エジプト:米大統領 ムバラク大統領に電話、行動求める

2011年1月29日 10時58分

 【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は28日、ホワイトハウスでエジプト情勢に関する声明を発表。大統領は、ムバラク大統領が国民向け演説で民主主義と経済改革の促進を訴えたとし、ムバラク氏との電話で「約束を果たす具体的な措置と行動を取る責任がある」と直接伝えたことを明らかにした。

 エジプトで大規模な反政府デモが発生した後、両首脳が協議するのは初めて。だがオバマ大統領は、エジプト当局の暴力を「非難」せずに「抑制」を求め、デモ参加者が訴えるムバラク氏の退陣には言及しなかった。中東和平や対テロで重要な同盟国であるエジプトへの対処を巡る米国の苦しい立場を浮き彫りにした格好だ。

 オバマ大統領はデモで死傷者が出ていることに懸念を示し、エジプト当局による暴力や、インターネットや電話サービスの遮断をやめるよう要求。言論、集会の自由などの人権を「普遍的なもの」とし、政治や社会、経済の改革がなければ、「(エジプト国民の)怒りは増幅する」と警告。一方でデモ参加者にも平和的な行動を促し「暴力や破壊は、彼らが求める改革にはつながらない」と訴えた。

 声明に先立ち、ギブス大統領報道官は28日、エジプトに対する援助見直しを検討していることを明らかにした。米国務省によると、米国は年間15億ドル以上の軍事・経済支援をしている。報道官は援助の見直しは「エジプト政府の行動」次第とした。

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