2011年1月28日 11時56分 更新:1月28日 13時52分
菅直人首相の施政方針演説などに対する代表質問が28日午前、参院本会議で行われた。公明党の山口那津男代表は、米格付け会社による日本国債の格下げを巡り「そういうことに疎い」とした首相発言について「耳を疑った。危機感に乏しく、それを乗り越える決意も浅い」と強く批判。首相は「情報が入っていなかったことを申し上げた」と釈明した上で「財務相時代にいかに財政、国債が重要かを嫌というほど認識させられた。大切なのは財政規律を維持し、財政に対する市場の信認を維持することだ」と答弁した。
首相が与野党協議に応じない野党の姿勢を「歴史に対する反逆行為だ」と述べたことについて、山口氏は「ずいぶん思い上がった言葉遣いだ。首相が野党を挑発するとは何事か」と追及。菅首相は「誰かを一方的に非難したわけではない」と釈明した。また山口氏は、2年続けて国債発行額が税収を上回った11年度予算案について「財源は破綻しているのに中途半端にマニフェストの事業にこだわる姿勢が招いた危機的な予算だ」と指摘。「あなたにこの国の首相をもはや任せられないという国民の率直な声が高まりつつある」と、間接的な表現ながらも首相に退陣を求めた。
また首相は、朝鮮半島由来の「朝鮮王室儀軌(ぎき)」などを韓国政府に引き渡す日韓図書協定が昨秋の臨時国会で継続審議になったことについて「今国会で可能な限り全会一致の速やかな承認をお願いしたい」と要請した。山口氏への答弁。【大場伸也】