新燃岳噴火:512世帯に避難勧告…宮崎・高原町

2011年1月31日 0時55分 更新:1月31日 1時50分

活発な活動を続ける新燃岳。火口(左)から斜面を駆け下りる灰色の噴煙=鹿児島県霧島市で2011年1月30日午後4時13分、加古信志撮影
活発な活動を続ける新燃岳。火口(左)から斜面を駆け下りる灰色の噴煙=鹿児島県霧島市で2011年1月30日午後4時13分、加古信志撮影

 宮崎、鹿児島県境にある霧島山系・新燃(しんもえ)岳(1421メートル)の噴火で、宮崎県高原町は30日午後11時50分、「火山が非常に危険な状態にある」として火口の東側にある町内の512世帯約1150人に避難勧告を出した。気象庁によると、火口の溶岩ドームが直径約500メートル(火口の直径約700メートル)まで大きくなっているのが30日夜、地球観測衛星の画像解析で確認されたという。新燃岳の噴火で避難勧告は初めて。

  ◇溶岩ドーム直径約500メートルに

 気象庁火山課によると、28日に直径数十メートルだった溶岩ドームが、地下からのマグマの供給でさらに成長したとみられる。今後の噴火活動で、火砕流が地形によっては火口から3キロにまで達する恐れがあるとして、警戒を呼びかけている。

 避難勧告の対象は、火口から最短で6.5キロの南狭野区など3地区。避難先に4カ所を指定した。

 また、同県都城市は30日深夜、災害対策本部会議を招集。警戒レベルが現状の3(入山規制)から4(避難準備)、5(避難)に引き上げられた場合に備えた体制を取る。火口から10キロ圏内の避難が想定される地域は計290世帯。新燃岳では30日午後2時前、2日ぶりに爆発的噴火が起きた。爆発的噴火は27、28日に続き3回目。

 溶岩ドームの成長を受け、気象庁は警戒レベルを現状の3から4に引き上げるかを検討したが、現状維持を決めた。ただし、現在火口から2キロ以内の入山規制を3キロに拡大する。【石田宗久】

 ◇過去に三宅島や普賢岳でも勧告

 避難勧告は災害対策基本法に基づき、被害が発生する恐れのある場合に住民に行われる勧告で、原則市町村長が判断する。避難指示は、被害の危険が切迫している場合などに出され、勧告よりも拘束力が強い。国内の火山噴火で避難勧告が出されたのは、00年の三宅島(東京都)、有珠山(北海道)、96年の駒ケ岳(北海道)、91年の雲仙・普賢岳(長崎県)がある。【江口一】

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