2011年1月31日 21時17分 更新:1月31日 23時17分
【カイロ樋口直樹】大規模な反政府デモが続くエジプトで、ムバラク大統領の退陣を求める野党勢力らのデモ隊は31日、無期限のゼネストを呼びかけ、デモ開始から1週間の節目に当たる2月1日に100万人規模のデモ行進を実施すると宣言した。ムバラク大統領は汚職の追放やインフレ対策などを約束したが、沈静化の気配はみられない。
大統領は31日、新内閣を発足させた。主要閣僚のうち内相や財務相などを事実上更迭し新内閣には参加させなかった。一方、タンタウィ国防相は副首相兼務に昇格し、アブルゲイト外相は留任した。アドリ前内相はデモ隊に強硬姿勢を取ったとして、反体制派が解任を要求していた。ロイター通信によると、一連のデモの死者は138人に達した。
一方、AFP通信によると、治安当局は31日、中東の衛星テレビ・アルジャジーラの英語サービスの記者6人を一時、拘束した。
カイロ中心部のタハリール広場では31日にかけ数百人のデモ参加者が夜間外出禁止令を無視し野宿して抗議。夜が明けると数万人が集まり、新内閣の布陣を「変わらぬ顔ぶれ」などと非難した。
一方、北東部スエズでも約1000人が抗議行動を繰り広げた。
カイロ市内などでは31日、一時撤収していた警官が任務に戻った。しかし学校や銀行、証券取引所などは閉鎖したままで、夜間外出禁止令は同日から「午後3時~午前8時」に拡大された。市民らは日中デモに参加、夜間は自警に参加し、疲労も見え始めている。