直木賞のすべて

7月5日(木)、
第137回(平成19年/2007年上半期)の
候補作が発表されました。
「直木賞専門サイト」を
うたっている以上、
当サイトでは例によって、
候補作についていち早く、
ご紹介したいと思います。
ちなみに選考委員会は、
約10日後の7月17日(火)に開かれ、
即日、テレビ等で発表されます。

第137回候補の詳細
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Last Update[H19]2007/7/5

Kitamura Kaoru
北村 薫
てん
璃の天』
平成19年/2007年4月15日・文藝春秋刊


Amazon
連作中篇集
225頁
四六判上製
本体価格1,190円
ISBN9784163258300

装丁大久保明子
装画謡口早苗
発行者白幡光明
印刷所凸版印刷
製本所加藤製本
内容
「目次」(p1)
「幻の橋」(p5-80)
「想夫恋」(p81-140)
「玻璃の天」(p141-222)
「主な参考文献」(p223-225)
初出
「幻の橋」(『オール讀物』平成17年/2005年11月号)
「想夫恋」(『オール讀物』平成18年/2006年7月号)
「玻璃の天」(『オール讀物』平成18年/2006年11月号)
文藝春秋http://www.bunshun.co.jp/
ハミダシ情報
あちゃあ。やっちゃいましたか。これは前回、まちがえて『ひとがた流し』を候補にしてしまった運営当局が、おのれの過ちを潔く認めたくないために、意地で繰り出した暴挙と見るのが正しいような気もするのです。またの名を、恥の上塗り。またの名を、かけ違えたボタンは戻せない。
いやいや、今からでも遅くはない。直木賞なんて目もくれず立派に作家道を歩みつづけている北村さんに、心から謝りましょう。申し訳ございません、北村さんの名を利用して直木賞の権威を何とか維持しようなどと小賢しい策を弄してしまいました、と。どっちかっていうと北村さんは直木賞より、すでに菊池寛賞にふさわしいと思うのはワタクシだけでしょうか。
年齢(平成19年/2007年7月現在)
57歳6ヶ月

経歴
昭和24年/1949年12月28日、埼玉県生まれ。本名・宮本和男。早稲田大学第一文学部卒。在学中よりミステリー評論などを手掛ける。卒業後は高校の国語教師。『空飛ぶ馬』で作家デビュー。平成2年/1990年「夜の蝉」で第44回日本推理作家協会賞短篇部門を、平成18年/2006年『ニッポン硬貨の謎』で第6回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞。

