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土から1600倍超の放射性物質

3月23日 18時39分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

福島第一原子力発電所の事故で、福島県などが周辺で採取した土を分析した結果、飯舘村の原発から北西に40キロの地点で、通常の1600倍を超える放射性セシウムが検出されました。専門家は「農作物が取り込むと、出荷できなくなるおそれがある値だ」と指摘しています。

福島県と国の現地対策本部は、福島第一原発の事故の影響を調べるため、今月18日から22日にかけて、原発周辺の市町村の6地点で、5センチの深さで土を採取し、放射性物質がどの程度含まれるか分析しました。その結果、福島県飯舘村の原発から北西に40キロの地点で採取した土から、▽放射性セシウム137が、1キロ当たり16万3000ベクレル検出されました。土壌に含まれる放射性物質を対象にした環境基準はないということですが、環境中の放射能に詳しい学習院大学理学部の村松康行教授によりますと、通常の土壌で検出される放射性セシウムは、1キロ当たり多くて100ベクレル程度で、今回はその1630倍に当たるということです。このほか川俣町や南相馬市などの5つの地点でも、通常の12倍から142倍に当たる放射性セシウムを検出したということです。これについて、村松教授は「非常に高い値で驚いている。放射線セシウムは、およそ30年残るため、長期的な農作物への影響を考える必要がある。農作物が土壌から取り込む割合からすると、国の暫定基準を超え、出荷できなくなるおそれがある値なので、詳細なデータを集め、対応を検討する必要がある」と指摘しています。今回の調査結果について、国の原子力安全委員会は詳しい評価作業を行っています。