
レスター
2008/05/05(Mon) 04:28
身体が痺れた。
なんで。
なんでこんなことになったんや。
男が、自分のシャツを脱ぎ捨てて、
馬乗りになっておさえつけた。
視界が遮られ、首筋に息がかかる。
助けて。
473
レスター
2008/05/05(Mon) 04:28
助けて。
ーーーーー徳井。
474
レスター
2008/05/05(Mon) 04:30
ーーーーー福田。
徳井の声が、聞こえたような気がした。
475
レスター
2008/05/05(Mon) 04:32
次の瞬間、
部屋の空気が動いた。
向こうで、大きな音がする。
のしかかっていた男が引きはがされ、
急に視界が開けた、
そのはずみで、ベッドの向こう側へずり落ちる。
476
レスター
2008/05/05(Mon) 04:36
あかん。
こんなみっともないとこ。
絶対、見られたない。
ほどけない両手で、
ボクサートランクスを必死で引き上げた。
そしてベッドの縁にその手をかけたが、
打ち込まれたみぞおちがまだしびれて
思うように身体を起こせない。
ようやく上半身を立て直したとき、
ベッドのすぐ向こう側でもみ合っていた人物が、
こちらを振り向いた。
477
レスター
2008/05/05(Mon) 04:40
ーーー福田。
よく見知ったその顔が、
その唇で、
そうたどったような気がした。
そんなこと、あるんかな。
こんなん全部、
最初から夢かもしれない。
そう思ったとき、
福田の意識は完全にブラックアウトした。
478
レスター
2008/05/05(Mon) 04:46
ヘタレな自分としてはチャレンジャーやった…。
ちょっとひとやすみ。
レスター
479
蓮々
2008/05/05(Mon) 04:53
(レス不要可)
お疲れ様です。
更新ついていけたぁ。^^
感想はまた朝に。
おやすみです。^^
480
かひろ
2008/05/05(Mon) 05:08
お疲れ様でした。(深々おじぎ)
すごいです!
ドキドキが止まりません。
こんな興奮してて今から眠れるのかなぁ、私。
とにかく福ちゃん、よかったぁ〜〜(嬉泣)
お腹なでなでしたろ。
481
うさみみ
2008/05/05(Mon) 05:18
うわーーっ!助かったのね!?福ちゃあぁぁん!!(号泣)
ドキドキしました。見届けられて、こんな時間まで仕事してて良かった!
おかげさま?で締め切り間に合います。ありがとうございます。
混沌とした意識の、福目線危機的描写が超エロくて最高でした。
エロの新境地を見た気がします。品は無くさないままで。凄いです。
(エロエロ言ってすみません…)この後のお得意さんの出方が楽しみです。
ほんとにセンス良いですね、レスター様は。毎回感動します。
こんないい場面でコメント残してすみません。ではまた来ます!
482
名無しさん
2008/05/05(Mon) 08:22
やったぁ。。(ホッ)
ふくちゃん助かりましたか。。。
安心して仕事いって参ります。
いつもすばらしい物語に感涙極まりないです。
こそっと応援しております。
であであ。
483
柚雨
2008/05/05(Mon) 09:02
昨晩はサーバーの神様に負けてしまいました。
はあああああ…。胃が楽になりました(笑)
よかった(涙)福ちゃん助かったんですね。
本当によかった…。
意識がはっきりしない中でも徳井さんにみっともないとこを見られたくないって
思う福ちゃんがとても愛しいです。
お互いを呼ぶ声が重なりあうような場面で涙が溢れました。
緊迫した場面の描写はいつも息を止めながら読んでいます。
レスター様の描くスピード感と切迫した空気がたまりません。
この後、徳井さんがどう動くのか緊張しながらお待ちしています。
そうですね、自分の子どもがお笑いをやりたいって言ったら、まず反対しますね(笑)
変わらずに隣にいるってこと、簡単なようでいながら深い愛情を感じます。
484
レスター
2008/05/05(Mon) 09:24
おはようございます。
ちょっとひとやすみのはずが
自分のほうがブラックアウトしてもうた…。
>蓮々さま
(レスしちゃう)
あんなだらっだらと続く更新に
あんなお時間までおつきあいくださって…
もったいない(涙)。
ほんとうにありがとうございます。
>かひろさま
うわあ、すみません!
だいじなお時間、おつきあいくださって
ほんとうにありがとうございます(深々おじぎ)。
ゆっくりお眠りになれてるでしょうか!
485
蓮々
2008/05/05(Mon) 09:26
レスター様。
長が〜い更新おつかれさまでございました。
まずは間に合ってよかったです。
福ちゃんセーフ。
でもあのカタコトの人物たちは…。
ヨギータ?(そんなことたーない!^^;)
でもカタカナで吐かれた“襲う”表現はなんか
恐怖さが増すような気がするのは私だけかな。
ドキドキの回収もしていただいてありがとうございました。
続きのお話を心からたのしみにしています。
486
レスター
2008/05/05(Mon) 09:36
>うさみみさま
なんとお仕事を!あんなお時間まで…そしてそんなお忙しいときに
こんなものまで見守ってくださって、ほんとうにありがとうございます。
あれがエロスといえるのであれば、
書き手人生として初チャレンジでございました(笑)。
>482さま
これからお仕事なのですねえ!
いってらっしゃいませ。GWがなんだ!ビバ勤労!
ご出勤前のお忙しいときに、ほんとうにありがとうございました。
またお話できましたら嬉しく思います、であであ。
>柚雨さま
ああもう、いつも温かく見守ってくださって
ほんとうにありがとうございます!
励ましていただいて、おかげさまでようやく福ちゃん回収しました。
遅いって。1週間以上放っておいて、お徳井に怒られる(笑)。
487
レスター
2008/05/05(Mon) 09:45
>蓮々さま
あ、めっちゃニアミスなタイミングやった!
あらためまして、ほんとうにありがとうございました。
ヨギータ。ヨギータチームだったのか君たち!
そら、えげつなくてもしょうがないのか。
そう考えるとめっちゃ笑える場面に(笑、いやかえって
福ちゃんにとっては怖いかもわからへん…)。
488
レスター
2008/05/05(Mon) 09:46
そんなわけで。
でかけるまえに、もうちっと。
お得意さんも安心さしたらな。続きます。
489
レスター
2008/05/05(Mon) 09:48
徳井に続いて、
なだれこむように部屋に入ると、
ドアチェーンをあけたと思われる男ともみ合っていた徳井が
その男を脇へ投げ飛ばして
部屋の奥へと身を翻したところだった。
敦彦の目にそれは。
スローモーションのように映った。
490
レスター
2008/05/05(Mon) 09:53
「そいつ、抑えとけ!」
細川の声に促されて、
敦彦は、床に転がっていた男にがむしゃらに掴みかかった。
突然のできごとにすっかり戦闘意識をなくしている男は
あっさりと敦彦に白旗を揚げた。
入り口を振り返る。
ワゴンを支えながら
怯えた表情で事態を見守っているボーイと、
開いたままのドアに背中を押しつけるようにして立ち尽くし
言葉を失っている慎吾がみえた。
491
レスター
2008/05/05(Mon) 09:57
「藤森…」
声をかけようとして、
部屋の奥で起きた大きな音に顔を向ける。
クイーンだとかキングだとかいう大きさの類いのベッドが
ふたつ並んでいた。
徳井が、その手前のベッドの上で
もつれあっていたふたつの人影を引きはがし、
大柄な男の首根をつかんで
今にも殴り倒そうとしていたところだった。
492
レスター
2008/05/05(Mon) 09:58
上背はあっても細身の徳井だ。
よほど威圧感のある体型をした相手が
ともすれば優勢に見えた。
しかし、徳井の手は、その男をゆるさなかった。
いったん大きく引いた右腕が
相手の顎に埋め込まれたとき、
部屋の天井に、ガツッという鈍い音が響いた。
493
レスター
2008/05/05(Mon) 10:00
視界の左側では、
細川が、残るもうひとりの男をミラーの前に追い詰め
締め上げている様子がみえる。
それももう両手をあげて観念していた。
おそらく、この部屋のなかでの力関係が
完全にこちらに傾いたことを敦彦は理解した。
しかし。
どこだ、その。
奪還しなければならなかった
―――「福田」は。
敦彦はもう一度、奥のベッドに視線を向けた。
494
レスター
2008/05/05(Mon) 10:03
揉み合ったはずみで落ちたのだろうか。
暗い照明のなかで、ベッドの向こう側から
細いーーー
なにか不自然な形で組みあわさった両手が
白いシーツの縁にかかり、
ゆっくりと身を起こそうとする人影がみえた。
やがて、肩がのぞき、
なだらかなラインが首筋へつながり、
その先で、
短くした髪が乱れていた。
495
レスター
2008/05/05(Mon) 10:05
視線が泳いで、なにかを探した。
ちょうどそのとき、ベッドの手前で
殴りつけた相手から徳井が身を起こし、
その人影を振り返った。
二人の視線が、ぶつかったかどうか。
ベッドの向こうの白い上半身が
力尽きてそのまま倒れ込むのと、
徳井が、土足のままベッドを乗り越えて
そこへ飛び込むのは、
ほぼ同時だった。
496
レスター
2008/05/05(Mon) 10:06
「福田…ーーーーー福田!」
何度も、そう繰り返す声が聞こえる。
ああ、あれが。
「福田」さんなんだ。
497
レスター
2008/05/05(Mon) 10:10
細川が、ベッドの脇を早足で回り込み
倒れ込んでいた男をベッドにもたせかけた。
乱れた白いシーツの端から、
後頭部だけがみえる。
その人物の顔に手を添えて、
角度を変えながら確認していた細川が、
「…大丈夫」
とつぶいやいて微笑み、
徳井の肩をポンと叩いた。
息を詰めていた徳井が。
天を仰いで、嗚咽を漏らした。
498
レスター
2008/05/05(Mon) 10:12
と、そのとき。
さきほど細川に締め上げられて
観念していたはずの3人目の男が、
いきなり立ちあがり、ドアから脱走した。
細川が、
「逃がすな!」
と叫ぶ。
敦彦は、おさえつけていた男から手を離して後を追った。
じゅうたんに足をとれらながら廊下を抜け、
エレベーターホールの手前で。
男にとびかかる。
499
レスター
2008/05/05(Mon) 10:20
もみあっているうちに男は、
あけっぱなしになったドアの元に座り込み
こちらをみつめている慎吾に目をとめた。
「慎吾、てめえ…」
慎吾。
男の口からその名が出たことに。
敦彦は逆上した。
みかねて駆け寄ったボーイが割って入るまで、
敦彦は、
おさえつけるだけのつもりだったその男を
殴り続けていた。
500
レスター
2008/05/05(Mon) 10:21
まにあえば11時前に、あともうちょっと。
レスター
501
悠斗
2008/05/05(Mon) 10:34
更新お疲れ様です!!
よかった、よかったよぅ。
福ちゃんが無事で良かったです。
もっとちゃんと感想が書きたいけれど、
手が震えて…(もちろんアル中じゃないですよ)
続きを楽しみにしてます!
502
レスター
2008/05/05(Mon) 10:50
>悠斗さま
こんにちわ!
ほんとにほんとにありがとうございます。
いつも優しくおつきあいくださって、
じーんときて私も手が震えてます(感動+ちょっとアル中)。
これからも、どぞどぞよろしくお願いいたします!
503
レスター
2008/05/05(Mon) 10:52
あかん、やっぱりタイムリミットやあ。
また夜にまいります。
みなさま、ほんとうにありがとうございます。
おかげさまで、ようやくひと山越えられそうです。
レスター
504
蓮々
2008/05/05(Mon) 11:16
レスターさま
更新お疲れさまです。
すごいてすね。更新の数
しかもおもしろい!
福ちゃんのピンチには慎吾くんが噛んでいて。
さぁこの先どうなるのか
とても楽しみです。
夜が待ちどおしい
でも夜になったら休みが終わる・・・
複雑だ^ ^;
505
ぷっちゃい
2008/05/05(Mon) 11:47
お忙しい中、更新お疲れさまです。
間に合って良かったー。
今朝の更新分を読んでたら、
TVであっちゃんと慎吾が果物飲料CMで踊ってました。
「もおー!おまえらなんやねん」
とうとう酒も飲んでないのにTVにつっこみ入れるようになりました。
506
柚雨
2008/05/05(Mon) 12:11
徳井さん、間に合って本当によかったねぇ…(涙)
泣いてる徳井さんの頭を撫でてあげたいです。
徳井さんもあっちゃんも大切なモノのために自分の拳を痛めてるんですね。
どうかその痛みを癒す相手と穏やかに微笑みあえる日がきますように。
こちらこそいつもお話を読ませて頂いてありがとうございます!
毎日楽しみに通っています。しつこいくらいに(笑)
夜の更新を楽しみにのんびりとお待ちしています。
507
みゆき
2008/05/05(Mon) 16:01
夜まで待って書き込みとか思えども。
無理無理。ほんまレスター様とこのお話は色々我慢ならん(何だこの感想)。
あっちゃんも慎吾くんも細川サンもおとくいも福ちゃんも。
みんなの深い想いが絡まりあって、複雑になって、それでも。
きちんとほどけて、お互いに繋がる先を、間違えないように。祈るばかりです。
わたくしもプルプル震えつつ(ど素面ですが。あ、寝起きかも)。
夜更新、だかだか更新を押しつつお待ちしております。
508
名無しさん
2008/05/06(Tue) 04:56
またしても名無しですいませぬ。<482でございます。
お返事ありがとうございます(感涙)
ステキなお話ですぅ( ̄∇ ̄+) キラキラキラ〜♪
あぁ、そういうアタクシは仕事を終えて悪事をはたらいたのでこんな時間に・・・orz
(某ニコ動に某自動車ゲームのテーマに乗せてM-1GP2006のMADなんて作っていたなんていうのはナイショで)
正座して続きを楽しみにしております。
残り1日になりましたGWをごゆるりお過ごしくださいませ。
509
名無しさん
2008/05/06(Tue) 17:57
人間、眠っていないと
最初に壊れるのが涙腺なんですって。
それほんまやと思います。
昨晩、旧友たちに拉致されておうちに帰れなかったそのあいだに
こんなスレにコメント残してくださったみなさまに
もうなんだか涙がとまらへん。
あぶないっすね。
お返事あとまわしにして、先に更新してもええですか。
お返事はこのあと必ず。
レスター
510
レスター
2008/05/06(Tue) 18:00
カチ。
カードキーが差し込まれる。
続いて開錠する小さな電子音。
大きなひとりがけチェアーの手すりに腰掛けて
自分の靴先をみつめていた敦彦は、
音のした部屋の入り口のほうへ視線を向けた。
511
レスター
2008/05/06(Tue) 18:02
階下へ降りていた細川が
ようやく片づいたというような風情で
スーツの裾を翻しながら滑り込んできたところだった。
通り過ぎざま、
敦彦にまばたきで頷いてみせると、
そのまま部屋のいちばん奥にある
ベッドサイドまで進む。
すこしかがんで、
浅い呼吸を繰り返して横たわる人影の
顔をのぞきこみ、
ほんのすこしだけ眉をすがめた。
「徳井」
と声をかけると、
ベッドの手前にあるサイドテーブルにもたれて
その人影を見守っていた徳井が
ゆっくりと顔をあげた。
512
レスター
2008/05/06(Tue) 18:04
「沢村、1時間くらいで戻るから。
そうしたら出るけど、おまえのとこでいいな」
徳井が無言で頷く。
「その前にいちおう、先生のところに」
「…」
「ここが、ちょっとな」
そういって細川が自分のわき腹のあたりを指で撫でると、
徳井が子供のように顔をしかめて、
ベッドの人影に視線を落とした。
敦彦からはその表情ははっきりみえなかったが
なぜか、
徳井が泣き出すのではないかと思った。
「そんな顔するな」
おそらく同じことを思ったのだろう、
細川がつとめて軽い調子で笑いとばす。
513
レスター
2008/05/06(Tue) 18:05
大捕物のあと、ほどなくして
細川とはタイプが違うがよく似たオーラを持つ男が
数人の部下を連れてこの部屋に現れた。
「沢村」と呼ばれるその人物が
最もこのホテルに顔が利くのだろう、
カードキーからルームサービスの下りまでを
遠隔操作したのはこの男らしかった。
細川とのおどろくほど簡潔なやりとりで
起きたことのあらましを確認しあった後、
携帯でどこかの誰かとなにがしかの話をつけ、
敦彦たちがとらえた3人の男をひきずるようにして
部屋を出て行った。
514
レスター
2008/05/06(Tue) 18:07
それから20分ほど。
部屋のなかには、
敦彦と信吾、
そして徳井と、
奥のベッドに横たえられた「福田」の4人だけだった。
515
レスター
2008/05/06(Tue) 18:09
誰ひとり言葉を発しなかった。
ベッドの上から
寝苦しそうな小さなうめき声がきこえるたびに
「福田」
と小さく繰り返す、徳井の声以外は。
516
レスター
2008/05/06(Tue) 18:14
距離的にも角度的にも、
奥のベッドの上は
敦彦からはよくみえない。
それでも、ベッドサイドを離れようとしない徳井が
まるでそれ以外のものは
この世にあってもないもののように
ただその神経をかの人にだけ集中しているさまは
空気を通して伝わってきた。
517
レスター
2008/05/06(Tue) 18:17
徳井の背中の、
左の肩甲骨が動く。
横たわる男の前髪を
左手の指先ですいているのだ。
と、思う。
やがて、
人の寝姿を形作った毛布がうごめいて
眠っている人物が寝返りをうった。
その拍子に毛布から、
信じられないほど細い腕が、
肘が、手のひらが、
無防備にこぼれてシーツの上に落ちた。
その指先を、徳井の右手がとらえる。
敦彦は。
なぜかその光景に、涙がこぼれそうだった。
518
レスター
2008/05/06(Tue) 18:19
わからない。
理由など。
かまうもんか。
どうしていま自分がここにいのか、
それすらよくわからないのに。
519
レスター
2008/05/06(Tue) 18:20
「君」
いつのまにか、細川がそばに立っていた。
「はい」
「ごめん、名前…なんていったっけ」
「中田です」
「中田くん」
切れ長の瞳を細めて、細川は微笑んだ。
「本当に助かった。ありがとう」
「いえ…」
「これ」
差し出されたそれが
折り畳んだ紙幣だとわかって、
敦彦はとたんに不愉快になった。
520
レスター
2008/05/06(Tue) 18:21
「なんですかこれ」
「車代。送って行くべきなんだろうけど」
「いりません。そのくらい持ってます」
「じゃあ、絆創膏代」
細川が、敦彦の右手を指差した。
中指と薬指の第2関節が
不自然にふくれて、
その上に擦れて出来た傷がすでにかさぶたになっていた。
さっき廊下で、相手を殴りつけたときにできた傷だ。
思い出して初めて、
鈍い痛みが指先から肩へと走った。
「いりません」
敦彦がそういうと、
細川は気を害したふうもなく
ーーーむしろそれに合点がいったような顔をして
紙幣をひきとった。
「わかった。じゃあ今度、別の形でね」
521
レスター
2008/05/06(Tue) 18:22
細川は、そこで
体の向きをすこしだけ変えた。
「慎吾」
呼ばれて、
何度いっても座ろうとしない慎吾が、
ミラーの前に立ちつくしたまま肩をふるわせた」
522
レスター
2008/05/06(Tue) 19:16
「中田くんと一緒に帰りなさい」
「…」
細川の声は。
思いのほか優しかった。
523
レスター
2008/05/06(Tue) 19:17
敦彦は顔腰を上げた。
「藤森」
そう呼ぶと、立ち上がる。
そして、敦彦がドアのほうへ歩き出すと、
そのあとに素直についてきた。
ドアをあける。
慎吾が、部屋の奥を振り返った。
「心配するな。大丈夫だから」
細川が、諭すようにいうと、
慎吾は喉を詰まらせた。
524
レスター
2008/05/06(Tue) 19:18
エレベーターホールでも。
エレベーターの中でも。
ロビーをつっきるときも。
敦彦と慎吾は、黙っていた。
525
レスター
2008/05/06(Tue) 19:20
なんという数時間だったんだろう、と思う。
その前とあとでは、
敦彦の価値観はーーー
いや、敦彦の人生は
まるで変わってしまった。
いちばん毛嫌いしていた人種の
車に飛び乗った。
その人々の、
見たこともないような
生々しい感情をみた。
人を殴った。
そして。
1年前、ふっつり姿を消したはずの慎吾が
すぐ隣にいる。
526
レスター
2008/05/06(Tue) 19:21
「…」
背後から小さな声が聞こえて、敦彦は立ち止まった。
「なんで」
「…」
「なんで殴ったの、あいつ」
「…」
「あいつ関係ねえじゃん。あっちゃんに」
慎吾は、かさぶたのできた
敦彦の右手を見ていた。
527
レスター
2008/05/06(Tue) 19:22
敦彦は、その指先を握って、また伸ばした。
痛みがある。
確かに。
俺は人を殴った。
「…そうだね」
そう。
「殴れるもんならおまえ殴りてえよ、藤森」
528
レスター
2008/05/06(Tue) 19:23
頭にくる。
「あれっきりバイト来ねえし」
なんなの。
「携帯もかえてるし」
なんなんだよ。
「部屋もひきはらって」
おまえ。
「どうしろっての、俺に」
なんで、そんな簡単に
そこにいんだよ。
1年、消えてたくせに。
どんなに探したって。
おまえ。
みつかんなかっただろ。
529
レスター
2008/05/06(Tue) 19:25
慎吾はうつむいていた。
ライトが眼鏡に反射して、
その表情はよくみえなかった。
「だから、とりあえずさ」
敦彦は。
もうそれ以上、言葉がみつからなかった。
「どっかで飯、食わねえ?」
530
レスター
2008/05/06(Tue) 19:27
「俺、すっげ腹減ってんだけど」
一瞬、あっけにとられたあと、
慎吾は泣き笑いのような表情をみせて。
そして、またうつむいた。
泣いているのかもしれなかった。
531
レスター
2008/05/06(Tue) 19:32
敦彦は、2、3歩、慎吾のほうへ歩み寄り、
痛むほうの右手で慎吾の手をとった。
この痛みを。
覚えていようと思う。
そして、この指先が
あのようであったらと思う。
さっき、部屋で遠くにみた、
己の痛みなどないもののように
迷いなく関節を折って
愛しいものの細い細い指先を労わった
徳井の温かい爪先のように。
532
レスター
2008/05/06(Tue) 19:34
きっと。
大切なものを手に取るとき、
人は、自分の手を痛めるのだ。
そしてどんなに苦しくても
その手を離してはいけない。
理屈は理解できなくても、
敦彦は、本能的に。
そのことを、受け入れていた。
533
レスター
2008/05/06(Tue) 20:05
こんなとこで。
蓮々さま、ぷっちゃいさま、
柚雨さま、みゆきさま、
508=482さま。
ほんまに、ほんまにありがとうございます。
のちほどゆっくり、お返事(たいしたもんでもないけど)
書かせてくださいませ。
なんかもう、
どんなドラマみても舞台みても小説読んでも
中途にかぶってしょうがない重症なレスターより
534
悠斗
2008/05/06(Tue) 20:10
更新中でしょうか?
もしそうでしたらお邪魔してしまってすみません。
あっちゃんと藤森君の関係が少しずつ修復されているのが見てとれて、
あぁよかったなぁと思いました。
色々藤森君も複雑で、あっちゃんもそんな藤森君がほっとけなくて、
こんなまた複雑な世界に飛び込んじゃったわけですね。
そして福ちゃん。今だに目を覚まさないようで心配です。
お徳井さんの左手で福ちゃんの髪をすいている姿に泣きたくなりました。
大事に大事に扱っているのがわかるからかもしれません。
そんな姿に憧れるあっちゃん。あそこまでの道のりは険しいかもね(苦笑)
なんだかわけのわからないコメントになってしまいました。
長文・乱文失礼いたしました。
続きを楽しみにしております。
535
蓮々
2008/05/06(Tue) 21:52
更新おつかれさまです。
福ちゃんをいたわる徳井さんがやさしくて
めちゃくちゃ切なくてキュンと来ます。
あっちゃんのお金を渡されたとき断った潔さがよい。そして
>「どっかで飯、食わねえ?」は本当に慎吾くんを救ったのではないでしょうか
慎吾君はこの先どうするんでしょうか?どうなるんでしょうかね?
それにしても福ちゃんは(助かったとはいえ)
大丈夫でしょうか後遺症とか。心配。
それにしてもめちゃくちゃこのお話好きです。
レスター様の更新を心待ちしている蓮々でした。
536
柚雨
2008/05/07(Wed) 00:19
4人だけの部屋の風景が脳裏に浮かび、
福ちゃんの傍につきっきりの徳井さんの後姿を思うだけで涙が出てきます。
あっちゃんが見た優しい徳井さんの指が福ちゃんの指を今もそっと握っているのですね(涙)
あっちゃんの覚悟が慎吾に届きますように。
私もレスター様と同じ症状に見舞われています(泣笑)
中途の魔力は底なし沼です。
次回の更新を楽しみにお待ちしています。
537
優
2008/05/07(Wed) 01:26
更新お疲れ様です。
いつもいつも美しい描写に酔いしれております。
もちろん本日もです。素敵だ…。
福ちゃんが無事で本当に良かったです。
もしも何かあったときに傷ついてしまうのは福ちゃんでありお徳井であり、
そしてあっちゃんと再会してしまった黒猫だったんだろうなと思うので、
関わる全ての人のためにも無事でいてくれてほっとしました…。
が!!
守りきれなかったと悔やむお徳井さんが、
最悪の決断をしてしまわないことを祈るばかりです。
君らはニコイチなんだよーって(泣
長々とすいませんでした。
次回の更新も楽しみに待っております♪
538
名無しさん
2008/05/07(Wed) 08:38
レスター様、更新お疲れ様です。
なんでしょう…美しい絵画を見た時、
訳もなく涙が出る…そんな感じでございます。
上手く伝えることが出来ないので申し訳ないのですが(苦笑)
539
レスター
2008/05/07(Wed) 13:12
ああ。連休終わってもうた。
いまごろお天気いいし。まあいいか。
遅くなりましてたいへん失礼いたしました。
お返事でございます。
>蓮々さま
いつもいつもありがとうございます。
そうやって、大事なお時間のなかで気にかけてくださるのに、
「いついつきます」といった自分の言葉を守れない駄目な私で
ほんとうに申し訳ございません…。
あっちゃん、あいた1年分頑張ってもらいませんと!
とりあえず若者は飯食って元気出せと!
そして福ちゃんには早く目をさましてもらいませんと!
これからも懲りずにおつきあいいただけましたら幸せでございます。
>ぷっちゃいさま
どもどもほんとうにありがとうございます。
わ、わかりますテレビCM(笑)。
果物飲料で踊るあっちゃんと慎吾。おまえらなんやねん!
それにもましてひどい、お得意のシゲキックス。
しかも肩に福ちゃん乗っけて。おまえらほんま、なんやねん!
私も今度テレビにつっこみいれるとき、
ああもしかしたらぷっちゃいさまも今頃…と思いをはせようと思います(笑)。
これからもどぞどぞ、よろしくお願い申しあげます。
540
レスター
2008/05/07(Wed) 13:26
>柚雨さま
ほんとにほんとにありがとうございます。
お徳井さんの頭、撫でてあげてくださいませ(笑)。
自他ともに認める福ちゃんの美しい手先はもちろん、
徳井さんの手もなんかすごい、詩情があるんですよねえ。
福ちゃんに比べるとやっぱり男っぽいんだけど、優しい。
これだんだん、ただの手フェチ小説になっていってる気がしないでもないですが(笑)
どぞどぞお見捨てなく…底なし沼の中途の魅力に
柚雨さまとみなさまとともにどっぷりつかっていけましたら幸せでございます。
>みゆきさま
いやいやもうもう、ありがとうございます。
色々我慢ならんのは、お互いさまでございます(笑)!
やっぱりねえ、まず中途がものっそあったかいからだと思うのですが、
それで繋がる方たちのご縁っていうのもほんとにあったかいなあと。
いつも同じことばかりいってて、私おばあちゃんみたいやんけ(笑)。
思いが重なりあってもきちんとほどけて、
繋がる先を間違えないように。ほんと。ほんとにそうです。
肝に命じて進んでみます。どぞどぞ、お見捨てなく!
541
レスター
2008/05/07(Wed) 13:36
>508=482さま
どうもどうも、ほんとにありがとうございます!
世の中が連休中にお仕事なさって、
そしてあのようなお時間まで動画作成…
なんという勤労意欲。なんとクリエイティブ。
お疲れさまでございました。
きっとお忙しい毎日をお過ごしでいらっしゃるのですねえ。
そんななかお時間をさいてくださってありがとうございます。
どぞどぞ懲りずに、またいらしてくださいませ!
>悠斗さま
ああ、いらしてくださってありがとうございます!
はい、あっちゃんと藤森君、修復してまいりましたです。
中途スレなのにめっちゃオリラジにもこだわる(笑)
そんな勝手をする書き手を、悠斗さまをはじめとするみなさまが
とっても温かく許して下さって、私ちょっと泣きそうです。
福ちゃん、そろそろお目覚めだと思いますので、ご心配なくです。
いまはお徳井さんがついてますもんね。
ほんとほんと、あのおっさんたちに追いつくには道のり険しいかも、あっちゃん(笑)。
これからもどぞどぞ、よろしくお願いいたします!
542
レスター
2008/05/07(Wed) 13:45
>優さま
ほんとにほんと、ありがとうございます。
>関わる全ての人のためにも無事でいてくれて
…ああそうです、そこなんだ福ちゃんのイメージって。
素朴な存在だけど、なんかやけに影響力がある感じがするんですよねえ。
リアルな世界でも、最近だんだんそのへんのキャラを
発揮させてきている気がして、ちょっとどきどきするときあるんですよね。
ともあれ!このスレにおけるお得意が間違わないよう、みはっときます。
大丈夫。中途はどこでもニコイチっすよ、いつまでも!
>538さま
いらしてくださってほんとにありがとうございます。
いやそんな、538さまこそ
その美しいお言葉。もったいないです。
538さまはじめみなさん、感受性が豊かな方ばかりで、
つたなく綴ったもの以上の世界観で優しく受け止めて下さっている。
私、ここにたどりついたのはほんとに偶然だったんですけど、
なんてラッキーだったんだろう、恵まれてるなあって
しみじみ思っています。
どうぞどうぞこれからも、よろしくお願いいたします!
