東日本巨大地震:証券会社の「不謹慎」リポート

 「日本はない! 韓国のノーマーク・チャンス!」「日本の地震を受け、機械業界で最も恩恵を受けた株」「ああ日本、韓国に再びチャンスを…」「絶好の買いチャンス到来…」

 大地震の惨事に見舞われた日本をめぐり、韓国の一部の証券会社が、見ていて恥ずかしくなるような刺激的な文言をリポートに並べ立てています。

 証券会社のアナリストたちは、何か事件が起きると、それが経済や各分野に及ぼす影響を分析し、リポートを出します。アナリストによる一言で企業の株価が変動するほど、かなりの影響力があります。アナリストが誰よりも客観的で冷静な視覚で事態を見守らなければならないのは、このためです。ところが、隣国の不幸な状況を目にしながら、まるで楽しくサッカー中継をするようにリポートを出す証券会社もあります。刺激的な文言が盛り込まれたリポートを出した証券会社の担当者たちは「やるべきことをやっただけ」との反応を示しました。機械業種に詳しいアナリストは「この分野は日本と韓国の販売する製品が同じなので、デリケートにならざるを得ない」としながらも「これが刺激的なのか」と問い返しました。また、別のアナリストは「株式市場では、片方に良くないことがあれば、相対的に反射利益を得るところもある。これが私のすべき仕事」と話しました。

 しかし、全ての証券会社がこのような刺激的な表現でリポートを作成しているわけではありません。地震の直後、CLSAやクレディ・スイスなど外資系証券会社のほとんどは、リポートの冒頭で日本に対する哀悼の意を表しました。韓国の証券会社の中では、大信証券が今週月曜日から投資戦略リポートの冒頭に「地震で苦痛を受けている日本国民に慰労の気持ちを伝えます」の一文を入れています。同証券のチョ・ユンナム・リサーチセンター長は「リポート作成は担当者に任せてあるが、今回の事態は深刻なので、会社として人々の心を慰める文章を入れた」と説明しました。

 冷たい市場の論理に従って動く金融市場で、アナリストたちには、投資家の目を引くようなリポートを作成しなければならないという強いプレッシャーがあります。しかし、最低限の礼儀もわきまえず、刺激的な表現にあふれたリポートを作成すれば、投資家たちの信頼を得るどころか、逆に信頼を失うだけです。

ソン・ヒョン朝鮮経済i記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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