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産婦死亡訴訟、「事故の教訓を今後に」願い届かず肩落とす夫/横浜地裁

2011年3月24日

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 出産後の治療における医師の過失を否定した横浜地裁判決。「産婦の命が失われた事故の教訓を謙虚に受け止め、今後に生かしてほしい」という願いは届かず、夫は肩を落とした。

 体重3360グラム。初めての子を授かった03年12月、吉野克則さん(48)は「母子ともに健康です。女の子ですよ」と告げられた。しかし、出産から1時間半ほどで妻の容体は悪化する。「出血が多い」「心肺停止になりました」―。妻の意識は一度は戻ったが、48日後に亡くなった。

 病院の記録や説明で、出血の初期段階で、妻の容体を准看護師1人が見守り、その間に医師は外来患者に応対していたと知った。

 同病院については「年間3千人を分娩。日本一を誇る出産数」と聞いていた。「担当医は技量を過信し、効率化を求めるあまり一人一人の患者をないがしろにする体質が病院にもあったのではないか」。吉野さんは06年に訴えを起こした。出産前の違法内診を問題視した刑事事件の捜査にも協力した。

 判決後、「出血を知った担当医がすぐに処置しなかったことについて、地裁は具体的判断を避けた」と悔しさをにじませた。

 小学1年生に成長した長女は、写真の中の母親しか知らない。「娘が中学、高校になれば事故について考えるだろう。妻の死が医療に生かされたと言えるように、判決後もこの問題に取り組む姿勢を変えるつもりはない」と吉野さんは話した。

 堀病院は判決後、「吉野さんの妻の冥福を祈りつつ、引き続き、産科医療の安全確保に努める」とコメントした。

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