経済・IT【計画停電】鉄道混乱、停電なしも始発から相次ぎ運休 「安全を優先」2011.3.14 19:25

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【計画停電】
鉄道混乱、停電なしも始発から相次ぎ運休 「安全を優先」

2011.3.14 19:25
東日本大震災の影響でJR・私鉄の各線の本数が少なく、帰宅のためにバス停に並ぶ人たちであふれかえった=14日午後、JR渋谷駅南口(宮川浩和撮影)

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東日本大震災の影響でJR・私鉄の各線の本数が少なく、帰宅のためにバス停に並ぶ人たちであふれかえった=14日午後、JR渋谷駅南口(宮川浩和撮影)

 東京電力の計画停電で、14日午前は実施が見送られたにもかかわらず、首都圏の鉄道は始発から相次いで運休に踏み切り、大混乱に陥った。全体の56%の自家発電能力があるJR東日本も、安全を優先し広範囲で終日運休とした。計画停電の対象地域や時間の発表が前日夜と遅く、情報と準備不足も大きな原因で、鉄道各社からは批判の声が上がる。政府は鉄道の除外を求めたが、技術的に困難とみられる。15日以降の対応は不明で、鉄道インフラの機能マヒが長期化する懸念も拭えない。

 JR東日本が、14日の運行計画を明らかにしたのは始発ギリギリの午前4時過ぎ。東海道線などが始発から運休となった。13日夜の東電の会見では「JRは自主電源があり、影響はないのではないか」と説明していたこともあり、利用者は突如として通勤の足を奪われた。

 JR東では広範囲の運休について、「踏切などは一般電源に頼っており、停電すると、踏切は閉じた状態のままになり、道路網が混乱する」と、やむを得ない判断を強調。停電が見送りになっても運行できなかった理由について、「膨大な路線エリアがあり、ダイヤ編成が間に合わない」と説明する。

 自主電力がない私鉄は「総合的な判断で(運休継続を)決めたとしかいえない」(東武鉄道)と言葉を濁す。当初は「1カ所の変電所への送電が止まっても、別の変電所から回せる」(関係者)との見方もあったが、不測の事態を恐れたとみられる。

 各社からは「東電の公表がもう少し早ければ、運行範囲が広がっていた可能性もある」(鉄道関係者)と、批判の声も上がる。

 鉄道の除外は困難なことから国土交通省が、資源エネルギー庁長官を通じ、東電に鉄道事業者に対する停電時間を固定するよう要請した。しかし東電がどこまで要望に対応できるかは不明。14日と同様の事態が続けば、国民生活や経済活動が深刻なダメージを受けるのは避けられない。

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計画停電の影響で横浜駅に乗り入れているJR線がすべて運休。横浜駅東西自由通路は京急線に乗るための人であふれた=14日午前、横浜市西区(矢島康弘撮影)
東日本大震災の影響でJR・私鉄の各線の本数が少なく、帰宅のためにバス停に並ぶ人たちであふれかえった=14日午後、JR渋谷駅南口(宮川浩和撮影)
東日本大震災の影響でJR山手線の本数が少なくホームが混み合い入場制限を行っているJR渋谷駅=14日午後、JR渋谷駅南口(宮川浩和撮影)
東日本大震災の影響でJR・私鉄の各線の本数が少なく、帰宅のためにバス停に並ぶ人たちであふれかえった=14日午後、JR渋谷駅南口(宮川浩和撮影)

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