(cache) 震災被害25兆円に、政府試算 阪神の2倍超 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 震災被害25兆円に、政府試算 阪神の2倍超


     月例経済報告関係閣僚会議に臨む菅首相。左は与謝野経財相、左端は日銀の白川総裁=23日午後、首相官邸

     政府は23日、東日本大震災による住宅や道路などの直接的な被害額が16兆~25兆円に上るとの試算を初めて公表した。津波による損壊が大きく、阪神大震災の約10兆円を大幅に上回り、戦後の自然災害で最大の被害規模となる。今回の試算には、原発事故や放射性物質漏出による汚染の影響は織り込んでおらず、最終的な被害額はさらに拡大する可能性もある。

     与謝野馨経済財政担当相は同日記者会見し、「一番厄介なのは放射線による風評被害や心理的な問題だ」と指摘。対象地域と時間帯を決めて電力供給を止める計画停電にも言及し、企業活動への影響を抑える観点から、実施方法の見直しが必要との認識を示した。

     内閣府が併せて公表した3月の月例経済報告は、景気の現状について「東日本大震災の影響が懸念される」との表現を追加した。

     被害程度を大きく見積もった試算では、岩手、宮城、福島の3県で津波被害があった地域の建物の損壊率を80%と想定。これら3県に北海道、青森、茨城、千葉を加えた7道県の被害額は、道路や工場、住宅などを合わせた資本ストック合計の約14%に達する。

     国内総生産(GDP)への影響では、被災地の生産減や部品供給の停止に起因する他地域の生産減が2011年度で計2・75兆円のマイナス要因になる一方、同年度に5兆~8兆円の復興需要が生じると試算。計画停電や消費者心理の悪化の影響は算定困難として加味していない。

      【共同通信】