深刻な状態が続いている福島第一原子力発電所では、外部からの電源を使って原子炉や使用済み燃料プールを冷却するための作業が続けられていますが、地震や津波の影響で故障している機器も多く、作業は簡単には進みそうもありません。
22日に外部からの電源が復旧した3号機では、現在、「補給水系」と呼ばれる冷却方法の復旧作業が優先的に進められています。「補給水系」では、発電所の近くにあるダムから引き込んだ真水などをいったんタンクにため、ポンプで原子炉や使用済み燃料プールに送り込むことによって冷却します。現在、ポンプに電気は通じていますが、タンクにどれだけの水があるか分からない状態にあるため、東京電力では、水位が確認できるようになりしだい作動させる計画です。一方、「残留熱除去系」と呼ばれる冷却方法は、原子炉や使用済み燃料プールに海水で冷やした水を循環させるものですが、海水を送り込むためのポンプが津波の影響で故障するなどしているため、復旧作業が続けられています。このほか、原子炉の核分裂反応を止めるための、ホウ酸を混ぜた水を原子炉の中に注入するための系統も、地震や津波の影響で機能が失われています。東京電力によりますと、こうした原子炉を冷却するための系統の不具合は、ほかの1号機、2号機、4号機でも同じような状態だということで、外部の電源を使った冷却機能の復旧は簡単には進みそうにありません。