主な筆歴
『空飛ぶ馬』
平成1年/1989年3月・東京創元社/鮎川哲也と十三の謎->平成6年/1994年4月・東京創元社/創元推理文庫
収録作「織費の霊」「砂糖合戦」「胡桃の中の鳥」「赤頭巾」「空飛ぶ馬」
『夜の蝉』
平成2年/1990年1月・東京創元社/創元ミステリ'90->平成8年/1996年2月・東京創元社/創元推理文庫
収録作「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」
『秋の花』
平成3年/1991年2月・東京創元社/黄金の13->平成9年/1997年2月・東京創元社/創元推理文庫
『覆面作家は二人いる』
平成3年/1991年11月・角川書店刊->平成9年/1997年11月・角川書店/角川文庫->平成14年/2002年2月・中央公論新社/C・NOVELS BIBLIOTHEQUE
収録作「覆面作家のクリスマス」「眠る覆面作家」「覆面作家は二人いる」
『六の宮の姫君』
平成4年/1992年4月・東京創元社/創元クライム・クラブ->平成11年/1999年6月・東京創元社/創元推理文庫
『冬のオペラ』
平成5年/1993年9月・中央公論社刊->平成8年/1996年10月・中央公論社/C・NOVELS BIBLIOTHEQUE->平成12年/2000年2月・中央公論新社/中公文庫->平成14年/2002年5月・角川書店/角川文庫
収録作「三角の水」「蘭と韋駄天」「冬のオペラ」
原作『覆面作家は二人いる』(美濃みずほ・著)
(1)平成6年/1994年6月、(2)平成7年/1995年5月、(3)平成7年/1995年11月、(4)平成10年/1998年12月・角川書店/あすかコミックス
『水に眠る』
平成6年/1994年10月・文藝春秋刊->平成9年/1997年10月・文藝春秋/文春文庫
収録作「恋愛小説」「水に眠る」「植物採集」「くらげ」「かとりせんこうはなび」「矢が三つ」「はるか」「弟」「ものがたり」「かすかに痛い」
『スキップ』
平成7年/1995年8月・新潮社刊->平成11年/1999年7月・新潮社/新潮文庫
『覆面作家の愛の歌』
平成7年/1995年9月・角川書店刊->平成10年/1998年5月・角川書店/角川文庫->平成14年/2002年10月・中央公論新社/C・NOVELS BIBLIOTHEQUE
収録作「覆面作家のお茶の会」「覆面作家と溶ける男」「覆面作家の愛の歌」
共選『推理短編六佳撰』(宮部みゆき・共選)
平成7年/1995年11月・東京創元社/創元推理文庫
エッセイ『謎物語―あるいは物語の謎』
平成8年/1996年5月・中央公論社刊->平成11年/1999年5月・中央公論新社/中公文庫->平成16年/2004年10月・角川書店/角川文庫
『覆面作家の夢の家』
平成9年/1997年1月・角川書店刊->平成11年/1999年10月・角川書店/角川文庫->平成15年/2003年2月・中央公論新社/C・NOVELS BIBLIOTHEQUE
収録作「覆面作家と謎の写真」「覆面作家、目白を呼ぶ」「覆面作家の夢の家」
『ターン』
平成9年/1997年8月・新潮社刊->平成12年/2000年7月・新潮社/新潮文庫
『朝霧』
平成10年/1998年4月・東京創元社/創元クライム・クラブ->平成16年/2004年4月・東京創元社/創元推理文庫
収録作「山眠る」「走り来るもの」「朝霧」
編『謎のギャラリー』
平成10年/1998年7月・マガジンハウス刊
編『謎のギャラリー―特別室』
平成10年/1998年7月・マガジンハウス刊
編『謎のギャラリー―特別室2』
平成10年/1998年11月・マガジンハウス刊
編『五つの時計―鮎川哲也短編傑作集1』(鮎川哲也・著)
平成11年/1999年2月・東京創元社/創元推理文庫
編『下り“はつかり”―鮎川哲也短編傑作選2』(鮎川哲也・著)
平成11年/1999年3月・東京創元社/創元推理文庫
編『謎のギャラリー―特別室3』
平成11年/1999年5月・マガジンハウス刊
編『謎のギャラリー―最後の部屋』
平成11年/1999年5月・マガジンハウス刊
エッセイ『ミステリは万華鏡』
平成11年/1999年5月・集英社刊->平成14年/2002年9月・集英社/集英社文庫
『月の砂漠をさばさばと』(おーなり由子・絵)
平成11年/1999年8月・新潮社刊->平成14年/2002年7月・新潮社/新潮文庫
収録作「くまの名前」「聞きまちがい」「ダオベロマン」「こわい話」「さそりの井戸」「ヘビノボラズのおばあさん」「さばのみそ煮」「川の蛇口」「ふわふわの綿菓子」「連絡帳」「猫が飼いたい」「善行賞のリボン」「さきちゃんとお母さんのこと」
『盤上の敵』
平成11年/1999年9月・講談社刊->平成13年/2001年10月・講談社/講談社ノベルス->平成14年/2002年10月・講談社/講談社文庫
『リセット』
平成13年/2001年1月・新潮社刊->平成15年/2003年6月・新潮社/新潮文庫
編『北村薫の本格ミステリ・ライブラリー』
平成13年/2001年8月・角川書店/角川文庫
編『謎のギャラリー―名作博本館』
平成14年/2002年2月・新潮社/新潮文庫
編『謎のギャラリー―謎の部屋』
平成14年/2002年2月・新潮社/新潮文庫
編『謎のギャラリー―こわい部屋』
平成14年/2002年3月・新潮社/新潮文庫
編『謎のギャラリー―愛の部屋』
平成14年/2002年3月・新潮社/新潮文庫
エッセイ『詩歌の待ち伏せ』
(上)平成14年/2002年6月、(下)平成15年/2003年10月・文藝春秋刊->(1)平成18年/2006年2月、(2)平成18年/2006年3月・文藝春秋/文春文庫
『街の灯』
平成15年/2003年1月・文藝春秋/本格ミステリ・マスターズ->平成18年/2006年5月・文藝春秋/文春文庫
収録作「虚栄の市」「銀座八丁」「街の灯」
『語り女たち』
平成16年/2004年4月・新潮社刊->平成19年/2007年4月・新潮社/新潮文庫
収録作「緑の虫」「文字」「わたしではない」「違う話」「歩く駱駝」「四角い世界」「闇缶詰」「笑顔」「海の上のボサノヴァ」「体」「眠れる森」「夏の日々」「ラスク様」「手品」「Ambarvalia あむばるわりあ」「水虎」「梅の木」
エッセイ『ミステリ十二か月』
平成16年/2004年10月・中央公論新社刊
絵本『ふしぎな笛ふき猫―民話・「かげゆどんのねこ」より』(山口マオ・絵)
平成17年/2005年2月・教育画劇刊
エッセイ『続・詩歌の待ち伏せ』
平成17年/2005年4月・文藝春秋刊
『ニッポン硬貨の謎―エラリー・クイーン最後の事件』
平成17年/2005年6月・東京創元社刊
編『北村薫のミステリー館』
平成17年/2005年10月・新潮社/新潮文庫
『紙魚家崩壊 九つの謎』
平成18年/2006年3月・講談社刊
収録作「溶けていく」「紙魚家崩壊」「死と密室」「白い朝」「サイコロ、コロコロ」「おにぎり、ぎりぎり」「蝶」「俺の席」「新釈おとぎばなし」
『ひとがた流し』
平成18年/2006年7月・朝日新聞社刊