543
レスター
2008/05/07(Wed) 13:47
お返事、もれちゃってる方いらっしゃらないかな…
いただきっぱなしで失礼してしまい、
本当にすみませんでした。
福ちゃんお目覚めまでもうちょっと。
のちほどまた。
レスター
544
桜
2008/05/07(Wed) 19:08
あーっちゃーん!!!
ふじもりーん!!!(←
ビルの屋上なんかに駆け上がって叫びたい気分です、笑
ホントにあっちゃんがかっこよくて、
涙が出そうになりました泣
これから東洋がテレビなんかに出ちゃったりしたら、
泣いちゃいます笑
続き楽しみにしています!!
545
名無しさん
2008/05/07(Wed) 21:46
>桜さま
もう〜桜せぇ〜んせえ〜
駆け上がって叫んじゃってくださいよ〜
テレビに東洋でたら泣いちゃってくださいよ〜
たとえそれが果汁飲料のCMであっても〜。
あっちゃんカッコいい。
そういえば、慎吾ってばリアルでそれ、百万回くらい言ってんですよね。
ある意味、東洋すごすぎる…。
お得意、負けてられなくってよ!(笑)
桜さま、ほんとにありがとうございます。
もしよろしければ、どぞどぞ引き続きおつきあいくださいませ。
546
名無しさん
2008/05/07(Wed) 21:48
レスターです。
そんなわけで、
鯖神さまのお許しくださるペースにて。
更新いたします。
547
レスター
2008/05/07(Wed) 21:51
もう夜明けが近いのだろう。
薄くあいたカーテンの隙間から
蒼い光がぼんやりとさしこんで、
じゅうたんの上に細い筋を作っている。
徳井は、自室の低いベッドの脇の
床の上に座り込み、
白い絆創膏の巻かれた右手を
シーツの上に預けるようにして
もたれかかっていた。
548
レスター
2008/05/07(Wed) 21:52
眠り慣れたこのベッドが、
こんなにも広かったかと思う。
投げ出した自分の右手のすぐそばで
枕に頭を預けて寝息をたてる福田は、
あまりにも小さくみえた。
549
レスター
2008/05/07(Wed) 21:54
福田の両手をひとくくりにしていた白い拘束具は
捲り上げられ、あげく捩れて絡んだ
福田自身のTシャツだった。
ホテルの床に散らばっていたパーカーもカーゴパンツも
ふたたび身にまとわせる気には到底なれず、
毛布にくるんだまま抱きかかえて
廊下の奥にある業務用のエレベーターに乗って
駐車場へ降りた。
550
レスター
2008/05/07(Wed) 21:58
細川の車で立ち寄った
店のかかりつけの医院では、
あらかじめ事情を知った医師が控えていて
あっという間にすべての手当をすませ、
簡潔に説明してくれた。
福田の体の自由を一時的に奪った薬は
摂取量としては非常に少なかったこと。
ただそれがアルコールと重なり
福田の体の質量が一般的なアベレージよりもはるかに下回ったせいで
抜けるのに時間がかかっているであろうこと。
口の端が切れていたが、
口中までの損傷はなかったこと。
ただ、
左のろっ骨の、下から1番目と2番目の骨には
小さなひびが入っていること。
551
レスター
2008/05/07(Wed) 21:59
あの部屋に飛び込んで
ベッドの上に折り重なっていた男をひきはがし
殴りつけたそのあと、
振り返った視線の先に、福田がいた。
しかし、視線があったその瞬間、
その体はスローモーションのようにゆっくりと倒れて
ベッドの向こう側に消えた。
552
レスター
2008/05/07(Wed) 22:05
ベッドを乗り越えて飛び込んだそこに、
細い手足を人形のように投げ出して
福田は倒れていた。
福田。
福田。
抱き起こして、
そう繰り返すことしかできなかった。
やがて細川が、
ベッドの側面に背中をもたせかけた福田の
頬や首筋、閉じた目元に手際よく触れて、ようやく
「大丈夫」
と告げたとき、
徳井は、安堵と怒りで嗚咽をもらした。
553
レスター
2008/05/08(Thu) 00:06
そうだ。
あのあと、
抱えあげてベッドに寝かせたとき、
綺麗に肋骨の浮いたわき腹の左側が
既に青くなっていたことを思いだす。
554
レスター
2008/05/08(Thu) 00:10
福田がたったひとりで味わった恐怖と痛みを思い、
徳井は肌が粟立つのを感じた。
そして、もし。
あともうほんの1分。
いや。ほんの30秒。
部屋に踏み込むのが遅かったら。
おぞましいその考えを振り払うように、
徳井が左手で髪をかきあげたとき。
ベッドに放り出していた右手の指に、
かすかな体温を感じた。
555
レスター
2008/05/08(Thu) 00:12
福田の細い指先が。
徳井の指に触れていた。
556
レスター
2008/05/08(Thu) 00:22
福田は、目が覚めたばかりの子供のように
ぼんやりと、
徳井の右手に巻かれた白い絆創膏に
視線を投げていた。
病院の待合室で、医師に
あなたも中へ、と声をかけられて初めて
右手の甲から指の関節にかけて
裂いたような細い傷が走り、
乾いたばかりのかさぶたで覆われていることに気づいた。
揉み合った時についたのだろう、
右の頬にも、小さくない擦過傷ができていた。
557
レスター
2008/05/08(Thu) 00:28
痛みもしない。
このまま、傷をさらしていたかった。
これは、自分の犯した過ちの証だと思ったからだ。
けれども、沢村が、
ーーーうーん、
貼ってもらったほうが早く治るんじゃない?
そう、やんわりといった。
プロ意識を持て。
そういう意味だ。
不可抗力とはいえ商売道具に傷をつけて
自分勝手にそのままにしておくことが許されるほど、
徳井の立場は軽くはない。
徳井は納得して、
白いテープで傷をふさぐことを受け入れた。
558
レスター
2008/05/08(Thu) 00:32
右手に巻きついたその白いテープを、
福田の指先がゆっくりと辿る。
人差し指。
中指。
薬指。
そして、手の甲。
559
レスター
2008/05/08(Thu) 00:36
「…これ、どないしてん」
消え入るほど小さな掠れた声が、そうつぶやいた。
560
レスター
2008/05/08(Thu) 00:42
―――どない、て。
声がのどにはりついて、
徳井はただ、小さく息をもらした。
福田の、
角度によってほんのすこし茶色く透ける瞳が
つ、と動いて、
徳井の顔をとらえた。
焦点が合わないのかすこしまぶたを細め、
やがて苦しげに眉を寄せる。
561
レスター
2008/05/08(Thu) 00:46
福田の指が徳井の手を離れ、
ゆっくりと伸ばされて
今度は、徳井の右頬の絆創膏に触れた。
そっと。
壊れ物を扱うような繊細さで。
そして。
「徳井」
いつもよりたどたどしい口調で、そう呼ぶ。
―――なんや。
たったそれだけの返事が声にならず
唇だけでようやくそうたどった徳井に、
福田は続けた。
562
レスター
2008/05/08(Thu) 00:49
「…ごめんなあ」
563
レスター
2008/05/08(Thu) 00:54
ーーーああ。
小さくうめいて、徳井は目を閉じた。
564
レスター
2008/05/08(Thu) 01:06
頬を涙が伝って、シーツに落ちる。
ーーーあまりにも愛しくて。
俺は、狂うかもしれない。
徳井は、そう思った。
頬に添えられた細い指を、
白いテープの巻かれた自分の手で包み込み、
引き寄せて口づける。
もしこの男を、
この部屋にこのまま閉じ込めてしまえたら。
誰の目にも触れさせず、
ただ自分とふたりだけ、
こうして指をつないで
見つめ合っていられたら。
どんなに幸せかと思う。
565
レスター
2008/05/08(Thu) 01:53
けれども。
それは間違っている。
理由がどうあれ、
暴力でしばりつけるなど
福田を傷つけたあの男たちと変わらない。
ほんのわずかな時間でも
頭のなかで福田の自由を奪おうとした自分を
徳井は恥じた。
ゆっくりと身体を倒し、
福田の白い肩口に顔をうずめて、赦しを乞う。
ーーーごめん。
ごめんなあ、福田。
額に触れる、福田の肩の薄い皮膚は
すこしひんやりして、
徳井の胸をしめつけた。
566
レスター
2008/05/08(Thu) 02:05
「徳井…」
福田は、
ほんのすこしだけ身体の角度を変えて、
大事なものを抱え込むように
徳井の頭にそっと腕をまわした。
「なんで泣くんーーー?」
徳井の黒髪に口づけるように
顔を寄せ、
小さく息をすいこんだ。
そうして目を閉じて。
なにもかも満ち足りた表情で、微笑んだ。
567
レスター
2008/05/08(Thu) 02:14
『この世の果て---end of the world---』第2章<4> <終>
めっちゃ地震怖かったな。
揺れの大きかったとこの方、ここにはおられないだろうか。
だいじょぶですか。
そんなわけで、おかえり福田くん。
長い1日でございました。
レスター
568
優
2008/05/08(Thu) 02:43
おっ、おかえり福ちゃん…!!(号泣
中途さんの時に見え隠れする内向的?な、閉鎖的な想いがとても好きです。
私の腐ったフィルター越しにはリアルのお二人もそう見えているのでw、
そうしたいけど大切だからこそ出来ないもどかしさとか
苦しさとか切なさとか、だからこその甘さとか。
そんな微妙な距離がレスター様の小説からいつもガッツンガツン来て、
いつも心臓を鷲掴みにされてしまいます。
んもーうだいすきです。
長い時間をかけての大量更新、
レスター様本当にお疲れ様でした。
酔っ払いのため文章変でごめんなさい。
だいすきです。
大切なことなので二度言いました。はふん。
569
名無しさん
2008/05/08(Thu) 07:26
あああああ・・・
朝から泣いてしまいました。ううっ・・・
表現を表に出すエネルギーはすごいですよね。
愛あるからこそではありますが、すんばらしいですっ。
はぁ(感涙)
ステキです。もう言葉で言い表せませんよぅ。。。
今日1日働けるエネルギーいただきました。ありがとうございます〜!!
(あ、ずっとストーカー並みに張り付いてごめんなさいっ(>_<)画像MADIST482=508です)
570
悠斗
2008/05/08(Thu) 13:24
更新お疲れ様でした。
途中まで読んでいたものの、力尽きて結局この時間になってしまいました(泣)
福ちゃんが無事だったこと、福ちゃんのお徳井さんを気遣う姿などにより
号泣でございますよ、ホントに。
次回も楽しみにしております。
地震怖かったですねぇ。このまま死んでしまうのかしら?
と思ったときに、中途のことを考えてしまった私は末期かもしれません(笑)
死んでしまったら皆様の素敵小説も途中までなんて…そんなの悲しすぎるッ(熱弁)
生きてて良かったです!
571
みゆき
2008/05/08(Thu) 18:41
何もかも満ち足りた。
いえわたくしが満ち足りた(涙)。ありがとうございますレスター様!
わたくしも色々頑張ろうと思える、涙ちょちょ切れな素晴らしいお話をありがとうございます。
私事に忙しく頭リセットするために板へ来ることを我慢しようと思えども。
続き気になって気になって、結局来ちゃいました。来てよかったあ!!
大団円を楽しみにお待ちしております。
572
レスター
2008/05/09(Fri) 08:43
>優さま
酔っぱらい上等!お酒はほんっと美味しいですよね。
「閉鎖的」な思い。そう、そうなんです。
あるんですよねあのふたり、そういうところが。
あれだけあけっぴろげで周囲を呆れ返させるだるい二人でありながら、
え、ちょ、なんでそこでそんな顔してんの!みたいなせつない瞬間が。
そういうときのお得意さんの顔がまたきれいなんだよねえ…(笑)。
ということに、優さまにあらためて気づかせていただきました。
ありがとうございます。
私も二度いいます。ほんっとにありがとうございます!
>569さま
と、とりあえずお呼びしてみまして。
どうもありがとうございます!
私にはたいしたエネルギーもなんの力もございませんが、
中途への愛だけはかろうじてあるようなので
それ頼みでどうにかここで、みなさまの仲間入りをさせていただいてる次第なのです。
お忙しいのに、お仕事もたいへんそうですのに
お時間をさいてくださってのコメントに
もうもう心より感謝しています(涙)。
573
レスター
2008/05/09(Fri) 08:53
>悠斗さま
ああ、夜中までおつきあいくださっていたのですね…
大切な体力をいただいてしまって、ほんとにごめんなさい(涙)。
そしてありがとうございます。
地震、怖かったですね。続いてますねえ。さっきも揺れた。なんなんやこれ。
私もたいがいビビリなので過剰におろおろしてしまったんですが、
その最中にも、なんとなくどこかでお得意がもっとびびっていそうな気がして、
そして福ちゃんもひきつりながらが「大丈夫、大丈夫やで」と
自分に言い聞かせている図が浮かんで笑えた。これもある意味、末期かも(笑)。
悠斗さまが無事でよかったです
>みゆきさま
いやいや、もうもうもう。
お忙しいのですね、みゆきさま。
頭リセット。とってもだいじなことです。
どうぞどうぞゆっくりとなさってください!
…と思いつつここでお会いできないのも寂しいなあと思ったり。
せつないっす。恋かしら(泣笑)。
ちなみにこの話、ぜんぜん続いてしまいそうで大団円はもっともっと先っぽいのです。
当分だらだらしてますから、近くをお通りになるときには
なんのお気遣いもなく、どうぞお気軽にお寄りくださいませね。
574
柚雨
2008/05/09(Fri) 11:45
福ちゃんが徳井さんの元に帰ってくることが出来てよかったです(涙)
本当によかった…。
お互いに触れる指先の優しさに涙が知らずに零れてしまいます。
どうして2人はあんなに心がキレイなんでしょう。
なんだか上手く言葉にすることが出来ません。
拙い感想ですみません(泣)
大団円が先ということはまだまだこのお話が読めるということですね!
すごく嬉しくて徳井ダンスを踊りたい心境です(笑)
次回の更新を楽しみにお待ちしています。
575
レスター
2008/05/09(Fri) 13:20
>柚雨さま
徳井ダンスを踊る柚雨さまが見たい。いますぐ見たい。
いやいやもう私は、
こうしてすがすがしい想像力をもって泣いてくださる
柚雨さまやみなさまの感受性の豊かさやお気持ちのキレイさこそに
いつも驚かされるばかりなのです。
ほんとうにありがとうございます。
福ちゃんとお得意にはこれから越えてもらわん壁もあることですし(笑)
だらだらと書き続けていこうと思っている自分勝手な書き手ではございますが、
どぞどぞ、これからもよろしくお願い申しあげます。
576
レスター
2008/05/09(Fri) 13:21
今夜は、ついにWOWOWに福っちが。
両脇にあっちゃんと慎吾。
そしてお得意が遠隔操作。
てかギョーテックと重なっとるやん。
どないせえと。
そのころまた。 レスター
577
蓮々
2008/05/09(Fri) 15:05
レスター様ぁ〜〜。
只今自宅で持ち込みの仕事中。
とりあえず今日はこの一言で。
スキっ♪
(逃げ。)
578
レスター
2008/05/09(Fri) 20:46
>蓮々さま
ちょちょちょ、こらこらこら。
逃げたら追うで(笑)。
いやいやしかし、だいじなお仕事に最中に、
蓮々さまのだいじなパワーを
こんなスレに使うてはあかんやろー!
すみません、そしてありがとうございます。
お仕事無事に終わりましたか?
今夜は忙しいですよ♪ 福ぽんオンザバイシクル。
しかもあっちゃんと慎吾つき。
そんな構図、冷静に見れるかしら…。
579
レスター
2008/05/11(Sun) 00:29
…冷静になんか見れるかボケ!
のっけから「ふくだ〜」と絶叫するお得意さん。
息あがってる場合じゃないセクシー福ちゃん。
おおらかな笑顔が罪なあっちゃん。
そしてSパワー発揮の慎吾。
甘いもんの苦手な福ちゃんに無理矢理パフェを注文させ
「徳井さんが求めてますよ」といって
鼻にクリームまでつけさせた慎吾が
悪魔にみえたのは気のせいですか。
芝生の上に倒された福ちゃんを
慎吾がまたいで仁王立ちになった瞬間
仰天のあまり立ち上がったのは私だけなんでしょうか…。
後半の東洋と針千本のデートもかわいかったけど、
なんなら東洋と中途で1日組みかえデートして
でも結局「やっぱりおまえじゃないと!」つってコンビで抱き合って終わり、
みたいなのも見たかったな(笑)。
そんなわけで昨夜は力つきました。
今夜は元気だしていきましょう。
580
レスター
2008/05/11(Sun) 00:39
「とにかく、もうすごかったって話ですよね。連携プレイが」
綾部がやや興奮気味にいうと、
カウンター席の隣に座っていた又吉が
若干うるさそうに顔をあげた。
581
レスター
2008/05/11(Sun) 00:41
「…無駄にエロい」
「なにが」
「プレイって」
「そりゃそうですよ。日々エロいですよ私は」
それがなにか、と返す綾部に納得したようでもなく、
かといって否定するでもなく、
又吉は食べかけのパスタの皿に向き直り、
手にした文庫本に視線を落とす。
「聞いたわよー。さすがだわね」
二人の前にアイスコーヒーを置きながら、「ママ」が相づちをうった。
582
レスター
2008/05/11(Sun) 00:44
夕方、まだ早い時間である。
開店前であるにもかかわらず訪れた若者二人が
軽食をとりながら世間話をするさまは、
繁華街の雑居ビルにあるスナックというよりも
学生街の定食屋の光景のようだ。
口の固い「ママ」は、近隣の同業者たちからの信用も厚い。
そもそも、幹部に近いものたちが密談も兼ねて
訪れることの多かったこの店だったが、
最近では若手たちの顔も随分と増えた。
ことに『ファンダンゴ・ポ・ラ・ノーチェ』の面々は、
開店前や閉店後、
よほどのときには休憩時間に車までとばしてやってくる。
583
レスター
2008/05/11(Sun) 00:46
綾部と又吉に至っては酒も飲まない癖に
「ママ」特製のまかない目当てで常連になった口で、
今日も「出勤前」に、
(「ママ」〜、今日もうやってる〜?)
と電話をかけてきた。
やってるわけないじゃないのこんな明るいうちから、
と文句をいいながら、結局「ママ」は
まだ掃除やなんやらで準備中の店のカウンターを先に整理して迎え入れ、
所望の一品を出してやった。
584
レスター
2008/05/11(Sun) 00:51
徳井をはじめとする先輩たちから「昭和顔の男前」と詠われる綾部は
そのルックスと人なつっこい性格、独特な話術で
最近とみに成績を伸ばしている。
男前といっても年齢の割に幼くみえるところがあり、
そのせいか自慢の「エロトーク」をまくしたてても
返ってそれが女性客をして「可愛い」と言わしめる個性になっていた。
対して又吉は、ひとことでいって寡黙である。
「白い」というより「青白い」、…というより「血の気がない」顔色は
浮世離れした古風な髪型や服装とあいまって
およそ職業と連結しないオカルティックな雰囲気を醸し出す。
ところが、その穏やかな語り口と文学志向の話題が
新しいジャンルの客層を開拓したのだろう、
ついた顧客が離れず定期的に通って来る、その安定性は一目おくべきものだった。
585
レスター
2008/05/11(Sun) 00:54
店に入った時期が一緒だった綾部と又吉は
気が合っているのか合っていないのか、
それでもやけに行動を共にしていることの多い
よくつかめない間柄である。
「ママ」の店へもたいていは連れ立ってやってきて、
綾部がひとりでマシンガンのように「祐ちゃんトーク」を繰り広げ、
又吉はそれを傍らで聞いていないようでいて、
思いついたように時々小さくツッコミを入れている。
その佇まいがなんとなく気に入っていて、「ママ」は
「今日もうやってる〜」という電話がはいるたび
ついその我が儘を聞いてしまうのだった。
586
レスター
2008/05/11(Sun) 00:58
さきほどから綾部が力説していたのは、
2週間前のあの「事件」。
『ファンダンゴ』の顔であるナンバーワンホスト、
徳井義実の「幼なじみ」である福田充徳が
いわくつきの男たちに連れ去られ
ぎりぎりのところで事なきを得たという、
その奇跡的な救出劇の発端となった電話連絡網のことだった。
587
レスター
2008/05/11(Sun) 01:01
まず、新大久保の飲み屋で福田らしき男の異変を目撃したのが
このあたりを請け負う配送酒屋で働いている田村。
確信はなかったまでも、田村はバー「サファリ」の川島に連絡した。
川島のリアクションは早かった。
その電話はオーナー格の沢村と、その日帰国したばかりの細川へと繋がり、
井上を経て後輩達へと蜘蛛の巣のように広がった。
588
レスター
2008/05/11(Sun) 01:04
「先生がぜんぜんつかまんないから、みんなカリカリしちゃって」
綾部が「先生」と呼ぶのは、徳井のことである。
その日、夕刻まで福田と行動をともにしていた徳井の携帯は
ずっと消音にされたまま、意図して無視されていた。
福田と別れて部屋に戻ったあとも、
よほどの疲労からか意識を失うように眠ってしまい、
細川からの電話が何度目かの振動となってガラスの机を叩くまで
全く気づかなかったという。
「あんたたちも随分走りまわってくれたんですってね」
「びっくりしましたよもう。
聡さんから、すぐ出て来てこのへん全部つぶせって言われて、
いそうなとこ片っ端からまわって」
589
レスター
2008/05/11(Sun) 01:07
ことの首謀である一匹の黒猫。
探しだすために避ける時間があまりないことはわかっていて
全員があせっていた。
「そうこうしてるうちにこいつが急に…
なんだっけ、おまえ」
綾部が又吉を振り返った。
590
レスター
2008/05/11(Sun) 01:09
「おまえあん時、なんつったんだっけ」
「…」
読んでいた本を閉じてカウンターに置き、又吉が言った。
「ふりだしの場所に戻ってるんじゃないか、って」
ふりだしの場所。
又吉がそう表現したのは、
三田の学生街の裏通りにある
小さなコンビニエンスストアのことだった。
591
レスター
2008/05/11(Sun) 01:14
藤森慎吾という名のその黒猫が
この界隈をうろつきはじめたのが1年前。
狭い街だ。
そのうえ、やがて徳井の周りに頻繁に現れるようになったことで
店の関係者にその存在は周知されていた。
「又吉のお客さんにね、あのへんの学校の女子大生がいたんだよね」
その客がある日、店に徳井を訪ねてきた慎吾をみかけ
知っている、と言ったのだそうだ。
(あの子、去年まで大学の近くのコンビニでバイトしてたと思う)
592
レスター
2008/05/11(Sun) 01:20
黒縁の眼鏡が印象的な、可愛らしい風貌が
仲間うちでちょっとした話題となっていた。
(でも急にいなくなっちゃって。
よく一緒に入ってたうちの学校の子も、
そのうち辞めちゃったみたいで)
(私はみてないからわかんないけど、そのあとも
店のそばに立ってるのみかけたって子もいたけど)
593
レスター
2008/05/11(Sun) 01:23
又吉は、綾部と日曜の新宿をやみくもに走りまわっているうちに
ふとその話を思い出したらしい。
せっぱつまって研ぎすまされた感性が
その記憶をある仮定まで補完した。
慎吾にとって、この街に拠点を移す前のネックになったのが
おそらくその店であり、
そして、いまそこにいる可能性は低いにしても
なにかしらの手がかりとなる可能性があると。
つまり、その場所が慎吾にとっての
いまに至る「ふりだしの場所」であると、又吉は考えた。
594
レスター
2008/05/11(Sun) 01:24
半信半疑ながら、綾部はそのことを井上に連絡した。
その時点で、沢村の人脈から、
疑わしい男たちが湾岸の方面に向かっていて、
そこには慎吾とも関係のあるマスコミ関係の男が絡んでいて、
けれどもその男も慎吾も、例の男たちとはいま
行動をともにしていないことがわかっていた。
そこに慎吾がいる可能性のパーセンテージが
わずかながらあがった。
三田にいちばん近い場所にいた細川が車を走らせた。
そうして、コンビニからさらに離れた路地で、
慎吾と、その友人の男を拾ったのだという。
595
レスター
2008/05/11(Sun) 01:32
「茂ちゃんの動体視力もさすがだと思うけど…
マタキチくんのその読解力よねえ」
「でしょ、なんかもう俺、怖いっつうか」
そう言いながら、綾部が
呆れたような、それでいて嬉しそうな
なんともいえない表情で又吉をみやると、
又吉が無表情のまま、親指を立ててみせた。
「キモイキモイ。やめて生気のないグーはやめて」
「祐ちゃん、あんたの相方ほんと味わい深いわあ」
「相方ってやめてくださいよ、芸人じゃないんですから」
596
レスター
2008/05/11(Sun) 01:37
そういって笑ったものの、
正直「ママ」は、事の次第を初めて聞いたとき
心底ぞっとした。
事件の起きるさらに2週間前。
福田と、既に彼に対してなんらかの思惑を抱いていたであろう慎吾が遭遇し、
その慎吾に最終的な決心をさせたと思われる騒動が起きたのは
この店だった。
597
レスター
2008/05/11(Sun) 01:39
あの日、慎吾との短い諍いののち
それまで朗らかな印象しかなかった福田が
崩れるように取り乱し、
「ママ」に訴えた。
(徳井には、言わんといて)
自分が徳井に対して抱いている思いを
徳井には知られたくない。
そういって、福田は泣きじゃくった。
598
レスター
2008/05/11(Sun) 01:42
端でみている限り、
徳井と福田がお互いに同じ気持ちを抱いていることは明白であったし、
二人が一緒にいるときの空気感は
明らかに一般的な「幼なじみ」という佇まいを越えていた。
けれども、おそらくその実年齢からすれば
はるかに奥手であると思われる福田の葛藤と、
その福田に対して、この街で10年ちかくしのぎを削ってきて
百戦錬磨であるはずの徳井が
ある種の緊張感を抱えて距離感をはかっている様子は
まるで昨今著しく復活した恋愛ドラマの中の「純愛」のようで、
「ママ」をはじめとする周囲の人間は逆に
なんのかける言葉もなく、ただ見守ることしかできなかったのだ。
599
レスター
2008/05/11(Sun) 01:45
それが、あやういところで。
ほんのちょっとの不注意から
粉々に砕かれるところだった。
そう思うと、「ママ」は今でも歯の根のあわない思いがした。
「あ〜ちょっと、またそんな顔しないでくださいよ」
「だって…」
「2週間も前の話ですよ」
「でもあれなの?福ちゃん…」
「ああ、ねえ。みたいですねえ」
600
レスター
2008/05/11(Sun) 01:48
肋骨にヒビが入ったという肉体的な損傷のほかに
精神的なショックが心配された福田だったが、
その一連の騒動のことを「ほとんど覚えていない」と言った。
「ラッキーなのかわかんないですけど。
もうほっとんど覚えてないって」
「ほんとに」
「お酒とか飲んでも飛びやすい人っているでしょ。
そういう体質だったんじゃないですかね」
601
レスター
2008/05/11(Sun) 01:54
立ち飲み屋で倒れてから、翌朝、徳井の部屋で目をさますまで
記憶はすべて断片的で、
音声もほとんど伴っていないという。
ぶつぎれでしまいこまれたままの記憶は
フラッシュバックすることがかえって怖いのだが、
だからといって先に消去してしまえる有効な方法があるわけでもない。
「だけどね、やっぱ俺、あの人ちょっと…
なんつうかすごいんじゃないかと思ったのはね、
どうなのかって聞かれて、言ったんですって先生に。
細川さんも沢村さんもいる前で」
602
レスター
2008/05/11(Sun) 01:57
(そら怖かったで。
途中で、なんやねんこれってあせったのは覚えてるし。
…ほんでも、さっき目さめたとき徳井おってくれて。
嬉しかったから、もうそれでええんちゃうかな、って)
603
レスター
2008/05/11(Sun) 02:00
「…」
「なにいっちゃってんの、でしょ。
思いません?なにいってんの福田さん、って」
カウンターの3人と、そして後ろで準備をしながら
それとなく耳を傾けていたスタッフたちがいっせいに笑いだした。
「あああ〜もう!そうなのよ!
そういうことをねえ、しれっという子なのよ〜」
「爆弾ですよねあの人。怖いっつのもう」
綾部が嬉しそうな顔をする。
綾部がよく繰り返す「怖い」はやはり褒め言葉であることに
「ママ」は気づいた。
604
レスター
2008/05/11(Sun) 02:04
それにしても。
今度の騒動は結局のところ
懸念されていた「店の問題」とは若干ずれた個人的な問題から
起きたことではあったが、
だとしてもこのあとに起こりうる騒動の引き金になる可能性があることは
容易に想像出来た。
「あなたたちも気をつけてちょうだいね」
「そう言われるんですけど…正直、なにをどう気をつけたらって
ピンとこないんですよねえ。
俺たち、前の騒動のときはまだいなかったですから」
ああそうか、と思う。
綾部や又吉が『ファンダンゴ』の一員になったのは、
合併後にようやく新店として動きだしたあとのことだった。
605
レスター
2008/05/11(Sun) 02:06
「あのときあのときっていうけど、
そういいながらみんな、あんまり話したがらないっていうか…」
「いろいろあったからね」
「ママ」は溜息をついた。
「茂ちゃんも一樹も、元々ちょっと浪花節だから。
『ノーチェ』も『ミロンガ』もほかの店と比べて甘いところがあったし、
それでも持ち駒だけは揃ってたもんだから店は大きくなってくでしょ。
そんなこんなんで敵が多かったの」
細川と沢村の店が合併して新店を開く。
その噂が流れたとたん、周囲はよってたかって潰しにかかった。
606
レスター
2008/05/11(Sun) 02:09
「バタバタするなかで、あることないこと、噂がとびかって。
みんな疑心暗鬼になってね。
顔ぶれも半分くらい入れ替わったかなあ」
「川島さんもいたんですよね」
「そうよ。あの頃は明も、準ちゃんもいたし」
「…河本さん」
綾部と又吉が顔を見合わせた。
「名前はよく出るけど、詳しいこと聞いたことないんですよね。
絶対自分からは話さないですもん、聡さんが」
607
レスター
2008/05/11(Sun) 02:10
そうだろう、と「ママ」は思った。
あの店で、あの騒動を超えてきた者たちは、
飄々としていながら今も大きな傷を抱えつづけている。
井上にしても。
そして、徳井にしても。
608
レスター
2008/05/11(Sun) 02:11
ただ、それを嘆いていてもしかたがない。
前に進まなければ後ろからきたものに押しつぶされる。
それがこの街だ。
この二人も、やがてその洗礼を受けるかもしれない。
それとも。
なにかを変えてくれるのだろうか。
綾部や又吉のような若い世代が。
そして、
ふとしたきっかけでこの世界に迷い込んで来た
福田のような「異分子」が。
609
レスター
2008/05/11(Sun) 02:13
ただそこにいることで
確実に徳井を変化させている福田の影響力に、
「ママ」は期待をかけていた。
そのためには、
自分にできることならなんでもしてやりたい。
守ってやりたいと思う。
福田にだけではなく、
関わった身内にまんべんなく発揮されるこの母性的な情愛が、
普通にしていれば「兄貴」と呼ばれる方が
よほどルックスに似合うこの男を
「ママ」と呼ばしめている由縁だった。
610
レスター
2008/05/11(Sun) 02:15
「ところでさ。
最終的に福ちゃんって、よっきゅんのところにいることになったわけ?」
「みたいですよ」
そう聞いて「ママ」が小さくガッツポーズをしたのをみて、
綾部が苦笑した。
「なあんですかそれぇ」
「だってー」
「アフターとか全部断って、
信じられないくらい早く帰りますもん、先生。
今日なんか休みとってるし。ナンバーワンがあり得ないっつの」
「休み?」
「なんかねえ」
611
レスター
2008/05/11(Sun) 02:18
「一騎打ちらしいですよ。慎吾と、福田さんの」
初耳な情報に、「ママ」が目を丸くする。
又吉と顔を見合わせて笑いながら、綾部がいった。
「いまごろ<福ちゃん爆弾>のひとつやふたつ、落ちてんじゃねえかな」
612
レスター
2008/05/11(Sun) 02:26
福ちゃん爆弾。
あると思います。
もっかいWOWOWみよっかなあ。
番組とはいえ「気持ち悪い」といわれて
若干むっとしてる福ちゃん。ラブリーだった…(笑)。
ではではまた明日。
レスター
613
悠斗
2008/05/11(Sun) 02:31
更新お疲れ様です。
リアル追っかけしてましたv
又吉君素晴らしい!!得に表現が…「ふりだしの場所」って!!!
