福島第一原子力発電所の冷却作業を行うため、政府の対策本部は、長いアームを使ってピンポイントで大量の水を注入できチェルノブイリ原子力発電所の放射能汚染事故の際にも使われた工事用の特殊な車両を使うことを決め、車両は19日午後、現地に向けて出発しました。
この特殊車両は、ドイツ製のポンプ車で、高層ビルの建設現場などでコンクリートを流し込むために使われています。50メートルを超える長いアームが付いていて、離れた場所からピンポイントで大量の水を流し込むことができるということです。同じメーカーの特殊車両を所有している会社によりますと、同様のタイプの車両はチェルノブイリ原子力発電所の放射能汚染事故の際にも、原発を封鎖するコンクリートを打つために使われたということです。この特殊車両は、19日午後2時すぎ、パトロールカーの先導で、横浜市の港から現地に向けて出発しました。そして、福島県いわき市にある東京電力の施設で操作のテストをしたあと、19日中に福島第一原発に運び込み、できるだけ早く核燃料が保管されているプールへの放水に使うことにしています。現地では、ホースによる放水作業が行われていますが、水が拡散してしまうため政府の対策本部では、この特殊車両を使うことで、より確実な放水が可能になるのではないかとしています。