「あの動きって難しいんだよなあ」
娘と一緒にNHK教育番組の「お母さんといっしょ」を見ながら思わずつぶやく。
「お母さんといっしょ」には「グーチョコランタン」という着ぐるみ人形のキャラクタ
ーたちが活躍するコーナーがある。
そのキャラクターの動きを見ながらしみじみ思う。
着ぐるみを着て、見ている人を楽しませるには、かなりのオーバーリアクションと
ともにしっかりとしたメリハリがいるのだ。
私は昔セーラームーンの着ぐるみのバイトをしたことがある。
(厳密にはセ−ラームーンのお姉さん格にあたるセーラーマーズをした)
セーラームーンは当時ちびっこ子たちに大人気のキャラクターだった。
そのセーラームーンのショーを和歌山、高知、兵庫と巡業してまわったのだった。
年末、年始のバイトであったため、実入りが良いために選んだのだ。
学生時代、演劇部にいた私は、人前で芝居をしたり、踊ったりすることに抵抗は、
なかったが、着ぐるみを着て演じたことはなかったので、実際やってみると、はたで
見ているほど簡単なものではないことに気づいた。
巡業の参加者は、着ぐるみのプロであったり、バイトにしても着ぐるみ歴の長い
つわものばかりだったので、私は密かにあせった。
参加者は皆プロ意識の高い人たちばかりだったので、ショーが始まるぎりぎりまで
私たちは練習していた。(建物の裏の空き地とかで・・・・)
本番前、少し緊張でどきどきしたが、ショーがはじまると、ちびっ子たちの
熱狂的な声援を受けながら、楽しく私たちは、演じ、踊り、
「月に向かっておしおきよ!」
といってポーズを決めた。
セーラームーンのあこがれの王子さまの着ぐるみに入っていたのが、
たこ坊主のようなおやじだったので、もし、これがばれると子どもたちは
さぞかしがっかりするだろうなあと余計なことも考えたりした。
この楽しい体験で習得したセーラームーンの決めポーズや振りは、どこかにいか
せないものか・・・・と考えていたが、のちに音楽療法専門学校の生徒になったとき
発表会で障害者の子どもたちに集まってもらったが、再びセーラームーン姿で歌
って踊ったのが大受けしたのでとても嬉しかった。
(この時は着ぐるみではないので、見ようによってはかなりサムイのだが、みんな喜
んでくれたので、それで良しとしたい)
あれからセーラームーンは終わり、今やプリキュアの時代になってしまった。
娘に、「ママね、昔セーラームーンやったことあるのよ。」と言ってみても
セーラームーンを知らない娘には何の自慢にもならないのが残念だ
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「growing & healing room ♪Knonn〜カノン〜」