レスター様凄いですvvv
福ちゃん爆弾。あると思います。
無意識に投下中。まるで無差別テロ(笑)
そしてそして…ついに同棲スタート!!
ママと同じく私もガッツポーズです。
一騎打ちの方もどうなっているのか楽しみですv
そしてWoWWoW情報ありがとうございます!
見れないのでこうやって書いていただけると本当に助かります。
想像で萌えられますから(笑)
ではでは、失礼いたしました!
614
lilynico
2008/05/11(Sun) 02:49
レスターさま。夜分にこんばんは。
ご無沙汰しております、lilynicoです。更新お疲れ様でした。
レスターさまの、私が一番すてきだなと思うところは。
1スレ目で書かれてるように、ありとあらゆる「ネタ」を拾って、
それを最高に美味に調理されるという、シンプルで難しいことを
ひょいっとこなされているところです。
酒販業界で働いていたママ、オリラジのコンビニバイト…
挙げだすともうキリがありませんが、
とにかく私の中で些細なものだった「ネタ」たちが、
レスターさまのおかげでとてつもなく愛しいものになっていくばかりです。
なんだかくすぐったいこと言ってしまって、すみません。
自分でもちょっとひいてます(爆)
とりあえずは一旦、収まりを見せそうな感じでしょうか?
次回の《福ちゃん爆弾》、楽しみにしてます(笑)
あとですね、ほんっとうに今更なんですが!
LIVESTAND'08、ならびに昨日のWOWWOWレポ、ありがとうございました。
見にいけなかった&見れない、ので本当にありがたかったです…!
お話+レポの究極コンボで、今夜もステキな夢を見られそうです〜。
ではでは、この辺で。
615
名無しさん
2008/05/11(Sun) 04:39
レ、レスター様。
更新お疲れさまでした。
大好きな「ママ」の登場うれしゅう思いました。
しかしやっぱり最後の
一騎打ち
早く読みたいーーーーー!!!
福ちゃんの爆弾投下シーンを!!!
更新の続きをたのしみにしています。
616
蓮々
2008/05/11(Sun) 04:49
いつもと違うパソコンなので名無しさんになってました。
上記コメントは蓮々です。
そして…天津木村エロ詩吟師範代(たしか)様は
富士TVの赤絨毯で「赤絨毯賞」を取られてましたね。
内容がゴールデンタイムバージョンだったのでインパクトにかけたように
思われましたが、赤絨毯賞(ややこしい)を取るなんて感慨深いものが
ありました。(なんせまる金で苦し紛れにやった印象が強いので^^;)
話の内容に関係なくてすみません。
レスターさまの「あると思います。」で思い出したので。
(て、いうか書きたかった。笑)
617
柚雨
2008/05/11(Sun) 10:32
連絡網、ありがとうございました!
みんながあの界隈を走り回ってる様子が目に浮かぶようです。
>蜘蛛の巣
で、∞で徳井さんが話してた恋愛スパイダーを思い出し、(あの時、現場で聞いてました(笑))
マタキチの活躍に、∞で芥川龍之介のドッペルゲンガー話をしてた時の楽しそうな表情を思い出しました(笑)
細川氏の動体視力は響鬼で培われたものでしょうか(笑)
セクスィー部長の冷静な活躍も嬉しい限りです。
福ちゃんがほとんど何も覚えてなくてよかったです(涙)
なにより、徳井さんと福ちゃんが一緒に暮らすようになったことが嬉しくてたまりません。
いそいそと店を後にする徳井さんの姿が見えるようです。
<福ちゃん爆弾>の威力は無意識な分、破壊力抜群なのでその衝撃たるや!
目覚めた後の一言には身動きが取れなくなりました。
一騎打ちでの投下を楽しみにしています。
福ちゃんと一緒♪なオリラジロケを何度もリピートしています。
芝生の上の福ちゃんの上の慎吾。の構図には私も度肝を抜かれました。
しかも福ちゃんになんてポーズをさせてるんでしょうか!
あれじゃまさにハメど…(自粛)
後で流れた写真は別のポーズの福ちゃんが満面の笑みを浮かべてましたね〜。
あっちゃんにアイスクリームを食べさせてもらう福ちゃんに徳井さんがジェラっとしてるといいです(笑)
あの写真集をぜひ出版して頂きたいですね。
ギョーテックで床の上に丸まった福ちゃんもとってもエロかったです♪
長文になってしまいすみません…。
618
レスター
2008/05/12(Mon) 03:26
>悠斗さま
うわあ、昨夜は遅い時間までほんとにありがとうございました!
どんな力技も「又吉だから」で通るような気がして
ついつい働かせてしまうマタキチくん。
福ちゃんとよっきゅんのあぶなっかしい新生活が
うまく軌道にのりますよう、「ママ」とともに悠斗さま、
どうぞ見守ってやってくださいませ(笑)。
WOWOW、レポともいえないようなレポでごめんなさい。
渋谷の道玄坂まで走った時に福ちゃんが
「しんどい」的なことを言い出して酸素バーに寄ったのですが、
そこで撮った写真がまた怯える小動物みたいでかわいかったですよー。
お得意さん、同行したかっただろうなあ…。
>lilynicoさま
うわあ、そんなふうにおっしゃってくださって
ほんとにありがとうございます。
いやいやもう、中途にしても東洋にしても、
芸人さんって話したがりなんですかね。
ネタの宝庫なんですよね。
みなさまが大切になさってるエピソードとかを
変にいじったりしてはいけないなあと思いつつ、ついつい。
失礼がありましたらどうぞ教えてくださいませ。
lilynicoさまがいつでもステキな夢をみてお休みになるため
この拙いスレがすこしでもお役にたちますのならば、
こんな嬉しいことはありません!
619
レスター
2008/05/12(Mon) 03:50
>蓮々さま
蓮々さまに「 ママ」の登場を喜んでいただけて
たいへん嬉しゅうございました、ありがとうございます!
一騎打ち…考えてみると、あんな小動物同士みたいなカードで
いったいどんな一騎打ちになるのかという話で。
まさか「アタシの義実に手ださないでよ!」「キー、なによこの泥棒猫!」
みたいなことにもならないでしょうし(笑)
ともあれ、天津木村です。いい声してますよねえ。
赤絨毯賞とったんですか!すごーい。うわあ見ればよかったな。
師範代としても全国ネットで吟じまくってほしいし(ネタ、全国向きじゃないけど)
天津としてもがんばってほしい木村!なぜか語りたくなる木村!
○金チームが応援してるぞ〜。
>柚雨さま
連絡網、あんなかんじで!
そして、柚雨さまから「響鬼」と「セクスィー部長」というお言葉がでて
なんかめっちゃ感激しています(泣笑)。
沢村さんが間違って「川上くん」にならないよう
気をつけて描いてまいりたいと存じます。
福ぽん+オリラジロケ。そうだ、あのポーズ…慎吾〜。
写真集をみせられて「やっぱ気持ち悪い」「いらない」といったお徳井の本音は
はけていくときの軽やかなダンスに集約されていましたよね(笑)。
ギョーテックの丸まった福ちゃんもほんとショッキングでした。
中途をみていると、週末も身体と頭が休まりませんが、
みなさんと一緒に楽しめるなら。これからもよろしくお願いいたします!
620
レスター
2008/05/12(Mon) 04:01
レスターです。
福ちゃん爆弾といえば、いつかの深イイ話ででた
成功の方程式。
成功=仕事+遊び+□□□
最後の □□□ に自分ならなにが入るか、という問いに
「徳井」です、と断言した福ぽん。
しかも紳介さんに「徳井はおまえの心臓だ」と背中を押されて、
満面の笑みで「離さへんで!」と宣言した福ぽん。
向かいの席のお得意陥落。もうやだこんなコンビ。
こんな時間ですが、ちょっとだけ。
621
レスター
2008/05/12(Mon) 04:02
煙草をくわえて、火をつける。
大きく吸い込むと、日が暮れたばかりの薄闇に
煙草の燃え先が紅くにじむように光って、
吹き抜けるゆるい風に白い煙が煽られ、流れていった。
徳井は、青山の裏通りにあるオープンカフェの
入り口のすぐ脇、
通りに面したデッキにあるテーブルに
ひとりで座っている。
622
レスター
2008/05/12(Mon) 04:04
(絶対、話に入ってこんといてよ)
(でも、おまえ…)
(1対1、いうてんのやで。
おっさんが援軍付きなんて絶対あかんやろ)
(やけど)
(かわいそうやんか)
(…)
(あいつのほうがしんどいのに)
店の前で、福田にそう釘をさされた。
行きも帰りも付き添う、
徳井はそれだけはどうしても譲らなかったが、
離れたテーブルに座り、
話が終わるまで口を出さないことを
約束させられた。
623
レスター
2008/05/12(Mon) 04:05
―――かわいそうやんか。
あいつのほうがしんどいのに。
どうしたら、そんな台詞が出るのかと思う。
あんな思いをしたのに。
あれから2週間、
福田が慎吾を悪く言うことは、一度もなかった。
624
レスター
2008/05/12(Mon) 04:06
徳井は、少しだけ身体を傾けて
後方をみやる。
3、4列うしろ、店内に深く入り込んだあたりの
二人掛けのテーブルに
福田がひとりで座っている。
テーブルにひじをつき、
ジントニックの背の高いグラスのそばで
軽く合わせた手先を放り出し、右手の爪を弾いていた。
緊張している。
ああは言っても。
照明の落とされた店内は、ゆるい間接灯と
それぞれのテーブルに置かれた小さなキャンドルだけだ。
福田の表情は、よく見えない。
625
レスター
2008/05/12(Mon) 04:07
あれから少しずつ状況が変化するなか、
ほどなくして
徳井の右頬と指先の絆創膏はとれたが、
ひびの入った福田の肋骨はあいかわらず痛み続け、
飛んだはずの記憶が
くすんだストレスとなって福田の中に影を落とした。
それで。
福田はしばらくのあいだ、
徳井の部屋に「間借り」することになった。
626
レスター
2008/05/12(Mon) 04:08
慎吾が会いたがっている、と
細川から徳井の携帯に連絡が入ったのは、おととい。
新しい生活のペースと距離感に
二人がようやく慣れて来た頃だった。
(どうする)
そう聞くと、
床に座り込んで洗濯物を畳んでいた福田は
手を休めることもなく、
まるでなんでもないことのような顔で
(ええよ)
と頷いた。
627
レスター
2008/05/12(Mon) 04:09
(あさってやって。夜)
(うん、大丈夫)
(…なんか、頭来るな)
(なんで)
(普通こっちの予定、先に聞いてくるやろ)
(アハハ、そやなあ)
つとめて明るく振る舞う福田が、
大きな物音や、急に動いた人影―――それが
徳井であってすら―――に
いちいち身を竦めていることに気づいている徳井は、
いま、刺激になるようなことは
出来る限り避けてやりたいというのが本音だった。
628
レスター
2008/05/12(Mon) 04:10
(無理せんでええで。話やったら俺、聞いてくるし)
(やって、俺と話したいいうてんねやろ)
(…)
(行くわ)
(ほんまに大丈夫なん)
(いっこいっこ、片つけてかな…)
福田は、器用に畳んだシャツを
徳井の胸元に軽く投げてよこし、
(…どっこにも進まれへんもん)
そういって笑った。
629
レスター
2008/05/12(Mon) 04:11
やがて、店の入り口の木製のデッキに
乗り上げた靴音がした。
2つの人影があった。
ひとりが、そのままゆっくりと店内へ入っていく。
慎吾だった。
もうひとりはそこに留まり、
ゆっくりと徳井を振り返った。
敦彦だった。
630
レスター
2008/05/12(Mon) 04:12
徳井は、怒りに近いような苛立ちが
ふっと胸の奥にわきあがるのを感じた。
敦彦は、しばらく迷ったのち
意を決したように徳井のテーブルへ2、3歩近づき、
頭を下げる。
「すみませんでした」
「…俺に謝られても」
「…」
631
レスター
2008/05/12(Mon) 04:13
敦彦の肩がわずかに揺れる。
…いや。この男に当たっても仕方がない。
徳井は、高ぶった神経を鎮めるように
煙草をくわえて大きく息を吸い込み、吐いた。
「っていうか、君が謝らんでも。
感心してたで細川さん」
「…」
「中田くん、たいした順応力やったって」
敦彦が顔をあげ、声色の和らいだ徳井の顔を
おそるおそる覗き込む。
その目に、完全に戦意を喪失した徳井は少しだけ笑って、
煙草の口の端にくわえたまま
隣の椅子の背をひいてやった。
632
レスター
2008/05/12(Mon) 04:14
遠慮がちに腰掛けながら、
敦彦が店内を振り返る。
つられて徳井も、その視線の先、
福田の座っているテーブルを探す。
そのテーブルの真横に慎吾が立ち、
その慎吾に福田が気づいて
座ったままその顔を見上げたところだった。
633
レスター
2008/05/12(Mon) 04:17
WOWOWのパフェ食べた店、
結構、夜遅くまでやってるんですよね。
ときどき行くのでびっくらこいた。オムライス美味し。
この場面の店がまえ、あんな感じやと思ってくださいませ。
明日、またつづきます。レスター
634
悠斗
2008/05/12(Mon) 09:07
更新お疲れ様です。
直接対決。ドキドキしながら見守っております。
時々垣間見える怯えとかから踏み出そうとする福ちゃん、
援護はいらない言ってますけど、したくなりますよ。男前やなぁ。
続きを楽しみにしてます。
635
柚雨
2008/05/12(Mon) 09:32
いよいよですね。
福ちゃんの言葉が慎吾の胸に届きますように。
身を竦める福ちゃんに泣きそうです。
福ちゃんの心の傷が一日でも早く癒えることを祈ってます。
徳井さんが傍で見守っているから心配ないですよね。
ドキドキしながら更新を楽しみにしています。
636
みなみ
2008/05/12(Mon) 11:14
レスターさま
おはようございます!
怒涛の連休を乗り切ったみなみです。いっぱい更新されてるので、ウキウキで読んでます(♪)
遅くなってしまいましたが、ライブスタンドのレポ「めっちゃ」楽しませていただきました、本当にありがとうございます(ぺこり)
秋には地元で開催する大イベント・・・行きたいなぁ、と想いを馳せております。
上にある深イイ話の時、紳介さんのパスをキレイに打ち返した福ちゃんに、芸人魂を見ました。
TVの前で「よし!」ってもはや母の気持ちです。友達に冷やかされたカップルかあんたらは、の徳井さんの笑顔にもやられっぱなしです(笑)
次回の更新をイイコでまってます(正座)
637
レスター
2008/05/12(Mon) 12:36
>悠斗さま
そういえば、テレビなんかでも
福ちゃんが「大丈夫やで」とかいってるときに限って
よくお得意さん、福ちゃんのこと見てるよな…
どうもねえ、ついつい構いたくなるところがあるんですよねあの人。
悠斗さまもぜひ、男前な感じで守ったってください。
(しかし、影からとんでくるお得意の鉄拳にはくれぐれもお気をつけて)
いつもほんっとにありがとうございます!
>柚雨さま
はい、いよいよでございます。
福ちゃんと慎吾が仲良くなったら、
これ以上可愛い絵柄ってないからして…
なんかの企画で、4人で温泉とかいかないかなあ。
旦那さんコンビ、社会復帰できないかもしれません(笑)。
などと妄想しつつ、がんばる福ぽんをよろしくお願いします。
いつもいつもほんっとにありがとうございます。
>みなみさま
いらしてくださってありがとうございます。怒濤の連休、お疲れさまでした!
ライブスタンド、なんかもう遠い昔のようです(涙)。
秋の大阪…いいですよね〜。ああ行きたい。
深イイでの紳介さんと福ちゃんのやりとり、しかもそれが
だんだん変化してくのをみていると、
ああ紳介さんの「育て方」ってこういうことなのか、と感心するです。
育て甲斐のある魔性の地味芸人、福田充徳。
ひとり占めしているお得意さんがうらやましい(笑)!
638
レスター
2008/05/12(Mon) 14:57
慎吾は、しばらく黙ったまま
福田を見下ろしていた。
やがて、
「治ったの、そこ」
といいながら、あごをしゃくって
テーブルに半分隠れた福田の脇腹に視線を投げた。
シンプルなサポーターを巻いただけのそこは
細身の福田が上からシャツを纏ってしまえば
見たところなんの違和感もない。
639
レスター
2008/05/12(Mon) 14:59
「まあなあ。
折れたわけやないし、こんくらいやったら骨ってな、
くっつくの待つしかないんやて」
「…ふーん」
慎吾は無愛想に返事をして
福田の隣の席に乱暴に腰掛ける。
「年食ってっから、くっつくのも遅えんだろ」
カシスソーダ、と注文する拗ねた子供のような言い方に、
福田は苦笑した。
640
レスター
2008/05/12(Mon) 15:00
しかし。
「で、なによ」
「―――…はあ?」
これにはさすがの福田も呆れて、すっとんきょうな声をあげた。
「呼び出したん、そっちやないけ!」
「だって」
前方に視線を投げながら、
あいかわらずふて腐れた調子で慎吾がいう。
「ちゃんとしろっていうから…あっちゃんが」
641
レスター
2008/05/12(Mon) 15:02
あっちゃん。
「中田くん」のことだろうか。
福田は、あの日「活躍」してくれたという
慎吾の友人の名字にいきあたる。
福田は、一度もその姿を目にしていない。
やけに細川が褒めていた。
(それになんか可愛いのよ、なんちゃらザウルスみたいで)
福田は、すこしだけ伸び上がって
3つほどテーブルを飛び越えた先の徳井の後ろ姿をみやった。
隣に、さきほどまでなかった人影がある。
短くした髪をまんなかだけ立てた、恐竜の子供みたいな頭。
ーーーあれが「あっちゃん」か。
福田は微笑んだ。
642
レスター
2008/05/12(Mon) 15:03
敦彦が、徳井にいう。
「あいつ、ずっと迷ってたんですよ」
福田さんに会わなきゃいけないって。
ほんと、毎日そればっか考えてたんじゃないかな」
敦彦の注文したコーヒーが運ばれて来て、
灰皿に置いた徳井の煙草の煙に寄り添うように
白い湯気をたてていた。
643
レスター
2008/05/12(Mon) 15:04
「けど…福田さん怪我したっていうし、
タイミングとか…でもそんなしてたらどんどん日がたっちゃって、
怖くてもう電話できねえっていうから、
それでおととい俺が細川さんに電話して取り次いでもらって」
そこまで一気にいってしまうと、
敦彦は、あらためて徳井のほうへ向き直った。
「そんで遅くなりました。
ほんとに、すいませんでした」
644
レスター
2008/05/12(Mon) 15:05
ーーーようやく、手が離れた。
徳井は安堵した。
この男が傍らについていれば、もう
あの情緒不安定な黒猫が道に迷うことはないだろうと。
645
レスター
2008/05/12(Mon) 15:07
慎吾が、紅く冷えたカシスソーダのグラスを
ストローでかき回すと、
スクエアな形に積まれた氷が涼しげな音をたてた。
「一緒に住んでんだって?」
「…いうても、別にあれやで。
しばらく居候さしてもろてるだけで」
「ふん」
さして興味もなさそうに、慎吾は鼻をならして
グラスに口をつけた。
646
レスター
2008/05/12(Mon) 15:08
事件のあと、
2日ほど徳井の部屋で休ませてもらって、
いったんは福田は自分の部屋に戻ったのだ。
はっきりと痛みの残った脇腹以外は
意外となにも残らないものだと、
自分の神経の太さに我ながら感心していた。
けれどその数日後に、フラッシュバックは突然やって来た。
かろうじてかけた電話に徳井が駆けつけるまで、
福田は真っ暗な台所の隅でしゃがみこんでいた。
647
レスター
2008/05/12(Mon) 15:11
(―――やから…俺んとこにおってや)
そうつぶやいた徳井の背中が、
それにまわした自分の手と同じように震えていたのを思い出して、
胸がつまる。
648
レスター
2008/05/12(Mon) 15:12
これ以上、周囲に心配をかけたくはなかったから、
ぶり返しがあったことは誰にも話していない。
もとより慎吾にも、話すつもりはない。
福田は少しだけあがった動悸を抑えようと、
ジントニックのグラスに口をつけた。
649
レスター
2008/05/12(Mon) 15:14
「…で」
と、慎吾が口を開く。
福田は、グラスを手にしたまま視線だけを慎吾に向けた。
そして、その後に続いた、
「義実とは、もうヤッたの?」
という言葉に。
喉に流し込みかけたジントニックを思いっきり吹いた。
650
レスター
2008/05/12(Mon) 15:15
いろいろとお行儀の悪いところですみません。
またのちほど!
レスター
651
柚雨
2008/05/12(Mon) 16:15
なんだか憑いて(笑)回ってるようですみません…。
素直になれない慎吾、可愛いですね〜。
早く言ってすっきりしちゃえばいいのに(笑)
小学生の男の子みたいで、頭をぐりぐりしたくなります。
弱ってる福ちゃんに弱いので、しゃがみこむ福ちゃんを想像しただけで息が苦しくなります(涙)
徳井さんの胸の傷も福ちゃんが傍にいることで癒えていきますように。
4人で温泉!いいですね!
うわーー妄想しただけでニヤニヤが止まらなくなります♪
ニヤニヤしつつ更新をお待ちしています。
652
トーリィ
2008/05/12(Mon) 16:25
あわあわww
突然の慎吾くんの質問に私も吹いてしまいましたv
いやぁ・・・それにしても、
ほんとにレスターさまの文章力は素晴らしいですね!
鳥肌がたってしまいます。
福ちゃんと慎吾くんの関係がこれからどう変わっていくのか楽しみです。
ライブスタンド&WOWOWレポありがとうございましたw
WOWOWの15日間無料体験に申し込んだので
23日のライブスタンドが楽しみです!!
653
名無しさん
2008/05/12(Mon) 17:45
自分は全く笑えないっす。
藤森・・・無神経な質問ですねー。
作者さんに何か意図があっての事と思いたいですが。
続き待ちます。
654
さくら
2008/05/12(Mon) 19:11
初めまして♪
ずっとロムっておりましたが
1から全部読ませて頂きやっと追いつきましたので
ここでお礼を言わせてくださいませ。
レスター様の文才素敵です、惚れてしまいました(笑)
レスター様の中途への想いとか
私と同じように読んでいるファンの方々の想いとか
そういうものを感じて私もますます中途を好きになりました。
皆様に出会えて良かったとしみじみ感じております^^
いやー、慎吾くん最低ですね(笑顔)
更新楽しみにしております!
655
レスター
2008/05/12(Mon) 20:22
>柚雨さま
いやいやもうもう、
柚雨さまに憑いて(笑)いただけるなんて、光栄の至りでありまして。
どうもありがとうございます。
ワタクシWOWOWで、春奈ちゃんにケツカッチンされて
波打ち際にぽつんと取り残された慎吾の後姿に、
そして浴衣姿で足湯のままはるかちゃんにケツカッチンされた
あっちゃんの姿に、すっかりやられてしまいまして(惚)。
中途がそこに絡んだらまたどんだけファンタスティックかと
思ってしまいまして。○金も惜しいけど、ジャンプもほんとに惜しい…。
>トーリィさま
お越しくださってほんとありがとうございます!
福ちゃんと慎吾のバランスは
あらかじめ予告された女子高生同盟なので(笑)
これからどんどん変わっていくと思うです。
だって、並べるとめっちゃかわいいんですもん。
ビバ、WOWOW15日間無料体験。
ライブスタンド、自らレポートしたことが、
リアルの空気にあてられた過剰広告でないかどうか
ワタクシも今からどきどきしております。
ともあれ23日、楽しみですねえ!
656
レスター
2008/05/12(Mon) 20:34
>653さま
めっちゃドキッとしました…
いや、そらそうですわ。
意図というと私なんかにはたいそう過ぎるんですが、
今までの流れと、この先の展開のなかで
慎吾に言わせた台詞ではあるんです。
筆の力不足なんか、留めどころを誤ったのか。
慎吾が無神経なわけではないんです、ごめんなさい。
このあと、なんでこの台詞が出たのかという部分は
できる限りあけっぴろげますので、
それで653さまのつかえが払拭できれば、
と願いつつ更新させていただきます!
>さくらさま
初めまして!うわあ、ありがとうございます。
い、1から…もったいないことでございます。
なんていうんでしょうねえ、ここにたどりつけたことは
後発の中途ファンの私にとってもほんとうにラッキーなことで、
なぜって、思いを同じくする中途ファンの方々と
(まったく同じでない場合もあるかもしれないけどそれは問題なく)
そして「芸人」」の醸し出す特殊な世界観みたいなものを
共有できる人たちとたくさん出会えたからなんですよね。
さくらさま、いらしてくださって本当にありがとうございます。
慎吾、行儀は悪いけど、いい子です(笑)。
今後とも、どぞどぞよろしくお願いいたします!
657
レスター
2008/05/12(Mon) 20:47
レスターです。
このまんまじゃ慎吾に申し訳がたたん。
更新します(詩吟師範代風)。
658
レスター
2008/05/12(Mon) 20:51
「ちょ…きったねえなあ!」
いきなり咳き込んだ福田と
声のトーンをあげた慎吾に、
すぐそばにいた店員が驚いて振り向いた。
「…っ…て、おま…ゴホッ…」
「そのりアクションどっちなの、ヤッたの」
「…」
「まだなの?」
「…」
「…まだなの?マジで!?」
「…痛っ…」
「だってあんた勃つって…え、なに?」
「…−−−痛え、アバラ…」
「うそ!え、ちょ…」
体を丸めたままむせる福田に、
意外なことに、慎吾が慌てた。
659
レスター
2008/05/12(Mon) 20:52
「や…どーすりゃい…」
「…」
「義実呼んで…」
「…そんな、ん、ちゃう…そんなんじゃ…」
福田の右手が、慎吾のシャツの袖口をつかんだ。
660
レスター
2008/05/12(Mon) 20:55
横隔膜の振動は、肋骨に直接響く。
サポーターやコルセットなど、
まるで役にたたない。
ようやく息のととのった福田が、
涙目で恨めしそうに慎吾をみあげた。
「おまえ、なあ…」
−−−ええかげんにせえ。
そう言おうとして、
福田は言葉を飲み込んだ。
661
レスター
2008/05/12(Mon) 20:56
黒縁の眼鏡の奥から福田を見る慎吾の目は、
あまりにもあどけなかった。
662
レスター
2008/05/12(Mon) 21:08
空気の動いた店内の雰囲気に振り返った
徳井と敦彦の視界に、
体を丸めた福田の姿が飛び込んだ瞬間。
徳井が弾かれたように立ち上がった。
そしてそれとほぼ同じ瞬間に。
敦彦の手が徳井の腕を掴んだ。
663
レスター
2008/05/12(Mon) 21:17
「おまえ…」
「待ってください」
「離せや」
「徳井さん!」
後方のテーブルから目を放さない徳井に、
敦彦はくい下がった。
「あいつ、駄目なんです。
知らないんです。
ああいう言い方しか、出来ねえから」
そんなこと、どうでもいい。
徳井は、敦彦の腕をほどこうともがいた。
「殴っていいですから!
俺の肋骨でもなんでも、折ってくれていいですから」
敦彦は、必死だった。
「もう少しだけ、待ってやってください」
664
レスター
2008/05/12(Mon) 21:31
慎吾の目は、
言葉にならない問いかけを繰り返した。
ヒビの入った肋骨のせいなのか、と。
いや、
肋骨にヒビの入ったあの日が
福田に残した、
傷のせいのか、と。
「…ちゃうよ」
福田は。
「そうやない」
子供を諭すように、そう言った。
665
レスター
2008/05/12(Mon) 21:40
−−−そうやない。
そこまで言ってしまえば、嘘だ。
あの出来事が福田に残した傷は、
決して小さくはない。
けれども。
それ以前から、それよりも大きな理由があった。
「俺が、あかんねん。
…ビビっとる。
やって俺たち、幼稚園から一緒やったんやもん」
666
レスター
2008/05/12(Mon) 21:43
福田の手のなかのグラスで氷が溶けて、
カランという音がした。
「30年近くもたって、
この歳になって、いまさらそんなんなるって。
−−−どないしたらええんかわからへん」
667
レスター
2008/05/12(Mon) 21:49
仕事片付けたらまた来ます。
のちほど。
レスター
668
レスター
2008/05/13(Tue) 00:50
「どうなるんやろなあ」
踏みとどまっているこのラインを
ーーー超えてしまっても。
小さいころから一緒に
見たり聞いたりしてきたこと、
ちゃんとそのまま残っててくれるん?
前とおんなじふうに、話したり笑たりできるん?