過去の直木賞候補歴
第114回『スキップ』(平成7年/1995年8月・新潮社刊)選評の概要を見る
第118回『ターン』(平成9年/1997年8月・新潮社刊)選評の概要を見る
第131回『語り女たち』(平成16年/2004年4月・新潮社刊)選評の概要を見る
第136回『ひとがた流し』(平成18年/2006年7月・新潮社刊)選評の概要を見る



Sakuraba Kazuki
桜庭 一樹
あかくちばでんせつ
赤朽葉家の伝説』
平成18年/2006年12月28日・東京創元社刊


Amazon
長篇
309頁
四六判上製
本体価格1,700円
ISBN9784488023935

Book Design岩郷重力+WONDER WORKZ。
発行者長谷川晋一
印刷モリモト印刷
製本鈴木製本所
内容
「目次」(p1)
「第一部 最後の神話の時代 一九五三年〜一九七五年 赤朽葉万葉」(p5-114)
「第二部 巨と虚の時代 一九七九年〜一九九八年 赤朽葉毛毬」(p115-216)
「第三部 殺人者 二〇〇〇年〜未来 赤朽葉瞳子」(p217-309)
「参考文献・参考サイト」
初出
「赤朽葉家の伝説」(書き下ろし)
桜庭一樹オフィシャルサイト「Scheherzade」http://sakuraba.if.tv/
東京創元社http://www.tsogen.co.jp/
ハミダシ情報
うちのサイトへのアクセス動向を眺めていたら、急激にアクセス数のアップした時期が、この半年で2回ありました。1回は受賞作家の藤原伊織さんが亡くなったとき。もう1回が、吉川英治文学新人賞の候補作が決まった前後のとき。リンク元を調べてみると、桜庭一樹さんのオフィシャルサイト内の日記ページから、うちのサイトの同賞受賞作一覧に、リンクを張っていただいていたのでした。あえて講談社ではなくうちのサイトをリンク先に選んでいただいて、恥ずかしいやら申し訳ないやら。ともかくリンク御礼。
で、直木賞の選考をくぐり抜けるのは難しいかもしれないけれど、やっぱり獲ってほしいですよね、東京創元社の作品には。いろんな出版社の本が直木賞に選ばれたほうが、少しは出版界も活気づくと思うのですが。
年齢(平成19年/2007年7月現在)
35歳11ヶ月

