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名勝・松島の復旧に力 ボランティア続々集結

泥だらけになり、後片付けを手伝うダニエルさん(左)=21日、宮城県松島町

 日本三景の一つ、松島で知られる宮城県松島町は、周辺の被災自治体に先駆けて、町社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを設置し、ボランティアの力を結集して「観光の町」の復旧を急いでいる。町内の観光名所に大きな被害はなく、観光関係者は「修学旅行シーズンまでに、観光客を受け入れられるようにしたい」と意気込んでいる。
 松島町社協のボランティアセンターは15日、町内のB&G海洋センター内に開設。22日は宮城県内に加え、山形、新潟、愛知、兵庫の各県から集まった68人が活動した。事前の連絡や情報収集もせずに駆け付けたボランティアにも仕事を割り振り、松島海岸の清掃や被災した家屋の片付けに当たってもらっている。
 震災後すぐに飛行機に飛び乗り、カナダの首都オタワから駆け付けた大学生ドナルド・ダニエルさん(28)も、その一人。成田からはバスやヒッチハイク、徒歩で18日に松島町に入り、21日まで海岸にたまった泥やがれきの処理に汗を流した。
 日本語は話せないが、ボランティア仲間が通訳になり、活動を通じて「ありがとう」と「どういたしまして」の日本語を覚えた。「松島は徐々にきれいになってきた。キープ・ファイティング(戦いつづけましょう)」と仲間や町民を励ます。
 町社協は昨年11月、ボランティアセンターの設置訓練をしたばかりで、訓練が今回の震災対応に生きているという。
 町社協の遠山勝雄会長(73)は「松島町の復旧に早くめどをつけたい。東松島市からボランティアの派遣要請もあり、今後は他地域にも協力したい」と言う。
 町の観光名所は、震災で雄島に架かる渡月橋が流失したり、島巡り遊覧船で人気スポットの長命穴が崩れたりしたものの、国宝の瑞巌寺や五大堂に目立った被害はない。マリンピア松島水族館は建物、飼育動物ともに無事だった。
 松島観光協会の佐藤久一郎会長は「ボランティアに感謝したい。修学旅行が始まる4月20日を目標に、観光客を受け入れる態勢を取りたい」と話している。(阿部信男)


2011年03月23日水曜日


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