めっちゃ距離感とか近なって、
頭んなか、そいつのことだけになってもうたりするんやないの?
669
レスター
2008/05/13(Tue) 01:25
「そうなってから、やっぱりこれなかったことにして
前の幼なじみに戻りましょうとか、
そんなん無理ちゃう」
「あのねえ!」
黙って聞いていた慎吾が、
「なに女子中学生みたいな…っていうか…」
とうとう笑い出した。
「なんで俺が、あんたの恋のお悩み相談にのんなきゃなんねーの」
福田は、ちょっと驚いたような表情で
慎吾が笑う声を聞いていた。
そして、やがて小さく、
「ああ…ごめん」
とつぶやいた。
670
レスター
2008/05/13(Tue) 01:30
慎吾は、不思議でしかたなかった。
ごめん、だって。
こいつなにいってんだろ。
なに、グダグダ悩んでんだろ。
知らないのかなあ。
あの日、義実がどんだけテンパってたか。
ヤッてようがヤってまいが、
義実の頭んなか、あんたのことしかないじゃんか。
あの日だけじゃない。
たぶん、ずっとそうだったんだ。
あんたと別れて、故郷を離れてから。
もしかしたら、そのずっと前から。
671
レスター
2008/05/13(Tue) 01:40
敦彦がまだ、徳井の腕をつかんでいた。
「…」
徳井の視線に気づいて、あわてて指をほどく。
「すいません」
「いや…ごめん」
よほど強く握っていたのだろう、
解放されたその箇所に血が通ってじわっと痺れるのを
徳井は感じた。
672
レスター
2008/05/13(Tue) 02:01
あらためて、後方のテーブルをみやる。
不思議な光景だった。
福田のすぐ横に座った慎吾が、笑っている。
「なんだろ、あれ」
敦彦がつぶやく。
「…なんやろな」
徳井が応えた。
なにを話しているのか、
福田と慎吾のバランスは、
刻々と変化しているようにみえた。
673
レスター
2008/05/13(Tue) 02:04
そのとき。
ただでさえトーンの高い、
よく通る慎吾の声が、
静かな空間にあまりにもクリアに響き渡った。
「セックスって、そんなたいそうなもんじゃないから!」
674
レスター
2008/05/13(Tue) 02:12
徳井も、敦彦も。
店のなかの誰もがギョッとして
慎吾を振り返ったが、
誰よりも慌てたのは当然、
すぐ隣から、正面切って、しかも真剣な表情で
そう断言された福田だった。
「ちょ、ちょおまえ…」
「だいたいが男同士なんて気をつけることだけ気をつけてりゃ
減るモンでもねえしなんか出来るわけでもねえし」
「待て待て、ちょっと」
「痛いだのキモイだのって最初だけなんだから、
慣れたらどってことない…」
「おい!」
「生理現象なの!な?
好きだの嫌いだの、そんなんとリンクしてねーんだから。
だから、そんなめんどくせえこと考えてグダグダやってたら
あんた、ほんとにじじいになっちまうぜ」
675
レスター
2008/05/13(Tue) 02:16
ーーーああ。
福田は、ふと思った。
ああ、そうか。
こんなふうに、感情と感覚を切り離すことで。
慎吾はたったひとりで、恐怖や孤独といったすべてを
飲みくだしてきたのだろう。
まだ子供みたいな顔をして。
福田に負けないくらい、華奢な身体で。
676
レスター
2008/05/13(Tue) 02:28
とはいえ。
ここでこの話は、これ以上は勘弁だった。
「だから、とにかく一発…」
「もうええもうええ、もうええ!
ためになるお話ほんまにありがとう!」
福田は、慎吾の両肩を掴んで、
なおも言い募りそうなその口をようやくせき止めた。
「なんでそんな、ぐいぐい勧めてくんねん…」
なぜ止められたのかわからないといわんばかりの表情の慎吾に対して、
その肩に手をかけたままがっくり脱力した福田は
すっかり息があがって、耳まで赤くなっていた。
677
レスター
2008/05/13(Tue) 02:43
どうにかおさまったらしい後方の様子に
徳井と敦彦はため息をつく。
しばらくして、敦彦がいった。
「…どう思います?」
「え?」
「徳井さんは、その…」
言いよどんでから、
「やっぱ、いいです」
椅子に身体をストンと落とす。
その様子に微笑った徳井は、新しい煙草に火をつけた。
「…今の?」
「…」
「俺はおおむね、あの大演説に賛同するけどな」
「…」
「例外はある」
678
レスター
2008/05/13(Tue) 02:47
徳井が、人差し指と中指に挟んだ煙草をくわえて
大きく息を吸い込み、ゆっくりと煙を吐き出した。
「割り切れん相手がーーー
どうしてもリンクしてまう相手が、ひとりだけ、おる」
店の前を通りすぎる誰もが思わず目をとめるような
この美しい男が、
いま誰を思い描いてそうつぶやいているのか。
敦彦は、複雑な感情にとらわれていた。
679
レスター
2008/05/13(Tue) 03:13
福田と慎吾の前に新しいグラスが運ばれ、
代わりにあいたグラスを引き取った店員は
すぐさまテーブルを離れた。
ふたりの会話が気になりつつも、
少なくとも形だけはプライバシーを守って
無視を決め込んでくれるつもりのようだった。
「…なあ」
冷えたグラスに指をすべらせながら、
福田が静かに言う。
「もう、あんまり心配かけんなや」
思いがけない単語に驚いて、慎吾は顔をあげた。
「迷惑、かけんなだろ」
「ちゃうよ」
福田は、よりはっきりと繰り返した。
「心配、かけんないうてんねん」
680
レスター
2008/05/13(Tue) 03:20
慎吾が呆れたように笑う。
「誰がすんのそんなもん」
「みんなや」
福田は、まじめな顔で応えた。
「あっちゃん、やろ」
テーブルの上の水滴を弄んでいた慎吾の指先が止まった。
「細川さんも沢村さんも。
「ママ」も。井上さんも。それに…」
福田は一瞬息をとめるようにして、続けた。
「徳井やって」
「おまえのこと、みんな心配しとる」
681
レスター
2008/05/13(Tue) 03:30
「…わかんねえ」
慎吾はつぶやいた。
「わかんねえ、ほんっと。
なんでそんなこといえんの?
腹たたねえの?
殴ればいいじゃん。仕返しでもなんでもしたらいいじゃん。
あばらの1本でも2本でも折りゃいいじゃねえか」
福田の思考のいっさいが掴めなくて、慎吾は混乱した。
682
レスター
2008/05/13(Tue) 03:34
「…そうなんやけどなあ」
福田は、静かにそれを受けた。
「ずいぶんな目に遭わしてもろたし。
初対面もときもさんざんやったし。
おまえが…」
福田の表情が少しだけ硬くなった。
「俺の知らん徳井のこと、知っとるんかなあとか思たら、
正味…しんどいのもある」
683
レスター
2008/05/13(Tue) 03:39
「やけど、そうやって考えてくやろ。
そうすると、結局こう思うんよ。
ーーー俺が徳井とまた会えたんは、
おまえがおったからやないかって。
おまえがおってくれたから
徳井はこの街におれたんやないかな。
おまえがおったから、
寂しなかったんちゃうかなあ、とか。
あんまり突き詰めるとイラっと来るから
そんな掘り下げて考えてるわけやないで。でも」
684
レスター
2008/05/13(Tue) 03:43
「やっぱ最終的に、
おまえなんかおらんかったら、やなくて、
おまえがおってくれてよかったなあ、に
どうしてもなってまうんよ。
やから。
ーーーありがとうな」
685
蓮々
2008/05/13(Tue) 04:10
更新途中でしたらすみません。
若く大胆発言の慎吾くん。
悟りを開いたような思考の福ちゃん。
目の前にいらっしゃたら手を合わせてしまいそうです。
CMの“お仏壇のはせ○わ〜♪”のように。
必ず続きは読ませていただきます。
更新おつかれさまです。^^
686
レスター
2008/05/13(Tue) 07:34
>蓮々さま
お仏壇〜のはまや〜♪
うわあ夜明けにお寄りくださって…(涙)
すみません、いつのまにやら力尽きて
気づいたら朝やった…。
こんどお寄りいただけるときまでに
きりのいいとこまでいっときます。
いつもありがとうございます!
687
レスター
2008/05/13(Tue) 08:04
敦彦は、通りの向こう側に視線を投げながら言った。
「俺…やっぱわかんねえ」
なぜ、自分が慎吾にこだわるのか。
「いろいろあって…あいつ急にいなくなって。
探しようもなくって、
俺しばらくそのことばっか考えてて、
単位とかもごっそりパーにしちゃって」
なぜ、慎吾なのか。
「考えてみたら、俺ぜんぜんあいつのこと知らねえし」
なぜ。
「思ってることぜんぜん違うし」
偶然に再会して、いまこうして一緒にいるのか。
「…わかってやれないかもしれない」
688
レスター
2008/05/13(Tue) 08:13
同じだ、と徳井は思った。
起点は違っても。
なぜだ、と思う不安な気持ちは。
「慎吾なあ…ほんまに失礼なやつでな」
敦彦が、徳井に視線を向けた。
「俺とおるときにな、
平気で、知らん奴の名前、呼んだりすんねん」
俺とおるときに。
その言葉にほんの少しささくれ立つ気持ちを
敦彦は自分のなかで押さえつけた。
「あいつ、自分で気ついてへんかったかもしれんけど。
誰なんやろ。どんな奴なんやろなあと思てた。
ーーーあっちゃん、って」
君なんやろ。
敦彦の下の名前を知らない徳井が、確信を持ってそう言う。
その目が優しくて、
敦彦は、胸が詰まってうつむいた。
689
レスター
2008/05/13(Tue) 08:16
「急ぐことない。
ゆっくり考えたらええ」
自分に整理がつかなくても。
少なくとも思う相手はいま、手の届くところにいる。
「会えたんやから。
ものすごい偶然やろ。
少しは、それに頼ってもええんちゃう」
敦彦にそう言いながら、
徳井は、
自分自身に言い聞かせていた。
690
レスター
2008/05/13(Tue) 08:20
ーーーおってくれて、ありがとう。
言われたことのない言葉は、
咀嚼するのに時間がかかる。
慎吾は、しばらくその言葉が自分のなかに落ちて行くのを
頭のなかで追いながら、
福田の横顔をみつめていた。
手持ちぶさたになったのか照れ隠しか、
福田が、いつもの癖で左の耳の髪を掻く。
その手首をふと慎吾がつかみ、
ゆっくりとテーブルの上に下ろした。
691
レスター
2008/05/13(Tue) 08:28
手のひらを下にして、
テーブルに伏せて置かれた福田の手。
手のひらよりも指が長く、
すっと筆で掃いたようにように
細く伸びた5本の指。
慎吾はつかの間、そのフォルムに見惚れた。
その横に、自分の手を置いてみる。
徳井はときどき、
慎吾の手をじっと見つめていることがあった。
ーーー似てるわけでもねえし。
慎吾の手も指の細い、骨張った華奢な形をしていたが、
並べてみてもとくに感じるものはない。
ただの、手。
692
レスター
2008/05/13(Tue) 08:31
「あ」
されるがままに
慎吾に左手を預けていた福田が、ふいに無邪気な声をたてた。
「なに」
「いや、そっち」
並べられた慎吾の右手ではなく、
福田からは遠くにある左手を指差した。
慎吾がいぶかしげに持ち上げたその手を、
今度は福田が引き寄せた。
「俺もあんねん。お揃いや」
そういって、指先をさす。
薬指の爪のすぐ内側に、言われなければきづかないほどの
小さなほくろがあった。
693
レスター
2008/05/13(Tue) 08:34
「ほら」
自分の左手の薬指を寄せてみせた。
「俺、多いんよなあほくろ」
ほとんど同じ場所に、ほんの小さな星がある。
「やから自分で気にしたことないけど、
子供んときとかさあ、こういうの、ようみつけて
いちいちいうてくる奴おらんかった?
シャーペンの芯さしたんちゃう!とか。
なんかイラっとくんねん」
福田はそういって、
なにか懐かしいものを思い出すような
優しい表情で笑った。
694
レスター
2008/05/13(Tue) 08:43
ーーーああ、そうか。
慎吾ははっきりと思いあたった。
徳井は、
こんなとるに足らないささいなかけらにまで、
福田を探していたのだと。
695
レスター
2008/05/13(Tue) 09:19
自分は、逆だ。
逆を探していた。
ことごとく、似ていないもの。
慎吾はこの1年を、敦彦とは違うものばかり探して過ごした。
けれども、
慎吾と徳井がしてきたことは、
もしかしたら同じことだったのかもしれない。
意識もしないまま
誰かを胸に思い描くことにおいて。
徳井のかたわらにはずっと福田がいて、
そして慎吾のかたわらには。
ずっと敦彦がいた。
696
レスター
2008/05/13(Tue) 09:33
ーーーありがとう。
さっきの、福田の掠れた声が
ようやく慎吾の胸の底に降りた。
慎吾の左手にそっと触れたままの、
福田の細い指先から、
かすかな体温が流れ込んだ。
( ”キレイ” やからな )
以前、井上がそういった福田の「キレイ」さは、
慎吾が憎んだような高慢なものではなく、
もっと素朴で、優しいものだった。
慎吾はもう思い出せなかった。
なぜ自分がこの男の破滅を願ったのか。
踏みつけにされ、切り裂かれて
ばらばらになって消えてしまえばいいと願ったのか。
697
レスター
2008/05/13(Tue) 09:36
「…どないしてん?」
伏せた顔をのぞきこむようにして、優しい声が問いかける。
「…」
「慎吾」
おそらく。
福田が、初めて慎吾の名を呼んだ。
慎吾の喉が、小さく鳴った。
「…」
「……なさ…」
「…」
698
レスター
2008/05/13(Tue) 09:37
「――――――――ごめんなさい」
699
レスター
2008/05/13(Tue) 09:41
まるで、
迷子になっていた子供が見知った手を見つけた瞬間のように、
慎吾は声をあげて泣いた。
「もうええ。大丈夫やから」
そういって、福田は
慎吾の背中をゆっくり撫で、
やがて困り果てたような表情で顔をあげて
前方に徳井を探した。
700
レスター
2008/05/13(Tue) 09:44
椅子の背に手をかけて振り返り、
徳井が、福田に微笑みかえす。
ーーー自分もこんなふうに。
慎吾をみつめることができる日がくるんだろうか。
夜風に前髪を吹かれたそのまなざしがあまりに優しくて、
敦彦は、ただ黙って
その横顔をみつめていた。
701
レスター
2008/05/13(Tue) 09:46
『この世の果て---end of the world---』第2章<5> <終>
長かった。すみません。
こんなところでひとまず。
レスター
702
lilynico
2008/05/13(Tue) 10:08
リアル追っかけでした。
暇極まりない最後の学生生活でございます。
連続コメントになってしまいますが、我慢できずに一言。すみません。
遠回りし続けた慎吾くんの「ごめんなさい」は、
とっても尊い「ごめんなさい」だったと思います。
威嚇状態MAXだった黒猫をも落ち着けてしまう「キレイ」な福ちゃんの手に、
私も癒されてみたいです(笑)
うーん、本当によかった。よかったなあ。
拙い言葉で申し訳ありませんが、こればかりが頭に浮かびます。
ではでは、この辺で。
703
悠斗
2008/05/13(Tue) 11:23
更新お疲れ様です。
福ちゃんの懐の深さは凄いですね。
悟りの世界ですよ、本当に。(@蓮々様)
ホクロ一つ、とるに足らないものまでも探し求めていたお徳井さんと、
まったく似てないものを探し求めていた慎吾君の対比がいいですね。
結局どちらも一人の人に意識がいってる。良いお話ですv
続きはどうなるんでしょう?楽しみにしています。
704
柚雨
2008/05/13(Tue) 17:16
涙がボロボロ零れます。
福ちゃんの言葉を受け止めた慎吾に。
福ちゃんを探し続けていた徳井さんに。
不安に揺れるあっちゃんに。
何もかも包み込んでしまう福ちゃんに。
たくさんの幸福が訪れますように。
慎吾の開けっぴろげな発言が福ちゃん、徳井さん、あっちゃんの背中をちょっと押してくれたらいいなあ…。
>おれとおる時に
こんなに短い言葉なのに、とってもちくちくしますねー(泣笑)
次回更新が待ち遠しいです。
705
蓮々
2008/05/13(Tue) 20:01
更新おつかれさまです。
いつにもまして今回のお話はお気に入りです。
悟りの福ちゃんと素直な子供(ではないけれど)に戻った慎吾くん。
これからは凄く仲良いふたりになりそうです。
「ママ」が心配していた一騎打ちもなく、爆弾投下というよりも
聖母マリア様が包み込むようなやさしさで素敵でした。
それにしても・・・悟りを開いたとか聖母マリア様を連想させる
レスターさまの福ちゃんはとても素敵です。
これから二人はどうなるのでしょう。
ますます楽しみになりました。
あ…読み返すとまじめにコメント書いている。
ま、たまにはいいしょ。(いつもやれ!)
706
優
2008/05/14(Wed) 00:44
号泣です。ほんと素敵だぁ。
707
名無しさん
2008/05/14(Wed) 03:21
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-1000
708
たつき
2008/05/14(Wed) 08:42
おはようございます、レスター様。
更新お疲れ様です!
ご無沙汰してます、たつきです。
遅くなりましたがLS08とWOWOWレポありがとうございました。見れなかったので想像してニヤニヤしてました(笑)
お話はレスター様の世界にひきこまれてました。
福ちゃん拉致られてから助けに着くまではも〜ずっとドキドキして、間に合って!(祈)って祈りながら読んでました。
慎吾ちゃんも福ちゃんの優しさに触れて変化が出てきてほんとよかった!涙
ではでは、またおじゃまさせていただきます。
709
レスター
2008/05/14(Wed) 12:31
>lilynicoさま
最後の学生生活。うーんいい。素敵な響きですねえ。
そんな大切な時間をさいてくださって(感涙)。
慎吾に「ごめんなさい」言われたら
たいがいのことは許せてしまいそうですが(笑)
無事に言わせることができたのも
見守ってくださったおかげです。ありがとうございました。
スチューデントフリーダム、どうぞめいっぱい楽しんでくださいね!
そしてそして、今後ともどぞどぞよろしくお願いいたします!
>悠斗さま
福ちゃんちょっと懐、深すぎますかね(笑)。
でもあの人、イラちなわりには
なにかにぶつかっても他者を攻撃することなんかないんだろうなって、
あの育ちのよさそうな語彙をきいているといつも思います。
中途ふたりともそうなんですよねえ。
なんてピースフルなんだ。それでいて危険な二人。
これからもお見捨てなく、なにとぞおつきあいくださいませ。
いつもほんとにありがとうございます!
710
レスター
2008/05/14(Wed) 12:46
>柚雨さま
たくさんの幸福が訪れますように。
うわあ…なんて優しい、しみいるお言葉。ありがとうございます(涙)。
ですよね、4人とも幸せになってもらわねば。うんうん。
>俺とおる時に←ねえ…もうすみません。
なんでこんなちくちくする設定にしてもうたんやろと
ときどき後悔したりなんかしている今日このごろなのです(笑)。
乗り越えないといけない過去があったからこそ
絆の深まる恋人たちであるように、死力を尽くします。
どうぞお力、お貸しくださいませ!
>蓮々さま
せ、聖母…めっちゃ出世しとるやん福ち!!(笑)
結局のところボンバーは慎吾だったですもんね。
お行儀の悪さはそう簡単には直らないかもしれませんが、
きっと福ちゃんとは絶妙な関係を築いていってくれると
信じておるです。はい。
しかし、掴みきれない恋人を持って
旦那たちに苦労させているのが申し訳ない気もするのですが、
まあ…それもいいしょ(笑)。
いつもありがとうございます、これからもおつきあいくださいませ!
711
レスター
2008/05/14(Wed) 13:27
>優さま
お嬢さん、涙をおふき。
…何者だ(笑)、すみません。いやいやいやもうもう
そんな泣かんといてくださいね、もったいない。
おつきあいくださってありがとうございます。
これからもお寄りいただけたらほんっとに嬉しいです!
>707さま
しおり、お手数ありがとうございまする m(_ _)m !
>たつきさま
こんにちわ!いらしてくださって嬉しいです。
いやもうもうライブスタンド、WOWOW。
見終わった時点で既にだいぶ脳内フィルターがかかってるので、
果たして正しいレポートになっていたのでありましょうか(汗)。
見守り、祈ってくださってほんとうにありがとうございます。
福ちゃんと慎吾。関わることで変わっていける人間関係っていいですよね。
筆力乏しい拙スレではございますが、
どぞどぞこれからもよろしくお願いいたします!
712
桜
2008/05/14(Wed) 16:08
更新お疲れ様です!!
しんごおおおお!!
かわゆす!!
もう泣きまくりました。
そのあと、1人で絶叫しました。笑
↑かわいすぎてですよ♪
次も楽しみにしていますw
713
レスター
2008/05/14(Wed) 21:52
>桜さま
うはは(笑)。慎吾。
桜さまのおめがねにかなってよかった(安堵)。
あの子ほんっと、なんていうか。
なんなんでしょう、奥の深い子です。
その慎吾がなぜか福ちゃんと飲みたがって
→福ちゃんがなぜか逃げに逃げまくって
→あげく巻かれたことを慎吾は憤慨して公表
…正直「なにこの女子ふたり」みたいな(笑)。
中途と東洋、小学校ですれ違えないくらい年の差があるとは思えない
なんともいえないバランスでございます。
桜さま、きてくださってありがとうございます!
714
名無しさん
2008/05/14(Wed) 21:56
それこそ果ての果てのようなこのスレに
気持ちをかけてくださるみなさま、
ほんとにありがとうございます。
なんかもう、とりあえずきりのいいとこまでいって
いったん落ち着かせろや的な誠に身勝手な心境。
鯖神さまの気持ちが緩む真夜中すぎくらいに
またまいりたいと存じます。ふう。
レスター
715
みなみ
2008/05/15(Thu) 00:20
更新おつかれさまでした。
精神的男前な福ちゃんに、メロメロです。
幸せつかもうね、黒猫さんザウルスくん。
自分自身が前進したいという想いと、優しい気持ちを持つ人の影響を少しずつ受けていくみんなの描写がとても素敵です。
レスターさま、いったん落ち着かせろやときましたか(笑)
いったんかえるけ、にはお召し物のすそを掴んで引きとめます、いえむしろバックヤードまでついていかせてください。
みなみ
716
レスター
2008/05/15(Thu) 08:41
>みなみさま
バックヤードまでいらしていただける。
ほなもう、どこまでもご一緒に(笑)!
精神的男前って、おお〜なんかいい響きです。
福ちゃん、そうやったんや。
そういえば貝生活で、お徳井さんがやどかりと戯れてるあいだに
一心に食料を確保していた福ちゃんも
おっとこまえだったなあ(体型は小学生のようだったが)…。
いらしてくださって、ほんとにありがとうございます。
徳井さんと福ちゃん、そして黒猫さんとザウルスくんを
どぞどぞ、これからも辛抱して見守ってやってくださいませ。
717
レスター
2008/05/15(Thu) 08:44
レスターです。
鯖待ちのあいだに、自分が落ちた。
毎度のことながら根性のないことです。
とりあえずちょっとだけ。
黒猫慎吾との和解交渉成立後、
お部屋に帰ってきてからのことでございます。
718
レスター
2008/05/15(Thu) 08:45
湯気で曇った洗面所の鏡を、左手で斜めに撫でる。
タオルで拭き取りきれなかった水滴が
濡れた前髪から落ちるのをかきあげながら、
福田は鏡をのぞきこんだ。
719
レスター
2008/05/15(Thu) 08:46
換気扇がよく効くのだろう、
撫でてクリアになった部分から鏡の曇りはじわじわと晴れて、
やがてそこに、
骨張った白い上半身の輪郭があらわれた。
いっとき、青黒くなっていた脇腹のあざは
日に日に様子をかえて、
2週間たったいまではうっすらとした黄色になり、
いかにも血がにじんだような紅い斑点はもうほとんど消えている。
720
レスター
2008/05/15(Thu) 08:47
(早く治したいんであれば、
じっと動かないで寝ててもらうしかないんですけどね)
おそらく、毎度患者に同じことを聞かれるであろう医者は
そう苦笑して、
マジックテープのついた薄手のサポーター、
痛み止めと胃薬の2錠の内服薬と、湿布の束を処方した。
721
レスター
2008/05/15(Thu) 08:47
もともと肌の弱い福田は、
かぶれにくいはずの病院処方の湿布でも
はがしたあとにそこが余計な熱を持つのが嫌で
早々に貼るのをやめてしまった。
実際湿布は、腫れた筋肉の炎症を一時的におさめてくれるだけで、
ひびの入った骨を補強してくれるわけではない。
動きをセーブして痛みを抑えるためのサポーターも
外出するときだけにして、
夜、部屋で眠るときははずしてしまう。
巻いていてもいなくても、痛みがあるのは同じだ。
722
レスター
2008/05/15(Thu) 08:48
(色はともかくとして、見た目もうわからへんなあ)
指で、浮き出た肋骨のいちばん下を
ゆっくりたどってみる。
その指が、ある箇所を通り過ぎるとき
やはり周りとは違う鈍痛がして眉をひそめた。
外からわからなくても。
身体の内側の傷は、まだ癒えない。
723
レスター
2008/05/15(Thu) 08:49
洗濯機の上においておいたスウェットを
響くほうの腕を出来るだけ動かさずに身につけると、
洗面台の左端に置かれた
歯ブラシのたててあるカップに手をのばす。
その新品のカップから、わざと遠く離すようにして
洗面台の右端に置かれた、
別の歯ブラシをたてたもうひとつのカップ。
タオルの積まれた棚の一段には、
福田が愛用しているムースの横に、
いまだ目になじみきらない別のムースとトニック。
あらためて認識する。
ここが、徳井の部屋であることを。
724
レスター
2008/05/15(Thu) 08:50
2週間前。
騒動のあったホテルから病院経由で
徳井の部屋に運び込まれた福田は、
夜明けにいったん目をさました。
けれどもその後結局、眠ったり目をさましたりを繰り返し、
意識が完全にはっきりしたのはその翌日、
火曜日の朝だった。
骨の損傷からくる発熱があるにもかかわらず
福田の意識はやけにクリアで、
どういう体勢で横になっても脇腹がしんどいと訴えるほかは
どこにも違和感がないといってけろっとしていた。
725
レスター
2008/05/15(Thu) 08:50
それよりもさらに周囲を迷わせたのは、
福田には、騒動のあいだの記憶が
ほとんど残っていなかったことだった。
福田は、アルコールには弱いほうではないが、
意識や記憶がとびやすいたちで、
おそらく、ことの起こりに居酒屋で
焼酎と一緒に摂取した薬物に過剰反応したのではないかというのが
医者の見解だった。
726
レスター
2008/05/15(Thu) 08:51
あれだけの思いをしてほんとうになにも残っていないのか、
覚えていないふりをしているだけではないのかと
前のめりになって問いただす徳井に、
福田はちょっと面倒そうな顔をして
(そら怖かったで。
途中で、なんやねんこれってあせったのは覚えてるし。
…ほんでも、目さめたとき徳井おってくれて。
嬉しかったから、もうそれでええんちゃうかな、って)
と応えて、
様子をみにきた細川と沢村を絶句させた。
727
レスター
2008/05/15(Thu) 08:52
しかも、午後になると自分の部屋に帰ると言い出し、
(落ち着くまでここにおったらええやろ)
そう何度も繰り返す徳井の申し出にも
(そんなわけにいかんやろ)
と笑って、
あっさりと断った。
728
レスター
2008/05/15(Thu) 08:54
今日は木曜いいとも。
今週も男前さんといちごちゃんはお元気かしら。
またお昼に!
レスター
729
レスター
2008/05/15(Thu) 12:35
入院するような加減でもないのに
これ以上仕事も休めない。
それには、すこしでも早く今ままで通りの生活のペースを
取り戻したほうがいい。
そうはっきり主張されて根負けした徳井は、
夕方になるとタクシーを呼び、
福田を部屋まで送っていった。
730
レスター
2008/05/15(Thu) 12:36
JR新大久保駅の駅前を過ぎてから
雑然と続く街の雰囲気に、
徳井は眉をひそめた。
新宿までは車で5分とかからないが
あの街の絢爛な猥雑さとも違う
どこか古びて、密やかな暴力が眠る町並み。
(福田)
(…なに?)
(車乗れよ、遅なるとき)
(ああ、うん)
(通らんでな、あの店の前)
731
レスター
2008/05/15(Thu) 12:38
福田をピンポイントで狙っての暴挙であったのだから、
逆にいえばそれは
どこで起きてもおかしくはなかった。
あの店が悪いわけやないやん、と笑った福田に
(そのほうが…)
怖いやろ、といいかけたであろう徳井は
言葉をのんだ。
事の次第を考えれば、もう二度起きるはずはない。
けれども、すこしでも悪いことを言葉にすると
それだけ不安が掻き立てられるような気がする。
732
レスター
2008/05/15(Thu) 12:40
ほんの少し裏通りを入り込むと、
こんどは打って変わって静かな住宅地が現れた。
深い溜息をついたまま黙っている徳井に、福田は
(わかった、通らんし。当分飲まへんから)
と諭す。
(…一生飲むな)
(それは嫌です)
ボソボソと低い声で交わされる会話は
やけに密やかで、
福田のマンションの前に横付けした車内で
支払いをすませるあいだ、
運転手は不思議そうな表情で二人の顔を見比べていた。
733
名無しさん
2008/05/15(Thu) 13:40
更新途中でしたら申し訳ございません。
滑らかで透明感のある言葉に打ちひしがれております。
734
さくら
2008/05/15(Thu) 20:57
更新お疲れ様です。
お忙しい中お返事まで頂き光栄です><
なんだか勿体ないですっ、
私のコメントなんてスルーで結構です(笑)
慎吾くん、救われましたかね。
皆様の言葉をお借りするならば、まさにマリア様な福ちゃん。
福ちゃんの存在だって、おってくれてありがとう・・・ですよね、きっと。
元気になったと思っても、体の傷が痛むだけでなんだか
悲しくなるというか弱るような気がします・・・切ないです。
レスター様の生むこの空気がとても好きです。
更新楽しみにしています
735
みゆき
2008/05/15(Thu) 23:49
レスター様の手は、福ちゃんのしっろいきれえな手のように美しい言葉の羅列を生まれるというか。
何かこう、優しくて柔らかいものに包まれる気持ちになるというか。
洗いたてのリネンとも、シルクの滑るような手触りとも違う。
上のレスでさくら様が云われているような、この空間をとてもいとおしく感じます。
誰かに優しくしたくなる、そういう気持ちになれます。
それがお話全体だけでなく、たった1レスの下りだけでもそう思えるのです。
そんでわたくしも頑張ろう。と励まされた次第。
あたくしだって一生呑まないのは無理ですけど。おっほほほほほ。
いつも優しい気持ちを分けてくださって、ありがとうございます。
なんぼ長なっても、追い掛け回してゆきます(脅迫か)。
736
蓮々
2008/05/16(Fri) 03:55
更新おつかれさまです。
心配だろうお徳井さん。
また事件があったらたまんないでしょうし…。
ママさんのところで泊めてもらったら?と思ったりも^^:
甲斐甲斐しく面倒みてもらえそうな気がします。
福ちゃんが職場復帰したときまた小説冒頭の居酒屋上司にいやみとか
言われないですかね。苦笑
これから波乱が起きるのか、平穏な日々にもどるのか
レスター様のお話の続きを楽しみに待っています。
737
レスター
2008/05/16(Fri) 08:43
>733さま
はじめまして。
お立ち寄りくださって、そして
もったいないお言葉、ほんとうにありがとうございます。
こうして733さまとご縁がもてましたのも
この板と、中途をはじめとする
かぎりなく世界観を持った芸人さんたちのおかげだと。
細々と続けております。もしまたお時間がおありのときには、
ぜひともお立ち寄りくださいませ!