経歴
昭和46年/1971年7月26日、鳥取県生まれ。大学在学中にDENiMライター新人賞受賞。平成11年/1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。ゲームのノベライズやライトノベル、ジュブナイルなどの作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを数多く手がけ、平成17年/2005年頃から一般小説も発表し始める。平成19年/2007年『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門を受賞。

主な筆歴
『アークザラッド』山田桜丸・名義
平成8年/1996年12月・集英社/集英社スーパーファンタジー文庫
エッセイ『二代目のバカにつける薬』山田桜丸・名義
平成8年/1996年12月・イーハトーヴ出版刊
『イヴ・ザ・ロストワン』山田桜丸・名義(CROSS・監修)
平成10年/1998年4月・扶桑社刊
原作『冒険時空タイムネット』山田桜丸・名義(征矢浩志・漫画)
1=平成11年/1999年9月、2=平成12年/2000年3月・小学館/てんとう虫コミックススペシャル
『AD2015隔離都市―ロンリネス・ガーディアン』
平成12年/2000年1月・アスキー刊、アスペクト発売/ファミ通文庫
『イヴゼロ―The Beginning EVE』山田桜丸・名義
平成12年/2000年5月・エンターブレイン/ファミ通文庫
『EVE TFA―亡き王女のための殺人遊戯(デス・ゲーム)』
平成13年/2001年10月・エンターブレイン/ファミ通文庫
『ルナティック・ドリーマー』
平成14年/2002年1月・エニックス/EXノベルズ
『君の歌は僕の歌 Girl's guard』
平成14年/2002年2月・エンターブレイン/ファミ通文庫
『獅子たちはアリスの庭で―B-EDGE AGE』
平成14年/2002年7月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『竹田くんの恋人―ワールズエンド・フェアリーテイル』
平成14年/2002年9月・角川書店/角川スニーカー文庫
『学園都市ヴァラノワール―未来は薔薇の色』
平成14年/2002年12月・エンターブレイン/ファミ通文庫
『獅子たちはノアの方舟で―B-EDGE AGE』
平成14年/2002年11月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『赤×ピンク』
平成15年/2003年2月・エンターブレイン/ファミ通文庫
『ジェネレーション・オブ・カオス〈3〉時の封印』
平成15年/2003年6月・エンターブレイン/ファミ通文庫
『EVE burst error PLUS―サヨナラキョウコ、サヨナラセカイ』
平成15年/2003年9月・エンターブレイン/ファミ通文庫
ノベライズ『555(ファイズ)』(石ノ森章太郎・原作、井上敏樹・原案)
平成15年/2003年8月・角川書店刊
『GOSICK―ゴシック』
平成15年/2003年12月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき』
平成16年/2004年5月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『推定少女』
平成16年/2004年9月・エンターブレイン/ファミ通文庫
『GOSICK〈3〉ゴシック・青い薔薇の下で』
平成16年/2004年10月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
平成16年/2004年11月・富士見書房/富士見ミステリー文庫->平成19年/2007年3月・富士見書房刊『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet』
『GOSICK〈4〉ゴシック・愚者を代弁せよ』
平成17年/2005年1月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『荒野の恋〈第1部〉catch the tail』
平成17年/2005年6月・エンターブレイン/ファミ通文庫
文『すたんだっぷ風太くん!』(イッセイハットリ・写真)
平成17年/2005年7月・富士見書房刊
『GOSICK s 春来たる死神』
平成17年/2005年7月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『少女には向かない職業』
平成17年/2005年9月・東京創元社/ミステリー・フロンティア
『ブルースカイ』
平成17年/2005年10月・早川書房/ハヤカワ文庫JA
『GOSICK〈5〉ゴシック・ベルゼブブの頭蓋』
平成17年/2005年12月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『荒野の恋〈第2部〉』
平成18年/2006年2月・エンターブレイン/ファミ通文庫
日記『桜庭一樹日記―BLACK AND WHITE』
平成18年/2006年3月・富士見書房刊
『GOSICK s〈2〉ゴシックエス・夏から遠ざかる列車』
平成18年/2006年5月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
収録作「仔馬のパズル」「花降る亡霊」「夏から遠ざかる列車」「怪人の夏」「絵から出てきた娘」「初恋」
『少女七竃と七人の可愛そうな大人』
平成18年/2006年6月・角川書店刊
『GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜』
平成18年/2006年12月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
『GOSICK s〈3〉ゴシックエス・秋の花の思い出』
平成19年/2007年4月・富士見書房/富士見ミステリー文庫
収録作「第1話「純潔」―白い薔薇のおはなし AD1789フランス」「第2話「永遠」―紫のチューリップのおはなし AD1635オランダ」「第3話「幻惑」―黒いマンドラゴラのおはなし AD23中国」「第4話「思い出」―黄のエーデルワイスのおはなし AD1627アメリカ」「第5話 花びらと梟」
『青年のための読書クラブ』
平成19年/2007年6月・角川書店刊

