中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

北限の海女、ぼうぜん 潜るの「おっかない」

2011年3月24日 10時34分

 津波で壊滅した「北限の海女」の小袖漁港=23日午前、岩手県久慈市

写真

 大津波は「北限の海女」で知られる岩手県久慈市の小袖海岸ものみ込んだ。素潜り漁の実演が人気を集めた観光地は一変した。

 小袖漁港を拠点に働く海女は約20人おり、観光客が集中する夏場が稼ぎ時。幸い犠牲者はいなかった。だが昨年新築した観光拠点「小袖海女センター」は建物が流され、無残にもコンクリートの基礎だけの姿に。

 「まさかこんなことに」。海女歴30年以上という中川やえ子さんは言葉を失った。水が濁っても手探りで泳げるほど子どものころから潜った海。今は油が浮き、流された船や重機が海底に沈む。「海が変わっているだろうし、潜るのはおっかない」と不安がる。

 昨年夏のシーズンには、約9千人がセンターに来場。かすりの着物に白足袋の海女が採ってきたウニを観光客に振る舞う企画が好評で、昼食の時間もないほど一日中潜りっぱなしだった。

 港が壊れ漁業へのダメージが懸念されている。「海女の仕事ができても、男たちの漁がないと暮らしはどうにもならねえ」。中川さんに笑顔はなかった。

(共同)
 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