つくば市に拠点を置くキリスト教系宗教法人「小牧者(しょうぼくしゃ)訓練会」の信者だった20代女性に性的暴行をしたとして、準強姦(ごうかん)罪に問われた韓国籍の同会牧師、卞在昌(ビョンジェチャン)被告(62)=土浦市=の論告求刑公判が4日、地裁土浦支部(神田大助裁判長)であり、検察側は「自分の性欲を満たすために被害者の純粋な信仰心を利用した卑劣極まりない犯行」と懲役7年を求刑した。判決は5月20日に言い渡される。
これに対し弁護側は「犯行がなかったことには、一点の曇りもない」と無罪を主張した。最終意見陳述で卞被告も「わいせつ行為は一切行っていない」と述べた。
起訴状によると卞被告は07年2月、つくば市の教会の寝室で女性に性的暴行を加えたとしている。
これまでの公判で女性は、同2月17日、同会施設内の牧師室で卞被告から「必要なのは信頼関係で、夫婦のような関係だ」と言われ「拒めば神様に見放される」という恐怖心から、精神的に抵抗できない状態で性的暴行を受けたと証言した。
これに対し弁護側は「卞被告は2月17日に韓国の宣教師を接待していたので、寝室で女性と一緒にいたことはありえない」と主張、この宣教師が撮影した写真や証言をもとに、卞被告には「アリバイがある」とした。これに対し検察側は写真にある日時などのデータには、改ざんの可能性があるとしている。【橋口正】
毎日新聞 2011年3月5日 地方版