過去の直木賞候補歴
なし



Hatakenaka Megumi
畠中 恵
『まんまこと』
平成19年/2007年4月10日・文藝春秋刊


Amazon
連作短篇集
316頁
四六判上製
本体価格1,400円
ISBN9784163258409

装丁・イラストレーション南伸坊
発行者庄野音比古
印刷所凸版印刷
製本所加藤製本
内容
「目次」(p1-3)
「まんまこと」(p7-58)
「柿の実を半分」(p59-108)
「万年、青いやつ」(p109-158)
「吾が子か、他の子か、誰の子か」(p159-208)
「こけ未練」(p209-262)
「静心なく」(p263-316)
初出
「まんまこと」(『オール讀物』平成17年/2005年7月号)
「柿の実を半分」(『オール讀物』平成17年/2005年12月号)
「万年、青いやつ」(『オール讀物』平成18年/2006年3月号)
「吾が子か、他の子か、誰の子か」(『オール讀物』平成18年/2006年6月号)
「こけ未練」(『オール讀物』平成18年/2006年9月号)
「静心なく」(『オール讀物』平成18年/2006年12月号)
畠中恵まんまことうぇぶhttp://www.bunshun.co.jp/manmakoto/top.htm
しゃばけ倶楽部〜バーチャル長崎屋〜http://www.shinchosha.co.jp/shabake/
文藝春秋http://www.bunshun.co.jp/
ハミダシ情報
ははははは。多くは語るまい。B社の策謀。俗にいう諸田玲子式。
しゃばけ、しゃばけと絶好調シリーズを書き続けているハタケナカさん、最初のしゃばけは日本ファンタジーノベル大賞優秀賞だったんですね。この賞はほんとに幅広いなあ。奥深いなあ。なんでもアリだなあ。さまざまに書きこなせる筆力はすでに実証済みだと思いますので、この方の受賞には誰も異存なかろうなと想像するところではあります。ひとり新潮社の編集者は怒り出すかもしれませんけど。
年齢(平成19年/2007年7月現在)
47歳8ヶ月

経歴
昭和34年/1959年10月10日、高知県生まれ、愛知県名古屋市出身。名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザインコース・イラスト科卒業。漫画家アシスタント、書店員などを経て、昭和63年/1988年に漫画家デビュー。漫画家として活動するかたわら、都筑道夫の教室で小説創作を学び、平成13年/2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。

主な筆歴
『しゃばけ』
平成13年/2001年12月・新潮社刊->平成16年/2004年4月・新潮社/新潮文庫
『ぬしさまへ』
平成15年/2003年5月・新潮社刊->平成17年/2005年12月・新潮社/新潮文庫
収録作「ぬしさまへ」「栄吉の菓子」「空のビードロ」「四布の布団」「仁吉の思い人」「虹を見し事」
『百万の手』
平成16年/2004年4月・東京創元社/ミステリ・フロンティア->平成18年/2006年6月・東京創元社/創元推理文庫
『ねこのばば』
平成16年/2004年7月・新潮社刊->平成18年/2006年12月・新潮社/新潮文庫
収録作「茶巾たまご」「花かんざし」「ねこのばば」「産土」「たまやたまや」
『ゆめつげ』
平成16年/2004年9月・角川書店刊
『とっても不幸な幸運』
平成17年/2005年3月・双葉社刊
収録作「のり子は缶を買う」「飯田はベートーベンを聴く」「健也は友の名を知る」「花立は新宿を走る」「天野はマジックを見せる」「敬二郎は恋をする」
『おまけのこ』
平成17年/2005年8月・新潮社刊
収録作「こわい」「畳紙」「動く影」「ありんすこく」「おまけのこ」
『アコギなのかリッパなのか』
平成18年/2006年1月・実業之日本社刊
収録作「政治家事務所の一日」「五色の猫」「白い背広」「月下の青」「商店街の赤信号」「親父とオヤジとピンクの便せん」「選挙速報と小原和博」
『うそうそ』
平成18年/2006年5月・新潮社刊
文『みぃつけた』(柴田ゆう・絵)
平成18年/2006年11月・新潮社刊
『ちんぷんかん』
平成19年/2007年6月・新潮社刊

