1票の格差:大阪高裁は「違憲状態」

2011年1月28日 14時28分 更新:1月28日 20時10分

 昨年7月の参院選で選挙区間の「1票の格差」が最大で5.00倍になったのは法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、大阪府箕面市の男性(68)が選挙無効を求めた訴訟の判決が28日、大阪高裁であった。紙浦健二裁判長は「有権者数が最多の選挙区では1票が0.2票分の価値しかない。これは著しい不平等状態だ」として「違憲状態」と判断した。請求は棄却した。

 紙浦裁判長は、参院選の投票価値について、「衆院選で要請される平等の程度と基本的に同等。大きな違いはない」と判断。5倍の格差について、「都市部よりも地方の住民の意見が極端に国政に反映される状況で、違憲状態にある」と指摘した。

 さらに都道府県単位の選挙区制度について、「相応の合理性はあるが、隣接する都道府県と合わせるなどして格差是正を考えるべきだ」とした。

 一方、06年に「4増4減」の定数是正があったことから、「今回の選挙時点で是正していなかったからといって違憲だったとまで言えない」として、請求を棄却した。【日野行介】

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