新燃岳噴火:溶岩ドーム出現 2回目爆発

2011年1月28日 21時50分 更新:1月28日 23時46分

鹿児島県が大浪池に設置したライブカメラに映った28日午後1時ごろの新燃岳の映像=鹿児島県提供
鹿児島県が大浪池に設置したライブカメラに映った28日午後1時ごろの新燃岳の映像=鹿児島県提供

 活発な噴火活動が続く鹿児島、宮崎県境の霧島山系新燃(しんもえ)岳(1421メートル)で28日午前、地下のマグマが盛り上がってできる溶岩ドームが火口内に出現したのを、上空から観測した東京大地震研究所が確認した。新燃岳では28日午後0時47分に2回目の爆発があり、降灰範囲は宮崎県と鹿児島県で計17市町に及んだ。

 同研究所によると、火口内では火口湖が消失。東西に並ぶ火口列の中の中央付近に直径数十メートルの溶岩ドームが出現し、一部は赤熱していた。火口の南西側には、長さ500~600メートルの火砕流跡も確認された。

 鹿児島地方気象台によると、火口は直径700~800メートル、深さ数百メートルあり、マグマがあふれる可能性は現時点では低いという。ただ、同研究所は「マグマの供給が続けば、マグマが火口外に漏れ出す可能性もある」としている。

 火砕流は、噴火によって放出された火山灰や岩塊が高温のガスとともに、山腹を高速で流れ下る現象。噴火に伴い岩石の破片が熱で吹き上げられて噴煙柱を作った後、周辺に広がり落ちるタイプや溶岩ドームの崩落時に一定方向へと噴き出す「メラピ型」などがある。

 91年6月3日に発生した長崎・雲仙普賢岳の大規模火砕流はメラピ型で、死者・行方不明者は43人に上った。【村尾哲、夫彰子】

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