過去の直木賞候補歴
なし



Makime Manabu
万城目 学
しかおとこ
鹿男あをによし』
平成19年/2007年4月10日・幻冬舎刊


Amazon
長篇
394頁
四六判並製
本体価格1,500円
ISBN9784344013148

Illustration石居麻耶
Design岩瀬聡
発行者見城徹
印刷・製本所株式会社光邦
内容
目次(p3)
「はじめに」(p4-6)
「第一章 葉月(八月)」(p7-14)
「第二章 長月(九月)」(p15-70)
「第三章 神無月(十月)」(p71-378)
「第四章 霜月(十一月)」(p379-394)

初出
「鹿男あをによし」(書き下ろし)
幻冬舎http://www.gentosha.co.jp/
ハミダシ情報
ひとみの父の名を一躍有名にした生まれたてホヤホヤ超強力新人、なんて言ったら瑞人さんに失礼ですよ、だんな。瑞人さんもオビで言っているじゃないですか、この作家は“いずれ”直木賞を獲るだろうと。『鹿男』で獲らなくたっていいんです。「才気は十分感じさせる。がしかし……」なんて、伊坂幸太郎の選評とかでよく見かける常套句が、たとえこの作家に投げつけられても、いいんです。いや、やっぱりよくないか。前回の受賞作なしを経て生まれ変わった直木賞の姿を天下に見せつけるには、やはり万城目さんにもらってもらわないと。そして幻冬舎も産業編集センターも万々歳で、万事丸くおさまるじゃないですか。
年齢(平成19年/2007年7月現在)
31歳4ヶ月

経歴
昭和51年/1976年2月27日、大阪府生まれ。京都大学法学部卒。在学中から小説を書き始め、化学繊維会社勤務を経て、平成17年/2005年『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。

主な筆歴
『鴨川ホルモー』
平成18年/2006年4月・産業編集センター刊

過去の直木賞候補歴
なし



Matsui Kesako
松井 今朝子
よしわらてびきぐさ
吉原手引草』
平成19年/2007年3月15日・幻冬舎刊


Amazon
長篇
256頁
四六判上製
本体価格1,600円
ISBN9784344012950

装画宇野信哉
装幀平川彰(幻冬舎デザイン室)
発行者見城徹
印刷・製本所中央精版印刷株式会社
内容
「目次」(p1-3)
「吉原手引草」(p7-256)
初出
「吉原手引草」(『星星峡』平成17年/2005年5月号〜平成18年/2006年10月号に加筆・修正)
松井今朝子ホームページhttp://www.kesako.jp/
幻冬舎http://www.gentosha.co.jp/
ハミダシ情報
時代小説が受賞したのは、あれはいつの頃だったか、京極夏彦『後巷説百物語』を時代小説と見るならば3年半前、その前となると乙川優三郎『生きる』で5年も前なのかあ。女性作家の時代小説となると、さらにさかのぼって北原亞以子『恋忘れ草』、ああ14年も前かあ。あの頃はワタクシも若かったなあ。
まあ年齢のことはおいといて、松井さんですけど、前の2回の候補のときは、決して全委員全否定ではなかったはずで、芽がないわけではありません。第128回の選評阿刀田翁も言っているではありませんか。「学識豊かなこの作家が大輪の花を咲かせる日が遠くないことを信じている。」……実績からして作風からして、松井さんの受賞が今回の最も妥当なラインかも。
年齢(平成19年/2007年7月現在)
53歳9ヶ月

