<福島第1原発>3号機の中央制御室に通電 制御へ一歩前進
毎日新聞 3月22日(火)21時11分配信
電気が通り、照明がついた東京電力福島第1原発3、4号機の中央制御室=2011年3月22日午後11時半ごろ撮影、東京電力提供 |
【カラー図説】原子炉建屋内部の構造をみる
中央制御室機能が完全に復旧すれば、ヨウ素などの放射性物質を取り除いて作業効率が大幅に改善するほか、計器類を使って原子炉内の状況などをより正確に把握できる。
同原発では22日、外部電源を4号機に接続。4号機を経由して3号機に電気を送る作業を同日夕までに終え、3号機の中央制御室を点灯させた。既に外部電源に接続している2号機から1号機、5号機から6号機へも電気を送る作業が同日中に完了、すべての号機で外部電源から電気を受け取る態勢が整っている。
1、2号機については、中央制御室より先に、原子炉や使用済み核燃料プールの冷却機能回復の第一歩となる「補給水系」の点検をしたところ、津波で故障していることが判明。23日以降、ポンプなど部品の交換を急ぐ。東電によると、3、4号機の補給水系には問題がないとみられる。
東電は今後、全号機で中央制御室機能を復旧させ、必要な機器を交換・修理して、原子炉や核燃料プールの冷却機能を取り戻すことを目指す。完全復旧の見通しについては「原子炉が安定を取り戻すにはまだ第一歩にすぎない。これからも膨大な作業を一つ一つ続けるしかなく、全体の終了めどはまだ見通しを示せない」と説明している。
一方、経済産業省原子力安全・保安院は22日、2号機の使用済み核燃料プールが満水になった模様だと発表した。同プールには20日、消防用ポンプで約40トンの海水を注入、さらに22日も注水したが、18トン入れた時点で、「満水」を知らせるセンサーが作動したという。水温は51度(30度前後が安全な状態)と推定される。【江口一、関東晋慈】
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最終更新:3月23日(水)11時22分