>さくらさま
スルーなど。できるはずもございません。
お忙しいなかお立ち寄りくださって、
そのうえお言葉を残していただいて。
私のほうこそ、気のきいたお返しもなんもできないので
申し訳ない気持ちでいっぱいなのです。
おってくれてありがとう。
これ、いろんな人がお互いにそう思えたらいいですよね。
そういえば、この板で過ごしてる時間にもそう思いますわ。
さくらさま、おってくれてありがとう!(←馴れ馴れしいし、笑)
738
柚雨
2008/05/16(Fri) 09:10
福ちゃんの内側の傷が徳井さんの傍で少しずつ癒えていくことを祈るばかりです。
徳井さん、心配でしょうね…。
乗り越えなければならない過去…少しの不安と緊張を抱えながら展開をお待ちしています。
昨日はいちごちゃんではなく、さつまいもちゃんでしたね(笑)
チームが分かれていても端っこにいる男前へ突っ込む端っこに立ってるいちごちゃんにトキメキました(笑)
私なんぞに出来ることと言ったら、レスター様のお話を楽しみに待って、
泣いたり笑ったりドキドキしたりうっとりしたり切なくなったりすることくらいです。
レスター様からたくさんのモノを頂いて、ここにくるたびに心が揺さぶられてます。
どうかこれからもレスター様の世界に浸らせて下さいませ。
739
レスター
2008/05/16(Fri) 09:12
>みゆきさま
またそうやって。
めっちゃもったいないことを…。
こちらこそ、いつもいつも優しく励ましていただいて
ほんとにありがとうございます。
思えば、こっちに無事に引っ越しできたのも、
新参者に気持ちをかけてくださったみゆきさまの
おかげみたいなものではないですか。
これからもどぞどぞ末永くよろしくお願いいたします。私も頑張ります!
そうそう、飲まないのは無理。正直、1日たりとも無理。
>蓮々さま
ママさんのところで泊めてもらったら…
ち、ちょちょちょ、蓮々さま!
ほんとですよ。それだ。
なんでその発想がないんだお得意(じゃなくて私か)。
めっちゃ安心なのに…ああ〜(笑)。
蓮々さまに、二人のアドバイザーになっていただきたい(というか私のか)。
このあとも延々と手のかかる二人であろうことと思いますが、
どうぞよろしくお願いいたします。
いつもほんとうにほんとうにありがとうございます!
740
レスター
2008/05/16(Fri) 09:20
>柚雨さま
うわあ、めっちゃニアミスやった(笑)。
こちらこそこちらこそ、こちらこそなんですほんとうに。
ほんとうにいつもありがとうございます。
いつも同じような言葉でしかお礼がお伝えできなくて悔しいです(涙)。
徳井さんと福ちゃん、どっちがどう強くてどう弱いのか
あの絶妙なバランスはなんだろうと、見てていつも思うんですよね。
中途は、そこらへんがさまざまな物語を生むのでありましょう。
しかしなんで福ちゃんの代名詞は食べ物シリーズなんだろう(笑)。
そして端と端なのに突っ込むさつまいもちゃんの本能。さすが夫婦漫才師。
柚雨さま、これからもどぞどぞよろしくお願いいたします!
741
レスター
2008/05/16(Fri) 09:22
おはようございます。
みなさまに優しくしていただいて
朝からだいぶ涙目ぎみのレスターです。
ちょっとばかりですが、進みます。
742
レスター
2008/05/16(Fri) 09:23
鍵をあけ、福田は
徳井を部屋に招き入れたが、
肋骨がきしんでかがむのすら億劫なのか、
自分のほうが靴を脱ぐのに手間取った。
(大丈夫か。座るか?)
(や、平気、先あがっとって…)
743
レスター
2008/05/16(Fri) 09:24
部屋の奥に数歩進みかけた徳井が戻ってきて
福田を壁にもたせかけ、
黙ってその足下に屈んで靴を脱がせてやる。
紐があるわけでもない、
普段ならなんの気にすることもなく
蹴飛ばすようにぬげてしまう
シンプルなデッキシューズですら、思うように扱えない。
福田は苛つきながら、
ふと、屈んでいる徳井に視線を落とした。
744
レスター
2008/05/16(Fri) 09:25
―――髪、黒いんやなあ。
ワックスで固めていない徳井の髪は
腕の動きにつられてサラサラと揺れた。
ジーンズの布越しに、ふくらはぎにそっと添えられた
徳井の大きな手。
長い睫毛を伏せた徳井の目が、いま、福田の足先を見ている。
745
レスター
2008/05/16(Fri) 09:25
(こんなんでもしんどいんか。
おまえ、サンダルみたいなんとか持ってる?)
(…)
(…福田)
徳井が、ふっと顔をあげて福田をみあげる。
(あるある、大丈夫)
あわてて返事をし、
そのまま部屋の奥へ進もうとした福田を
徳井が呼び止めた。
746
レスター
2008/05/16(Fri) 09:26
(…こら)
(なんや)
(鍵。閉めんと)
(ああ、うん)
(ああ、やないってほんまに…)
徳井は、また溜息をついた。
京都の、いってみれば中心地からは少し外れた
のどかな住宅街での家族暮らしに
子どもの頃からずっと慣れていた福田は、
東京に出て来て10年たってもいまだに
そのあたりの警戒心が薄い。
747
レスター
2008/05/16(Fri) 09:27
しかも、8階建てのそのマンションは
そのうちの2フロアーを福田の勤め先が、
そのほかのフロアーも他の企業が借り上げている
なかば集合社員寮のようなもので、
住人同士のつきあいはこれといってないものの
いざとなればお互いの身元がはっきりしているという点で
安心感のある住空間だった。
そのせいもあって、上京して最初に住んだ部屋から
1度しか引越しを経験していない福田は
都市というものについてどうも
「こんなもんだろう」とたかをくくっている節がある。
住まいのことだけではない、もしふたりが今この場で
さまざまな生活習慣について語り合ったとしたら、
おそらく徳井は仰天するに違いなかった。
748
レスター
2008/05/16(Fri) 09:27
しかし。
―――こんな神経質な奴やったかな。
福田は思った。
子供のころの徳井には
やけにのんびり構えたところがあって、
なにかにつけて
(おまえ、それ大丈夫なん)
と尻を叩くのは
自分のほうだったような気がする。
749
レスター
2008/05/16(Fri) 09:28
10年暮らしたその環境が
徳井を変えたのかもしれない。
いずれにしても、
徳井にこれ以上気を使わせたくないと思った福田は
(ごめん)
と応えて鍵を閉め、チェーンをかけた。
750
レスター
2008/05/16(Fri) 09:28
徳井の部屋に比べたら
おそらく半分くらいの広さしかないが、
あまり物を運びこまないタイプの福田の部屋は
それなりに片付いていた。
(ふーん)
キッチンとつながったリビングで
それとなく部屋を見渡していた徳井が、
感心したように唸った。
(なに)
(うん)
(狭いやろ?)
(いや狭ないけど…普通や)
(あ、そう)
(普通。なあ。普通やな)
(何回言うねん普通て)
(やから…福田の部屋やなあと思て)
意味わからへん。
そういって徳井の後頭部を軽くはたくと、
徳井は笑いながらリビングを横切って、
ベランダのカーテンをあけた。
751
レスター
2008/05/16(Fri) 09:29
(なんもないですよ、ベランダは)
(こういうとこもちゃんとロックしとけよ)
(ここ5階やし)
(いやいや)
(おまえ…初めて一人暮らしする女子大生のおとんちゃうねんぞ)
(似たようなもんや、もう)
(て…っ痛…)
(福田)
(あかん、笑うと)
脇腹をおさえて小さく笑う福田を振り返って、
徳井はまた、今日何度目になろうかという溜息をついた。
752
レスター
2008/05/16(Fri) 09:30
玄関。
店に出る時間が迫った徳井が
ドアのチェーンをはずして鍵をあけ、
名残惜しそうに、福田に最終確認をする。
(ほんならな)
(うん)
(なんかあったらすぐ電話せえよ)
(わかった)
(ていうか…)
(わかったちゃんと連絡するから)
753
レスター
2008/05/16(Fri) 09:32
(あ、そうやこれ)
福田はふと、思い出したように言った。
(ごめんな、洗て返すから)
(ええよ)
徳井に借りた長袖のTシャツとジーンズは
大きいというほどではなかったが、
やはり平均よりかなり細身の福田にはあちこちが余って、
服のなかで身体が泳いでいた。
(やっぱちょっとかわいいことになっとるな)
(そんな変わらへんのにな、身長)
(おまえほっそいんやもん)
(手足がなあ)
(全部やって)
徳井が呆れたように笑った。
754
レスター
2008/05/16(Fri) 09:32
(徳井)
(うん)
(ほんまに…ごめんな)
(…)
(迷惑かけて)
(やから、なんでおまえが謝るん)
徳井が俯いた。
(そんなん言われたら、
俺なんか、おまえになんて言うたらええの)
しばらく沈黙が続いた。
玄関においたアナログの時計の針の音が
やけに大きく響いている。
755
レスター
2008/05/16(Fri) 09:33
(…徳井、時間)
(うん。ほな)
(いってらっしゃい)
福田がそういうと、徳井が顔をあげた。
しばらくみつめあったのち、吹き出す。
(…なんやのこれ)
(おかしない?いろいろ)
(腹痛え)
(おまえがいうたんやろ)
笑いながらドアを押し開いて
徳井は廊下へ出る。
そのままドアを閉めかけてもう一度顔をのぞかせ
(福田、鍵な)
と念を押した。
756
レスター
2008/05/16(Fri) 09:34
(わかっとるがな、もう)
わざとうんざりしたような顔をしてみせながらドアを閉め、
音をたててゆっくりと鍵をしめ、チェーンをかけた。
それを確かめるような間があってから、
徳井の足音がゆっくりとエレベーターのほうへ遠ざかるのを、
福田はドア越しに聞いた。
757
レスター
2008/05/16(Fri) 09:35
時計の針の音だけが響く静寂。
住み慣れたはずの自分の部屋がこんなに静かだったことを、
福田は、初めて知った。
758
レスター
2008/05/16(Fri) 09:36
なかなか進まれへんなあ。いろんな意味で。
また夜に!
レスター
759
桜
2008/05/16(Fri) 19:59
いっぱあい話していると、
その人がいなくなった瞬間、
今まで1人の時なにやってたのか、
とかわかんくなりますよねw(←
とりあえずTVみてたり。
そんな経験あるんで、
福ちゃんの意見に思わずがんがん頭を上下に動かしました。笑
続き楽しみにしてます!!
760
蓮々
2008/05/16(Fri) 20:36
更新おつかれさまでした。
今静かに物事が動いている感じですね。
チェックのきびしい徳井さんの福ちゃんへ心配の大きさが伺えます。
変なところで隙がありそうなので。^^;
お話の続き
レスター様の更新を心よりお待ちしています。
761
名無しさん
2008/05/17(Sat) 00:26
チュートのお話はたくさんありますが。
ここが一番すき!
あいしています。
762
優
2008/05/17(Sat) 00:34
ひっそり待ってます。
面白いなーしかし!!
763
レスター
2008/05/17(Sat) 12:54
>桜さま
ああ、そうそう!そういう感じですよね。
今まで1人の時なにやってたのかわからなくなるって、なんかせつないですねえ。
だから、プライベートのときは
できるだけひとりでいるようにしてるんですかねえ、福ちゃんは。
なんて思ってもうた…。
桜さま、いつもありがとうございます!
>蓮々さま
へんなところで隙のある福ちゃん。
リアルでも、知ってる人の誘いは断っておいて
知らない人についてっちゃった前科がある以上、お得意さんチェックは厳しいと思われる。
番組で酔っぱらい系の話になるとやけにお得意さんがぐいぐいのってくるのは
やっぱり、アルコールが入ったときの相方があぶなっかしいからなんでしょうか。
蓮々さま、いつもありがとうございます!
764
レスター
2008/05/17(Sat) 12:54
>761さま
BGMにお得意さんのアイラビュー@尾崎。
このようなスレにお立ち寄りくださり、メッセージまで残してくださって
ほんとうにありがとうございます。
素敵なスレでいっぱいのこの板のすみっこに
私なんぞが間借りさせていただいていることを毎日とても幸せに思っています。
よろしければ、これからもどぞどぞよろしくお願いいたします!
>優さま
こんにちわ!
待つとおっしゃってくださる優さまに
もうもう感謝の気持ちでいっぱいでございます。
しっかしはりきったときに限って
パソコンのご機嫌が悪うなる。あかんでーしかし!!
どうぞお見捨てなく、これからもよろしくお願いいたします!
765
レスター
2008/05/17(Sat) 13:05
レスターです。
ようやく5月っぽい暖かさの週末でございます。
いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
ふたりは今日も忙ししてるんかなあー。
などと思いながら、更新します。
766
レスター
2008/05/17(Sat) 13:06
翌朝から、それ以前と同じように
早出の時間帯で出社した福田は、
突発的に発生した2日間のブランクの挽回に追われた。
767
レスター
2008/05/17(Sat) 13:08
月曜の朝一の時点で、
福田の「家族」という人間から職場に連絡が入り
福田が「週末に帰省した際に貧血で倒れてその拍子に怪我をした」という理由で
2日間の有休が取得されていて、
どうにかつじつまを合わせれば社会人としての最低限の面目を保てるよう
お膳立てが整っていた。
沢村である。
温和で、どことなく愛嬌のある
あの男の持つ手駒の広さは
福田にはとても想像がつかない。
徳井の旧知とはいえ、
その友人にすぎない自分がなにからなにまで世話になって
頭のあがらない思いがした。
768
レスター
2008/05/17(Sat) 13:10
なにが気に入らないのか
普段から福田にばかりクレームをつけてくる上司は
「病み上がり」の福田を呼びつけて
大きな部長机の前に立たせたまま
労りの全くない説教を30分続けたが、
これだけですんだのは運がよかったといっていい。
これで無断欠勤ということにでもなっていたら、
福田の立場も任された仕事も、おそらく
取り返しのつかないことになっていただろう。
769
レスター
2008/05/17(Sat) 13:11
落ちた書類を拾うときでさえ
思い通りに動けないのは相当しんどかったが、
それより緊張感と精神力が勝った。
連日、勤務先を出るのは日付が変わった時間帯で、
福田は当然のなりゆきとして
「車で帰る」という徳井との約束を守ることができたし、
もうひとつの約束である「帰宅しました」連絡も
さんざん迷った末、
どうにかクリアすることができた。
770
レスター
2008/05/17(Sat) 13:12
(もしもし)
(うん)
(着いたけ)
(うん、着いた)
(仕事大丈夫やったん)
(大丈夫やった)
(なんか困ったこと)
(ないない、なんもない)
ほんまにこいつ、おとんやないねんから。
福田は苦笑して、短めに電話を切る。
通話の向こうで
およそこんな会話には似つかわしくない
流麗なスーツ姿で決めているであろう徳井が
店の廊下かどこかで声をひそめている図を想像するとおかしくて、
福田は痛む脇腹を抑えて笑った。
771
レスター
2008/05/17(Sat) 13:13
夜は、昼間よりも強めの痛み止めを飲む。
誘眠作用も強いのだろう、
朝までなににも妨げられず
死んだように眠ることができた。
起きて、仕事をこなして、眠って。
そして金曜の真夜中過ぎ
―――日付は土曜に変わって1時間が過ぎたころ、
福田の怒濤のような3日間はようやっと終息した。
772
レスター
2008/05/17(Sat) 13:18
タクシーを降り、申し訳程度のエントランスを抜けて
5階でエレベーターを降り、部屋に入る。
やはり勤務先にサンダルはさすがに憚られて
選んだのは、紐のないシンプルな革靴。
それをどうにか脱ぎ捨てると、
玄関に鞄を放り出し、
電気もつけないまま部屋の奥に進んだ。
肋骨をかばいながら不自然なポーズでスーツの上着を脱ぐ。
そして、携帯を耳にあてながら
片手で身体を支えながらソファーにゆっくり腰を下ろした。
773
レスター
2008/05/17(Sat) 13:19
1コール。2コール。
真っ暗な、静かな部屋のなかで
通話口から聞こえる音に耳をすます。
やがてその電子音は
<ただいま、電話にでることができません>
という無機質な案内台詞に切り替わった。
「お疲れさまでーす。着きましたー。
ほな、おやすみぃ」
留守電に、のんきなメッセージを残す。
(あっちはまだまだ仕事中やもんなあ)
おやすみは、悪かったんちゃうかな。
福田は、少しだけ後悔しながら、そのままソファーに横になった。
774
レスター
2008/05/17(Sat) 13:24
それにしても。
人間は思った以上に頑丈にできているものだと、
福田は感心していた。
ーーーていうか、俺の神経が太いんかな。
「いでで」
はっきりと痛みを主張する脇腹のほかは、
つい数日前のできごとを思い出させるような
リアルな記憶は、福田にはない。
ーーーああ。
あかん。寝てまう。その前に薬、飲まんと。
切れるとめっちゃ痛いからなあ。
サポーターもはずしたいなあ。
湿布はがさんと。痒なるし。もう。
そう思ったが、さすがに仕事疲れがどっときて
起き上がる気にならない。
775
レスター
2008/05/17(Sat) 13:26
ほんまに、あんなん。
夢だったんちゃうかな。
言ってみれば、うかつに飲み過ぎて
翌朝、どうやって帰ってきたかわからないときの
居心地の悪い不安感に似ている。
断片的に残っている記憶は、
居酒屋で酔って、壁に盛大にぶつかって恥ずかしかったこと。
身体が重く、手足が動かなくなってあせったこと。
わけがわからなくて、怖かった気もする。
そうして、次に目がさめたときには
徳井がそこにいて、
その手先と頬に貼られた白い絆創膏が痛々しくて
なぜかとても哀しくなった。
776
レスター
2008/05/17(Sat) 13:29
(泣いとったよなあ、あいつ)
徳井が肩口にすり寄せてきた頭を抱きかかえたとき、
福田は安心して
そのまま、また眠ってしまった。
徳井。
なんで泣くん。
俺、ぜんぜん平気やのに。
ここんとこ以外、ぜんぜん痛ない。
薬飲んだらなんのこともないねん。
777
レスター
2008/05/17(Sat) 13:30
やから、ほら。
寝てまうまえに。薬飲まんと。
早く飲まんと。
778
レスター
2008/05/17(Sat) 13:30
骨が軋んで、砕ける。
779
レスター
2008/05/17(Sat) 13:42
音もなく、
ゆっくりと肌にめりこんでいくのは。
誰かの肘。
息が。
―――――できひん。
780
レスター
2008/05/17(Sat) 13:43
手も足も動かない。
あのときと同じだ。
落ち着け。
落ち着け、ここは俺の部屋なんやから。
781
レスター
2008/05/17(Sat) 13:45
あえぐように息をして、
目を閉じた途端。
瞼の裏に蘇った、白い―――シャツ。
手先に絡みついて、自由を奪う。
782
レスター
2008/05/17(Sat) 13:45
逃れようともがいた拍子に、ソファーから落ちた。
したたかに打った脇腹から
強烈な痛みが脳天をつきぬける。
783
レスター
2008/05/17(Sat) 13:46
鍵。
そうや。鍵。
また閉めてへん。
あんなに言われたのに。
徳井が、あんなにいうたのに。
784
レスター
2008/05/17(Sat) 13:48
歩いて10歩もないはずの玄関が、
何メートルも先に感じる。
這いずるようにして進み始めた耳元で、
曇って、エコーのかかった声が囁いた。
<…ガンバレガンバレ>
うるさい。
<デモネエソッチハ>
来るな。
<イキドマリナノヨ、オ兄サン>
そして、つんざくような電子音に
思わず耳をふさいだ。
785
レスター
2008/05/17(Sat) 13:49
電子音の正体は携帯だった。
床に転がった携帯が鳴っている。
振動しながら点滅する携帯に
必死で手をのばす。
けれどもそれは無情にも、
福田の指先が触れる寸前に鳴り止んだ。
786
レスター
2008/05/17(Sat) 13:51
何度も取り落としそうになりながら
どうにか携帯を開き、
残った履歴に折り返す。
すぐに通話に切り替わったその向こうから、声が聞こえた。
(ーーー福田?)
787
レスター
2008/05/17(Sat) 13:54
ーーー ト ク イ
そう言おうとして、声が喉にはりついた。
(ごめんなあ、さっきとれんかったから
いま留守電入れよかなって…)
(…)
(福田?)
しばらくの沈黙ののち、徳井の声色が変わった。
(福田…どないした)
788
レスター
2008/05/17(Sat) 13:56
(どないした、なんか言え…)
(…)
(福田!)
(…井)
(…)
(…徳井)
(どうした、どこにおる)
(…)
(部屋ちゃうんか、おまえ…)
(…)
(なあ!なんか言うてくれや)
(うちに、おる…)
(誰かおるんか)
(…おらん)
(福田)
(…)
(…福田!)
789
レスター
2008/05/17(Sat) 13:57
助けて。
言葉にならなかったそれが聞こえたかのように、
徳井が叫んだ。
(すぐ行く。すぐ行くから…電話、そのまま切るな!)
790
レスター
2008/05/17(Sat) 14:00
胸の奥から苦いものがこみあげて、
携帯を放り出してようやく立ち上がり
よろけながら台所へ転げ込む。
シンクにすがりつくようにして蛇口をひねる。
せりあがったのは、胃液だけだった。
吐くものなどない。
この3日、ほとんどなにも食べなかった。
791
レスター
2008/05/17(Sat) 14:03
荒く息をつくと、
シンクの壁にぶつかるようにしてもたれかかり、
そのままずるずると座り込んだ。
リビングに床に転がった
つながったままの携帯の通話口から、
徳井の声がなにか叫び続けるのが聞こえる。
手をのばしても届かない。
どうしても、たどりつけない。
福田は小さくうめいて、
両手で頭をかかえこむようにして小さくなった。
792
レスター
2008/05/17(Sat) 14:06
背骨にそってはいあがった、湿った感触。
後頭部を鷲づかみにする野蛮な指先。
耳元に。
息がふきかかる。
<オトナシクシトケッツッテンノ>
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
どれぐらいの時間、そうしていたのか。
福田は、両手を掴まれて悲鳴をあげた。
793
レスター
2008/05/17(Sat) 14:07
「俺や!福田!」
794
レスター
2008/05/17(Sat) 14:09
「俺やって!」
大きな手のひらが、
福田の両手を解放して
その頬を包み込んで必死で言い募った。
「こっち見ろや、福田!」
795
レスター
2008/05/17(Sat) 14:10
「…徳井?」
「そうや」
「徳井」
「俺や」
「徳井」
徳井。徳井。徳井。
福田は、まじないのように小さくそう繰り返し、
やがておとなしくなった。
796
レスター
2008/05/17(Sat) 14:13
徳井は、福田の顔をひきよせて額を合わせ、
「も…おまえ…」
顔を歪ませると、
そのまま抱きかかえて、
福田の短い髪に唇をおしつけた。
797
レスター
2008/05/17(Sat) 14:19
徳井の喉元からは
仕事用のきつい香水の香りがしたが、
その向こうからかすかに、懐かしい匂いした。
福田がずっと昔から知っている、徳井の匂い。
福田は、徳井の肩に顔をうずめてしゃくりあげた。
「…福田」
徳井の手が、そっと福田の髪を撫でた。
「俺んち、来い」
それだけで、
身体にまとわりついた嫌なイメージが
ふっつりと消えた。
「ひとりにさせられん。
―――やから…俺んとこにおってや」
798
レスター
2008/05/17(Sat) 14:24
喉がひりついて、声が出ない。
福田は、その言葉に応えるかわりに
徳井の背中に腕をまわし、
両手でシャツをぎゅっとつかんだ。
真っ暗な台所で。
ふたつの人影はしゃがみこんだまま、
お互いにしがみつくようにして
震えながら抱き合っていた。
799
レスター
2008/05/17(Sat) 14:26
よく出動するなあ、徳井マン。
またのちほどです。
レスター
800
蓮々
2008/05/17(Sat) 14:30
更新お疲れさまです。
出先携帯からチェックです
福ちゃんのフラッシュバックつらいです
泣きそうです
徳井さんすぐとんできてくれて良かった
続きが早く読みたい欲求すごいです。(笑)
楽しみにしています
801
柚雨
2008/05/18(Sun) 01:34
電話を受けた徳井さんは生きた心地がしなかったでしょうね…。
苦しむ福ちゃんの姿に息が詰まり涙が滲みました(泣)
徳井さんの名前を繰り返す福ちゃん。
その響きは精神安定剤と同じ効き目があるんですね。
今までもその名前が福ちゃんを支えてきてたのならいいなあと思いました。
続きを楽しみにしています。
802
優
2008/05/18(Sun) 02:45
うぅぅぅ…(泣
福ちゃんが救出されたときに
「無事に戻って来てくれてよかった」と書きました。
でも、どれだけ傍目には何もなかったように見えても、
何もなかったわけないんですよね。
事実あの夜は間違いなくあって、
間違いなく福ちゃんも徳井さんも傷を負ってるんですよね。
抱き合う二人の姿が悲しいけどとても美しくて、心が震えました。
続きも楽しみにしています!
803
名無しさん
2008/05/18(Sun) 20:41
名無しの画像MADIST@入院中(汗)です。
この小説が携帯で観れて嬉しいです!
(他のお気に入りの書き手さんのは見れなかったので)
また最初から見返して涙しております。
感謝、ホントに感謝です。
次回の更新までには退院できれば…(汗)ムリですが(^_^;)
お話楽しみにしてます♪
804
悠斗
2008/05/19(Mon) 02:32
更新お疲れ様でした。
お徳井さんグッジョブ。
福ちゃんのフラシュバック時はこんなんだったんですね。
辛いです。お徳井さんも気が気じゃなかったでしょう。
そして同棲生活スタートかぁ…
次回も楽しみにしてますv
805
レスター
2008/05/19(Mon) 13:08
>蓮々さま
ああ、わざわざお出先から…(感涙)。
出動体勢が整っているのはいいが
お得意さん、ちゃんとお仕事してくれないと
お店の精鋭たちにどんどん追い抜かされそうです。
そう考えると、一緒にいる=お仕事、であるリアルの中途って
しんどくてもやっぱ幸せなんだろうなあ(しみじみ)。
蓮々さま、どうもありがとうございます。
どぞどぞこのあともよろしくお願いいたします!
>柚雨さま
徳井さんの名前の響きが福ちゃんにとっての精神安定剤。
…うーん、心にしみますねえ。
ピンの仕事場(もしくは仕事場でピンになったとき)で
徳井さんがやけにテンパってるのをみると、
彼にとっては福ちゃんの声や顔が一種の精神安定剤なのかなと
思ったりすることがありますし。
よくできたカポーだと思います(笑)。
柚雨さま、いつもありがとうございます。今晩あたり、また!
806
レスター
2008/05/19(Mon) 13:22
>優さま
あーなんかもう、ごめんなさいです。
なんかもうスパーッとお気楽に明るいところへ
二人を放りあげてしまいたいのが本音なんですが(笑)、
低空飛行のまま続けているうちに
この話から抜け出せんようになってしまいました…
過去や傷を乗り越えてがんばって歩いて行く二人になればと、
そこをめざして書き進めていきたいと存じます。
優さま、ありがとうございます。
どぞどぞお見捨てなく、よろしくお願いいたします!
>803さま
ご入院中とのこと、たいへん心配しております!
忙しくしていらしたご様子でしたし…お加減はいかがですか?
そんななか、携帯からわざわざおいでくださって
ほんとうに恐縮です、ありがとうございます。
でも治療中に、こんなスレに気持ちをお使いになっていては
お体にさわりがあるのではー(汗)!!
ともかく、ゆっくり休まれて、早くお元気になってくださいね。
こちらはかわりなくゆるゆる進めてまいりますので!
807
レスター
2008/05/19(Mon) 13:29
>悠斗さま
ちょっとお徳井さんをこきつかいすぎている気がしてならないんですよね。
なんか「ご褒美」をあげないといかんよなあ、とも思うので
福田さんの諸事情と相談中です(笑)。
同棲生活…おお!あらためて文字で見てみると
なんかめっちゃときめきますねえ。
いろいろ問題は抱えている二人ですが、幸せな時間を作ってあげませんと!
悠斗さま、いつもありがとうございます。
よろしければこのあともお見守りくださいませ!