経歴
昭和28年/1953年9月28日、京都府京都市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇学専攻修士課程修了。松竹に入社、歌舞伎の企画・制作に携わる。その後ぴあに移り、演劇を担当。フリーとなった後、演出家の武智鉄二に師事して歌舞伎上演台本を作成。歌舞伎研究家、脚本家として活躍する。作家デビューは平成9年/1997年『東洲しゃらくさし』。翌平成10年/1998年『仲蔵狂乱』で第8回時代小説大賞を受賞。

主な筆歴
文『マンガ歌舞伎入門』(上)=(伊藤結花理、月森雅子・絵)、(下)=(伊藤結花理・絵)
(上)=昭和62年/1987年8月、(下)=昭和63年/1988年6月・平凡社刊->平成13年/2001年12月・講談社/講談社+α文庫
『東洲しゃらくさし』
平成9年/1997年1月・PHP研究所刊->平成13年/2001年8月・PHP研究所/PHP文庫
『仲蔵狂乱』
平成10年/1998年3月・講談社刊->平成13年/2001年2月・講談社/講談社文庫
『幕末あどれさん』
平成10年/1998年9月・PHP研究所刊->平成16年/2004年2月・PHP研究所/PHP文庫
『奴の小万と呼ばれた女』
平成12年/2000年4月・講談社刊->平成15年/2003年4月・講談社/講談社文庫
『一の富─並木拍子郎種取帳』
平成13年/2001年5月・角川春樹事務所/角川時代小説倶楽部->平成16年/2004年6月・角川春樹事務所/時代小説文庫
収録作「阿吽」「出合茶屋」「烏金」「急用札の男」「一の富」
『非道、行ずべからず』
平成14年/2002年4月・マガジンハウス刊->平成17年/2005年4月・集英社/集英社文庫
『似せ者』
平成14年/2002年8月・講談社刊->平成17年/2005年8月・講談社/講談社文庫
収録作「似せ者」「狛犬」「鶴亀」「心残して」
『二枚目─並木拍子郎種取帳』
平成15年/2003年4月・角川春樹事務所/角川時代小説倶楽部->平成18年/2006年6月・角川春樹事務所/時代小説文庫
収録作「輪廻の家」「二枚目」「見出人」「宴のあと始末」「恋じまい」
『辰巳屋疑獄』
平成15年/2003年11月・筑摩書房刊
『大江戸亀奉行日記』
平成16年/2004年12月・角川春樹事務所/時代小説文庫
『銀座開化事件帖』
平成17年/2005年2月・新潮社刊
収録作「明治の耶蘇祭典(クリスマス)」「井戸の幸福」「姫も縫ひます」「雨中の物語り」「父娘草」
『家、家にあらず』
平成17年/2005年4月・集英社刊

過去の直木賞候補歴
第127回『非道、行ずべからず』(平成14年/2002年4月・マガジンハウス刊)選評の概要を見る
第128回『似せ者』(平成14年/2002年8月・講談社刊)選評の概要を見る



Mita Kan
三田 完
はいふうさんれいか
俳風三麗花』
平成19年/2007年4月25日・文藝春秋刊


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連作短篇集
324頁
四六判並製
本体価格2,190円
ISBN9784163258607

装丁宇野亜喜良
発行者庄野音比古
印刷所凸版印刷
製本所加藤製本
内容
「目次」(p1)
「とら、とら、とら」(p5-76)
「おんな天一坊」(p77-136)
「冬薔薇」(p137-196)
「艶書合」(p197-254)
「春の水」(p255-324)
初出
「とら、とら、とら」(『オール讀物』平成16年/2004年12月号「俳風三麗花」改題)
「おんな天一坊」(『オール讀物』平成17年/2005年9月号)
「冬薔薇」(『オール讀物』平成18年/2006年10月号)
「艶書合」(書き下ろし)
「春の水」(書き下ろし)
文藝春秋http://www.bunshun.co.jp/
ハミダシ情報
三田さんがどうのこうのというハナシではありません。選考委員の方々が、作品の版元を気にして選考などするはずがないので、三田さんがこの作品で受賞しても、澄んだ心で温かく三田さんの努力に敬意を表したいと思う日々なのです。なんだよ3年半もの間、文春しか受賞してないのかよ、などと下品に毒づきたくなるおのれを、戒めたいと思います。ワタクシなぞが偉そうに言うことではありませんが、陰ながら、三田さんには大きく羽ばたいてご活躍なさることを祈っております。とか書いていること自体、偉そうなんだよね。失礼。
年齢(平成19年/2007年7月現在)
51歳3ヶ月

