2011年1月31日 20時14分 更新:1月31日 22時25分
霧島山系・新燃岳(しんもえだけ、1421メートル)で、地下にたまったマグマの上昇に伴い膨張していた山が、噴火が本格化した1月26日以降に縮む傾向が続いているとする調査結果を、国土地理院と防災科学技術研究所が31日、それぞれ発表した。地下に新しいマグマが増えていないことを示唆するが、活動が沈静化に向かうかは分からないという。
国土地理院が全地球測位システム(GPS)で観測したところ、09年12月から噴火直前までに最大4センチ以上伸びていた基準となる2点間の距離が、31日までに約3センチ縮んだ。地下に蓄積されたマグマの7割程度を噴出したとみられる。新田浩・地殻監視課長は「(山は)収縮したが、噴火が小さくなっているわけではない。このまま膨張が戻った後に何が起こるのか注視している」と話す。
一方、GPSと傾斜計などを合わせて解析した防災科研は、31日午前9時までのマグマ噴出量を計1000万~1200万立方メートルと推定した。「地理院の結果とほぼ同じものを示している」(火山防災研究部)という。噴出量については、東京大地震研究所が28日までの火山灰の堆積(たいせき)と分布状況から270万~370万立方メートルと発表している。【八田浩輔】