中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

新井会長 12月でも野球やり切る 滝鼻発言には不快感

2011年3月24日 紙面から

 労組・日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(34)=阪神=が23日、巨人・滝鼻オーナーの発言に失望感をあらわにした。広島との練習試合(マツダ)の前に報道陣に対応。セ・リーグは22日に文部科学省などから東日本でのナイター開催などの再考を求められ、蓮舫節電担当相は4月12日のセ・パ同時開幕を主張する選手会に賛同する姿勢を打ち出したが、同オーナーが強く反発。これに関して「悲しい」と語る一方、参稼報酬期間外である12月の日本シリーズ開催も辞さない構えを見せた。

 怒りをすでに通り越し、その表情は悲しみに満ちていた。“滝鼻発言”について、新井会長は「報道を通じて知った。直接聞いたわけではないけど」と前置きした上で、「本当なら悲しいですね」と唇をかみしめた。

 22日に加藤コミッショナー、セ・パ両リーグ理事長と文科省、経産省、蓮舫節電啓発担当相を訪問。そこで東日本大震災の被害が拡大し、電力事情は逼迫(ひっぱく)するため、国民の理解は得られないということで、セ・リーグが決めていた減灯ナイター案は差し戻しを食らった。さらに蓮舫大臣からは、4月12日のセ・パ同時開幕を要望している選手会に賛同もしてもらった。

 選手会には、まさに追い風が吹いた形だった。新井会長も「必ず変わると信じている」と期待していた。その矢先の「日程は政府が決めることじゃない」、「過去にはセ・パ同時じゃない開幕もあった」などの滝鼻オーナーの発言。ショックはあまりにも大きかった。

 「(セ・パの開幕が)なぜ違う必要があるのか。大変な時期に、注目されているプロ野球が一体化されていないのは問題」。国が未曽有の苦境に立たされているからこそ、新井会長はこの日も改めてプロ野球界が一体とならなければならないとの思いを口にした。相応の覚悟もある。

 「後ろを決め付けるのでなく、144試合、CS、日本シリーズと12月になっても選手会としてはやりきる。選手としてできることは、最大限協力すると伝えている」

 12月1日から1月31日は参稼報酬期間外。いわば、契約で保証されている“完全オフ”を返上しても構わない姿勢を見せた。それなのに思いが通じない。余計に胸が締め付けられる思いである。だが、今はただ信じて待つのみ。広島との練習試合後は「早く決まってほしいというか、それ(26日のオーナー会議)待ちだから」と言い、新井会長はバスに乗り込んだ。

 ◆参稼報酬期間 野球協約87条の(1)で、統一契約書に表示される参稼報酬(年俸)の対象となる期間は、毎年2月1日から11月30日までの10カ月間とする、と明記されている。このため万が一、新井会長が言う12月の日本シリーズとなると、オフシーズンで契約期間外という異例の形での開催となる。なお、現状のスケジュールでは、日本シリーズが第7戦までいっても、11月6日で終わる予定となっている。

 

この記事を印刷する

PR情報

Ads by Yahoo!リスティング広告



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