政治【検証 大連立】首相、処方箋なき“暴走” 仙谷氏、大島「取り込み」で策謀+(3/6ページ)(2011.3.23 22:47

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【検証 大連立】
首相、処方箋なき“暴走” 仙谷氏、大島「取り込み」で策謀

2011.3.23 22:47 (3/6ページ)

 谷垣がこう切り返したのは当然だといえよう。菅は「震災対策で責任を分担してくれないのか」となおすがったが、谷垣は「わが党として政権には最大限協力する。それと入閣とは別次元の話ですよ」と一蹴。最後は菅が「直接会談して決める気持ちもないんですか!」と逆ギレしてしまった。

 「このままでは一蓮托生(いちれんたくしょう)となりかねない」と考えた谷垣はただちに緊急役員会を招集し、電話のやりとりを暴露した。露骨な一本釣りに政調会長の石破茂は「いきなり電話でするような話か!」と激高。入閣拒否は「機関決定」となり、菅の企ては水泡に帰した。

 谷垣はその後もしきりにこう繰り返した。

 「どうして菅さんは順序をわきまえないのかな…」

 この一件で菅の痛手は大きい。菅が独断専行ぶりを実感した谷垣は「こんな調子では政策協議をしてもこちらが納得できるような修正案は出せないだろうな」と不信を強めたからだ。

 大連立構想は今回が初めてではない。平成19年秋には当時首相の福田康夫と当時民主党代表の小沢が大連立の一歩手前まで話を進めた。この際、民主党役員会で「政策協議もなしにトップ同士で決めるのはよくない!」と猛反対したのは菅だった。

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