808
レスター
2008/05/20(Tue) 02:59
レスターです。
台風すかー。胸騒ぎ。
5月に台風ってなんか変な感じしますねえ。
眠気がとんだ。更新します。
809
レスター
2008/05/20(Tue) 03:02
徳井、徳井、徳井。
そう繰り返すことしかできなかったあの夜、
福田は暗闇のなかで、
鼻をくすぐる徳井の肌の匂いと
髪を撫でてくれた大きな手のひらに
赤ん坊のようにあやされて、
そのまま眠りに落ちた。
「しょーもない…」
そのことを思い出した福田は、
カップに歯ブラシを放り込んで洗面台の端に置くと、
小さくひとりごちた。
810
レスター
2008/05/20(Tue) 03:03
ほんま、しょーもない。
俺は。
いったい徳井をなんやと思うとるんやろ。
再会してからというもの、
ずっと迷惑のかけどおしだ。
言われても言われても
大丈夫だとイキってフラフラしては
自分ではどうにもできなくなり、
そのたび徳井がその生活を削って助けてくれた。
そんなつもりやない。
そんなつもりやなくても。
俺は、どうしても
徳井の足を引っ張ってしまう。
811
レスター
2008/05/20(Tue) 03:05
それがわかっていて、徳井の
(俺んち、来い)
という申し出を断ることもできず
結局こうして転がりこんでいるのだから、
我ながら始末に負えない。
812
レスター
2008/05/20(Tue) 03:08
あの晩は結局、福田の部屋で夜を明かして
翌日の仕事終わりから
徳井の部屋に「帰る」生活がはじまった。
毎日、必要なものからすこしずつ
運び込むか買い足すかしながら、
自分の居場所がだんだんと定まっていくのが気恥ずかしい。
ベッドか、ソファーか、
眠る場所についてはひと悶着あった。
客人の遠慮として当然ソファーを主張した福田に徳井が猛反対し、
ささいな譲り合いはやがて子供じみた口論となって、
最終的には、福田の
(俺のほうが朝早くてバタバタするんやから
リビングのほうがええ!
それにフカフカのやつはかえってアバラ痛いねん!)
というキレぎみのひとことで決着がついた。
813
レスター
2008/05/20(Tue) 03:09
笑えたなあ。
いい歳して、くっだらない。
小さい頃の「お泊まり」んときみたいやな。
814
レスター
2008/05/20(Tue) 03:12
(福ちぃ、起きとる?)
(起きとるよ、おまえは)
(起きとる。先寝んなや)
(おまえこそ先寝んなや)
(…)
(徳ち!)
(起きてるてもう)
(あぶないおまえ、いま絶対寝かけたやろ)
(わかった、ほな同時に寝よ)
(同時て…)
(な、せーので寝んのやで)
(うーん)
(せーの、ていうたら…福ち)
(…)
(やから先寝るなやあ!)
(ああもう、うっさいねん!)
815
レスター
2008/05/20(Tue) 03:12
そうや。
あの「お泊まり」の延長みたいなもん。
意識しすぎる必要なんか、ない。
816
レスター
2008/05/20(Tue) 03:14
世田ヶ谷のにぎやかな交差点からも
そう遠くない住宅地にある徳井のマンションは、
シンプルな造りの福田の部屋に比べ
セキュリティの高さも段違いだったが、
おそらくこの「安心感」は
そういった物理的な裏付けからくるものではない。
誰かが帰って来る部屋。
誰かが待っている部屋。
福田が転がり込むことでそう変化したこの部屋の、
なにか形のない、
いってみれば「温度」のようなものだった。
817
レスター
2008/05/20(Tue) 03:14
二人の生活サイクルは
完全にずれていて、
福田が朝起きて身支度をする時間には
徳井はベッドルームで熟睡している。
夜は、福田がどんなに遅くなっても
徳井のほうがたいていさらに遅いので、
顔を合わせたのはたまたま二人ともの帰りが早かった
おとといくらいのものである。
818
レスター
2008/05/20(Tue) 03:16
けれども、
夜明けに戻ってきた徳井が
細心の注意で静かに鍵をあけ、
足音をたてないように廊下を進み、
リビングの入り口まできて
福田が寝息をたてているのを確かめてから
ベッドルームに入っていくのを、
福田は知っている。
部屋に流れ込んだかすかな徳井の体温は、
薬の催眠作用より強い。
毛布をかぶってまどろんでいた福田を
覚醒させ、安心させ、
またそっと眠りの世界に送り届ける。
819
レスター
2008/05/20(Tue) 03:17
徳井と、一緒に暮らしている。
福田にとってそれは、
まだ実感までは伴わない、
うっかりすれば簡単に覚めてしまうかもしれない
夢の中のような感覚だった。
洗面所の電気を消す。
白い大きなタオルを頭からかぶって
ワシワシとふきながら裸足で廊下を歩き、
リビングに通じる扉を開けた途端。
福田は小さく息をのんで、タオルを取り落とした。
キッチンの前に、徳井が立っていた。
820
レスター
2008/05/20(Tue) 03:18
「ごめん」
徳井は慌てた。
ミネラルウォーターのペットボトルを手にした徳井は、
部屋でシャツを脱いでしまったのだろう、
ジーンズしか履いていなかった。
「ごめんやで福田、
おまえ、まだ風呂やと思とったから」
「ごめんやないてほんま、気使わんと…」
福田はそう言いながら、
目のやり場に困って俯いた。
821
レスター
2008/05/20(Tue) 03:21
徳井が、福田のほうへゆっくりと歩み寄って、
屈んでタオルを拾い、手渡す。
「…」
「いるか?」
「これ。薬飲むんやろ」
徳井が、ミネラルウォーターのボトルを軽く持ち上げる。
福田が頷くと、徳井はふたたびキッチンへ戻り、
シンクのかごから洗い上げてあったグラスをひとつ手にとった。
福田はゆっくりその後を追い、距離をとって後ろに佇む。
822
レスター
2008/05/20(Tue) 03:24
徳井が、グラスに水を注ぐ。
ボトルを持つ方の腕から肩に連なるライン。
太くはないが、たしかな質感のある筋肉が
なめらかに盛り上がって、
一瞬見惚れた福田は、そこに
できたばかりのような赤いあざをみつけた。
「徳井」
「うん?」
「そこ…」
「ああ、これな」
徳井は、面白そうに小さく笑った。
「プチザウルスにやられた」
「なにザウルス…あ」
福田は、恐竜のような髪型をした敦彦を思い返す。
「うそ」
「結構な握力やったで」
「なんで?」
823
レスター
2008/05/20(Tue) 03:25
確かに今日、青山のカフェで福田と慎吾が話している間
3つほど離れたテーブルに
徳井と敦彦は椅子を並べていた。
けれども、帰りに頭を下げた敦彦の温和そうな顔立ちからは
なぜ跡が残るほどの力で
徳井の腕を掴むようなことになったのか
見当もつかない。
だとしても。
「なんかもう…」
「うん?」
「おまえ、怪我ばっかする」
右手と頬の絆創膏がとれたばかりなのに。
824
レスター
2008/05/20(Tue) 03:26
「なんもないですよ、こんなんは」
「店も休ましてばっかりやし」
「ああ、井上が喜んどるんちゃう?
もうもうナンバーワンひっくり返ったで、いうて」
「マジで?!」
福田は、思わず大きな声を出した。
「ちょ、それマジで…
どないなんのそれ、え、あかんやんそんなん…」
「うそうそ、ごめんうそやって」
徳井が笑って首を振った。
「そう簡単に抜かれてたまるか、いう話」
「ああ、そう…」
825
レスター
2008/05/20(Tue) 03:27
徳井が、水を満たしたグラスを差し出す。
受け取ると、指先に
グラスの厚さ分だけ遅れて
ゆっくりと冷たさが伝わった。
「ごめんな」
「福田」
「やりにくいやろ、こんなん」
「…」
「ほんまに俺」
「なあ」
徳井が、ボトルの蓋をキュッと閉めながら言った。
「もう、やめにせえへん?」
826
レスター
2008/05/20(Tue) 03:29
「…」
「やめにしようや。ごめん、ていうの」
冷蔵庫を開けて、ボトルをしまう。
「お互いごめんごめんいうて、俺たち、きりないやん」
「…そやな」
パタン、という音をたてて、冷蔵庫の扉が閉まった。
「喫茶店のレジでレシート奪い合ってるおばはんみたいやもんな」
福田の言葉に、徳井が吹き出した。
「それや。やからな」
「うん」
ホッとして、うつむきながら思う。
ーーー徳井に甘やかされるのは、
どうしてこんなに気持ちがいいのだろう。
827
レスター
2008/05/20(Tue) 03:32
「疲れたやろ」
そういわれて、さきほどの
慎吾との会話を思い出す。
「まああの…若いって素晴らしいなあ」
「アハハ、なんやねんそれ」
「もうあの店、絶対行かれへん」
「聞いてた?店の子ら」
「そらめっちゃ聞いてたと思うで」
慎吾のあけっぴろげなものいいは
およそ、まだ夜も更けない時間帯の
オープンカフェにそぐったものではなく、
福田がそれだけで
かなりの疲労感をしょいこんだのは確かだった。
828
レスター
2008/05/20(Tue) 03:34
「でも…」
「…」
「おもろかった」
徳井が、思わず福田の顔をみた。
「ほんまに?」
「うん。また会いたい」
乱暴であけすけな言葉のすき間から、
ほんのすこしだけ、慎吾という人間がみえた気がした。
そして最後に、あたりも気にせず子供のように泣いた慎吾を
福田は、愛しいとさえ思えたのだ。
「あっこの店いうか…公共の場で話すんはもう勘弁やけどな」
829
レスター
2008/05/20(Tue) 03:36
徳井は、しばらく黙って福田の顔を覗き込んでいたが、
やがてシンクにもたれて
降参したように溜息をついた。
「…おまえ、すごいなあ」
「なにが」
「すごい」
「すごないよ別に」
徳井の顔をみあげる。
安心したように微笑んで
目を閉じるその顔は、
リビングのゆるい間接照明に照らされて
どこか神秘的にみえた。
830
レスター
2008/05/20(Tue) 03:37
「徳井、あんなあ」
ーーー聞きたいことがあんねん。
その先は、福田の喉元でとまって
声にはならない。
「なんや」
「…なんでもない」
「なんやて」
「ううん」
「気になるやんか」
831
レスター
2008/05/20(Tue) 03:37
待っても言葉のでそうにない福田に
徳井は苦笑してひとまず諦めた。
「もう寝ろや。明日もまた早いんやろ」
「うん」
「そしたらな」
「うん、おやすみ」
「おやすみ」
832
レスター
2008/05/20(Tue) 03:38
バスルームへ向かう徳井と。
ソファーへ向かう福田がすれ違う。
その間に、ほんの数歩の距離を保って。
リビングのドアが、
そして、やがて廊下の向こうで
洗面所のドアの閉まる音がした。
833
レスター
2008/05/20(Tue) 03:39
福田はソファーに腰をおろした。
ローテーブルの上に出しておいた錠剤をふたつ
口のなかに放り込んで、
徳井が注いでくれたグラスに唇をつける。
薬を飲むにはまだ冷えすぎた水が
喉のなかをゆっくりと滑り降りて、
ひそかに上がっていた体温を冷ました。
834
レスター
2008/05/20(Tue) 03:40
―――徳井、あんなあ。
聞きたいことは、山ほどあった。
おまえなんで、
そんな優しくしてくれるん。
なんで、ここに来いっていうてくれたん。
なんで、なんもかんもおっぽりだして
俺なんかのとこにきてくれるん。
なに考えとるん?
俺と同じことなん?
俺の思うてることと。
同じなん?
835
レスター
2008/05/20(Tue) 03:43
同じ部屋にいるのに、
すれ違うときのたった数歩が越えられない。
「こんなんいうてたら、
またやいやい言われるんやろなあ」
ーーーあんた、やっぱバカだろ!
慎吾の声が聞こえるような気がする。
836
レスター
2008/05/20(Tue) 03:44
ーーー好きだの嫌いだの、そんなんとリンクしてねーんだから。
無理や。
切り離してなんて、考えられへん。
俺は。
徳井の。
気持ちも。身体も。
どっちも。
837
レスター
2008/05/20(Tue) 03:46
どっちもーーー。
838
レスター
2008/05/20(Tue) 03:48
徳井にしがみついて泣いたあの夜、
手をまわし、握りしめた薄いシャツごしに、
その背中のなめらかな肌が震えていた。
そして、ついさっき
キッチンで浮かび上がった
柔らかで優しい腕の筋肉。
「もう寝ろや」と促した深い声。
福田は、ソファーに深く座り直し、
ひざのうえに両肘を預け、
頭をうなだれて目を閉じた。
839
レスター
2008/05/20(Tue) 03:50
いつまで、
踏みとどまっていられるだろう。
いつまで、
この気持ちをおさえこんだまま、
徳井のそばにいられるだろう。
840
レスター
2008/05/20(Tue) 03:52
不自然に圧迫された肋骨から
鈍い痛みが走る。
痛みで。
このよこしまな思いが
消えてしまえばいいーーー。
福田はそう願って、
小さく、小さく身を屈めた。
841
レスター
2008/05/20(Tue) 03:55
『この世の果て---end of the world---』第2章<6> <終>
いつ彼氏にみられても大丈夫なよう、
同居をはじめたら
残念なボディーは卒業しておきましょうね、お得意。
こんなところで。
第2章簡潔でございます。また。
レスター
842
優
2008/05/20(Tue) 04:05
リアル遭遇でした。嬉しいv
第二章の完結、おめでとうございます!ありがとうございます!
手を伸ばせば触れられる距離にいつもいるのに、
相手のことが大切すぎて、自分の気持ちが大きすぎて、
それでも傍に居たくて苦しむ福ちゃん。
同じようにお徳井さんももがいてるんだろうなぁ。
なんて不器用で、愛しい人たちなんでしょうか。
レスター様の文章はとても瑞々しく透明で、
読むたび心にじんわり染みこんできます。
今日もうっとりです。
更新お疲れ様でした。
次回も楽しみにしています。
843
レスター
2008/05/20(Tue) 13:27
>優さま
またまた夜明けまで、このスレにもお心をくだいてくださって…(感涙)
ほんとうにありがとうございました。
もっと近くにいたくて、そんでもいままでの時間が大切すぎて
うろうろしてしまう不器用なおっさんたち。
リアルの中途も、なんかそんなふうに悩んでそうな気がして
見ててハラハラするんですよね(ただただ、だるいときのほうが多いけど)。
優さま、いつもお忙しいなかお声をかけてくださって、
おかげさまで勇気がでてここまで書き進めることができました。
これからもあいかわらずこんな調子かとは存じますが、
どぞどぞよろしくお願いいたします!
844
レスター
2008/05/20(Tue) 13:29
ここまでの超ざっくりな「しおり」どす。ちょっとずれてるかも。
>>6
『無理じゃない恋愛』(概要)
>>7-39
『無理じゃない恋愛』<episode-1>(前スレからの続き)
>>52-53
『この世の果て』(概要)
>>62-125
『この世の果て』第2章<1>
>>138-193
『この世の果て』第2章<2>
>>211-416
『この世の果て』第2章<3>この段落の時系列は逆転しています。
>>389-415
福ちゃん@飲み屋
>>373-382
田村GJ!
>>327-364
慎吾と敦彦、1年前話そして再会
>>277-294
慎吾と敦彦、細川が回収
>>250-266
敦彦、お得意に電話
>>213-240
お得意出動
>>421-567
『この世の果て』第2章<4>
>>580-701
『この世の果て』第2章<5>
>>717-841
『この世の果て』第2章<6>
>>307-312
ライブスタンド中日レポ(フィルターかかりぎみなので2割引くらいで)
845
レスター
2008/05/20(Tue) 13:35
あらためまして、
いつもお忙しいなかお立ち寄りくださるみなさま、
ほんとうにありがとうございます。
また、ありがたいお言葉でのおはげましにて、
おかげさまでこんな私でもつらつらと続ける勇気をいただいております。
言葉が足りなくて申し訳ないのですが、
いつもいつも、心から感謝しております。
第3章までちょこっとお休みして(いつまで続くねん)
中途と東洋のダブルデートで温泉でも行かせるか。
などと思う昼下がり。
みなさまもよい午後をお過ごしくださいませ。
レスター
846
柚雨
2008/05/20(Tue) 13:49
うわあ。ニアミスでした♪
たった数歩を踏み出すことを躊躇う福ちゃん。
その丸い背中を思うと泣きそうになります。
裕くんの家からの帰り道、徳井さんはあの数歩の距離を詰めて福ちゃんを抱きしめることが出来たんですよね。
だからきっと福ちゃんも大丈夫。などと勝手に思いながら読んでいます。
今度は慎吾の言葉が福ちゃんの心にちょっとでも届くといいなと思いつつ。
温泉ダブルデートですか!!
テンション上がりまくりです。
大興奮です!
これから歯医者なのですが、立ち向かう勇気が出ました(笑)
お話を楽しみにお待ちしています。
847
名無しさん
2008/05/20(Tue) 18:05
名無しで失礼します
いつもお話楽しみにしてます
キレイな福ちゃんと黒猫のファンになってしまいました
可愛い二人が笑顔になれる様応援してます。
温泉ダブルデートいいですねードキドキしつつお待ちしてます。
848
名無しさん
2008/05/20(Tue) 19:14
携帯からなので失礼します。
>>1-30
>>31-60
>>61-90
>>91-120
>>121-150
>>151-180
>>181-210
>>211-240
>>241-270
>>271-300
>>301-330
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>>841-870
>>871-900
>>901-930
>>931-960
>>961-990
>>991-1200
849
みなみ
2008/05/20(Tue) 21:01
レスターさま
2章完結おめでとうございます。
この先も、ご自分のペースで更新なさってください。
自転車でもジェット機でも競歩でも・・・どの速さにでも付いていって見せます。
どこまでも連れて行ってくださるのなら、手、繋いでもいいですか(ドキドキ)
次の温泉ダブルデート・・・すてきすぎ。
隣りの部屋を押さえてコップを壁につけたい衝動と戦ってきます。
みなみ
850
chi
2008/05/20(Tue) 23:32
いつもこっそりどきどきうきうきをっちんぐしております。
2章完結おめでとうございます。
温泉旅行も楽しみにしています。
ひもさんと監督さんが出会ってみつめあってた
(監督さんメンチきってた)記念カキコ。
851
蓮々
2008/05/21(Wed) 02:06
更新おつかれさまでした。
祝2章完結。
いつもいつも更新を心待ちにしている蓮々です。
わーーー。ダブルデート♪
いちゃいちゃする二組に期待。
温泉ではどんなことが・・・(妄想中)^^;;
852
悠斗
2008/05/21(Wed) 02:11
2章完結おめでとうございます。
3章も楽しみですが、温泉Wデートも楽しみでございます。
というかレスター様のお話は全て大好きですv
楽しみにしておりますv
853
名無しさん
2008/05/21(Wed) 21:28
まだまだ緊張感の漂う二人が仲良く温泉旅行行けたらいいですね。
あと数歩の距離、是非とも頑張っていただきたいです(苦笑)
レスター様の言葉を読む度に心が清浄される気分でございます。
言霊って凄いなぁと改めて実感しております。
854
桜
2008/05/24(Sat) 18:42
更新お疲れ様です!!
第二章完結ですかあ。
なんだか映画を見ているような気分です。
いや、もうこれ映画化してしまってわ?!笑
キャストはこのままでww
855
レスター
2008/05/25(Sun) 00:44
こんばんわ。
レスターでございます。
メッセージをいただきましたままお返事が遅くなり
たいへん申し訳ありません!
>柚雨さま
そうだそうだ。裕くんちの帰り、そうだった。
考えてみると、ここまでで二人とも結構な度合いで
数歩の距離なんか越えちゃってるじゃん、ということに
あらためて気づいたんですけども。
自分の積極性に自信がないうちは納得できない
福田さんなのかもしれませんねえ、公務員気質だから(笑)。
歯医者さん、たいへんお疲れさまでした!
ほんっと勇気いりますよね。わずかでもそのお助けができたのだとすれば
こんな嬉しいことはございませんです。
いつもありがとうございます。温泉、行かせてみせます(笑)。
856
レスター
2008/05/25(Sun) 00:54
>847さま
こんにちわ。
お立ち寄りくださって、そして嬉しいコメントを残してくださって
ほんとうにありがとうございます。
福ちゃんと慎吾って、並ぶとなんか絵柄がかわいいんですよね。
似てるわけでもないんでしょうけど、
妙にわかりあえそうな、不思議な波長の一致があるような。
ふたりへの応援ありがとうございます、笑顔にしたいと思います!
温泉もがんばります。
よろしければどぞどぞ、これからもおつきあいくださいませ。
>848さま
お手数いただきまして感謝です。
もうもう気が利かなくってほんとすみません。
>みなみさま
どうもありがとうございます!
自転車でもジェット機でも競歩でも…
すみません欽ちゃん走りなんですけど、
それでもおつきあいいただけますか?
お詫びに、手は恋人繋ぎで(いやそれはみなみさまに却下されるだろう)。
温泉ダブルデート、お隣の部屋にコップをご用意しておきますね(笑)。
拙いスレに温かいメッセージをいただき、大感激です。
どぞどぞ、これからもよろしくお願い申しあげます!
857
レスター
2008/05/25(Sun) 01:08
>chi さま
こんにちわ!
うきうきをっちんぐ、ほんとうにありがとうございます。
書き始めた当初には考えてもいなかった方向に話が広がって
終わるに終われない話になってしまっているのですが、
このように chi さまにお心をかけていただいて
ほんとうにありがたく、嬉しく思っております。
っていうか龍っちゃんと監督さん(メンチ夜露四苦)、
ほんっとに出会ってもうた…すごいなー。
あっちこっちそっちこっち、目が離せないことばかりでございます。
これからもどうぞ、よろしくおつきあいくださいませ!
>蓮々さま
もうもう、いつもほんとうにどうもありがとうございます(涙)。
いやほんとうに、当初から辛抱強くおつきあいくださり、
見守ってくださいましたおかげにて
ここまで書き進めてくることができました。
懲りもせずまだまだ続くと思いますが、どぞどぞお見捨てなく
よろしくご助言いただけますようよろしくお願いいたします。
温泉。ねえ、ほんとどんなことが…
わたくしなぞの筆力では、あの2カッポーのラブラブは
到底表現できないことはわかっていますが、がんばってみるです!
858
レスター
2008/05/25(Sun) 01:27
>悠斗さま
いやいやほんとうに、いつもどうもありがとうございます(涙)。
好きで書いてるのに、これが結構心細かったり
なんだかんだと凹んだりするもので、
そういうときに悠斗さまの残してくださるお言葉に
励まされてまいりました。
拙い私ですが、どぞどぞこれからもよろしくよろしくお願い申しあげます。
温泉Wデート、これまた気持ち先行の
拙い一編になることはみえみえなのですが(笑)
なにとぞおつきあいくださいませ!
>853さま
こんにちわ。メッセージ、ほんとうにありがとうございます。
言霊。そうですねえ、言葉にはたしかに
なんらかの魂というか、大きな力がありますよねえ。
それを仕事にしている「芸人」さんたちってほんとうにすごいと思う。
でもでも、私の言葉なんぞはもうもうありきたりであって、
もしもなにか力があるとすればそれは、
読んでくださる853さまの感受性こそが美しいからなんだと思います。
こちらこそお力をいただいています。心から感謝です。
このところ、ずっと緊張していて可哀想なので
二人には温泉でゆっくりさせてあげたいです(ゆっくりできるのか?)。
これからも、どぞどぞよろしくお願い申しあげます!
859
レスター
2008/05/25(Sun) 01:52
>桜さま
ありがとうございます!
うわあ、これまた有り難いお言葉を…(涙)。不肖私、
書くときっていうのはまずなんか、ある「映画」の映像を
見たつもりになって妄想して(笑)
そっから台詞だけの「脚本」を起こしてみて、
気持ち的に行けそうになったらそれを繋げてみる、みたいな感じなものですから
「映画」というワードを頂けて感激でした。
まあ、もうもう私なんぞの拙い話はさておいて、
この板にある素敵な書き手のみなさんのお話の数々を映像化して見られたらいいのになー。
文字で書いたらそれがCG化される、みたいな技術もそのうち進むんでしょうかね。
そんなんじゃなくって、頭の中で想像するからこそ楽しいのか。そうか。
桜さま、これからもどぞどぞよろしくお願い申しあげます!
860
レスター
2008/05/25(Sun) 02:15
トゥ・トゥ・トゥ・トゥ・トゥトゥ・トゥ。
トゥ・トゥ・トゥトゥ・トゥ、
マイファーザーマイケルジャクソン。
危惧したとおり、昨晩から
ロバーツの「トゥトゥトゥサークル」のメロディが
耳について離れないレスターでございます。
ライブスタン
h@WOWOW
、
中途のセレクトネタが2日目の「かわいい祭り」とは。
あらためてみると…本気で恥ずかしいですねこの人たち(笑)。
ネタ最後のお願いポーズが、
そういえやオリラジネタのはにわのポーズとかぶってるじゃんと思ったら
めっちゃ笑ってしまった。
…ので、しばらく重たい話はお休みしまして、
予定どおり2カップルで温泉旅行に行かせてみます。
題して『温泉にいこう!〜 ダブルデートでゴーゴゴー 〜』。
よろしくおつきあいくださいませ。
861
レスター
2008/05/25(Sun) 02:16
温泉。
行きたいな。
…そうや温泉。
俺、温泉行きたい。
行きたいなあ、福ちゃん。
862
レスター
2008/05/25(Sun) 02:18
「…何回いうねん」
低いテーブルの上に広げた雑誌を
一心に読んでいた相方が顔をあげ、
あんまし似合わん眼鏡の奥で切れ長な目を細めて
掠れた声でつぶやいた。
「起きたんやったら、声かけてきてな。
<徳井待ち>的なことになってんで」
「…」
863
レスター
2008/05/25(Sun) 02:20
毛布…畳か。
そうや。楽屋やった。
前の仕事が早くあがって余裕で入って、
そんでもう勘弁して、いうくらい眠くて、
ちょっとだけ、な、ちょっとだけとかいって横になった
…までは覚えてんねやけど。
こらだいぶ本格的に寝てもうたな。
座布団に涎こいてるし。
ティッシュ。
めがね。どこ?
864
レスター
2008/05/25(Sun) 02:21
「疲れとるねえ」
顔もあげずに福田がいう。
「夜、遊び歩いてんちゃう」
なんやねん。
話するときくらい人の目みろや。
そんなおもろいんか、その雑誌。
どうせまたバイクか料理やろ。
料理ねえ。
タコさんウィンナー。なんやねんあれ。
おじいちゃんのくせに。
そんな美味いんやったら、
作ってもってこいや、ちゅうの。
865
レスター
2008/05/25(Sun) 02:22
「遊んでません」
「ふーん」
「遊んでないし、歩いてもないし」
「そ」
「…ほんまやし」
それどころやない。
春になって、ドラマや新番組やなんやかんやって
全部いっしょんなって動き始めて、
なにがなんやらわからへん。
866
レスター
2008/05/25(Sun) 02:24
こんなん、贅沢な悩みやてわかってるけどなあ。
やけど、あんまり続くと
そういうこと、つい忘れてまう。
いっこいっこ、もっと大事にせなあかんのに。
リセットしたいなあ。
ゆっくりしたいなあ。
行きたいなあ。
「…温泉」
「なんやねん、もう」
…ほらぁ。
おまえやってそうふに
すぐイラっとするやんか。
867
レスター
2008/05/25(Sun) 02:25
「やって、それしか浮かばへんもん」
「いくよ」
「…」
「…」
「くるよ?」
「ちゃうがな、どやさどやさ言うてへんやろ」
「…」
「だから温泉。行く、いうてんの」
868
レスター
2008/05/25(Sun) 02:27
「…誰が」
「おまえが」
「誰と」
「俺と」
「…」
「藤森と」
「…」
「中田」
「…」
「…」
「続けていうてみて。誰と」
「俺と藤森と中田」
「…部屋とYシャツと私みたいに軽くいわんといてくれる」
869
レスター
2008/05/25(Sun) 02:29
福田がようやく顔をあげ、呆れたような声でいった。
「え〜、ちょ、聞こえてたんちゃうの?
オンセンしか聞こえてへんかったん?」
あー。
ほんま、あんま似合いませんねえ眼鏡。
かわいいけどもね。
…やなくて。
え。え。なんて。
870
レスター
2008/05/25(Sun) 02:29
「やからぁ。
さっき辻井ちゃんがそこきていうとったの。
今週末、ロケで山形の温泉行くんやて」
「ロケってなんの?」
「またBSとかちゃう?そこまで聞かんかった」
871
レスター
2008/05/25(Sun) 02:30
うそ。
えー。
うそぉ。
「岩手?」
「やって」
「オリラジと」
「そ」
「…なんや」
「なんやねん」
「ええ〜、なんや、オリラジぃ〜?」
「あかんのか」
「やってメガネンタルラジオとヒゲエンタルラジオが」
「やめろやそれ」
「一緒なんやろ」
「ええやんか、オリラジやで」
「そうやけど…」
872
レスター
2008/05/25(Sun) 02:34
そらあの二人やったら気使うこともないし。
一緒に行ったら行ったで
おもろいこともあるやろうし。
番組終わってから
ゆっくり話す時間もなかったしなあ。
でも。
でもやで。
「福田」
「もうええから、とりあえず寝癖なんとかせえや」
873
レスター
2008/05/25(Sun) 02:37
ほら。
まーた雑誌ですわ。
ちゃーんと俺のほうも見んと、なんやねん。
寝癖ついとるかどうかなんてわからへんやろ。
…まあ、ついてるけども。
せっかく久しぶりのゆったり楽屋やで。
畳の、なあ、ゆとり空間やで。
ふたりっきりやで福ちゃん。
最近こんなんすらなかったやん、めっちゃ貴重なのにおまえ。
…まあ、俺、寝てたけども。
874
レスター
2008/05/25(Sun) 02:38
「もう、はよせえや」
「…おまえやって」
「はい?」
「ぜんぜん嬉しそうやないやん」
「なにが」
「温泉。そんなんばっか読んで」
「…」
あ、怒った。
眉間がキュッてなってる。
875
レスター
2008/05/25(Sun) 02:40
ちょっとの沈黙をおいて
深いため息をついた福田は、
開いた雑誌の真ん中にほっそい指を広げて置くと、
弾くようにして机の上をシュッとスライドさせる。
みごとに上下反転したそれは、俺の前。
なんなんこれ。
悪いけど興味ないから。
おまえが、俺のことほっぽって
夢中になって読んでた雑誌なんか。
バイクにも。
料理。
にも。
…。
876
レスター
2008/05/25(Sun) 02:42
雑誌ちゃう。
もっと薄い、なんかのパンフレット。
「起きたら先生に見せたげて、いうて辻井ちゃんが置いてってん」
間接照明に浮かび上がった、白い湯気のたつ水面。
長い渡り廊下。
モダンで落ちついた色合いの和室。
「日帰りきついから、泊まりロケなんやて」
『川のせせらぎを耳に 静かなやすらぎのあるひとときを』
877
レスター
2008/05/25(Sun) 02:45
さっきからずっと。
これ見てたん。
俺がグーグー寝てて、
辻井ちゃんきて話きいて、
辻井ちゃん出てってまたふたりっきりになって、
まだグーグー寝てる俺の横で、
ひとりでずっとこれ見てたん。
福田。
そう言おうとして顔をあげる。
テーブルの向こう側で、
両手で頬杖をついた福田が―――
なんなん。
おまえ、なんやねんその笑顔。
878
レスター
2008/05/25(Sun) 02:46
「温泉やで、徳井さん!」
879
レスター
2008/05/25(Sun) 02:49
『温泉にいこう!〜 ダブルデートでゴーゴゴー 〜』<つづく>
こんな感じでひとつよろしくです。
ほんと、温泉いきたいなあ。
また明日!
