レアアース:日本、EUが協力 代替材料開発やリサイクル

2011年1月28日 2時37分

 【ブリュッセル福島良典】日本と欧州連合(EU、加盟27カ国)は、次世代自動車やエコ家電に不可欠なレアアース(希土類)の安定調達に向けて協力に乗り出す。世界生産量の9割超を握る中国が昨年から輸出枠の削減を進めるなか、日米欧などレアアース輸入国では「脱中国依存」を目指す動きが加速。日EU間でも代替材料やリサイクル技術の研究・開発を中心に情報交換することで輸出を絞る中国をけん制する狙いもある。

 経済産業省幹部が2月3日にブリュッセルを訪問し、EUの欧州議会で日本のレアアース政策を説明。EUの行政府・欧州委員会の企業・産業総局担当局長とも意見交換する。

 欧州議会のラインハルト・ビュティコファー議員(ドイツ)は「日EUは中国依存にどう対処するかという共通課題に直面している」と指摘。EU筋は「日本は代替材料でリードしており、欧州はリサイクルの経験が長いので、相互補完的な協力が可能」としている。

 日本はEUとの経済連携協定(EPA)交渉の早期開始を目指しており、高級事務レベルによる「日EU合同ハイレベルグループ」で検討作業を続けている。レアアースなど資源分野での協力推進が今後、EPA交渉に向けた枠組みでも協議される可能性もある。

 EUは欧州産業の国際競争力の強化のため、希少資源の供給確保を重視。欧州委員会は2月2日に新たな原材料戦略を採択する予定だ。日本も米国やインド、ベトナム、モンゴルなど資源国との協力強化を進めている。

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