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東電社員命がけ復旧作業「日本のため、みんなのために早く鎮めたい」

 東京電力福島第1原発では、極限状態のなかで、関係者が命がけの作業を続けていた。19日、実際に電源復旧にあたった東京電力の社員の決死の作業ぶりが、スポーツ報知の取材で明らかになった。

 福島第1原発の電源復旧のため、東電本店から各支店へ応援要請があったのは、地震発生から4日後の今月15日だった。翌日には、作業にあたる社員が続々と、現場から約20キロ離れた福島県双葉郡ベクレル葉町のサッカートレーニングセンター「Jヴィレッジ」に集まった。「自衛隊の車両や、消防車が控えていた。全部で500から1000人はいたのではないか」。水も電気も止まっている状態の中、通路で非常用毛布だけで寝起きした。

 当初、17日午後からの作業予定が、放射線量が高く待機となった。放水作業中は電源復旧作業は行えない。結局、現地到着は日付が変わる頃だった。布製とゴム製の手袋を二重にはめ、防毒マスクをつけ、ヘルメットをかぶり、放射性物質が直接皮膚に付着することを防ぐための防護服、タイベックスーツを着用した。肌が露出するところは同じ素材のもので目張りした。防毒マスクは他の電力会社から借りたものもあった。「慣れない格好で道も悪かったし、現地に着くまでに車酔いする人もいました」と話す社員もいた。

 作業時間内に浴びる放射線量が、「100ミリシーベルト(10万マイクロシーベルト)になったら撤退」と決まっていた。センサーは80ミリシーベルト(8万マイクロシーベルト)になるとアラームが鳴るよう設定されていた。現場では、厳重装備のためお互いの声は聞こえにくく、さらに照明用の発電機、クレーンなどの重機の音でうるさく、大声で叫びながらの作業になった。約40人ずつ2班に分かれ、翌日朝5時まで作業した。「映画の爆破後のワンシーンみたいだよ。鉄鋼は曲がってて、配管はもう…。何しろ、ボロボロだよ」。3号機付近で作業にあたっていたという社員が、すさまじい状況を振り返る。

 当初の見込みでは、1~2時間しか作業できない、との見方だったが、放射線量が10ミリシーベルト毎時以下だったため、5時間作業を行うことができた。それでも、通常の状況下でも「3~4時間はかかる」というケーブルの敷設作業は終了せず、残る作業は交代で向かった第2陣に託された。

 「(放射線を)多少受けたって死んじゃうわけじゃない。誰かがやらなきゃならない。手を挙げた限り、やるんだ、そう思っていた」。作業を終えた社員は、そう思いを語った。「早くあの原発をどうにかしたい。鎮めたい。日本のために、みんなのために。ウチ(東電)のためにも。あそこにいたみんな、そう思っていた」。ある社員は、祈るように話した。

(2011年3月20日06時02分  スポーツ報知)

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