レスター
880
ぷっちゃい
2008/05/25(Sun) 03:16
深夜の更新お疲れさまです。
温泉でほっこりしっぽり。いいなあ!
もう二人のだっるだるい会話だけでほこほこです。
肩こりもふっとびます。
昨夜お二人がラジオで学生時代の思い出を無邪気に語り合う様を聞いて、
目頭が熱くなりました。
二人が共有してる幸せな記憶があるかぎり、
これから先何があっても大丈夫なんだろうなあと思いました。
今夜は私も夜更かしです。某深夜番組のエロ詩吟聞いてから寝ます。
881
桜
2008/05/25(Sun) 10:18
温泉旅行スタートですね((きら
温泉なんて、
しかもオリラジとなんて、
絶対癒されますね!
中途も東洋も最近忙しいから、
こういう企画、やった方がいいんじゃねえか的な(あべちゃん風)
・・・すいません、変なコメントで。
続き楽しみにしています!
882
レスター
2008/05/25(Sun) 20:40
>ぷっちゃいさま
こんにちわ!
お立ち寄りくださってもうもうありがとうございます。
ラジオ、ああ〜そうなんですか。いいですねえ。
というかだるいですねえ、ほんとに。
聞けてないけど、ぷっちゃいさまの文章を読んで
なんかもう聞こえてくるような気持ちになることができました。
いつだったかお得意さんは、記憶の共有こそが愛だとかなんだとか
そんなニュアンスのことをのたまったのでしたっけ。
…あると思います(笑)。
ぷっちゃいさま、どぞどぞこれからよろしくお願い申しあげます!
>桜さま
はい、スタートでございます。
二人っきりじゃないことに若干ご不満なお得意ですが
どうせプライベートじゃないんだから別にいいじゃねえか的な、
っていうか福ちゃんと一緒ならいずれにしてたって
H・A・P・P・Yなんじゃねえの的な。
九州の卒業旅行番組、熊本の温泉宿でのふたりには正直呆れましたしね。
考えてみますと、いまだかつてなにも起きていない拙スレですが(笑)、
温泉とダブルカポー効果で、ま、ほっとけば
今回はなんか起きるかもしれません。
桜さま、どぞどぞこれからもよろしくお願い申しあげます!
883
レスター
2008/05/25(Sun) 20:44
そうそう。
温泉、東北がいいな、どこがいっかなーと
迷いながら昨日書いてたら、
岩手と山形に割れてた。恥ずかしい。
まああのへんの雰囲気の、でも架空のどっかだという感じで
お赦しいただけましたら幸せでございます。
またのちほどまいります。
レスター
884
柚雨
2008/05/25(Sun) 22:22
温泉、始まったんですね!!
早く教えたいのを我慢してパンフレットを眺めながら、
徳井さんが起きるのを待ってる背中のまっる丸い福ちゃんを想像したら畳に押し倒したくなりました(笑)
可愛すぎます。
うわあああ。身悶えしてしまいます!
オリラジと一緒の温泉ロケ。
どんな事が起きるのか、ワクワクしながら続きをお待ちしています。
WOWOWでライブスタンド見ました。
レスター様のレポを読んで覚悟していたつもりですが……想像以上でした。
打ちのめされました。
だっるだるです。こっすーやよっさんの気持ちがよくわかりました(笑)
公衆の面前で福ちゃんにぺたぺた触る徳井さんが可愛かったです。
徳井さんはいつか視線で福ちゃんに穴を開けてしまうと思いました(笑)
885
悠斗
2008/05/25(Sun) 22:47
更新お疲れ様です。
東洋と中途の絡みが楽しみです。
若い二人に、30過ぎ二人組はどう対応してくんでしょ?(笑)
結局楽しみなんだね、福ちゃん。可愛いなぁv
次回も楽しみにしております。
886
レスター
2008/05/27(Tue) 09:47
>柚雨さま
いつもありがとうございます!
畳に…ええもう、どうぞどうぞ〜。
まっるい背中をほったらかして隣でぐーぐー寝ているような奴に文句はいわせませんとも。
ライブスタンド、私たぶん自分の記憶は
相当フィルターがかかった状態だろうなと思って
かなり期待度を下げた上で臨んだのですが、
…どっちかというと記憶を超えていて衝撃でした。
近い将来、たしかに福ちゃんに穴あきますね、あれは。
というか四六時中あの素敵な眼力に至近距離からみつめられて
どうして福ちゃんは平気なんだろう…だっるだるいですよね(笑)。
>悠斗さま
いつもありがとうございます!
そうですよね…若者たちとの道中、
おっさんふたりはついていけるのだろうか。
疲れをとりにいくはずが、思いっきり疲れそうな気もしますが
どうにか楽しい1泊2日に…。
九州の温泉宿でも楽しそうだったふたりアゲイン。
っていうかほんとに行けばいいのに10周年で。
などと思いながらゆるゆるがんばります。
どぞどぞ、よろしくおつきあいくださいませ!
887
レスター
2008/05/27(Tue) 09:52
レスターです。
はりきると、鯖が重いこのジンクス。
世の中こんなもんですよなあ。
まあゆるゆると、またのちほど。
とりあえず、
Wデート後にできあがった妄想番組の新聞テレビ欄です↓(笑)。
888
レスター
2008/05/27(Tue) 09:53
00字Sチュートとオリラジ
の温泉にいこう!湯け
むり情緒でコンビ愛再
確認の旅▽ほんわか心
づくしの郷土料理▽無
人駅に妄想武勇伝誕生
▽中田藤森あわや解散
の危機!?▽浴衣Wデ
ートで川辺をぶらり▽
徳井絶唱カラオケに福
田が涙… 2133892
889
みゆき
2008/05/27(Tue) 13:12
HAHAHAHAHAHA!
予告に高笑いしてしまいました。
おまけに温泉!行きたいあたくしが!
ちゅうか何時間番組の何時からですかね、HD残量確かめなくちゃ(爆笑)。
ええなあこんな番組あったらもう涎もんですわ。
お疲れやろうし、リアルなあの方々もほんとにゆっくり出来たらいいでしょうねえ。
わうわう云う番組も、レスター様のレポで予習してましたから楽しく見させて頂きました。
チェック項目の[意図的に避けた]手ぇもきっちりと(笑)。
来月の再放送で全ステージ録画を誓っているみゆきがお邪魔してしまいました。
890
悠斗
2008/05/27(Tue) 18:16
テレ欄うまいですね。本当に書いてありそう(笑)
福ちゃんの浴衣チラリズムを楽しみにしていますv
あぁ、本当に10年の節目でやってくれないですかね…(泣)
891
名無しさん
2008/05/28(Wed) 22:30
ついこの間までのホスト徳井の福田救出劇からの落差が凄いw
最近寄らせて頂くようになったばかりですが
貴スレ内の幅の広さに興味津々です。
番組表馬鹿受けでしたww温泉旅行楽しみにしてます。
892
柚雨
2008/05/29(Thu) 01:08
テレ欄、素晴らしすぎます!
浴衣でWデートもはっきりくっきりと妄想できます♪
徳井さんが絶唱する曲はなんだろう…などと、とめどなく妄想中です。
夜中にPC前でニヤニヤしっぱなしです♪
確かにあれだけガン見されてても平気なんですよねぇ、福ちゃん。
いつもすごいなあ、だるいなあって感心しています(笑)
893
レスター
2008/05/29(Thu) 09:33
>みゆきさま
あははw 笑っていただけてよかった!
放送はよくある土曜の昼13時から。
観るほうの妄想を超えたり超えなかったりする
だるい2時間ものでございます。
2時間やるのと、ネタ10分とどっちがだるいかというと
なんともいえないカポーたちのWデートでございますので、
どぞどぞよろしくおつかいいただき、
みゆきさまの想像力を私にお貸しくださいませ。
ライブスタンド、再放送あるのですね♪やった、今度は木村録らなくちゃ(笑)
>悠斗さま
ありがとうございます!
福ちゃんの浴衣チラリズム…おっと想像しただけで。
無限の美脚自慢を思い出しますねえ。
ちゃんとした着物も似合うし、あの人たちほんとに和装もいいなあ。
10年目記念、お得意さんのリッツ(でしたっけ)スイート泊の野望は
将来に先延ばしになったようなので、
手近な所でもいいからぜひまた温泉あたりに
繰り出してほしいですよね。
どぞどぞ、このあともよろしくおつきあいくださいませ!
894
レスター
2008/05/29(Thu) 09:41
>891さま
こんにちわ。
いらしてくださって、ほんとうにありがとうございます!
一貫性がなくて申し訳ございません、
銀行員福田があんまり煮え切らないものですから
ちょっとイラっときて(笑)、
とりあえずいったん温泉に送り出すことにいたしました。
とろとろと続く拙いスレですが、
よろしければどうぞこれからもよろしくお願い申しあげます!
>柚雨さま
ありがとうございます。
浴衣Wデート、そしてお得意さんの絶唱。
きっと私の筆は柚雨さまの素敵な想像力には
絶対かなわないとは思います、が、
がんばりますのでどうぞお力お貸しください♪
このあいだの「歌スタ」でも、お得意さんのガン見 from 至近距離、衝撃でしたね。
徳井さんも福ちゃんも、生涯でいちばん長時間みつめた顔って
相方なんだろうなと思うと…ほんとだるすぎる(笑)。
このあとも、どぞどぞよろしくおつきあいくださいませ!
895
レスター
2008/05/29(Thu) 09:47
ドラマ、うっかりしているうちに
追い抜かれた敗北感がぬぐいされないレスターです。
一郎ちゃんと龍彦、どないやねん…
ドラマ的には律っちゃんといっちゃんの恋は応援したい気もするが、
結局「お友だちでいましょう」になって傷心の監督んちに
同じく傷心の作家が転がりこんできたって、それはそれで構わないですけど。
まあそんなことはないでしょうけども。鳥将軍ですけども。
さて温泉番組ですが。
まずはお読みくださる方の想像力(妄想力)におまかせ。
実況スレにてお楽しみくださいませ↓
またのちほど!
896
レスター
2008/05/29(Thu) 09:51
実況 【コンビ愛】 チュートとオリラジの温泉に行こう!【再確認】
1 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:45:22.48 ID:jWGKQ3Lt
○○テレビ系 5月**日(土)午後1時
チュートとオリラジの温泉に行こう!
〜湯けむり情緒でコンビ愛再確認の旅〜
浴衣でWデートだそうです…だるい。
2 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:47:23.27 ID:CcCjdgeR
>1 乙!
3 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:48:17.70 ID:jWGKQ3Lt
>1
乙です 始まる前からだるいw
4 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:55:52.27 ID:AfpKMBaQ
予告キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
5 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:56:53.91 ID:NVmxCf6G
ほんとに行ってる!!!・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。。。・゚・
897
レスター
2008/05/29(Thu) 09:51
6 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:56:57.41 ID:Lam4X1YN
東洋ペアルックか
7 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:57:02.01 ID:0rkIEKjz
福ちゃんなに持ってたんだろう
8 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:57:25.89 ID:O3fOMBLe
ありがとうありがとうw
9 :名無しですけども:2008/05/**(土) 12:58:12.60 ID:gWYn4ZMf
絶唱て…ちょww徳井wwwwww
10:名無しですけども:2008/05/**(土) 12:58:31.31 ID:CYr2yfKr
>8
ありがとうとうとうととうとう
898
レスター
2008/05/29(Thu) 09:52
もちろんですが
この実況スレは架空でございます(笑)。
またのちほど!
レスター
899
レスター
2008/05/29(Thu) 12:33
11 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:00:32.16 ID:CQKpEv2r
始まった 東京駅集合
12 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:01:32.53 ID:bby9SDtf
ほんとだペアルックだ…
13 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:01:33.40 ID:jvQEJ9En
あっちゃん寝癖ついてる
14 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:02:56.11 ID:d9O+sJfh
チュートきた
15 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:03:34.52 ID:6+vJ0bW1
トーチリアル
900
レスター
2008/05/29(Thu) 12:35
16 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:03:35.33 ID:v4ktNRs8
徳井コロコロ好きだねえ
17 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:04:36.63 ID:SZQNjHzW
福ちゃん早朝からいい舌の巻きっぷり
18 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:04:41.30 ID:EvGiaN5O
割り勘て
19 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:00.99 ID:y8/PPqSE
コロコロ福ちゃんがひいとる…
20 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:50.39 ID:LyuN9ZNe
徳井、手かかりすぎ
901
レスター
2008/05/29(Thu) 12:37
21 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:53.68 ID:uflt9nz8
ぐだぐだw イイw
22 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:53.74 ID:YmnBWnDq
タイトルにハートついてるしw
23 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:54.07 ID:mhHvEpIG
東洋プレゼンツなんだね
24 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:54.05 ID:jI7RHF8p
温泉嬉しそうだなあ福田
25 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:54.18 ID:Cn/aGHwW
徳井…
902
レスター
2008/05/29(Thu) 12:38
26 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:54.65 ID:WdCAYJ4F
ちょwお得意w
27 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:56.34 ID:p+lcGRTP
失楽園てw
28 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:05:56.96 ID:A/nPggnd
そういう問題ちゃうやろw
29 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:06:00.67 ID:KBP+oVDQ
福田のつっこみどころもそこちゃうやろw
30 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:06:02.77 ID:hMc8nyJ7
既にだるい
903
柚雨
2008/05/29(Thu) 16:59
実況を見ながら相変わらずニヤニヤが止まりません。
画面が見たすぎます!!というか、参加したいです(笑)
…失楽園ですか!
私の想像する場面なんぞはレスター様の文章があってこそです。
文面から立ち上る2人の、周囲の人々の空気に当てられてこそなのです。
こちらこそこれからも憑いていかせて下さいませ。
「歌スタ」はカメラのフレームに納まる範囲でガン見するから超至近距離ですよね。
夜中に呻いています。
今日の「いいとも」でもOPで徳井さんが至近距離で福ちゃんをガン見してましたね。
福ちゃんの少し跳ねた襟足でも見てるのかと思いました(笑)
904
桜
2008/05/29(Thu) 20:53
ちょっちょっちょ!
どんだけ楽しみにさせたら気が済むのレスター様!!
8スレと10スレのコンビネーション
(某跳○○中にて)
がうけましたわら
905
名無しさん
2008/05/30(Fri) 01:53
× 8スレ10スレ
○ 8レス10レス
すいません毎回気になって死にそうで。
間違ってますよー…
906
トーリィ
2008/05/30(Fri) 22:07
お久しぶりですww
くふふふふvvv
にやけを堪えるとこんな気持ち悪い笑い方になるトーリィです。
テレ欄を見てボルテージ急上昇!
さらに実況スレで興奮はMAXに!!!
ところでレスター様・・・。
この放送は、もちろん全国ネットですよね?
東北在住でも見れますよね??
907
レスター
2008/05/31(Sat) 02:22
>柚雨さま
もう歌スタ!いいですよね。この二人、どんだけ呼吸があっているのかと。
そして至近距離からガン見はこのところのお得意さんのテーマなんでしょうか。
…まあ今に始まったことでもないけども(笑)。
襟足はねてたのか福ちゃん!早く録画みなくっちゃです。
実況、参加していただけたらどんなに楽しいことか
っていうか、ここにいらっしゃる中途スキーなみなさまと
いつかなんかそういうおもしろいことできないかなあー。
柚雨さま、いつもありがとうございます。
なにが失楽園なのか(笑)、くだらなすぎる妄想番組で申し訳ないのですが
どぞどぞこれからもよろしくお願いいたします!
>桜さま
いやいやもうもう、桜さまはじめみなさまの想像力頼みという
とてつもなく卑怯な手に打ってでたわけですけども(笑)。
跳○○中、すでに懐かしいですねえ。
これからって感じしたんだけどなあ…
オリラジとチュートの東西カワイイ対決画面、またみたいなあ。という一心で。
桜さま、いつもありがとうありがとう。
箸休めになるのかどうか、温泉しばらく続きますが
どぞどぞよろしくおつきあいくださいませ。
908
レスター
2008/05/31(Sat) 02:32
>905さま
おお、私が普通に気づいてなかった!すみませんw
レス。スレ。ややこしいれす。
>トーリィさま
こんばんわ、お久しぶりです!
お立ち寄りくださってほんとにありがとうございます。
アハハ、こんな番組全国ネットでいいんでしょうか。
というか…トーリィさま、東北にお住まいでいらっしゃるんですね!
すみません、温泉の設定を「いいなあ〜」というイメージだけで
東北に設定しちゃったのですが、きっと
「こんなのは東北にはないぞ!」的な架空の土地になると思われます。
ごめんなさい、そのあたりどうぞお見逃しいただきまして、
どぞどぞよろしくおつきあいくださいませ!!
909
レスター
2008/05/31(Sat) 02:51
馬で…よかったかなあ。
馬で…よかったんちゃう?
某西武カードのお馬さんのCM、
語尾、これじゃピースじゃねえか(笑)、と思ってたら
ほんとにピースがやってんのか!!
こんなメジャーなCMに、名前も姿もまったく出さずに…
愛しさとせつなさと心細さに卒倒しそうなレスターでございます。
ともあれ実況、続きます。
910
レスター
2008/05/31(Sat) 03:30
31 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:07:13.90 ID:EJo1OXk/
東北新幹線 修学旅行で乗ったなー懐かしい
32 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:07:14.84 ID:QELfO0MM
ガルガルってなんかかわいい
33 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:07:22.23 ID:oR6FEH+Z
ガルガルw
34 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:07:26.37 ID:hDXdUksw
向かい合わせイイ
35 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:07:27.43 ID:2MXG6bsp
新幹線でも向かい合わせってできるの?
911
レスター
2008/05/31(Sat) 03:30
36 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:08:30.60 ID:fFhp6hic
懐かしいこの感じ
37 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:08:32.16 ID:SZQNjHzW
>35 できるyo
38 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:08:35.24 ID:CGp8svsr
浮きまくってますねw
39 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:08:38.64 ID:Lam4X1YNs
サラリーマンいい奴だなあ
40 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:09:51.35 ID:CQKpEv2r
でたw交際w
912
レスター
2008/05/31(Sat) 03:31
41 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:10:03.61 ID:5Xg7E4dX
グループ交際w
42 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:10:59.45 ID:v4ktNRs8
交際てw中田wwwwww
43 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:11:00.23 ID:2yc00hAH
この食い下がり方が福田クオリティ
44 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:11:32.93 ID:kSL5qiUJ
そしてなんとなくごまかされる福田クオリティw
45 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:12:04.44 ID:5A7hhGXD
徳井ガン見
913
レスター
2008/05/31(Sat) 03:32
46 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:12:06.12 ID:sq47Hu7j
とばすなあお得意w
47 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:12:10.21 ID:fxXsEFxT
ひとくちで28年てすごいよな
48 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:13:22.67 ID:SZQNjHzW
生まれてない…
49 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:13:58.16 ID:jI7RHF8p
そうかオリラジまだ生まれてないのか
50 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:17.62 ID:oDkQOIE2
アッちゃんとツンゴ生まれる前!!
914
レスター
2008/05/31(Sat) 03:32
51 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:29.47 ID:GVhAulAv
衝撃・・・
52 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:30.24 ID:zYQCRqLO
めっちゃ計算違いやからw
53 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:32.52 ID:uflt9nz8
いくつで生ませる気だよw
54 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:32.57 ID:NB1G2UWa
というか誰に生ませる気だよw
55 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:34.65 ID:+ukP432j
小腹タイム
915
レスター
2008/05/31(Sat) 03:36
56 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:35.37 ID:5A7hhGXD
え〜弁当!
57 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:36.20 ID:qx5BYQEC
福ちゃん弁当キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
58 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:36.53 ID:Lam4X1YN
うわああいいなああああああああああああああ
59 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:36.34 ID:Fh8ld5aP
めっちゃかわいい!
60 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:40.21 ID:WVJs+Ije
なんだこのナチュラルな女子感覚
916
レスター
2008/05/31(Sat) 03:36
61 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:50.37 ID:SZQNjHzW
かわいい、かわいすぎる
62 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:52.21 ID:KBP+oVDQ
寝れなかってん、て…福ちゃん…
63 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:54.07 ID:vA6WYtBw
慎吾怒るか食うかどっちかにしろよw
64 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:55.10 ID:yoCJF2Cz
タコさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!w
65 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:56.14 ID:HBBUDWGR
うちの子にも作ってやったことないこんなお弁当 orz
917
レスター
2008/05/31(Sat) 03:37
66 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:57.36 ID:FKTDD8pG
福田の嫁スキル高杉
67 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:14:58.70 ID:jvQEJ9En
ミニハンバーグ泣ける・・・
68 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:01.00 ID:uBuPO8H9
ハイでた徳井の嫁自慢
69 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:01.69 ID:83nu+U5D
はいはい普通ですよw
70 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:05.09 ID:v4ktNRs8
いいなあ駅弁にして売ってほしい
918
レスター
2008/05/31(Sat) 03:37
71 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:10.88 ID:4dXGs6z5
そして寝るのか得意・・・
72 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:18.68 ID:ewyh/Hln
徳井自由すぎだろ
73 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:21.89 ID:igYmUgsB
ツンゴまだタコさん持ってるw
74 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:21.99 ID:HY6kybho
得意が寝た途端話題がまじめにw
75 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:30.01 ID:Cn/aGHwW
こういうとこ先輩後輩っぽくていいなあ
919
レスター
2008/05/31(Sat) 03:38
76 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:41.13 ID:oDkQOIE2
ネタあわせ有名ってどんなんだろう
77 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:43.29 ID:SZQNjHzW
チュートのネタ合わせ見てみたい
78 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:43.57 ID:GJnycU7C
ネプで鳥兄さんもいうてたね>ネタ合わせ
79 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:46.71 ID:ULOTN++v
武勇伝も確かにすごそう
80 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:46.39 ID:fj15lkp/
あっちゃん自慢気w
920
レスター
2008/05/31(Sat) 03:39
81 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:47.19 ID:NVmxCf6G
オリラジは身体能力高そうだからなあ
82 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:49.48 ID:zYQCRqL
チュートは運神ないの?
83 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:51.83 ID:XRhDnVeK
手と脚が一緒カワイイ
84 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:58.72 ID:jvQEJ9En
>82 得意は高校の時ジャンプ力京都で一番(自称)だったはず
85 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:15:59.59 ID:ym+YIWju
起きてたw
921
レスター
2008/05/31(Sat) 03:39
86 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:00.50 ID:NDgX+hN7
げろまいそ〜んwwwwwwwwwwwww
87 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:01.37 ID:+ieAJPJp
自分たちにしかわかんない話すんなよw
88 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:08.55 ID:1XFrmFIv
げろまいそーんってなに?
89 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:10.55 ID:ip/SuDhX
おっさん盛り上がり過ぎ、オリラジキョトーンしとるしw
90 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:11.32 ID:v4ktNRs8
>88 歌を作りたいネタで昔やったチャチャチャのイントロ
922
レスター
2008/05/31(Sat) 03:40
91 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:11.56 ID:SoVRaM/e
キーベイベーげろまいそーん
92 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:15.73 ID:KBP+oVDQ
着いた
93 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:19.28 ID:jvQEJ9En
事務所に甘やかされてるw
94 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:20.45 ID:YLk2aW0L
徳井また眠いのか
95 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:22.16 ID:yoCJF2Cz
どないなってんねん徳井
923
レスター
2008/05/31(Sat) 03:47
96 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:23.84 ID:Ku5fMJow
ホンコンさんwwwwwwwwwwwwwwwwwww
97 :名無しですけども:2008/05/**(土)13:16:25.71 ID:uflt9nz8
なんの絵だよこれw
98 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:28.32 ID:SZQNjHzW
アッちゃんの髭が武将っぽい
99 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:28.84 ID:5A7hhGXD
普通に家族旅行で子供の写真撮ってる夫婦だろw
100 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:30.78 ID:JGgdbigE
この空気感がチュートリアル(ダル
924
レスター
2008/05/31(Sat) 03:49
この土日は鯖のかみさま、
ご機嫌いいといいなあ。
また明日!レスター
925
名無しさん
2008/05/31(Sat) 03:56
オツカレサマデシタ。
(あ、かたかな。)
一言。
斬新。( ̄  ̄)ノ
なんか景色が想像できてイイ。
実況小説。
まだまだ続きますか?
最後まで?
あんなことからこんなことまで?
たのしみ♪
次回もたのしみにしています。
鯖の味噌煮が好き。←意味不明。
926
たつき
2008/05/31(Sat) 08:29
更新おつかれさまです!
実況おもしろすぎます!福ちゃんの手作りお弁当にはタコさんウインナー入ってるんですかぁ・・いいなぁv
私も食べたいです!笑
ほんとに2組で温泉行く番組やってほしいですね〜vそんな素敵な番組は永久保存版にしますよww
927
柚雨
2008/05/31(Sat) 10:38
もうもうもう〜〜。面白すぎです!
楽しそうな4人にほのぼのしています。
>なんとなくごまかされる福田
思わず噴出してしまいました(笑)
福ちゃん、楽しみすぎて寝れなかったんでしょうか。
うう。可愛い…。
福ちゃんの手作り弁当、連載中の某雑誌に写メで載せてくれたらいいのに〜(笑)
次回の更新を楽しみにしています♪
あの声、ピースだったんですね!
実写とCGの組み合わせの馬の映像ばかりに気をとられてました。
うわーーよかったですねぇ。
なんだか涙が滲んできてしまいます。
928
リオ
2008/05/31(Sat) 19:26
こんにちは、リオです^^
忙しいし、今日は他中途小説さんの板に行くのはお預けー!
と心に固く誓っていたリオでしたが・・・・・
実況がちらりと視界に入り、なんじゃあこりゃ!!と見てしまいました。
儚く消えた誓い(笑)
でも見てよかったです。おもしろいっ!
想像(妄想)が出来てとっても斬新かと!わーわーいいなぁ〜
とりあえず中途がラブラブしているということははっきりとわかりましたよレスター様っ!!
(・▽・)ゝレスター様に敬礼!
敬礼をしたまま、続きを楽しみにしております^^
乱文失礼いたしました。では〜
929
レスター
2008/05/31(Sat) 21:43
>925さま
アリガトウゴザイマス!
925さまがどんな絵を想像してくださっているのか、
それをまた想像してとても楽しいです!
実況小説、番組の最後まで続けてみたく思っています。
全国ネット的放送コードもありますので(笑)
どんなことまで編集できるかわかりませぬが、
よろしければどぞどぞおつきあいくださいませ!
さばの味噌煮、美味しいっすよね。酒のアテには缶詰めもいけますよね。
>たつきさま
どうもありがとうございます!
はいもうもう、入ってますともタコさんウィンナー。
列車の旅にお弁当は欠かせませんが、
これが福ちゃんの手作りだったら
ほんっとにいいよなあ…私も食べたいです(笑)。
おつきあいくださってほんとにありがとうございます、
どんな番組になるか、たつきさまのご想像力だより。
どぞどぞこのあともよろしくお願いいたします!
930
レスター
2008/05/31(Sat) 22:00
>柚雨さま
もうもうもう〜(笑)。福ちゃんってなんかいつもお得意さんの言動に
びっくりして食い下がってはなんだかんだとごまかされて、
でも結局それが嬉しいんちゃうけ、みたいなところがありますよね。
電動歯ブラシネタのときの「俺が悪いんか…?」みたいな(笑)。
福ちゃんの手作り弁当、写メ、マジ希望。
ピース@お馬さん、そう思ってみると綾部&マタキチに見えて来るから
不思議ですよね。名前とかHPに載っけてほしいなー。
柚雨さま、このあともよろしくおつきあいくださいませ!
>リオさま
こんにちわ!
お忙しいのにお立ち寄りくださって
ほんとうにどうもありがとうございます。
もうほんと、なんじゃあこりゃ!ですみません(笑)。
みなさまの想像力だよりのへんてこ企画ですが、
もしもしお時間のあるときにちょこっとおつきあいいただけましたら
こんな嬉しいことはありません。
リオさまが敬礼をなさったままなんて、そんなもったいないこと!
もうどうぞどうぞ、お楽になさってくださいませね。
931
蓮々
2008/05/31(Sat) 22:12
こんばんわ。レスターさま。
最後までお付き合いさせていただきますよ。
(これは決定。)
塩鯖も好きさ♪
925こと蓮々でした。
(名無しさんになってた。^^;;)
932
名無しさん
2008/05/31(Sat) 22:18
お疲れ様です!
うぇぇぇ!?
あのCM、ピースだったんですか!?
え、え、え、えぇぇぇ!?(動揺しすぎ
凄いなピース。凄いなぁ。
いや、レスター様の実況も凄いですけど(笑
933
名無しさん
2008/06/01(Sun) 12:59
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-1000
934
レスター
2008/06/01(Sun) 15:58
>蓮々さま
おお、蓮々さまでしたか!
焼き鯖もいけますよね。鯖最高。
最後まで。嬉しいです。
よろしくおつきあいくださいませ。
…離さへんで!(←福田@深イイ風、笑)
>932さま
こんにちわ!お立ち寄りくださってありがとうございます。
そうそう。ピース。
ピースです。ピースのはず。ピース…ですよね?
…なんで自信なくなってんねん(笑)。
公式ページのどこにも書いてないので若干不安ですけど
あの声でしかも関東+関西ですもんねえ。
明日あたりお問い合わせしてみようかな。
あ、へなちょこ実況はぜんぜん凄くないです(笑)が、
もしもお時間がありましたらどぞどぞおつきあいくださいませ!
>933さま
お手数いたただきましてありがとうございます。
気がきかず、すみません!