経歴
昭和31年/1956年3月18日、埼玉県浦和市生まれ。本名・長谷川敦。慶応義塾大学文学部卒。NHKに入局。テレビディレクター、プロデューサーとして主に歌謡番組を担当。退職後、コピーライターとして活動し、平成12年/2000年に「櫻川イワンの恋」で第80回オール讀物新人賞を受賞。

主な筆歴
ノンフィクション『プレイバック―70〜80年代のスター群像を創り上げたスーパー・プロデューサー酒井政利の輝跡』
平成7年/1995年7月・三天書房刊
『絵子』
平成13年/2001年8月・文藝春秋刊
『暗闇坂』
平成15年/2003年6月・文藝春秋刊

過去の直木賞候補歴
なし



Morimi Tomihiko
森見 登美彦
よるみじかあるおとめ
夜は短し歩けよ乙女』
平成18年/2006年11月30日・角川書店刊


Amazon
長篇
301頁
四六判上製
本体価格1,500円
ISBN9784048737449

装画中村佑介
装丁高柳雅人(角川書店装丁室)
発行者井上伸一郎
発売元株式会社角川グループパブリッシング
印刷所大日本印刷株式会社
製本所株式会社鈴木製本所
内容
「目次」(p3)
「第一章 夜は短し歩けよ乙女」(p5-72)
「第二章 深海魚たち」(p73-142)
「第三章 御都合主義者かく語りき」(p143-222)
「第四章 魔風邪恋風邪」(p223-301)
初出
「夜は短し歩けよ乙女」(『野性時代』平成17年/2005年9月号、平成18年/2006年3月号、10月号、11月号)
この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよhttp://d.hatena.ne.jp/Tomio/
角川書店 web KADOKAWAhttp://www.kadokawa.co.jp/
ハミダシ情報
宇月原晴明『安徳天皇漂海記』のことを「これが山本周五郎賞を受けた理由もわからない」とバッサリ切り捨てた渡辺淳一翁が、手ぐすねひいて待ち受ける直木賞選考会に、堂々のり込むのは最新の山本周五郎賞受賞者のかたわれ、モリミ王子なのです。11月刊行なのに無理やり上半期の候補に押し込まれてしまって、さあ海千山千魑魅魍魎の選考委員たちにどう受け止められるか興味津々の、モリミ王子なのです。
日本ファンタジーノベル大賞の出身作家といえば後に活躍している人多く、酒見賢一でしょ鈴木光司でしょ池上永一でしょ山之口洋でしょ宇月原晴明でしょ……ってまだ誰も直木賞受賞していないのですか!? ジンクスなんて笑い飛ばして直木賞に新風でも竜巻でも巻き起こしてほしいのです。
年齢(平成19年/2007年7月現在)
28歳

経歴
昭和54年/1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部卒、京都大学大学院農学研究科修士課程修了。大学院の研究室に在籍中の平成15年/2003年『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。平成19年/2007年に『夜は短し歩けよ乙女』で第20回山本周五郎賞受賞。

主な筆歴
『太陽の塔』
平成15年/2003年12月・新潮社刊->平成18年/2006年6月・新潮社/新潮文庫
『四畳半神話大系』
平成17年/2005年1月・太田出版刊
収録作「四畳半恋ノ邪魔者」「四畳半自虐的代理代理戦争」「四畳半の甘い生活」「八十日間四畳半一周」
『きつねのはなし』
平成18年/2006年10月・新潮社刊
収録作「きつねのはなし」「果実の中の龍」「魔」「水神」
『新釈 走れメロス 他四篇』
平成19年/2007年3月・祥伝社刊
収録作「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」

過去の直木賞候補歴
なし



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