935
レスター
2008/06/01(Sun) 15:59
101 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:16:35.33 ID:83nu+U5D
ローカル線乗り換え
102 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:17:37.51 ID:TVBChUNb
おお、いいねえ駅の雰囲気
103 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:17:47.56 ID:+ieAJPJp
ひなびてるね
104 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:17:47.42 ID:KCReiyHA
囲まれたw
105 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:17:52.30 ID:2yImH6Ox
中学生?素朴だ…
936
レスター
2008/06/01(Sun) 16:00
106 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:17:53.98 ID:2oVWh0Nn
駅デートってかわいい
107 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:17:59.41 ID:Lam4X1YN
ちょw中学生wwwwww
108 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:17:59.93 ID:fFhp6hic
ええもう兄さんたちもつきあってます
109 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:18:02.35 ID:GtfruG5n
中学生w 福田並の天然爆弾
110 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:18:04.05 ID:x1q44L5p
こういうときの徳井の曖昧顔がかえってねえ〜
937
レスター
2008/06/01(Sun) 16:02
111 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:18:04.80 ID:TVBChUNb
藤森って長野?
112 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:18.41 21ID:E0KTbh4R
上京当時の藤森…さぞやかわいかったろう
113 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:19:07.08 ID:v4ktNRs8
テレクラという言葉自体がおっさん
114 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:19:32.86 ID:JWj+idDm
>111 そう。諏訪。
115 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:20:15.27 ID:HBBUDWGR
出会いがバイトというのもそれなりに深いな
938
レスター
2008/06/01(Sun) 16:03
116 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:20:16.65 ID:xOzjsrzD
福田さりげなく優しいなあ・・・
117 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:20:22.98 ID:lcoUjMIN
美少年だという理由で友達になったのか
118 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:20:58.90 ID:uflt9nz8
あっちゃんも結構怖いこというねw
119 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:02.99 ID:tE/LmrW/
いいね〜町並み
120 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:26.98 ID:+ieAJPJp
タコさんウインナーの稼働距離短くねえか
939
レスター
2008/06/01(Sun) 16:04
121 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:30.58 ID:ULOTN++v
三段活用w
122 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:30.97 ID:ip/SuDhX
福田三段活用
123 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:33.09 ID:83nu+U5D
福っちw
124 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:33.99 ID:AKpCXc0A
食事の前にソフトクリームはひくわぁ
125 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:34.87 ID:GJnycU7C
シャッフル実施
940
レスター
2008/06/01(Sun) 16:05
126 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:35.21 ID:SZQNjHzW
あーそういう分け方
127 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:37.40 ID:zYQCRqLO
徳井wwwwwwwwwwwwwwwwww
128 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:38.54 ID:oDkQOIE2
スワッピングゥ〜
129 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:53.18 ID:FTNdbLVa
お徳井はこれが全国ネットだとわかっているのか?w
130 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:55.76 ID:v4ktNRs8
シゲキーックス!!!
941
レスター
2008/06/01(Sun) 16:06
131 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:58.66 ID:NB1G2UWa
うまそうソフトクリーム 気持ちはわかる
132 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:21:58.54 ID:+wQSMyKx
ご当地ソフト美味そう
133 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:22:10.03 ID:LrK031M6
>128>130 w
134 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:22:18.81 ID:2yc00hAH
もう飽きてるしw
135 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:22:06.00 ID:oDkQOIE2
こっち組なごむなあ
942
レスター
2008/06/01(Sun) 16:07
136 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:22:10.42 ID:QELfO0MM
福田の無意識ののろけが恐ろしい…
137 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:22:14.31 ID:fxXsEFxT
キン消しw
138 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:22:14.57 ID:igYmUgsB
あっちゃん悩んでるんだね
139 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:22:16.30 ID:KBP+oVDQ
あー慎吾そういうとこあるかも・・・
140 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:22:16.49 ID:2oVWh0Nn
いい店だ
943
レスター
2008/06/01(Sun) 16:09
141 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:23:18.70 ID:uflt9nz8
おばちゃんにすべてを決定される二人w
142 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:23:20.99 ID:obmkAps6
いや福田の手ほんとにきれい
143 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:23:22.82 ID:5A7hhGXD
衝撃…
144 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:23:25.09 ID:qmLwdQGj
マジ綺麗なんだけど
145 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:23:26.26 ID:oDkQOIE2
指ほっそ
944
レスター
2008/06/01(Sun) 16:10
146 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:23:31.29 ID:x1q44L5p
イケメンコンビ合流
147 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:23:33.25 ID:ULOTN++v
徳井必死だなw
148 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:23:56.25 ID:ytEDg77j
これなんの痴話喧嘩
149 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:24:13.25 ID:TFrd4FRt
「やってなかったんや」「やってなかったん」 だから…なに?w
150 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:24:33.25 ID:loKKji08
もぉ家でやれや
945
レスター
2008/06/01(Sun) 16:12
151 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:24:46.47 ID:GVhAulAv
おばちゃんに気使わしてこの子らは
152 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:24:47.24 ID:zYQCRqLO
七輪デートですか
153 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:25:32.52 ID:uflt9nz8
餅?旨そう
154 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:25:32.57 ID:NB1G2UWa
わあうまそうこれ
155 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:25:34.65 ID:+ukP432j
味噌やばい、旨そう!
946
レスター
2008/06/01(Sun) 16:13
156 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:25:58.37 ID:5A7hhGXD
七輪まだあったんやんおばちゃんw
157 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:26:36.20 ID:qx5BYQEC
おばちゃん粋なはからいありがとう・・・(涙)
158 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:26:56.53 ID:Lam4X1YN
暑いのか
159 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:27:36.34 ID:Fh8ld5aP
というか熱い
160 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:27:40.21 ID:WVJs+Ije
>159 いろんな意味でw
947
レスター
2008/06/01(Sun) 16:34
増刊号。
お得意全力で福田エピ披露。
オンエア終了後「じゃあおまえが結婚してやれよ」と
10人中15人に思われたんじゃないだろうか。
…10人超えてんじゃねえかよ。しのびねえな。
妄想バラエティ番組『チュートとオリラジの温泉にいこう!』
東京駅で待ち合わせ→新幹線移動
→ローカル線乗り換え→地元中学生とふれあい
→コンビシャッフルするもすぐ合流してお昼ごはん、
という感じのところまできました。
だらだら続いてもうもうすみません。
948
名無しさん
2008/06/01(Sun) 17:10
今更ですが
「名無しですけども」に気付いてツボりましたw
参加型妄想実況、この続きもめっちゃ楽しみにしてます!
949
小枝
2008/06/01(Sun) 18:14
はじめまして
更新、本当にお疲れ様です。
毎回こっそり見てるだけだったんですが、もうあかん><
手作り弁当にタコさんウィンナーって・・・。
どこまでツボをついてこられるのですかー。
ほんまにあかんー、DVDに焼いて永久に保存したいです。
宿とかどうなるのかしら?
福ちゃん酔っ払っちゃったら・・・。
あぁ、もう、最後まで本当に楽しみにしております。
950
レスター
2008/06/01(Sun) 23:52
>948さま
こんにちわ。
お立ち寄りくださってありがとうございます!
あはは、お目をとめていただけましたか!
ツボッていただけてよかったです(笑)。
こんな感じでまだまだ続いていきそうですが、
よろしくおつきあいいただけますよう、
どぞどぞよろしくお願い申しあげます!
>小枝さま
はじめまして!大切なお時間にここへお寄りくださって、
そしてメッセージを残してくださって、ほんとにありがとうございます!
手作り弁当、タコさんウィンナー…
私にその権利があるのなら小枝さまにさしあげたい!
福ちゃん、酔っちゃったらどうなることやら…
意外とその前に酔って寝そうな相方も心配ですけども…
いずれにしても最後まで心配な温泉ツアーでございます。
どぞどぞ、このあともおつきあいいただけますよう、
よろしくお願い申しあげます!
951
レスター
2008/06/01(Sun) 23:56
レスターです。
今晩中に、新スレかなあ。
っていうかこの話で新スレ?
なんかもう…ああ。
とりあえず、続きます。
952
レスター
2008/06/02(Mon) 00:05
161 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:28:02.37 ID:SZQNjHzW
お散歩開始
162 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:28:32.21 ID:KBP+oVDQ
鉱山かー
163 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:28:42.07 ID:vA6WYtBw
この役所の人、笑い飯の哲夫に似てる
164 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:28:49.10 ID:yoCJF2Cz
つるはし?重そう
165 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:28:56.14 ID:HBBUDWGR
またそうやって…
953
レスター
2008/06/02(Mon) 00:10
166 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:28:57.36 ID:FKTDD8pG
あかんあかん
167 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:28:58.70 ID:jvQEJ9En
この子呼ばわり
168 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:29:01.00 ID:uBuPO8H9
レッサーパンダ言うたw
169 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:29:09.69 ID:83nu+U5D
なんでいつもかわいい動物にばかり…
170 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:30:05.09 ID:v4ktNRs8
>163 似てるw
954
レスター
2008/06/02(Mon) 00:14
171 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:30:10.88 ID:4dXGs6z5
そして徳井持ち上がらずw
172 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:30:18.68 ID:ewyh/Hln
あっちゃん…もカコワルイw
173 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:30:21.89 ID:igYmUgsB
どうした藤森
174 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:30:21.99 ID:HY6kybho
慎吾機嫌悪いの?
175 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:30:30.01 ID:Cn/aGHwW
兄さんたち動揺気味。ガチ?
955
レスター
2008/06/02(Mon) 00:17
176 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:31:03.13 ID:oDkQOIE2
さっきの中学生だ
177 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:31:43.29 ID:SZQNjHzW
つきあってるアゲインw
178 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:31:43.57 ID:GJnycU7C
無人駅いいね
179 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:31:46.71 ID:ULOTN++v
宿題デートかわいい
180 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:32:56.39 ID:fj15lkp/
伝説、泣けるなあ・・・
956
レスター
2008/06/02(Mon) 00:20
181 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:32:58.19 ID:NVmxCf6G
なんか泣ける…
182 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:33:49.48 ID:zYQCRqL
徳井の標準語、タツピコさん
183 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:33:51.83 ID:XRhDnVeK
武勇伝w 無理矢理w
184 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:33:58.72 ID:jvQEJ9En
トロッコってそんなの?w
185 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:33:59.59 ID:ym+YIWju
あっちゃんうまい!
957
レスター
2008/06/02(Mon) 00:23
186 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:34:00.50 ID:NDgX+hN7
福ちゃんなにお祈りしてたんだろう
187 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:34:01.37 ID:+ieAJPJp
素直な子やなあ
188 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:34:24.55 ID:1XFrmFIv
慎吾やばい
189 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:34:25.55 ID:ip/SuDhX
慎吾…
190 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:34:32.32 ID:v4ktNRs8
なに怒ってんの?
958
レスター
2008/06/02(Mon) 00:27
191 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:35:11.56 ID:SoVRaM/e
怒っても可愛いw
192 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:35:15.73 ID:KBP+oVDQ
福ちゃん子守り状態
193 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:35:19.28 ID:jvQEJ9En
よくしゃべるなあ福田
194 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:35:20.45 ID:YLk2aW0L
友達カポーの喧嘩にあせっている女友達のようだ
195 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:14.16 ID:yoCJF2Cz
旅館、でかい!
959
レスター
2008/06/02(Mon) 00:29
196 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:23.84 ID:Ku5fMJow
慎吾ちょっとw
197 :名無しですけども:2008/05/**(土)13:36:25.71 ID:uflt9nz8
福ちゃんの腕もげるから慎吾w
198 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:28.32 ID:SZQNjHzW
徳井wwwwwwwwwwwwwww
199 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:29.84 ID:5A7hhGXD
徳井支配人ナイス
200 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:30.78 ID:JGgdbigE
お得意w
960
レスター
2008/06/02(Mon) 00:35
201 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:33.33 ID:83nu+U5D
山水館w
202 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:37.51 ID:TVBChUNb
いそう、こういう人
203 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:47.56 ID:+ieAJPJp
あっちゃん下足番…
204 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:47.42 ID:KCReiyHA
山水館ネタ懐かしいw
205 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:52.30 ID:2yImH6Ox
見て見てって、見たところで福田w
961
レスター
2008/06/02(Mon) 00:43
206 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:53.98 ID:2oVWh0Nn
だからそれ皆さん知らないから…
207 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:59.41 ID:Lam4X1YN
チェック・イン!
208 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:36:59.93 ID:fFhp6hic
得意どうしてもシモのほうに…(涙)w
209 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:37:02.35 ID:GtfruG5n
福田自爆
210 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:37:04.05 ID:x1q44L5p
おまえにチェックインwww
962
レスター
2008/06/02(Mon) 00:46
211 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:37:24.80 ID:TVBChUNb
男子部屋と女子部屋で
212 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:37.41 ID:E0KTbh4R
お着替えタイムか
213 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:38:07.08 ID:v4ktNRs8
浴衣キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
214 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:38:32.86 ID:JWj+idDm
福ちゃんとツンゴの後ろ姿キューツ
215 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:38:38.27 ID:HBBUDWGR
二人ともがりんがりん
963
レスター
2008/06/02(Mon) 00:49
216 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:38:42.65 ID:xOzjsrzD
なんか面白いツーショット
217 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:38:53.98 ID:lcoUjMIN
キャッキャしてるなw
218 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:38:58.90 ID:uflt9nz8
>211 うまいこと言った
219 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:39:02.99 ID:tE/LmrW/
カコイイ男子部屋
220 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:39:26.98 ID:+ieAJPJp
おおー脱いだ
964
レスター
2008/06/02(Mon) 00:53
221 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:39:30.58 ID:ULOTN++v
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
222 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:39:30.97 ID:ip/SuDhX
今のキミは〜ピカピカに光って〜
223 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:39:33.09 ID:83nu+U5D
日本の夏
224 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:39:56.99 ID:AKpCXc0A
夏ちゃうやんw
225 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:40:34.87 ID:GJnycU7C
現代社会が生んだ悲しい中田・・・w
965
レスター
2008/06/02(Mon) 00:55
226 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:40:35.21 ID:SZQNjHzW
内線しますか兄さん
227 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:40:37.40 ID:zYQCRqLO
修学旅行みたいやわー
228 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:40:38.54 ID:oDkQOIE2
かわいい
229 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:40:53.18 ID:FTNdbLVa
ジャン!って…福田wwwwww
230 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:40:55.76 ID:v4ktNRs8
浴衣ああああああああああああああ
966
レスター
2008/06/02(Mon) 00:58
231 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:40:58.66 ID:NB1G2UWa
ふたりとも首ほっそ
232 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:40:58.54 ID:+wQSMyKx
福田…茶色か。やはり茶色なのか。
233 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:41:10.03 ID:LrK031M6
この組み合わせだとカポーにみえない不思議
234 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:41:18.81 ID:2yc00hAH
おおおおおお男子かっこええ
235 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:41:35.00 ID:oDkQOIE2
>232 ちょっw もうひとり茶色wwww
967
レスター
2008/06/02(Mon) 01:00
236 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:41:56.42 ID:QELfO0MM
腕組みかっこいいなあ
237 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:41:57.31 ID:fxXsEFxT
徳井やっぱはんなりしてるな
238 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:41:58.57 ID:igYmUgsB
お得意さんどっかの若旦那のようだ
239 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:16.30 ID:KBP+oVDQ
あっちゃんの肩イイ
240 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:16.49 ID:2oVWh0Nn
川岸いいねえ
968
レスター
2008/06/02(Mon) 01:02
241 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:18.70 ID:uflt9nz8
別行動もったいないなあ
242 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:20.99 ID:obmkAps6
しゃがんだ!
243 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:22.82 ID:5A7hhGXD
なんだこれ衝撃的にかわいいんですけど
244 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:25.09 ID:qmLwdQGj
後ろから押したら落ちる
245 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:26.26 ID:oDkQOIE2
ぼそぼそ喋んの色っぽいな
969
レスター
2008/06/02(Mon) 05:53
246 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:31.29 ID:x1q44L5p
福田完全に先輩OLだな
247 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:33.25 ID:ULOTN++v
慎吾…
248 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:36.25 ID:ytEDg77j
慎吾(涙)
249 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:58.25 ID:TFrd4FRt
ほなどないしてほしいの?って…(ホロリ
250 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:42:59.25 ID:loKKji08
ああ自分も福ちゃんに相談のってもらいたい
970
レスター
2008/06/02(Mon) 05:53
251 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:43:06.47 ID:GVhAulAv
ちょ福田、裾、裾
252 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:43:14.24 ID:zYQCRqLO
脚ほっそおおおおおお
253 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:43:15.52 ID:uflt9nz8
やばいw
254 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:43:32.57 ID:NB1G2UWa
二人一緒に持って帰りたい・・・
255 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:43:34.65 ID:+ukP432j
せぇんせぇ〜
971
レスター
2008/06/02(Mon) 05:54
256 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:43:58.37 ID:5A7hhGXD
こっちもか
257 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:16.20 ID:qx5BYQEC
徳井やっぱり男前だな
258 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:26.53 ID:Lam4X1YN
あっちゃんのこういう顔珍しい
259 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:36.34 ID:Fh8ld5aP
お得意の声いいなあ
260 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:40.21 ID:WVJs+Ije
ピースフル
972
レスター
2008/06/02(Mon) 05:55
261 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:50.37 ID:SZQNjHzW
秘密って、ええー
262 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:52.21 ID:KBP+oVDQ
聞かせろ!
263 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:54.07 ID:vA6WYtBw
ロケ中にガチで恋愛相談て、いや身の上相談て
264 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:55.10 ID:yoCJF2Cz
聞きたいぃぃぃぃぃぃぃぃ
265 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:56.14 ID:HBBUDWGR
なんかいいなあ、ちゃんと兄さんだ中途
973
レスター
2008/06/02(Mon) 05:57
266 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:57.36 ID:FKTDD8pG
放送出来ない内容の相談なのかw
267 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:44:58.70 ID:jvQEJ9En
福ちゃんの背中丸すぎて泣ける
268 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:45:01.00 ID:uBuPO8H9
せつない・・・
269 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:45:01.69 ID:83nu+U5D
ドラマみたいだなあ
270 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:45:05.09 ID:v4ktNRs8
いい風吹いてるなー
974
レスター
2008/06/02(Mon) 08:52
271 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:45:50.88 ID:4dXGs6z5
太鼓橋
272 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:46:18.68 ID:ewyh/Hln
おー合流か?
273 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:46:21.89 ID:igYmUgsB
「あら」って…
274 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:46:21.99 ID:HY6kybho
ええーそういうことか
275 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:46:30.01 ID:Cn/aGHwW
え、ちょそれで茶色?
975
レスター
2008/06/02(Mon) 08:52
276 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:46:51.13 ID:oDkQOIE2
やっぱりや っ て 、 な に が ?
277 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:46:53.29 ID:SZQNjHzW
そんなに嬉しいのか orz
278 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:47:01.57 ID:GJnycU7C
青で揃えたったんやなくて、自分らが茶色で揃えたかったんちゃうんかとw
279 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:47:46.71 ID:ULOTN++v
「どっちでくるかな」ってそういうことだったのか福田…
280 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:47:56.39 ID:fj15lkp/
オリラジ叱られた小学生みたいだなw
976
レスター
2008/06/02(Mon) 08:53
281 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:48:47.19 ID:NVmxCf6G
いいこというなあ徳井
282 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:48:49.48 ID:zYQCRqL
徳井…
283 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:48:51.83 ID:XRhDnVeK
福ちゃんの顔
284 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:49:20.72 ID:jvQEJ9En
いい絵だ
285 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:49:59.59 ID:ym+YIWju
お、とりあえずお散歩再開
977
レスター
2008/06/02(Mon) 08:53
286 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:50:00.50 ID:NDgX+hN7
>233 この組み合わせだとカポーにしかみえない不思議
287 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:50:01.37 ID:+ieAJPJp
やっぱりハマる
288 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:50:08.55 ID:1XFrmFIv
お得意、隣見過ぎw
289 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:50:20.55 ID:ip/SuDhX
あーいい
290 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:50:56.32 ID:v4ktNRs8
>233>286 (笑)
978
レスター
2008/06/02(Mon) 08:56
妄想バラエティ番組『チュートとオリラジの温泉にいこう!』
東京駅で待ち合わせ→新幹線移動
→ローカル線乗り換え→地元中学生とふれあい
→コンビシャッフルするもすぐ合流してお昼ごはん
→役所で鉱山の歴史きく→無人駅で中学生と再会
→旅館でお着替え→川辺で身の上相談→合流@太鼓橋
このあたりでひとまず。
午後に、あつかましくも新スレにて!
レスター
979
悠斗
2008/06/02(Mon) 13:41
更新お疲れ様です。
あっちゃんたちのマジ相談。
そしてそれを一緒に考えてくれる中途兄さん方。
いいですねぇv
新スレも楽しみにしています!
980
レスター
2008/06/08(Sun) 19:00
>悠斗さま
ありがとうございます。
メッセージをくださっていたのですねえ。
なんかこうあれですね、
1週間前に書いてビンに入れて流した手紙が着いた的な(と勝手に感動)。
温泉旅行、普通に先輩後輩の親睦ツアーが淡々と続いて
この顔ぶれで色っぽいことないんかい(笑)という感じではございますが、
そこはどうぞ悠斗さまの華麗なる想像力で補っていただきまして、
どぞどぞよろしくおつきあいくださいませ。
いつもお心をくだいてくださいって、ほんとうに感謝しています!
981
レスター
2008/06/08(Sun) 19:36
レスターでございます。
そんなわけで1週間。
管理人さん、ご苦労だったでしょうねえ…
ほんとうにありがとうございました。
もう使うていいのかなあ。
このスレでもうちょっと進めて、次スレ行くです。
982
レスター
2008/06/08(Sun) 19:38
291 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:51:11.56 ID:SoVRaM/e
なんかなごんできたわぁ
292 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:51:45.73 ID:KBP+oVDQ
見たことのない缶コーヒー売ってる
293 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:51:59.28 ID:jvQEJ9En
相方さん言われた・・・
294 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:52:05.45 ID:YLk2aW0L
これからだね福ちゃん(涙)
295 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:52:15.16 ID:yoCJF2Cz
お 似 合 い で す ね w
983
レスター
2008/06/08(Sun) 19:41
296 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:52:23.84 ID:Ku5fMJow
おばちゃんよう言うた!!!
297 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:52:25.71 ID:uflt9nz8
お似合いwwwwwwww
298 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:52:28.32 ID:SZQNjHzW
この町自由だなwwwwwww
299 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:52:48.84 ID:5A7hhGXD
徳井、顔、顔w
300 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:52:50.78 ID:JGgdbigE
お得意幸せそう
984
レスター
2008/06/08(Sun) 19:43
301 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:53:22.48 ID:jWGKQ3Lt
ピンポンですね
302 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:53:43.27 ID:CcCjdgeR
温泉といえば卓球
303 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:53:57.70 ID:jWGKQ3Lt
卓球といえば福田
304 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:54:03.27 ID:AfpKMBaQ
無限大懐かしい
305 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:54:12.91 ID:NVmxCf6G
しりとり?
985
レスター
2008/06/08(Sun) 19:44
306 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:54:15.41 ID:Lam4X1YN
おおーダブルス
307 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:54:22.01 ID:0rkIEKjz
ピース見てるか〜?
308 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:54:25.89 ID:O3fOMBLe
「オリエンタルラジオ」からってのが兄さん優しいね
309 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:54:42.60 ID:gWYn4ZMf
だめぽ・・・w
310:名無しですけども:2008/05/**(土) 13:54:51.31 ID:CYr2yfKr
温泉w
986
レスター
2008/06/08(Sun) 19:45
311 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:54:56.16 ID:CQKpEv2r
チュート既にあやうしw
312 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:55:02.53 ID:bby9SDtf
ハマったw
313 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:55:13.40 ID:jvQEJ9En
ぜんぜん続かねえw
314 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:55:16.11 ID:d9O+sJfh
出たリモスwwwwwwwwwwww
315 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:55:18.52 ID:6+vJ0bW1
リモス
987
レスター
2008/06/08(Sun) 19:48
316 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:55:35.33 ID:v4ktNRs8
リモス懐かしいw
317 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:55:46.63 ID:SZQNjHzW
ピースぅ〜w
318 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:01.30 ID:EvGiaN5O
だからリモスってなんなんだよ
319 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:13.99 ID:y8/PPqSE
またリモスに悩まされる二人
320 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:20.39 ID:LyuN9ZNe
お、本気?
988
レスター
2008/06/08(Sun) 19:50
321 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:23.68 ID:uflt9nz8
脱いだ!
322 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:33.74 ID:YmnBWnDq
中田すげえ
323 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:38.07 ID:mhHvEpIG
あっちゃんカッコイイ!
324 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:44.05 ID:jI7RHF8p
かっこいいー
325 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:54.18 ID:Cn/aGHwW
お得意!いけ!
989
レスター
2008/06/08(Sun) 19:51
326 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:56:55.65 ID:WdCAYJ4F
片肌たまらん
327 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:57:02.34 ID:p+lcGRTP
慎吾のってきたね
328 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:57:06.96 ID:A/nPggnd
あっちゃんうまくねえぇぇぇぇぇ?!
329 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:57:09.67 ID:KBP+oVDQ
オサーン完敗www
330 :名無しですけども:2008/05/**(土) 13:57:12.77 ID:hMc8nyJ7
卓球部かた無しwwww
990
レスター
2008/06/08(Sun) 20:01
妄想バラエティ番組『チュートとオリラジの温泉にいこう!』
東京駅で待ち合わせ→新幹線移動
→ローカル線乗り換え→地元中学生とふれあい
→コンビシャッフルするもすぐ合流してお昼ごはん
→役所で鉱山の歴史きく→無人駅で中学生と再会
→旅館でお着替え→川辺で身の上相談→合流@太鼓橋
→そぞろ歩き→卓球場でリモス
ほんとにリモスってなんなんでしょうか。
ともあれ、このあたりで次スレいこかなー。
いつも温かいお気持ちで拙筆におつきあいくださるみなさま、
ほんとうにありがとうございました。
これからもどぞ、よろしくお願い申しあげます。
レスター
991
名無し
2008/07/01(Tue) 13:51
あげ
992
レスター
2008/07/11(Fri) 11:53
このスレの超ざっくりな「しおり」どす。ちょっとずれてるかも。
*『無理じゃない恋愛』(概要)
>>6
*『無理じゃない恋愛』<episode-1>(前スレからの続き)
>>7-39
*『この世の果て』(概要)
>>52-53
*『この世の果て』第2章<1>
>>62-125
*『この世の果て』第2章<2>
>>138-193
*『この世の果て』第2章<3>
>>211-416
*『この世の果て』第2章<4>
>>421-567
*『この世の果て』第2章<5>
>>580-701
*『この世の果て』第2章<6>
>>717-841
993
レスター
2008/07/11(Fri) 11:54
*『温泉にいこう!』プロローグ:楽屋にて<side-T>
>>861-879
*『温泉にいこう!』新聞テレビ番組欄
>>5-6
*『温泉にいこう!』○ちゃんねる風実況スレ
>>896-989
(次スレにつづく)
こんくらいっす。
994
名無しさん
2008/07/16(Wed) 09:56
携帯から読みたいのでageさせていただきます。
すみません!
995
名無しさん
2008/07/27(Sun) 17:42
あげ
996
名無しさん
2008/08/17(Sun) 20:10
すみません、もう一度読み直したく、ageます。
(書き手様。
ご無理は申し上げません、お気が向きました時で結構ですので
このスレの作品アンカーつけて頂けましたら大変幸せです。
本当にお時間のある、ついでの時で結構ですので。
読み返したい読み手が、今後もいるかと思います)
997
名無しさん
2008/09/10(Wed) 23:43
あげ
998
名無しさん
2008/11/16(Sun) 01:21
ageage
999
名無しさん
2008/12/02(Tue) 00:58
999
1000
名無しさん
2008/12/03(Wed) 22:43
>>880-895
すいません、サーバが重いため前スレ表示できないので
勝手ながらジャンプをつけさせてもらいました。
1001
名無しさん
2008/12/07(Sun) 02:24
AGE
1002
名無しさん
2008/12/09(Tue) 13:50
あげ
1003
名無しさん
2008/12/09(Tue) 22:33
>>210-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>450-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-950
>>951-1000
1004
名無しさん
2008/12/13(Sat) 12:52
age
1005
kesigomu
〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜
〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜
1006
名無しさん
2008/12/26(Fri) 19:58
あげ!!!
1007
kesigomu
〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜
〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜
1008
名無しさん
2009/01/12(Mon) 13:42
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-950
>>951-1000
1009
名無しさん
2009/01/19(Mon) 03:04
あげ!!
1010
名無しさん
2009/01/21(Wed) 20:00
age
1011
名無しさん
2009/01/23(Fri) 19:13
携帯で見たいので、上げさせてもらいます。すみません。
1012
名無しさん
2009/01/23(Fri) 19:14
携帯で読みたいので上げさせていただきます
1013
名無しさん
2009/01/23(Fri) 23:39
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-950
>>951-1000
>>1001-1050
1014
名無しさん
2009/03/02(Mon) 14:30
age
1015
名無しさん
2009/03/03(Tue) 14:00
携帯から読みたいのであげます。申し訳ありません。
1016
名無しさん
2009/03/04(Wed) 00:52
あげさせて下さい
1017
名無しさん
2009/03/06(Fri) 04:19
アゲまするmm
1018
名無しさん
2009/03/26(Thu) 02:15
あ
1019
名無しさん
2009/04/06(Mon) 10:44
あげさせてください
1020
名無しさん
2009/04/15(Wed) 00:40
あげさせていただきます
1021
名無しさん
2009/04/24(Fri) 21:49
age
1022
名無しさん
2009/06/10(Wed) 00:02
ageage
1023
名無しさん
2009/08/12(Wed) 23:33
age
1024
名無しさん
2009/08/25(Tue) 17:30
レスター様、
そしてこのスレに出逢えてよかった!
感動をありがとうございました!
1025
名無しさん
2009/10/08(Thu) 18:40
age!!
1026
名無しさん
2009/10/10(Sat) 12:45
あげさせてください
1027
yuma
2010/01/15(Fri) 11:16
携帯から読みたいのですいません!
1028
名無しさん
2010/01/20(Wed) 16:30
age
1029
名無しさん
2010/01/26(Tue) 20:31
あげます!
1030
名無しさん
2010/03/02(Tue) 14:10
私も携帯から読みたいのであげます!
すみません。
1031
名無しさん
2010/03/05(Fri) 22:06
age
1032
名無しさん
2010/03/05(Fri) 23:18
こんなことを書き込むのはスレ主さんに失礼だとは思うのですが
あげてる人は一度雑談スレを読まれた方がいいと思います。
1033
名無しさん
2010/06/04(Fri) 04:38
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-1000
>>1001-1200
1034
名無しさん
2010/08/12(Thu) 17:01
>>992
>>993
大好きです!
1035
名無しさん
2010/09/05(Sun) 03:11
あげます、すいません!
1036
名無しさん
2011/01/28(Fri) 23:00
すみません、あげさせていただきます!><
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